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脂肪を食べると太る6つの原因:これさえ避ければ脂肪は怖くない

あなたは糖質制限ダイエットをしていて「糖質を減らして脂肪の摂取量を増やすと太った」という経験をしたのではないでしょうか?
基本的に、糖質制限をしていればある程度脂肪を摂っても太りません。
糖質制限中に脂肪の摂取量を増やして体重が増加するのには原因があります。原因され理解して適切に対処すれば、脂肪を摂っても太ることはありません。また、もし太ったとしても、なぜ体重が増えたのかが理解できるため不安にもなりません。
そのため、糖質制限でダイエットをしている人は、脂肪を摂ると太る原因を理解しておくことは大切です。
そこで今回は「脂肪を食べると太る6つの原因」について解説します。

脂肪を食べると太る6つの原因のまとめ

・糖質制限をしていない
・タンパク質を摂り過ぎている
・インスリン抵抗性がある
・栄養不足の状態にある
・脂質の代謝が悪い
・ストレス、睡眠不足の状態にある

脂肪を食べると太る6つの原因

糖質制限ダイエットをしていてると、どうしても脂肪を食べる量が増えますよね?
基本的に糖質制限をしていれば、通常以上に脂肪を食べても太りません。ただ当然ながら、糖質制限をしていない状態で脂肪をたくさん食べると太ります。
また糖質制限をしていても、「タンパク質を摂り過ぎている」「インスリン抵抗性がある」「栄養不足の状態にある」「脂質の代謝が悪い」「ストレス、睡眠不足の状態にある」という5つの条件がある人は、脂肪を摂ることで太ってしまうのです。

糖質制限をしていない状態で脂肪を食べると太る

糖質制限をせずに脂肪の摂取量を増やすと、ほぼ確実に太ります。糖分がエネルギー源として利用され、脂肪が燃焼されないためです。
人の体では主にブドウ糖(糖質)と脂肪酸の2つをエネルギー源として、エネルギーを作り出します。糖質を摂取して血糖値(血液中の糖分量)が高いときには、ブドウ糖が優先してエネルギー源として利用されます。
そのため、日常的に糖分を摂取して血糖値が高い状態だと、脂肪が燃焼されなくなるのです。
また、血糖値が上昇するとすい臓から「インスリン」と呼ばれるホルモンが分泌されます。血糖値が高い状態は体にとって好ましくない状態であるため、インスリンによって血糖値が抑えられるのです。インスリンが分泌されると、血液中のブドウ糖がエネルギー源として利用されるため、血糖値は下がります。
ただ、インスリンには血糖値を下げるだけでなく脂肪を蓄積する作用があります。脂肪細胞に働きかけることで、血液中から脂肪細胞への脂肪の取り込みを促進させるのです。そのため、インスリンが分泌されるほど太りやすくなります。
このように、糖質制限をせずに血糖値が高かったり、インスリンが多く分泌されていたりする状態であれば、脂肪を食べるほど太ることになります。

タンパク質を摂り過ぎている上に脂肪を食べ過ぎると太る

糖質制限をしている人の中には、タンパク質を過剰に摂取している人が多くいます。糖質量を減らした状態で総カロリー量を維持しようとすると、自然と高タンパク質食になるのです。
一般的に、脂肪蓄積を促すインスリンは血糖値の上昇によって分泌されると考えられています。そのため、血糖値を上げないタンパク質と脂質は、基本的にインスリンの分泌には関与しないと認識されています。
確かに、タンパク質は血糖値を上昇させにくいです。実際、私がチーズやアヒージョ(イカやエリンギなどをバター、ニンニクと一緒にオリーブオイルで煮る料理)をワインと一緒に食べた後も、以下のように血糖値はほとんど上がりませんでした。

・空腹時血糖

・赤ワイン(+アヒージョ、ナチュラルチーズ)摂取1時間後

ただ、タンパク質は血糖値を上昇させにくい一方でインスリンの分泌は促すのです。つまり、タンパク質を食べ過ぎるとインスリンの作用によって太ることになります。
そのため、糖質制限をしていても、高タンパク質・高脂質食を続けていると肥満になりやすいのです。

インスリン抵抗性があると脂肪によって太る

インスリン抵抗性とは「インスリンが効きにくい状態」を指します。つまり、「インスリンは分泌されているけれどもインスリンの作用が発揮されない」という状態です。
例えば、インスリン抵抗性があると、血液中に十分量のインスリンが分泌されているにも関わらず、血糖値は高い状態となっています。インスリンが作用しないため、血糖がエネルギーとして利用されないのです。
肥満の人や糖質を過剰に摂取している人などには、インスリン抵抗性が強い人が多い傾向にあります。
このような状態になると、体はどうにかして血糖値を下げようとして、さらにインスリンを分泌します。その結果、体内でインスリンがあふれてしまうのです(高インスリン状態)。
高インスリン状態になると、血糖値は下がらない一方で脂肪の蓄積は促され続けます。そうなると、当然ながら脂肪を摂取するほど太ることになるのです。
このようにインスリン抵抗性があると、食事で脂肪の摂取量を増やすほど肥満になります。
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栄養不足の状態にあると脂肪で太る

栄養不足の状態にあると、体は食べた物を脂肪として溜め込もうとします。栄養不足は飢餓状態と同じであり、体は今後も飢餓状態が続くことを予測して栄養を蓄積するのです。
具体的な体の反応としては、基礎代謝や体温が下がります。エネルギーの消費を抑えて省エネモードとなるため、基礎代謝と体温が低下するのです。また、不足した栄養を補おうとして食欲が増します。
例えば、カロリー制限などでリバウンドするのは、カロリーの摂取量が少なくなって栄養不足の状態になることが原因です。カロリー制限で一時的に痩せても、体は飢餓状態を回復しようと基礎代謝を低下させたり、食欲を増進させたりします。その結果、基礎代謝が下がった状態で過食となってリバウンドするのです。
カロリー制限はわかりやすい栄養不足の例ですが、カロリーを十分に摂取していても栄養不足になる人もいます。
具体的には、タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルといった体にとって必要不可欠な栄養素が足りなくなると、体は飢餓状態と同じように脂肪を溜め込もうとします。例えば、生理がある女性のほとんどは、鉄分が不足しています。
このように、栄養不足の状態にある場合には、脂肪を食べるほど太ることになります。
貧血や倦怠感、ふらつきといった不調や、過剰な空腹感がある人は、栄養不足状態を疑うようにしましょう。そして、このときには太っても良いから十分に食べることが大切です。
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脂質代謝が悪いが脂肪で太る

体内において脂質の代謝が悪いと、糖質制限をしても脂肪が体に蓄積されて太ります。食べた脂肪が上手く燃焼されないためです。
例えば、脂肪を燃焼するためには、細胞内にある「ミトコンドリア」と呼ばれる器官が活発に活動していることが不可欠です。そして、ミトコンドリアはビタミンB群や鉄、亜鉛といった栄養素がなければ働きが悪くなってしまいます。
また、食事で摂った脂肪は主に肝臓でコントロールされています。そのため、脂肪肝などで肝臓の機能が低下していると、中性脂肪値が高くなったり、コレステロールのバランスが悪くなったりします。その結果、体に脂肪が蓄積されるようになるのです。
このように、脂質の代謝が悪い状況だと、糖質制限をしていても脂肪を多く摂ると太ります。
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ストレス・睡眠不足の状態にあると脂肪で太る

ストレスや睡眠不足は、脂質代謝を悪くする大きな原因です。ストレスや睡眠不足になると、血糖値を上昇させる「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが大量に分泌されるためです。
コルチゾールとは、腎臓の上に位置する「副腎(ふくじん)」と呼ばれる器官で作られるホルモンになります。抗ストレスホルモンともいわれ、体にストレスが加わると分泌されるホルモンです。精神的なストレスや睡眠不足は、コルチゾールの分泌を促す代表的な原因だといえます。
その他にも、長距離マラソンや短距離走、ハードな筋トレといった過剰な運動も、コルチゾールの分泌を高めます。また、こうした過度な運動は、大量のエネルギーを消費するため、飢餓状態を招くことにもなるのです。
さらに睡眠不足は、脂肪の燃焼を促したり、食欲を抑えたりする役割をもつ「レプチン」と呼ばれるホルモンの分泌を悪くします。その結果、代謝が低下したり、食欲が増進したりすることで太りやすくなるのです。
このように、ストレスや睡眠不足の状態にあるときには、糖質制限をしていても脂肪の摂取量が増えると太ります。
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今回述べたように、脂肪を食べるほど太る人は「糖質制限をしていない」「タンパク質を摂り過ぎている」「インスリン抵抗性がある」「栄養不足の状態にある」「脂質の代謝が悪い」「ストレス・睡眠不足の状態にある」の6つが原因である可能性が高いです。
「朝にバターや生クリームを食べ始めたら体重が増えた」という人は、以上に挙げた6つの要因を疑ってみてください。