脂質ダイエットによる体質改善

糖質制限ダイエット中におやつ・間食は食べていいのか?

糖質制限ダイエットは、食事から摂取する糖質の摂取量を制限するダイエット方法です。糖質が肥満の原因であるため、できるだけ糖質の摂取を控えることで痩せるというダイエットになります。

 

基本的に糖質制限ダイエットでは、低糖質であればおやつ・間食を摂ることは問題ないとされています。糖質さえ制限していれば、太らないと考えられているためです。

 

しかし実際には、肥満の原因は糖質ではなく「インスリン」と呼ばれるホルモンです。そのため、おやつ・間食を摂る際には、糖質量だけではなくインスリン分泌へ与える影響を考慮して食品を選ぶことが大切になります。

 

そこで今回は、「糖質制限ダイエット中のおやつ・間食」について解説します。

 

糖質制限ダイエットとおやつ・間食に関するまとめ

 

・肥満の原因はインスリン抵抗性
・インスリンが大量かつ長時間分泌されるとインスリン抵抗性が生じる
・糖質以外にもインスリン分泌を促す食品はたくさんある
・間食にインスリン分泌を促す食品を摂るとインスリン抵抗性が発生しやすくなる
・おやつ、間食には糖質量だけでなくインスリン分泌へ与える影響も考慮した食品を選ばなければいけない

 

糖質制限ダイエットとは?

糖質制限ダイエットとは、簡単にいうと「糖質(炭水化物)の摂取量を減らすダイエット方法」になります。どれだけ糖質の摂取量を少なくするかは指導者によって異なりますが、糖質の摂取量を120グラム/日以下にすれば糖質制限といえます

 

一般的に、3食主食(米)を食べている人は、米だけで150グラム/日以上の糖質を摂取していることになります。そのため、他の食品も合わせると、少なくとも200グラムは1日に糖質を摂っていると考えられます。

 

それでは、なぜ糖質の摂取量を減らすとダイエット効果があるのでしょうか。まずは糖質制限ダイエットの理論について説明します。

 

糖質がインスリンを分泌させる

糖質の摂取量を制限する目的は、「インスリンの分泌を抑える」ということです。インスリンとは、「すい臓」で作られるホルモンであり、血糖値(血液中の糖分量)を下げる働きをもっています。

 

例えば、食事をすると血糖値が高くなることは、一般的に知られていることです。ただ、血糖値が高い状態(高血糖)は、体にとって好ましいことではありません。高血糖には、血管を傷つけたり、動脈を硬くしたりする作用があるためです。

 

そのため、食事によって血糖値が高くなると、体内では血糖値を下げるためにインスリンが分泌されます。

 

ただ一言で食事といっても、血糖値を上げるのは基本的に糖質(炭水化物)のみです。糖質とは、米やパン、小麦粉製品など、主食となる食品に主に含まれている栄養素になります。脂肪(脂質)やタンパク質は、ほとんど血糖値を上昇させません。

 

既に述べたように、インスリンが分泌されるのは血糖値が高くなったときのみです。そのため、基本的には食事の中でも糖質がインスリンの分泌を促すといえます。タンパク質もインスリンを分泌させますが、糖質ほどではありません。

 

インスリンの働き

糖質の摂取によって分泌が促されるインスリンは、一般的に血糖値を落ち着かせるホルモンとして認識されています。

 

例えば、糖尿病の人はインスリン注射を打っています。これは、すい臓の働きが悪くなってインスリンが作られにくくなるため、体外からインスリンを入れることで血糖値が上がり過ぎないようにしているのです。

 

このように、インスリンは「血糖値を下げる」という働きばかりが注目されがちです。しかし実際には、インスリンの主な作用は「脂肪を蓄積させる」というものになります。

 

インスリンは、体内でエネルギー源として利用されずに余った糖分や脂肪、タンパク質を体脂肪に変えて蓄積する作用をもっているのです。つまり、インスリンが分泌されるほど体には脂肪が付きやすくなり、体重が増えやすくなるといえます

 

インスリンには、血糖値を下げるだけでなく「脂肪の蓄積を促す」という働きがあるのです。

 

糖質を摂らなければ太らない

ここまで述べたように、インスリンには脂肪を蓄積させる作用があります。そのため、インスリンは肥満ホルモンとも呼ばれ、肥満を招く主な原因だと考えられています。

 

基本的に、インスリンは血糖値が上がったときに分泌が促されます。既に述べたように、血糖値を上昇させる栄養素は主に糖質です。つまり、糖質が肥満の原因であるインスリンの分泌を促すのです。

 

糖質とインスリン、肥満の関係性を簡単に説明すると、以下のようになります。

 

 

先にも述べたように、基本的に血糖値を上げるのは糖質のみであるため、インスリンの分泌を促すのも主に糖質だといえます。そのため、糖質を摂らなければ、インスリンが過剰に分泌されることはないため太らなくなるのです。

 

これが、糖質制限によるダイエットの理論になります。

 

糖質制限ダイエットの理論に基づくおやつ・間食

糖質制限ダイエットは、糖質の摂取量を制限することで、肥満の原因であるインスリンの分泌を抑えて痩せるダイエット方法です。そして、糖質の摂取さえ控えていれば、その他の栄養素は基本的に食べる量に制限はありません。

 

つまり、糖質さえ含まれていなければ、おやつや間食を食べても問題ないということです。

 

糖質以外であれば問題ない

糖質制限ダイエットでは、血糖値を上げない食品であれば、いくら食べても問題ありません。これは、おやつや間食に関しても同様です。

 

例えば、ケーキや菓子パン、クッキーなど、甘いお菓子は大量に糖質を含んでいるため、食べてはいけません。他にも、甘くなくてもせんべいなどの米を原料に作られているお菓子や、トウモロコシなどの炭水化物を揚げて作られているスナック菓子も、糖質量が高いため避けなければいけません。

 

ただ糖質制限ダイエットでは、こうした糖質が豊富に含まれている食品さえ避ければ食べる量に制限はありません。

 

カロリー制限ダイエットなどでは、とにかく食べる量を抑えなければいけません。その一方で糖質制限ダイエットであれば、糖質が少ない食品であれば、おやつや間食をしても問題ないのです。

 

脂質・タンパク質が豊富な食品を食べる

糖質制限ダイエット中に食べても良いおやつや間食は、糖質ではなく脂質やタンパク質が豊富に含まれている食品になります。

 

例えば、チーズや無糖ヨーグルト、卵、生クリームなどは、糖質があまり含まれておらず、脂質やタンパク質が豊富な食品です。そのため、糖質制限中の間食としても勧められやすい食品になります。

 

糖質制限ダイエットでは、カロリー制限のように「こんにゃく製品」「豆腐」「果物」といった低カロリー食品を意識する必要はありません。チーズやヨーグルトなどの乳製品は、基本的に高カロリーであるため、カロリー制限をしている人にとっては避けがちな食品です。

 

その一方で糖質制限ダイエットは、低糖質の食品であれば、どれだけカロリーが高くても間食として摂っても問題ないとされています。

 

基本的には、脂質・タンパク質が豊富な食品であれば、糖質の含有量は少ないです。そのため、糖質制限ダイエット中にお腹が空いたときには、脂質・タンパク質が多く含まれている食品を食べるように勧められます。

 

糖質制限ダイエットにおけるおやつ・間食の影響

ここまで述べたように糖質制限ダイエットは、「糖質が血糖値を上昇させて肥満の原因であるインスリンの分泌を促すため、糖質の摂取さえ避ければ太らない」という理論で成り立っています。

 

つまり、糖質のみが肥満の原因であると考えられているのです。

 

確かに、主に血糖値を上昇させるのは糖質になります。ただ、直接的な肥満の原因は血糖値の上昇ではなくインスリンです。そのため、ダイエットを成功させるためには、血糖値の変動ではなく、インスリンの分泌に着目しなければいけないのです。

 

インスリンは糖質以外も分泌させる

糖質制限ダイエットの理論によれば、血糖値を上昇させる栄養は糖質のみであるため、インスリンの分泌を促すのも糖質だけとされています。しかし実際には、糖質以外の栄養素でもインスリンの分泌を促すのです

 

特に、タンパク質はインスリンを分泌させる栄養素になります。中でも、チーズや生クリーム、牛乳といった乳製品は、インスリンの分泌を促しやすい食品です。

 

これらの食品は、確かに血糖値を大きく上昇させることはありません。ただ既に述べたように、肥満の発症に直接的に影響しているのは血糖値ではなくインスリンです。つまり、いくら血糖値を上げないといっても、インスリンを分泌させる食品は肥満の原因となるのです。

 

このように、肥満の原因はインスリンであり、血糖値の上昇とインスリンの分泌量は必ずしも一致しないということを理解しておく必要があります。

 

インスリン抵抗性について

体内でインスリンが大量に作られると、インスリンの脂肪蓄積作用によって、体重はどんどん増えていくことになります。そのため、インスリンの分泌を促す食品を食べるほど、ダイエットは上手くいきません。

 

そして、ダイエットを成功させるために必ず理解しておかなければいけない病態の一つに「インスリン抵抗性」が挙げられます。

 

インスリン抵抗性とは、簡単にいうと「インスリンが効きにくい状態」です。既に述べたように、インスリンは血糖値を下げたり、脂肪を蓄積させたりする作用をもっています。これは、インスリンが肝臓や筋肉、脂肪に働きかけることで起こる作用です。

 

例えば、食事で摂った糖分が腸から吸収された後には、糖分は肝臓を経由して血液中に送られます。このとき、インスリンが肝臓に作用すると糖が肝臓に吸収されて、糖分が血液中に過剰に送られることを防ぎます。

 

つまり、インスリンによって血糖値が上がり過ぎないように調整させるのです。

 

また血液中に入った糖分は、筋肉に取り込まれてエネルギー源として利用されます。さらに、それでも余った糖は脂肪細胞に取り込まれて脂肪に変わって蓄積されるのです。このときにも、インスリンが作用して、初めて筋肉や脂肪へ糖分が取り込まれます。

 

インスリン抵抗性とは、こうした肝臓や筋肉、脂肪細胞への糖の取り込みが悪くなっている状態です。

 

 

肥満の原因はインスリン抵抗性

インスリン抵抗性が生じると、血液中から筋肉や脂肪に糖分が取り込まれにくくなります。その結果、血糖値は高い値を維持されるようになるのです。

 

血糖値が高くなると、体はどうにかして血糖値を下げようとしてインスリンをどんどん分泌させます。つまり、インスリン抵抗性が生じると「インスリン抵抗性 → 高血糖 → インスリン過剰分泌」という状態になるのです

 

そして、インスリン抵抗性は肝臓や筋肉で優先的に起こります。脂肪細胞では、脂肪が溜め込まれ過ぎて「これ以上脂肪細胞の中に脂肪が入らない」という状態になって、初めてインスリン抵抗性が生じるのです。

 

簡単に言うと、「肝臓や筋肉でインスリン抵抗性が生じる → 血糖値が高くなる → インスリン分泌量が増える → 脂肪細胞に血糖・脂肪が取り込まれる → 肥満 → 脂肪細胞でインスリン抵抗性が生じる」ということになります。

 

このように、肥満の原因には肝臓や筋肉におけるインスリン抵抗性が潜んでいるのです。

 

<関連記事>
なかなか痩せない原因について解説:インスリン抵抗性の解消法

 

インスリン抵抗性の原因

インスリン抵抗性の発生には、主に「インスリンの暴露量」「インスリンの暴露時間」の2つが関与しています。

 

例えば、糖質がたくさん含まれている食品を食べると、大量のインスリンが分泌されるため、インスリンの暴露量は高くなります。ただ、インスリン抵抗性はインスリンの暴露量だけでは起こりにくいのです。

 

インスリンの暴露量に加えて、インスリンの暴露時間が長くなると、インスリン抵抗性が生じることになります

 

例えば、朝、昼、夜と1日3回の食事を摂っていたとします。この場合、全ての食事で糖質が含まれる食品を摂ったとすると、インスリンの分泌は以下のようになります。

 

食後数時間はインスリンに暴露されている状態になりますが、食間でインスリンに暴露されていない時間が作られます。この状態であれば、一時的なインスリンの暴露量は高いかもしれませんが、暴露時間が短いためインスリン抵抗性は発生しにくいです。

 

その一方で、3食の食事に加えて間食を摂った場合には、インスリンの分泌は以下のようになります。

見てわかるように、3食しか摂らない場合と比較すると、間食をしたときには体が長時間インスリンに暴露されることになるのです。

 

インスリン抵抗性は、このように長時間インスリンが分泌されているような状態であるときに発生します。筋肉や肝臓がインスリンに慣れてしまって、作用しにくくなるためです。

 

つまり、インスリン抵抗性は「高糖質食」「チョコチョコ食べ」によってインスリン暴露量とインスリン暴露時間が増えることで、インスリンに対する慣れが起こってしまうことが原因だといえます。

 

このように、肥満の原因であるインスリン抵抗性は、高糖質食と間食によって作られるのです。

 

間食はインスリン分泌を促しにくい食品を選ぶ

糖質制限ダイエットでは、高糖質の食品を避ければ間食はしても問題ないとされています。ただ既に述べたように、肥満の原因はインスリン抵抗性であり、インスリン抵抗性は糖質の摂取量ではなく、インスリンの分泌量と分泌時間です。

 

そして、糖質ではなく乳製品などのタンパク質が豊富な食品はインスリンの分泌を促します。

 

つまり、どれだけ低糖質な食品であっても、インスリンを分泌させる乳製品などを間食として食べてしまうと、インスリン抵抗性を発生させてしまう可能性があるのです

 

糖質制限ダイエットをしてもやせない人には、糖質だけを避けることを意識して、気付かずにインスリンの分泌を促す食品をたくさん食べてしまっている人が多い傾向にあります。

 

例えば糖質制限ダイエットでは、チーズは食べても太らない食品に分類されています。ただ、既に述べたようにチーズは血糖値は上げないものの、インスリンの分泌は促します。そのため、チーズを間食としてチョコチョコ食べていると、インスリンの暴露時間が長くなってしまうのです。

 

その結果、インスリン抵抗性が改善しないため、糖質制限をしているのに体重が減らないという事態になってしまいます。

 

このように、糖質制限ダイエット中におやつや間食を摂る際には、低糖質だけではなくインスリンの分泌を考慮した食品を選ぶようにしましょう。インスリンを大量に分泌させない食品であれば、糖質制限ダイエット中に摂っても問題ありません

 

糖質制限ダイエット中におススメのおやつ・間食

糖質制限ダイエット中は、インスリン抵抗性を防ぐためにできるだけ間食は避けるべきです。ただ、間食を我慢することがストレスとなってしまうと太りやすくなります。そうしたことを避けるためにも、糖質制限ダイエット中はおやつとして食べる食品を選別することが大切です。

 

個人的には、アーモンドやクルミ、カシューナッツなどのナッツ類は、糖質制限ダイエット中のおやつとしておススメしています。

 

ナッツ類は糖質量も低い上に、インスリンの分泌量も多くありません。また持ち運びが容易であるため、忙しい人でも間食として利用できます。

 

他にも、チーズや無糖ヨーグルト、バター、生クリームなどの乳製品もおススメです。ただ、チーズと生クリームには依存性があるため「必要以上に食べ過ぎてしまう」という注意点があります。

 

また乳製品は、少量であればインスリンの分泌量は多くありません。しかし、大量に食べてしまうとインスリンをたくさん分泌させる原因となるため、食べる量も意識する必要があります。

 

このように、ナッツ類や乳製品は糖質制限ダイエット中のおやつ・間食としておススメです。そうはいっても、どちらも食べる量には注意するようにしましょう。

 

以下に、糖質制限ダイエット中におススメのおやつについてまとめます。

 

・ナッツ類(アーモンド、くるみ、カシューナッツ)
・乳製品(チーズ、無糖ヨーグルト、バター、生クリーム)
・干物(スルメなど)
・卵(ゆで卵など)
・果物(イチゴやブルーベリー、サクランボなどのベリー類)

 

<関連記事>
ダイエット中の間食する食品を選ぶ基準:GI値、食物インスリン指数

 

今回述べたように、糖質制限ダイエット中のおやつ・間食は、糖質だけではなく、インスリン分泌に与える影響を考慮しなければいけません。これまで糖質制限ダイエットを実施しても痩せなかった人は、間食を見直すことでダイエットが成功しやすくなるはずです。

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