ダイエット やり方

女性ホルモンでダイエット!女性ホルモンを整えて痩せるための2つのポイント

「ダイエットをするなら、できるだけ効果的な方法で痩せたい」と思いますよね?
そんな中で、「生理周期に合わせてダイエットをすれば痩せやすい」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか? 例えば、「生理後は痩せやすいから食事制限や運動を頑張った方が良い」というのは良く聞くはずです。
しかし実際には、生理周期によってダイエット方法を変える必要はありません。わざわざ生理周期に合わせてダイエットをしなくても、女性ホルモンのバランスを整えるだけで十分なのです。
ただ、「女性ホルモンを整えるといっても、具体的にどうしたいいのかわからない……」という状況だと思います。
そこで今回は、「女性ホルモンを整えるダイエット方法」について解説します。

女性ホルモンを整えるダイエット方法のまとめ

・生理周期に伴う食欲増進や体重変動は生理的な現象である
・生理周期によって意識的に食事制限や運動量を調整する必要はない
・ただ、女性ホルモンのバランスを整えることは大切
・女性ホルモンのバランスを整えるためには、自律神経と肝臓の働きがポイント
・まずは体重増減よりも、生理周期やPMSなどを整えることを意識すべき

女性ホルモンの基本

一言で女性ホルモンといっても、女性ホルモンは「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2つに分けられます。
エストロゲンとプロゲステロンが協調して働くことで、生理周期が作られるのです。

エストロゲンとプロゲステロンとは?

エストロゲンとは、生理後~排卵(卵胞期)に主に作られる女性ホルモンです。その一方でプロゲステロンは、排卵~生理(黄体期)に作られる女性ホルモンになります。

そしてそれぞれのホルモンには、以下のような役割や特徴があります。


女性ホルモン 働き 特徴
エストロゲン ・乳管の発達、乳汁分泌の抑制
・子宮内膜の増殖、子宮筋や卵管の成長
・LDLコレステロール値の低下
・脂肪の分解が高まる
・基礎体温の低下
・血液凝固の抑制
・骨量の維持
・皮脂の分泌抑制
・性欲を増進させる
・浮腫みを軽減させる
・自律神経のバランスを整える
・気分を良くする
・肌の調子を整える
プロゲステロン ・乳腺の発育や乳汁分泌抑制
・子宮内膜の脱落や子宮筋の収縮抑制
・子宮筋の毛細血管の発達促進
・排卵の抑制
・基礎体温の上昇
・性欲を減退させる
・浮腫み、便秘、肩こりを招く
・自律神経を乱す
・気分を落ち込ませる
・肌荒れを招く(ニキビなど)


このように、生理周期やそれに伴う体調変化はエストロゲンとプロゲステロンによって作られているのです。

エストロゲンとプロゲステロンの関係性

基本的に、エストロゲンとプロゲステロンは相対的な関係にあります。
例えば、卵胞期にエストロゲンが分泌されているときは、プロゲステロンは少なくなっています。逆に、黄体期はエストロゲンが少なくプロゲステロンが多く作られるのです。
ただ、月経期はエストロゲンもプロゲステロンも少なくなっています。
生理周期に伴うエストロゲンとプロゲステロンの変動は、以下の図のようなイメージです。

このように、エストロゲンとプロゲステロンは生理周期に伴って変動しています。
女性ホルモンのバランスに関して基本的なことを理解したいのであれば「エストロゲンが不調を招く?女性ホルモンのバランスが崩れる原因と症状」を参考にしてください。

女性ホルモンとダイエットの関係性

それでは、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンは、ダイエットにどのように影響するのでしょうか? 
それぞれが体重増減に与える影響について解説します。

エストロゲンとダイエット

エストロゲンには、体重減少を促す作用があります。これが「エストロゲンが優位である生理後~排卵前(卵胞期)がダイエットに向いている」と言われている理由です。
例えば、エストロゲンが作られると脂肪の分解が促されます。また、エストロゲンには浮腫みを解消する作用もあります。こうしたことから、生理後は脂肪が減りやすく浮腫みにくいため、体重が減りやすいのです。
さらに、エストロゲンは自律神経のバランスを整えてくれるので、気分の変動も小さくなります。そのため、ダイエットにも意欲的に取り組みやすいのです。
このように、エストロゲンにはいわゆるダイエット効果があります。
ただ、エストロゲン過多になると太りやすくなるため、注意してください。

プロゲステロンとダイエット

エストロゲンとは対象的に、プロゲステロンには体重増加を促す働きがあります。
例えば、プロゲステロンは脂肪の合成を促します。また、体内に水分を溜め込ませる働きがあるため、浮腫みも強くなるのです。こうしたことから、生理前は脂肪が減りにくく浮腫みやすいため、体重が減りにくいのです。
さらに、プロゲステロンがたくさん作られると自律神経のバランスを崩れやすくなります。その結果、気分の変動が大きくなるため、ダイエットへのモチベーションも保ちにくくなるのです。
このように、プロゲステロンにはダイエットを邪魔する働きがあります。

ダイエット中に女性ホルモンを考慮すべきか?

ここまで述べた理由から、「エストロゲンは痩せホルモン」「プロゲステロンは肥満ホルモン」といわれています。つまり、「卵胞期は痩せやすく、黄体期は太りやすい」というのが一般的な考えです。
実際に、こうした生理周期を考慮したダイエット方法があります。
例えば、「生理後はエストロゲンによって痩せやすくなっているから運動を頑張る」「生理前は浮腫みやすいから、浮腫みを解消する食べ物を積極的に取り入れる」といった方法です。
それでは、本当にエストロゲンやプロゲステロンを考慮して(生理周期によって)食事制限や運動量を調整しなければいけないのでしょうか?
結論から述べると、基本的には生理周期によってやることを変える必要はありません

生理周期による体重増減は生理的な現象

確かに、生理前はプロゲステロンの影響によって体重が増えやすくなります。ただ、だからといって食欲を過剰に我慢したり、浮腫みを減らす食品を意識して摂ったりする必要はないのです。
こうした体重が増える反応は、体にとって生理的な現象であるため、わざわざ逆らおうとする必要はありません。特別なことをしなくても、生理後に体重は戻ります。
また、生理後にエストロゲンの影響で脂肪燃焼が高まっているからといって、運動を頑張り過ぎるのもおススメしません。痩せやすいからといって過剰に運動をすると、エストロゲンが増えすぎてしまいホルモンバラスが崩れがちになります。
もちろん、生理後は気分が整いやすいため、適度に体を動かすことは良いです。ただ、一生懸命頑張って運動する必要はありません。
生理前に体重が増えやすくなっているのも、生理後に体重が減りやすくなっているのも、体にとっては自然な反応なのです。
確かに、こうした生理周期を考慮したダイエット方法は、一時的な体重減少にはつながるかもしれません。ただ、最終的にホルモンバランスを崩して、体調不良やリバウンドを招く可能性があるのです。
このように、生理周期に伴う体重増減は自然な現象であるため、無理やり逆らう必要はありません。

女性ホルモンの乱れは意識すべき

そうはいっても、生理前に過剰に食欲が沸いたり、浮腫んだりするのは問題です。
生理前に、ある程度食欲が増したり、浮腫みが出たりするのは自然な現象です。しかし、過度な食欲増進や浮腫みが起こる場合はホルモンバランスが崩れている可能性があります。そして、ホルモンバランスの崩れによる過食や過度な浮腫みは解消すべきです。
例えば、「糖質制限をしている(甘いものを控えている)のに、生理前に甘いものをドカ食いしてしまう」といった場合は、ホルモンバランスが崩れてしまっている可能性が高いといえます。
ホルモンバランスが整っていれば、生理前に多少の食欲増進は起こっても、必要以上に食べ過ぎてしまうことはないのです。
こうしたことからも、ダイエット中にはホルモンバランスの乱れは意識すべきだといえます。

生理周期に合わせたダイエットよりも女性ホルモンを整えることが大切

ここまで述べたように、女性ホルモンの影響で痩せやすかったり、太りやすかったりする時期があるからといって、無理やり食事制限や運動量を調整する必要はありません。
そうではなく、ホルモンバランスを整えることが重要です。
例えば、生理周期が乱れていたり、生理が止まっていたりするのであれば、間違いなくホルモンバランスが崩れています。そうした場合には、ダイエットよりもまずはホルモンバランスを整えることが優先です。
体重を減らすことよりも、ホルモンバランスを整えることに集中した方が、結果的にダイエットで成功できるようになります。
このように、ダイエットを成功させたいのであれば、生理周期に合わせてダイエット方法を変えるのではなく、ホルモンバランスを整えるように意識しましょう。

女性ホルモンを整えて痩せる方法

それでは、女性ホルモンを整えるためには具体的にはどのようにすればいいのでしょうか?
ここからは、女性ホルモンを整える方法について解説します。

エストロゲンとプロゲステロンの調整メカニズム

女性ホルモンのバランスは、さまざまな器官が関わって調整されています。
例えば、脳(視床下部)はホルモン調整の指令塔です。エストロゲンが過剰に作られると、その情報が脳に送られてエストロゲンの合成が抑えられます。その結果、エストロゲンが過剰に作られないようになるのです。
また作られすぎたエストロゲンは、肝臓から排泄されることでも調整されます。
その他にも、女性ホルモンの原料は「副腎」と呼ばれる器官で作られます。そのため、副腎の働きが悪くなってしまうと、女性ホルモンが少なくなってしまう可能性があります。

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このように、エストロゲンとプロゲステロンは、さまざまな器官が複雑に絡み合って調整されているのです。

女性ホルモンのバランスを整えるポイント

女性ホルモンを整えるためのポイントは、主に「自律神経を整える」「肝機能を高める」の2つです。
既に述べたように、女性ホルモンの調整に関わっているのは、主に脳(視床下部)と肝臓になります。いってしまえば、多少ホルモンバランスが乱れても、脳と肝臓がしっかり働いていれば、すぐにホルモンバランスは調整されるのです。
例えば、ストレスでエストロゲンが過剰に作られたとします。このとき、脳と肝臓がしっかりと働いていれば、エストロゲンが増えてもすぐに調整されます。
その一方で、脳や肝臓などがホルモンバランスを調整できなくなっていると、ちょっとしたストレスや不摂生によってホルモンバランスが崩れて戻らなくなってしまうのです。
肝臓の働きが悪くなると、以下のようにエストロゲンが過剰に作られても排泄ができなくなります。その結果、エストロゲン過多になるのです。

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そして、脳に最も影響を与えるのが自律神経になります。ホルモンと同様に、自律神経の指令塔も脳の視床下部にあります。そのため、自律神経が乱れてしまうと、脳の働きが悪くなってしまい、結果的にホルモンバランスが崩れることになるのです。

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このように、女性ホルモンのバランスを整えるためのポイントは、自律神経と肝臓の働きを整えることにあります。

自律神経を整えてホルモンバランスを良くするポイント

一言で自律神経を整えるといっても、「○○を食べれば良い」「××をすれば良い」といった画一的な方法はありません。ストレスコントロールと睡眠、食事、運動といった生活習慣をトータルで整えなければいけないのです。
例えば、ストレス過多になると、イライラしたり、眠れなかったりするのは想像できると思います。これは、ストレスが自律神経を乱すために起こる現象です。
また睡眠不足の翌日も、イライラしたり、体が硬かったりします。これも、睡眠不足によって自律神経のバランスが崩れた結果として起こるものです。
自律神経を整える方法は、簡単にいうと「規則正しい生活を送る」ということになります。
「早寝早起き」「食べ過ぎない」「適度に体を動かす」など「一般的に健康的な生活」といわれていることを意識するのが、自律神経を整えるために最も大切です。
そのため、まずは「早寝早起き」「食べ過ぎない」「適度に体を動かす」の3つを意識するようにしましょう。
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肝臓の働きを整えてホルモンバランスを良くするポイント

肝臓の働きを整えるためには、まずは肝臓に負担をかける食品を避けることが重要になります。肝臓は体に害がある物質を解毒する働きをもっているため、体に有害な物質を取り入れるとその分だけ負担がかかるのです。
例えば、アルコールは肝臓で解毒される代表的なものになります。また、薬やサプリメントなども肝臓への負担を強めます。
その他にも、肝臓へ負担をかける食品や物質としては、以下に記すものが挙げられます。
・コーヒー(カフェイン)
・食品添加物(加工食品)
・農薬(殺虫剤など)
・重金属(水銀、鉛など)
・有害化学物質(ホルムアルデヒド、ダイオキシンなど)
・ストレス
こうしたことから、もしアルコールやサプリメント、カフェインなどを摂りすぎているのであれば、少しずつ減らすようにしましょう。
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今回述べたように、女性ホルモンをダイエットに生かすためには、生理周期によって食事制限や運動量を調整する必要はありません。わざわざ生理周期によってダイエット方法を変えなくても、女性ホルモンを整えるだけで十分です。
そして、女性ホルモンのバランスを整えるためには、自律神経と肝臓の2つがポイントになります。自律神経と肝臓の働きを良くすれば、結果的に女性ホルモンのバランスが整って痩せやすくなるのです。
そのため、ダイエットを成功させるためには、まずは体重ではなく生理周期やPMSなどの状態を整えることが大切になります。
ぜひ、自律神経と肝臓を意識することで女性ホルモンのバランスを整えて、健康的に痩せられるようにしましょう。