脂質ダイエットによる体質改善

高タンパク質食なのに血液検査でタンパク質不足となる原因

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「タンパク質をたくさん食べているのに血液検査でタンパク質不足と言われた……」と悩んでいませんか?

 

ダイエットや健康のために糖質制限をしていると、必然的に高タンパク質食となります。ただ、肉や魚といったタンパク質が豊富な食品をいっぱい食べているにも関わらず、血液検査でタンパク質不足が指摘されるケースがあります。

 

なぜ、タンパク質をたくさん食べているのに血液検査でタンパク質不足となるのでしょうか? それには高タンパク質食がタンパク質不足を招く、明確な原因があるのです。

 

そこで今回は、「高タンパク質食なのに血液検査でタンパク質不足となる原因」について解説します。

 

高タンパク質食なのに血液検査でタンパク質不足になる原因のまとめ

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血液検査でタンパク質不足を示す数値

まず、血液検査からタンパク質不足を判断する指標について記します。

 

以下の項目が基準値以下であれば、タンパク質不足と判断されます。

  基準値 要因
総タンパク質 7.2-7.5g/dl ・タンパク質不足で低下*ただ、タンパク質不足で血液濃縮(血液がドロドロの)状態になると高値を示す
アルブミン 3.7-4.9mg/dl(4.0以上) ・食べた物を肝臓で処理して作られるタンパク質
A/G(アルブミン/グロブリン) 1.0~2.0

・グロブリンは体内で炎症が起こったときに作られるタンパク質

 

・A/G比が低いとアルブミン不足か、炎症が疑われる

γ-GTP
*AST(GOT)、ALT(GTP)など単位がU/Lであるものは全てタンパク質が原料となる酵素

20-25U/L ・タンパク質が合成されるときに作られる酵素
コリンエステラーゼ

男性322-762IU/l
女性248-663IU/l

・タンパク質が合成されるときに作られる酵素
BUN(尿素窒素) 9-21mg/dl(12以上) ・高タンパク質食、脱水、タンパク異化亢進で高値を示す・タンパク異化状態になければタンパク質摂取量の目安になる

総コレステロール
(LDLコレステロール、HDLコレステロールも含む)

130-200mg/dl(180以上)
LDL140以下
HDL40以上

・タンパク質と結合して血液中に現れる

 

高タンパク質食なのに血液検査でタンパク不足になるメカニズム

糖質制限をしていると、必然的に高タンパク質食になります。

 

ただ、中には「タンパク質をたくさん摂っているのに血液検査でタンパク質不足が指摘された」という、一見矛盾するような状態に陥っている人が存在します。こうした現象は、糖質制限+高タンパク質食によって、タンパク質がエネルギー源として利用されていることが関係しているのです。

 

エネルギーの優先順位

体を動かすためのエネルギー源は、主に糖質と脂質の2つになります。もちろん、タンパク質もエネルギー源として利用することは可能です。ただ、エネルギー源として利用される優先順位は「糖質 > 脂質 > タンパク質」になります。

 

タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚、ホルモン、酵素など、体にとって重要な臓器や物質の原料となっているため、エネルギー源として利用されにくくなっているのです

 

例えば、タンパク質をエネルギー源として使うためには、筋肉が分解されなければいけません。また、タンパク質がエネルギー源として利用されると、体の機能を調整しているホルモンや代謝に利用される酵素が作られなくなります。
*実際には、筋肉が分解されなくてもタンパク質はエネルギー源として利用できます

 

つまり、タンパク質が主なエネルギー源として使われてしまうと、体は正常な状態を保てなくなるのです。そうしたことを避けるために、体はタンパク質をできる限りエネルギー源として使わないようにしています。

 

脂肪がなくなるとタンパク質がエネルギー源として利用される

ただ、体内に糖質と脂質がなくなった場合には、タンパク質をエネルギー源として利用するようになります

 

例えば、糖質制限をしている上に脂質の摂取量も少なくなると、タンパク質を分解してエネルギーを作ります。体内にタンパク質以外のエネルギー源(糖質、脂質)がなくなるためです。

 

また、「糖質代謝」が強く脂肪の燃焼が上手くいっていない人は、脂質を十分に摂っても、タンパク質がエネルギー源として利用される可能性があります。

 

糖質代謝とは、ブドウ糖を元にエネルギーを作り出す仕組みです。それに対して、脂肪を元にエネルギーを作り出す仕組みを「脂質代謝」といいます。

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長年糖質をたくさん食べてきた人は、脂質代謝が上手くいかず、脂肪を摂ってもタンパク質が分解されやすくなります。

 

つまり、エネルギー源として脂肪は十分にあるものの、上手くエネルギーへ変換されないのです。

 

このように糖質制限をしており、なおかつ「脂質の摂取量(カロリー)が不足している」「脂質代謝が上手く行われていない」という場合には、タンパク質がエネルギー源として利用されるようになります。

 

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こうしたメカニズムの結果、高タンパク質食であるのにタンパク質不足となるのです。

 

ちなみに、糖質制限+「脂質(エネルギー)不足」もしくは「脂質代謝障害」がある場合には、LowT3症候群を呈する可能性が高いです。そして、T3にはタンパク質合成を促す作用があるため、LowT3症候群になると、さらにタンパク不足は促進されることになります。

 

<関連記事>
LowT3症候群とは?LowT3症候群の原因から症状、対処法まで全て解説

 

タンパク質摂取は糖質代謝を高める

また、糖質制限をしている中で脂肪ではなくタンパク質をたくさん摂っている人は、特に脂肪が燃焼されにくくなります。タンパク質の摂取が、糖質代謝を高める「インスリン」の分泌を促すためです。

 

インスリンとは、筋肉などが糖分をエネルギー源として利用することを促すホルモンになります。つまり、糖質代謝を高めるホルモンです。さらに、インスリンには脂肪の分解を抑える働きがあります。そのため、インスリンが分泌されるほど、脂肪の燃焼が抑えられて糖がエネルギーとして使われやすくなるのです。

 

タンパク質は、分解されると糖となってエネルギーとして利用されます。つまり、大量のタンパク質を摂取するほど、糖質代謝が高まるのです。

 

このように、大量のタンパク質摂取は糖質代謝をさらに高めます。その結果、エネルギー源としてタンパク質を利用することを促し、最終的にタンパク質不足を招くことになるのです。

 

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ちなみに、タンパク質がエネルギーとして利用されるためには、ビタミンB群(B2、B6)が必要です。そのため、ビタミンB群が不足している人は、タンパク質すらエネルギー源として使うことができません。

 

また、タンパク質をエネルギー源としている人は、ビタミンB群が不足する可能性が高いといえます。そして、こうしたケース(タンパク質がエネルギー源として利用されている)では、血液検査でAST(GOT)とALT(GPT)の両方が高くなっていることが多いです。

 

高タンパク質食(糖質制限)はグルカゴン分泌を促す可能性がある

「糖質制限をしていてインスリンの分泌が過剰になるの?」という疑問は沸かなかったでしょうか?

 

確かに、糖質制限をしていると糖質を摂取しているときよりもインスリンの分泌が少なくなるケースが多いと思います。つまり、糖質制限をしている人には、インスリンが過剰になってしまっているケースと、インスリンがさほど分泌されていないケースがあるのです。

 

ただ、インスリンの分泌が多くなくても、糖質制限をしているとタンパク質不足になる可能性があります。

 

それは、糖質制限をすると、インスリンと拮抗する作用をもつ「グルカゴン」の分泌が過剰になってしまうためです。グルカゴンとは、すい臓で作られるホルモンであり、タンパク質を分解して血糖値を高める作用をもっています

 

基本的には、血糖値を下げるインスリンと逆に血糖値を上げるグルカゴンが相互に作用することで血糖値は調整されているのです。インスリンとグルカゴンはシーソーのような関係にあり、一方が高くなるともう一方は低くなります。

 

そのため、糖質制限によってインスリン値が低くなると、グルカゴンが過度に分泌されることになるのです。

 

グルカゴンによる血糖値上昇は、肝臓に蓄積されているグリコーゲンだけではなく、タンパク質を分解することも関係しています。つまり、グルカゴンが過度に分泌されると、タンパク質不足になりかねないのです。

lowt3

このように、糖質制限ではインスリン値が高過ぎても低すぎても、タンパク質不足になる可能性があります。

 

高タンパク質食によるタンパク質不足への対処法

ここまで述べたように、LowT3症候群の原因は、脂質(エネルギー)不足と脂質代謝障害にあります。それでは、LowT3症候群に対してはどのような治療を行えば良いのでしょうか?

 

ここからはLowT3症候群の対処法について解説します。

 

タンパク質を減らして脂肪、糖質を増やす

当たり前ですが、タンパク質の摂り過ぎでタンパク質不足になっているのであれば、タンパク質の摂取量を減らすと問題は解決します。

 

ただ、注意点はカロリー不足にならないようにすることです。脂質や糖質の摂取量を増やさずにタンパク質の摂取量だけを減らすと、当然ながら総摂取カロリーが減ってしまいます。

 

そうなると、結局エネルギー不足になってタンパク質が分解されることになるのです。

 

そうしたことを避けるためにも、タンパク質を減らした分だけ脂肪や糖分の摂取量を増やすようにしてください。

 

脂質代謝を改善させる

ここまで述べたように、タンパク質不足を解消するためには、タンパク質の摂取量を減らしつつ十分なカロリーを摂取することが重要です。ただ、中には糖質制限 + 高脂質の食事で十分量のカロリーを摂取しているにも関わらず、タンパク質不足となる人も存在します。

 

そうした人のほとんどは、脂質代謝が障害されています。つまり、体内にエネルギー源となる脂肪は十分あるけれども、その脂肪を上手く活用できていないのです

 

例えば、これまでにカロリー制限や断食などのダイエット法・食事法を実践していた人には、脂質代謝が悪くなっている人が多い傾向にあります。

 

また既に述べたように、「太りやすく、痩せにくい」「体温、基礎代謝が低い」「疲れやすい」といった人は、脂肪の燃焼が上手くいっていない可能性が高いです。

 

脂質代謝が障害されている原因としては、栄養不足や運動不足、ストレス、睡眠不足などが挙げられます。これらの要因によって、脂肪を燃焼する器官である「ミトコンドリア」の働きが悪くなってしまうのです。

 

例えば、鉄が不足して脂質代謝に問題があると、どれだけ脂質を摂ってもエネルギーは作られません。ミトコンドリアで脂質をエネルギーに変換するためには鉄が必要なためです。

 

脂質代謝を高める方法については「ミトコンドリアダイエットを確実に成功させる8つのポイント」に詳しく書いています。

 

こうしたことから、十分な脂肪(カロリー)量を摂取しているにも関わらず、糖質制限をして血液検査でタンパク質不足となっている人は、脂質代謝を改善することが必須になります。

 

また、食事から十分なカロリーを摂取しているにも関わらずタンパク質不足がが解消しない人は、糖質を上手く活用するようにしましょう。

 

今回述べたように、糖質制限をしていると、タンパク質をたくさん食べても血液検査でタンパク質不足となる可能性があります。

 

糖質制限で高タンパク質食をしているのにタンパク質不足が指摘されると「こんなにタンパク質を摂っているのになぜ?」と不安になるはずです。また、どうしても「もっとタンパク質を摂らなければいけない」という思考になりやすいと思います。

 

ただ、もし高タンパク質食がタンパク質不足の原因であれば、タンパク質の量を増やすほど問題は悪化します。

 

そうしたことを避けるためにも、血液検査でタンパク質不足が指摘されたときには、正しい解釈と対処を行うことが大切です。


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