ダイエット 糖質制限

糖質制限ダイエット実践者必見!糖質の正しい摂り方

糖質制限は、ダイエットだけでなく健康のためにも有効な食事法になります。血糖値の変動を最小限にすることで、自律神経とホルモンの崩れを防げるためです。
ただ、適正な体重や健康な状態を維持するために、厳格な糖質制限は必要ありません。むしろ、あまりに厳しい糖質制限をしてしまったばかりに、糖質を摂ることが恐くなって摂食障害になっている人もいるのです。
そうしたことを避けるためにも、糖質制限で起こりえる問題や糖質制限の目的、糖質の摂り方などについて理解しておくことが重要になります。
こうした知識を持っていれば、糖質制限が原因で摂食障害に陥るのを防げるようになるはずです。
そこで今回は、「糖質制限実践者における糖質との付き合い方」について解説します。

まとめ

・目的や状況に応じて糖質制限の段階(糖質摂取量)は変えるべき
・厳格な糖質制限は「糖質恐怖症(オルトレキシア)」を招く可能性がある
・糖質制限の目的は体重を減らすことではない
・糖質依存を抜けるためには、ある程度厳しい糖質制限が有効
・糖質制限の目的はホルモンと自律神経のバランスを整えること
・適量の糖質で体調を崩したり、体重が増えたりするのは異常
・糖質の摂り方を工夫すれば、糖質の弊害を防ぎながら糖質を摂取できる

糖質制限の段階

一言で糖質制限といっても、1食や1日の糖質摂取量によって大きく3段階に分類されます。大まかな目安ですが、糖質制限は1日の糖質摂取量によって「60グラム以下」「120グラム以下」「180グラム以下」の3つに分けることができます。

糖質60グラム/日以下

糖質の摂取量が1日60グラム以下の糖質制限は、かなり厳しい糖質制限です。具体的には「3食とも主食を抜く、もしくは低糖質食品にする」という糖質制限方法になります。
例えば、白米のご飯を茶碗一般(150グラム)には糖質が約55グラム含まれています。当然、1日の食事が白米だけという人はほとんどいません。そして、糖質5グラム程度は気付かない間に摂ってしまう糖質量です。
そのため、1日の糖質摂取量を60グラム以下に抑えたいのであれば、基本的には主食を食べないようにしなければいけません
ここまで糖質の摂取量を制限するのは、ある程度の覚悟がなければ難しいです。ただ、甘いもの依存の解消やダイエット初期で体重を大きく落としたい場合には、これくらい厳しい糖質制限が有効になります。
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糖質120グラム/日以下

一般的に、1日の糖質量が120グラム以下であれば糖質制限食といえます。
日本では、全摂取カロリーの約60パーセントを糖質(炭水化物)で摂ることが推奨されています。仮に1日の総摂取カロリーが1800キロカロリーであったとすると、総摂取カロリーの60パーセントが糖質であると、1080キロカロリーを糖質から摂ることになります。
炭水化物は、1グラムあたり4キロカロリーです。そのため、炭水化物で1080キロカロリーを摂るのであれば、炭水化物を約270グラム(1080÷4)摂ることになります
日本で推奨されている糖質摂取量は約250グラムです。
糖質の摂取量が1日120グラム以下ということは、推奨されている糖質摂取量の半分以下です。具体的には、3回の食事のうち「2回主食を抜く、もしくは低糖質食品にする」とすれば、1日の糖質摂取量を120グラム以下に抑えられます。
糖質依存がなくなり、ある程度体重が落ちてきた後には、これくらいの糖質制限でも問題ないでしょう。

糖質180グラム/日以下

糖質の摂取量を1日に180グラム以下にすれば、かなり緩い糖質制限になります。だいたい1日の糖質摂取量の目安は250グラムとされているので、180グラム以下でも糖質を気にせずに摂っている人と比較すると、糖質の摂取量は少ないです。
「1食主食を抜く、もしくは低糖質食品にする」とすれば、糖質を180グラム以下に抑えられます。
糖質制限に抵抗がある人や糖質制限をすると体調が悪くなる人は、これくらいの糖質制限から始めると良いでしょう。ただ、私は180グラムの糖質は多すぎるため、できれば120グラム以内に抑えれるようにした方が良いと考えています。

糖質制限で起こりえる問題

健康的に痩せるためには、糖質の摂取量を減らすことが必要不可欠になります。糖質は肥満の原因となるホルモンである「インスリン」の分泌を促しやすいためです。
ほとんどの人は糖質を摂りすぎています。そのため、糖質の摂取量を制限すればインスリンの分泌が抑えられて、体重が増えにくくなるのです。また、糖質制限を実施すれば血糖値が急激に上がらなくなることで、さまざまな健康問題を防ぐことにつながります。
糖質の弊害については「糖質が体に与える影響:インスリン過剰分泌、糖化」を参考にしてください。
ただ、糖質制限にはメリットだけでなくデメリットもあります。そして、その影響は身体面だけではなく心理面にまで及びます。

糖質恐怖症になる

糖質制限をしている人には、「糖質恐怖症」になってしまっている人がたくさんいます。糖質恐怖症とは、簡単に言うと「糖質を摂ることが恐くなって、過剰に糖質を避けてしまう」という状態です。特に、「糖質を摂ると太る」と考えて糖質恐怖症に陥ってしまっている人は多いです。
例えば、米やパンなどの主食はもちろんのこと、おかずに含まれているニンジンといった根菜類を気にします。そして、病院などを受診して「糖質を少し摂った方が良い」と指導されても、恐くて糖質が摂れないのです。
確かに、糖質の過剰摂取は問題ですし、糖質をほとんど摂らないことで不調が改善した人はたくさん存在します。ただ、中には糖質を摂らないいけない状態の人がいるのも事実です。
そうした中で「糖質が恐くて食べれない」というのは、間違った糖質制限方法が広がったことで生まれた新たな摂食障害だといえます。

オルトレキシアとは

このように、健康やダイエットを意識するばかりに特定の食品を食べられなくなった状態を「オルトレキシア」といいます。
オルトレキシアとは、簡単にいうと「特定の食品が体に悪いという思い込みから生じる一種の強迫観念」になります。糖質恐怖症もオルトレキシアだといえます。糖質制限によってオルトレキシアに陥る人のほとんどは、「糖質 = 太る」という思考が原因です。
最初は健康のために糖質を控えていたのが、いつの間にか強迫観念によって糖質を避けるようになってしまうのです。
そうなると、健康やダイエットどころではなくなります。そうしたことを避けるためにも、糖質制限に限らず、何かしらの健康法やダイエット法に取り組む際には、こうしたオルトレキシアという病態の存在を理解しておくことが大切です。

糖質制限をすることで不健康になる

厳格な糖質制限を実施しても、ほとんど問題なく生活できる人はたくさんいます。ただ、中にはあまりに厳しい糖質制限が原因で体調を崩す人もいるのです。
例えば、赤血球や脳が活動するためには、エネルギー源として糖分が必要になります。脳は、糖質以外にも脂肪から作られる「ケトン体」という物質を元にエネルギーを産出できますが、赤血球は糖質のみからしかエネルギーを生み出せません。
糖質制限をする場合、食事から糖分を摂取しないため、赤血球や脳(脳は一部糖質に依存)に必要な糖分(ブドウ糖)を、体内で作り出さなければいけないのです。
赤血球や脳に必要なブドウ糖を作り出す仕組みを「糖新生」といいます。糖新生は、タンパク質や脂質を元に肝臓でブドウ糖を合成するシステムです。糖新生が働いているから、糖質制限によって食事からの糖分摂取を断っても低血糖にならないのです。
当然ながら、糖新生に問題がある人は、体内で作り出せない分の糖質は食事から摂取する必要があります。赤血球や脳が活動するためのエネルギー源を算出できないためです。
例えば、「脂肪肝」などで肝機能が低下している人は、糖新生が上手く起こらない可能性が高いです。また、「副腎疲労症候群」と呼ばれる状態にある人も、糖新生によって十分なブドウ糖が作られません。
そのため、こうした状態の人が厳格な糖質制限をすると低血糖(血糖値が過度に低くなった状態)に陥ってしまうのです。低血糖になると、糖からしかエネルギーを作り出せない赤血球や脳に問題が生じます。
このように、糖質制限をする前には「厳格な糖質制限をしてはいけない場合がある」ということを理解しておきましょう。
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糖質制限の目的

それではここで、糖質制限を実施する目的について改めて考えてみましょう。
糖質制限によって糖質恐怖症に陥る人のほとんどは、「糖質制限 = 痩せるための方法」という思考をもっています。また、「糖質制限をしなければ太る」という間違った考えに支配されている傾向にあります。
そうしたことを避けるためにも、糖質制限の目的について正しく認識しておくことが大切です。

自律神経・ホルモンバランスを整える

私が糖質制限を推奨する一番の目的は「糖質の摂取量を減らせば、自律神経とホルモンのバランスが整いやすくなる」ということです。
多くの病気には、自律神経とホルモンのバランス乱れが関係しています。そのため、自律神経とホルモンのバランスを整える生活習慣を意識することが、病気の予防や改善には必要不可欠なのです。
また体重の増減も、自律神経とホルモンがコントロールしています。一般的には、体重の増減は摂取カロリーと消費カロリーによって変動すると考えられています。しかし、実際に体重をコントロールしているのは自律神経とホルモンです。
つまり、健康的に減量をしたいのであれば、自律神経とホルモンのバランスを整えることが必要不可欠になるのです。
糖質を過剰摂取していると、自律神経とホルモンのバランスを大きく崩すことにつながります。
糖質を摂取すると、血糖値は上がります。当然ながら、大量に糖質を摂ると血糖値はその分だけ急上昇します。血糖値が高い状態は体にとって好ましい状態ではありません。
そのため、糖質の過剰摂取によって血糖値が急上昇すると、体内では自律神経とホルモンの作用によって血糖値が急激に下げられるのです。想像できると思いますが、血糖値の変動幅が大きいほど、自律神経とホルモンは一生懸命血糖値を調整しなければいけないため、負担がかかります。
逆に血糖値の変動が小さければ、自律神経やホルモンは働く必要がなくなります。つまり、自律神経やホルモンが乱れにくくなるのです。
例えば、食後に血糖値が140mg/dlまで上がる人と、100mg/dlまでしか上昇しない人では、自律神経とホルモンにかかる負担は全く異なります。血糖値の変動幅による自律神経とホルモンへの影響の違いは、以下のようなイメージになります。

これだけ血糖値の変動が大きいと、自律神経とホルモンには過剰な負担がかかります。そして、糖質の過剰摂取によってこうした血糖値の乱降下を繰り返し起こしていると、結果的に自律神経とホルモンのバランスが崩れることになるのです
その一方で糖質制限をしている場合には、血糖値の変動は小さくなるため、自律神経とホルモンのバランスも乱れにくくなります。
このように、糖質制限の一番の目的は「血糖値の変動を小さくして、自律神経とホルモンのバランスが崩れないようにする」ということであるのを理解しておいてください。

糖質依存からの脱却

甘いものが好きだった人は想像できると思いますが、糖質には強い依存性があります。糖質制限を実施する目的の一つとして、「糖質依存を抜ける」ということが挙げられます。
何事でもそうですが、依存状態を抜けるためには一度依存しているものを断つことが必要不可欠です。
特に糖質依存の場合には、糖質の過剰摂取によって招く栄養不良が糖質への依存状態を作りだしているケースがほとんどになります。そのため、糖質依存を抜けるためには厳格な糖質制限が必要不可欠なのです。
糖質制限をした上で十分な栄養を補給することで、糖質依存を抜け出せるようになります。

依存なく適度な糖質を摂れるようになる

糖質制限をすると、ほとんどの人は体重が減ったり、体調が良くなったりします。そのため、糖質自体が肥満や体調不良の原因と考えがちです。
確かに、糖質を摂り過ぎると太ったり、体調不良になったりしやすくなります。ただ、糖質は過剰摂取しなければ、適度に摂っても体重が増えたり、体調が崩れたりする原因にはなりません。
例えば、糖質の摂取量を1日120グラム以内に抑えていたとします。これは、厳格な糖質制限をしている人からすると、かなりの糖質量を摂取していることになります。ただ、1日に糖質を120グラム前後摂ったことが原因で肥満になるのは異常です。
既に述べたように、体重の増減は自律神経とホルモンがコントロールしています。もともと自律神経とホルモンのバランスが整っていれば、ある程度糖質を摂っても体重が大きく増えることはないのです。
1日120グラム前後の糖質量くらいで自律神経とホルモンのバランスが崩れてしまうのは、健康的な状態だとはいえません。
さらに、厳格に糖質制限をしている人の中には、わずかな糖質で体調が悪くなる人がいます。また既に述べたように、太ることを気にして糖質恐怖症になり、全く食べられない人も少なくありません。
このような、完全に糖質を避けなければ体重や健康が維持できない状態は異常です。当然、そこまでの状態になると、普通に生活することが難しくなります。
例えば、「旅行先で食べるものがない」「友人とランチに行けない」「結婚式などで食べるものがない」といった生活を送らなければいけなくなるのです。もちろん、糖尿病や癌などの治療で糖質制限をしている人は、ここまで厳格にしなければいけないかもしれません
ただ、健康維持やダイエット目的である場合には、そうした生活を一生続けるのは難しいですし、お勧めしません。
そのため、糖質依存を抜け出した後には、依存しない程度に適度な糖質を摂っても体調や体重を崩すことないような状態になることが大切です。

糖質制限後における糖質の摂り方

ここまで述べたように、健康な状態であれば、糖質をある程度摂取しても体重や体調が崩れないのが普通です。そのため、糖質依存を抜け出すために厳格な糖質制限をした後には、適度に糖質を摂取していけるようになることも大切になります。
ただ糖質制限を実施している人の中には、「また太ってしまうのではないか?」「また依存してしまうのではないか?」と考えて、なかなか糖質を摂れない人は多いです。
糖質恐怖症(オルトレキシア)まではなっていないものの、糖質の摂取に踏み出せないのです。
糖質は、摂り方さえ工夫すれば糖質の害を避けながら摂取することができます。そこでここからは、糖質制限後における糖質の摂り方について解説します。

糖質を摂取する量

まず糖質摂取を再開する際に気にすべきことは、糖質の摂取量です。糖質を摂って良いといっても、過剰な糖質摂取は自律神経とホルモンのバランスを崩す原因になるため避けるべきです。
ただ、「どれくらいの糖質摂取量が自律神経やホルモンのバランスを乱すか?」ということは、人によって異なります。糖質摂取量に対する血糖値の上昇は、それぞれで違うためです。
通常、健康な人であれば糖質1グラムに対して1mg/dl程度血糖値が上がります。しかし、厳格な糖質制限をしていた人は、3日くらいは血糖値が上がりやすくなっているため、想像以上に血糖値が急上昇する可能性が高いです。
数日間糖質を摂取すれば、血糖値の急上昇は落ち着くため心配は要りませんが、血糖値が上がりすぎると体調を崩しかねません。そうなると、「やっぱり私は糖質を摂ってはいけないのだ……」となってしまいがちです。
そうしたことを避けるためにも、最初は1回で30グラムを目安に摂取するように私は指導しています。その後は、徐々に体調を確認しながら増やしていけば良いです。
ただ、基本的に1日の糖質摂取量は多くても100~120グラム以内を勧めています(もちろん、個人によって適量は異なるため、あくまで上限の目安です)。
これくらいの糖質摂取量であれば、体重が増えすぎることも血糖値が大きく変動することもなく、適度に糖質を摂取できるはずです。

糖質を摂取するタイミング

また、糖質を摂取するタイミングを迷う人は多いと思います。「糖質を摂り始めるなら、朝食と昼食、夕食のどのタイミングで糖質を摂ったら良いのか?」という悩みです。
これに対する答えは、それぞれのタイミングで糖質を摂ることにメリット・デメリットがあるため、「人によって異なる」というのが実際です。
そこで以下に、朝食と昼食、夕食の糖質摂取について解説します。
 ・朝食の糖質
例えば、朝食で糖質を摂らないと昼前に低血糖を起こすという人は、朝食で糖質を摂るべきだといえます。
ただ、逆に朝食に糖質を摂りすぎて、血糖値が大きく変動してしまい、昼食前に低血糖状態になってしまう人もいます。朝の時点で血糖値の乱降下を起こしてしまうと、一日中血糖値が安定しなくなってしまいます
そのため、朝食で糖質を摂ろうと考えている人は、糖質を摂った日とそうでない日の昼食前の体調を確認して調整すると良いです。
 ・昼食の糖質
昼食であれば、昼に糖質を摂った後の眠気などを指標にすると良いでしょう。昼に糖質を摂って眠気が強くなる人は、昼食では糖質を摂らないようにすればいいです。
その一方で、昼過ぎから夕方にかけて低血糖を起こしやすい状態にある人は昼食で適度に糖質を摂ると、低血糖を予防できます。
ただ、昼過ぎから夕方にかけては血糖値が乱れやすくなります。そのため、昼に糖質を摂っても15時過ぎに低血糖となってしまう人も多いです。特に、副腎疲労症候群である人は、夕方に低血糖を起こしやすい傾向にあります。
昼食で糖質を摂ると夕方に低血糖を起こす人は、昼食ではなく低血糖を起こしやすい時間の1時間前くらいに糖分を摂ると良いでしょう。もちろんこのときは、お菓子やパンなどの血糖値を急上昇させやすい食品ではなく、ナッツなどを選ぶようにしましょう。
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 ・夕食の糖質
夕食で糖質を摂ることには「睡眠の質を高める効果がある」といわれています。ただ、夕食に糖質を摂って血糖値の乱降下が起こると、逆に睡眠の質は下がります。
夕食で血糖値が大きく変動してしまう人は、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。
・悪夢を見る
・夜中に異常な空腹で目覚める
・歯ぎしりをする(起床時に顎が疲れている)
・朝の目覚めがすっきりしない
・睡眠の質が下がるため、日中に強い眠気が生じる
そのため、夕食で糖質を摂ると以上に挙げた問題が起こる人は、夜には糖質を摂らないようにした方が良いといえます。
このように、糖質を摂るタイミングは人によって異なります。
以上に挙げた注意点を頭に入れた上で、体調の変化を確認しながら糖質摂取のタイミングを調整しましょう。ちなみに、私は夜に米を食べることが多いです。

糖質を摂取する順番

既に述べたように、糖質摂取で一番問題になるのは血糖値が急激に上昇することにあります。血糖値の急上昇が自律神経とホルモンのバランスを崩すためです。ただ、糖質を摂取する際に食べる順番を工夫すれば、血糖値の上昇を抑えることはできます。
具体的には、脂質やタンパク質、食物繊維を摂った後に糖質を摂るようにすれば、糖分の吸収が緩やかになって血糖値が急上昇しにくくなります。
例えば私であれば、最初にメインの肉や魚料理、その後に副菜、汁物と続いて最後に米を食べます。
このように、糖質が多い食品を最後に食べるようにすれば、血糖値が急に上がることを防げるのです。

摂取する糖質の種類

糖質を摂るときには、糖質の種類にも注意すると良いでしょう。一言で糖質といっても、糖質を多く含む食品はさまざまです。
例えば、私は砂糖や小麦粉はできるだけ避けるようにしています。血糖値を急激に上げやすいだけでなく、小麦粉には「グルテン」の問題もあるためです。実際に、私は米よりパンを食べた方が血糖値は急に上がりますし、食べた後に体調が崩れやすいです。
そのため、私は米で糖質を摂るようにしています。
また米といっても、白米と玄米では血糖値の上がり方が違います。白米よりも玄米の方が血糖値の上がり方は緩やかです。
同じように、イモ類などの糖質だけではなく繊維質が多い野菜も良いでしょう。ただ、糖質が多いサツマイモなどは、経験的にも血糖値が急激に上がりやすい傾向にあります。
そうしたときには、バターを塗るなど脂質が多い食品と一緒に摂ると、血糖値の急上昇を抑えられる可能性が高いです。
このように、糖質の種類や一緒に食べるものを工夫することで、糖質の害を抑えられるようになります。

その他の工夫

食べ方だけでなく、食後の行動を工夫することでも、糖質が体に及ぼす弊害を避けられます。
例えば、食後に運動を実施すれば、血糖値の上昇は緩やかになります。ただ、当然ながら食後に激しい運動をすると、食べた物が消化されにくくなるため注意が必要です。
私であれば、軽いスクワットや踵上げの運動、ウォーキングなどをおススメします。この程度の運動であれば、消化を妨げることなく実施できるはずです。またスクワットや踵上げ運同程度であれば、その場で実施できます。
こうしたことからも、食後に30分程度運動できるタイミングで糖質を摂るのも良いといえます。
今回述べたように、糖質制限はダイエットや健康維持に有効な食事法ですが、やり方を間違ってしまうと糖質恐怖症(オルトレキシア)に陥ってしまう可能性があります。
そもそも、糖尿病や癌などに対する治療でなければ、そこまで厳格に糖質制限をする必要はありません。
適度な糖質量であれば、体調も体重も維持できるのが健康な状態です。わずかに糖質を摂っただけで体重が増えたり、体調が崩れたりするのであれば、ダイエット法や食事法を見直した方が良いでしょう。
ただ、厳格に糖質制限している状態から糖質を摂り始めるときには、糖質の摂り方を工夫することが大切です。以上に挙げたポイントを押さえておけば、糖質の害を避けながら糖質を摂れるようになります。