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生活習慣の問題で痩せない人必見!自律神経トラブルの原因を特定する方法

糖質制限を実施しても痩せない人のほとんどは「基礎代謝量(筋肉量)が低い」「生活習慣が崩れている」というどちらかの問題を抱えています。このうち、生活習慣の崩れが原因でダイエットに失敗している人は多いです。
生活習慣の崩れは自律神経の乱れを招き、肥満に関わるホルモンのバランスを悪くします。そのような状態では、どれだけ基礎代謝量が高くて厳格に糖質制限をしても、痩せないのです。
そのため、生活習慣の崩れが原因で自律神経のバランスが悪くなっている人は「具体的に何が原因で自律神経の活動が乱れているのか?」ということを突き止める必要があります。原因がわからなければ、自律神経トラブルを解消できないためです。
そこで今回は「自律神経トラブルの原因を特定する方法」について解説します。

まとめ

・背骨の状態を確認する

・不調(筋力低下など)の左右差を確認する


右側に筋力・柔軟性が低下などの不調が認められる人 左側に筋力・柔軟性が低下などの不調が認められる人
・肝臓、胆のう
・小腸
・胃
・すい臓
・脾臓
・大腸
・子宮


・生活状況と照らし合わせる


右側にトラブルを招きやすい臓器 左側にトラブルを招きやすい臓器
・肝臓
食生活:アルコール、カフェイン、サプリメント、加工食品、果物
その他:ストレス、倦怠感・疲労、両手の痺れ、右肩痛、頭痛、油っぽい肌・髪、副鼻腔炎
・胆のう
食生活:脂っこい物・糖分が多い物を食べると体がキツイ
その他:抑うつ、疲労、頭痛
・小腸
食生活:小麦(グルテン)、乳製品(カゼイン)
その他:長時間座っていると出現する腹痛・腰痛、ベルトを締めたときの不快感、浮腫み、下半身の冷え、ガス
・胃
食生活:食べ過ぎ、あまり噛まない、消化不良感
その他:ストレス、口の中が苦い、口臭、あくび、食後に起こる左側の頭痛、手を挙げての作業が辛い
・すい臓
食生活:糖質(砂糖、炭水化物の過剰摂取)
その他:夜中・空腹時の腹痛、イライラ
・脾臓
食生活:食欲不振
その他:貧血、疲労、左肩痛
・大腸
その他:便秘・痔、口臭、夕方に疲労感、膨満感、うつ伏せが辛い
・子宮
その他:強い生理痛、生理不順、坐骨神経痛

生活習慣に問題がある人の特徴

糖質制限をしても痩せない人の中には、生活習慣に問題がある人が多く存在します。生活習慣の乱れが自律神経のトラブルを招き、肥満に関わるホルモンバランスが崩れてしまうっため、痩せないのです。
例えば、ストレスや睡眠不足、食事の不摂生、運動不足などの生活習慣は、自律神経のトラブルを引き起こします。そうなると、どれだけ筋肉があって基礎代謝量が高くても、ホルモンコントロールが上手くいかなくなるため、痩せにくくなるのです。
生活習慣の乱れによって自律神経のバランスが崩れている場合には、体にさまざまな不調が出現します。
そのため、自律神経トラブルによって起こる体の特徴を理解しておくことで「自分の体に自律神経トラブルが生じているか?」ということを判断できるようになります。

背骨が硬くなる

生活習慣が乱れて自律神経のバランスが崩れると、背骨が硬くなります。これは、自律神経の司令塔が背骨の近くに存在してるためです。
自律神経の活動が乱れると、その情報が神経を介して背骨に伝わります。その結果、背骨周りの筋肉が緊張するのです。こうした自律神経の反応は、専門用語で「内臓体性反射」と呼ばれます。生活習慣が崩れると、内臓体性反射によって背中が硬くなるのです。
例えば、睡眠不足やストレスは、首から肩甲骨の高さにある筋肉を硬くします。また、食事の不摂生は肩甲骨のレベルにおける背骨の筋肉を緊張させます。
このように、自律神経のバランスが崩れると背骨が硬くなるのです。

力が入りにくくなる(筋肉量と筋出力に差がある)

ここまで述べたように、生活習慣が崩れて自律神経のバランスが悪くなると、背骨の柔軟性が低下します。自律神経の乱れが内臓体性反射を引き起こして、背骨周りの筋肉を緊張させるためです。
そして、体の中心にある背骨が硬くなると手足の力が入りにくくなります。いわゆる「筋出力低下」という状態を招き、「十分な筋肉量があるのに力が入らない」という状況になるのです。
通常、筋肉量と筋力は比例関係にあります。例えば、筋肉量が10ある場合に10の筋力が発揮できるとしたら「筋肉量が20に増えると筋力も20になる」といったイメージです。つまり、筋肉量が多くなるほど、力も強くなるのです。
ただ、自律神経のバランスが崩れており背骨が硬くなっている場合には、筋肉量と筋力が一致しなくなります
具体的には、体脂肪率から算出した筋肉量(%MV)と、立ち上がり検査によって予測される筋出力(WBI)に剥離が生じます。例えば、自律神経に問題がない状態であれば、以下のように筋肉量と筋出力は比例関係にあります。


筋肉量(%MV) 筋出力(WBI)
10 20
20 40
30 60
40 80

それが、自律神経トラブルによって背骨が硬くなると、以下のように筋出力だけ低下してしまうのです。


筋肉量(%MV) 筋出力(WBI)
10 10(-10)
20 30(-10)
30 40(-20)
40 50(-30)


このように、自律神経のバランスが崩れて背骨の柔軟性が低下すると、手足の力が入りにくくなります。
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四肢(手足)の筋肉が硬くなる

さらに、自律神経トラブルによる背骨の硬さは、手足の柔軟性低下を招きます。体の中心にある背骨が柔らかさを失うと、バランス能力が低くなって手足の緊張が高くなるのです。
人の体は、常にバランスを取りながら動いています。そして、バランス能力の中心的な役割を担っているのが背骨なのです。背骨は意識に上らない程度のバランスの崩れを感知して、それ以上バランスが崩れないように修正しています。
背骨が硬くなると、微妙なバランスの崩れに背骨が対応できなくなるため、体全体のバランス能力が悪くなるのです。人間の体は、バランス能力が悪くなると全身を緊張させて、できる限りバランスが崩れないようにします。
例えば、ツルツル滑る氷の上を歩くときに、できるだけバランスが崩れないように、体を緊張させるのはイメージできるはずです。
こうした反応が、自律神経の乱れによって背骨が硬くなったときにも生じるのです。
毎日朝から前屈をするとわかりますが、睡眠不足やアルコールを飲んだ翌日などは、いつも以上に体が硬くなっています。これは、自律神経のバランスが崩れて背骨が硬くなった結果、四肢の筋肉が緊張して起こる現象です。
このように、生活習慣が乱れて自律神経のバランスが崩れると、背骨だけでなく四肢の筋肉が硬くなります。

自律神経トラブルの原因を特定する方法

ここまで述べたように、自律神経のトラブルは背骨の硬さや四肢の筋力・柔軟性低下を招きます。ただ、これらの不調を感知して自律神経に問題があるとわかっても、適切に対処できる人は少ないです。一言で自律神経トラブルといっても、原因はさまざまであるためです。
例えば、睡眠不足であっても、精神的なストレスであっても自律神経のバランスは悪くなります。そして、自律神経トラブルの原因が何であっても、背骨の硬さや四肢の筋力・柔軟性低下といった不調は同じように出現するのです。
そのため、いくら自律神経に問題があって痩せないとわかっていても「具体的に何が原因で自律神経のバランスが崩れているのか?」ということを突き止められなければ、対処の使用がないのです。
そこで以下に、自律神経トラブルの原因を特定する方法について記します。

背中の重だるさ、痛みの部位を確認する

既に述べたように、自律神経のトラブルは背骨周囲の筋肉を緊張させます。当然、筋肉が硬くなった部位は、重だるさや痛みを感じることになります。そして、こうした重だるさや痛みが出現している場所(背骨の高さ)を確認することで、自律神経トラブルの原因が予測できるのです。
自律神経トラブルを招いている原因によって、硬くなる背骨の部位が異なるためです。
例えば、睡眠不足やストレスでは、背骨の首から肩甲骨の高さにかけて重だるさや痛みが出現します。また、食生活の不摂生が原因である場合には、その下で肩甲骨から腰辺りに重だるさや痛みが認められます。
このように、背中に現れている重だるさや痛みの部位を確認することで、自律神経トラブルの原因を絞り込むことができるのです。

背中の状態を確認する

さらに、家族やセラピストなどに背中の状態を見てもらえる機会がある人は「背骨の弯曲程度」「増毛状況」「過敏性」についても確認しましょう。重だるさや痛みと同じように、自律神経トラブルの原因によって、こうした背骨の変化が認められる部位が決まっています。
背骨の状態が変化する場所と自律神経トラブルの関係性は、先ほどの図に記した通りです。
 ・弯曲程度
既に述べたように自律神経に問題が生じると、背骨周囲にある筋肉が緊張します。背骨周りの筋肉は、背骨を真っ直ぐする働きがあります。そのため、緊張すると背骨の弯曲が小さくなるのです。
通常、背骨はS字状に弯曲しています。具体的には、以下のように首と腰部分は前弯、胸と骨盤部分後弯することで、S字の弯曲を作っているのです。

一見すると「背骨が真っ直ぐなる」ということは、背すじが伸びて良いように感じるかもしれません。しかし実際には、背骨はS字状に弯曲することで、さまざまな役割を担っているのです。
例えば、体を動かしているとき、体にはたくさんの衝撃が加わります。歩いていて地面に足を着いたときには、地面から体に向かって力(床反力)が作用します。こうした床反力を吸収しているのは、主に背骨なのです。S字状である背骨がバネのように働くことで、体に加わった衝撃を上手く分散しています。
もし背骨の弯曲がなく床反力を吸収できないと、床からの衝撃がそのまま脳に伝わることになるのです。
自律神経トラブルによって背骨の筋肉が緊張すると、こうした弯曲が小さくなってしまいます
例えば、睡眠不足によって首の筋肉が硬くなったとします。そうなると、首は前弯がなくなり真っ直ぐになってしまうのです。いわゆる「ストレートネック」と呼ばれる状態になります。また、食生活に問題がある場合には、胸部分の後弯がなくなり平坦化します。
さらに、体力や筋力が低下すると腰の前弯が小さくなります。高齢者の腰が曲がっているのは、体力(筋力)低下によって腰の反りが保てなくなっているためです。
このように、背骨の弯曲状況も、重だるさや痛みの部位と同じように自律神経トラブルの原因を推測する一つの目安になります。
 ・増毛状況
自律神経トラブルが生じると、問題が起こっている部位に毛が生えます。これは、自律神経の変化がホルモンバランスや血流の流れを変えるために起こる現象です。
「手術後の傷口の周りに毛が生えた」という体験をしたことある人は多いと思います。このことと同じように、自律神経の反射(内臓体性反射)が生じている背骨部分には、毛が生えやすいです。
例えば、ストレスや睡眠不足がある場合には、首から肩甲骨辺りに増毛が認められるケースが多いです。また腰に異常がある人の多くは、腰の一部に毛が生えています。
このように、背中の増毛状況も、自律神経トラブルの原因を推測する一つの目安になります。
 ・過敏性
自律神経トラブルが生じると、背骨の筋肉が硬くなるだけでなく、背骨自体に過敏性が生じます。過敏性とは「通常では痛みを引き起こさない程度の刺激でも痛みが出現するような状態」をいいます。つまり、軽く背中を押されるだけで痛みを感じるのです。
そのため、家族の人やセラピストに背骨を上から指で押してもらって過敏性を確認することで、自律神経の反応が生じている部位が確認できます。
例えば、肩甲骨の高さの辺りだけに強い痛みがあれば、食生活の不摂生で自律神経が乱れている可能性が高いといえます。また、より首に近い部分に過敏性が認められれば、睡眠不足やストレスが影響していることが疑われます。
このように、背骨の過敏性も、自律神経トラブルの原因を推測する一つの目安になるのです。

左右差を確認する

ここまで述べたように、自律神経のバランスが崩れていると、四肢の筋力や柔軟性が低下します。そして、実際に筋力や柔軟性を確認してみると、ほとんどの場合に左右差があります。
例えば「右足の筋力は強いのに左だけ力が入りにくい」「モモ裏のストレッチをすると、左側だけ異常に突っ張る」「前屈すると、右のモモ裏だけ痛い」といった状態です。これは、自律神経トラブルを引き起こしている原因に左右差があるために起こる現象です。
例えば、一言で食事の不摂生といっても、胃の働きが悪くなっている人もいれば、肝臓に問題が起こっている人もいます。
こうした場合、体の左側に存在する胃にトラブルが生じている人は、筋力や柔軟性の低下も左側に認められます。逆に体の右側に位置する肝臓に問題がある人は、右側に筋力や柔軟性の低下が起こるのです。
また痛みや重だるさ、増毛、過敏性なども同様に左右差があります。例えば、胃に問題がある場合には、背骨の左側に痛みや重だるさを感じやすいですし、肝臓に負担がかかっている人は、右側に痛みや重だるさが出現するのです。
このように、筋力・柔軟性低下といった自律神経の問題によって生じる不調の左右差を確認することで、自律神経トラブルの原因を予測できます。
以下に、症状の左右差から予測される自律神経トラブルの原因についてまとめます。


右側に筋力・柔軟性が低下などが認められる人 左側に筋力・柔軟性が低下などが認められる人
・肝臓、胆のう
・小腸
・胃
・すい臓
・脾臓
・大腸
・子宮

このように、筋力や柔軟性低下の左右差を確認することで、自律神経トラブルを引き起こしている原因である可能性が高い臓器を予測できるのです。
ちなみに、睡眠不足やストレス、体力低下などが原因であれば、左右のどちらにも問題が生じる可能性があります。

生活状況と照らし合わせる

ここまで述べたように、自律神経に問題が生じると、背骨の硬さや四肢の筋力・柔軟性低下など、さまざまな症状が出現します。そして、これらの不調の現れ方(背骨の痛い部位や筋力低下などの左右差)によって、自律神経トラブルの原因を特定することができるのです。
さらに、背骨の痛みが出いている部位や四肢の筋力・柔軟性低下の左右差といった不調と、実際の生活状況を照らし合わせることで、より詳細に自律神経トラブルの原因を突き止めていきます
例えば、首辺りに重だるさを感じているとします。この部位は、睡眠不足やストレスによって不調が出現しやすい部位です。そのため、睡眠不足やストレスがないかを振り返ってみましょう。もし、思い当たる節があれば、それが自律神経のバランスを崩している原因である可能性が高いです。
また、右側に筋力や柔軟性の低下が認められたとします。その場合、肝臓や胆のう、小腸に問題が生じている可能性があります。
そこで食生活を振り返り「アルコールの飲み過ぎなど、肝臓に負担をかけるような生活をしていなかったか?」「脂っこい食べ物を食べると体がだるくならないか(胆汁の分泌不足)?」「腹部の張り感はないか(小腸の問題)?」といったことを考えます。
その中で、当てはまることがあれば、それが自律神経トラブルを引き起こしている原因である可能性が高いといえます。
このように、背骨の状態や筋力、柔軟性といった身体状況と生活状況を照らし合わせることで、自律神経トラブルの原因をさらに追求できるのです。
最後に、各臓器にトラブルを起こしやすい生活習慣、トラブルが生じたときに出現する不調についてまとめます。
・右側にトラブルが生じやすい臓器


臓器 食生活 その他の特徴
肝臓 アルコール、カフェイン、サプリメント、加工食品、果物 ストレス、倦怠感・疲労、両手の痺れ、右肩痛、頭痛、油っぽい肌・髪、副鼻腔炎
胆のう 高脂質食、脂っこい物・糖分が多い物を食べると体がキツイ 抑うつ、疲労、頭痛
小腸 小麦(グルテン)、乳製品(カゼイン) 長時間座っていると出現する腹痛・腰痛、ベルトを締めたときの不快感、浮腫み、下半身の冷え、ガス


・左側にトラブルが生じやすい臓器


臓器 食生活 その他の特徴
食べ過ぎ、あまり噛まない、消化不良感 ストレス、口の中が苦い、口臭、あくび、食後に起こる左側の頭痛、手を挙げての作業が辛い
すい臓 糖質(砂糖、炭水化物の過剰摂取) 夜中・空腹時の腹痛、イライラ
脾臓 食欲不振 貧血、疲労、左肩痛
大腸 便秘・痔、口臭、夕方に疲労感、膨満感、うつ伏せが辛い
子宮 強い生理痛、生理不順、坐骨神経痛


表に挙げた食生活や生活習慣が当てはまる場合には、対応する臓器に負担がかかっている可能性があることを知っておきましょう。
今回述べたように、糖質制限をしても痩せない原因の一つとして生活習慣の崩れによる自律神経トラブルが挙げられます。そしてそうした場合には、自律神経トラブルの原因を突き止めて解消しなければ、ダイエットで成功できないのです。
以上に述べた方法を用いることで、自律神経トラブルを起こしている原因を推測できるようになります。自律神経トラブルが疑われる場合には、ぜひ一度確認するようにしましょう。