体の機能

生命維持のポイントであるミトコンドリアを知り障害予防に生かす

人の体は、細胞が集まることで形成されています。そして、その細胞の数は、約60兆個にも及ぶと言われています。
これらの細胞が、それぞれ代謝を行い、新しく生まれ変わります。代謝には、酸素と栄養が必要です。その酸素と栄養を体内に蓄えることで、脂肪や筋肉、ホルモンなどを作ります。このような反応は、体にとって欠かせません。
そして、このことを「同化作用」といいますが、同化作用には「ミトコンドリア」という細胞の一種が大きく影響します。
そこで今回は、ミトコンドリアについて解説します。
 ミトコンドリアとは
ミトコンドリアとは、全ての細胞内にある構造物であり、体に必要なエネルギーを生み出す場でもあります。そのため、細胞の力を生み出しているのは、ミトコンドリアであると言えます。
体の組織は細胞によって作られています。つまり、全ての組織の構成要素である細胞に問題が生じると、体にどのような不調が起こってもおかしくありません。このような理由から、ミトコンドリアは人間の体にとって不可欠な存在であると言えます。
ミトコンドリアの働きが正常であれば、エネルギーはスムーズに作られます。これによって、細胞の活動が活発になります。逆に、ミトコンドリアが上手く働いていないと、エネルギー不足によって、細胞が老化します。これにより、体の機能が障害されます。
老化とは、新しい細胞と振い細胞の入れ替わり(新陳代謝)が起こらず、細胞がサビついていく過程です。
ミトコンドリアは、各細胞の中で、ほぼ自立的に分裂と増殖を続けています。そして、食べ物から得た栄養素や、呼吸でとり込んだ酸素によって、体のエネルギー物質を作り出します。細胞は、このエネルギーを使って、新陳代謝を行います。
つまり、ミトコンドリアは新陳代謝の主を担っていると言えます。そのような機能を持っているため、ミトコンドリアは、体温を一定に保ち、新陳代謝を促すことで、老化を予防します。
ミトコンドリアが作り出すエネルギーは、神経や筋肉、内臓などの全ての活動に必要です。
またミトコンドリアは、各組織のエネルギーの必要量に応じて、体の反応を調整します。エネルギーの必要量が高い場合は、反応スピードを速くすることで、エネルギーを大量に作り出します。
そして、このような反応の全てにおいて、外から働く適度な温熱エネルギーが必要になります。
 生きている=新陳代謝が起こっていること
ミトコンドリアは、新陳代謝の主を担っており、その働きによって細胞の機能低下を防ぐことができます。そして、体は全て細胞によって構成されています。そのため、「細胞の衰えを抑制する」ということは、体全体の老化を防止することにつながります。
また、全ての生命が共通してもっている性質は、以下の2点で説明できます。
・生命活動の営みがあること
・繁殖すること
生命は、エネルギーを使うことで、外界から物を取り入れたものを元に、新しい体の構造を作りだし、古くなったものと交換します。これにより、体の老化が抑制され、生命が維持されます。つまり、生命は、常に外界との物質交換を行うことで、体を守っているということです。
また、そのエネルギーを使って、自身の体を守るだけでなく、自らと同じような形態のものを作り出します。それによって、個体の存続を図ります。
つまり、生命の本質は新陳代謝にあり、「生きていること=新陳代謝が起こっていること」と言うことができます。そのため、新陳代謝の主の役割を担うミトコンドリアは、生命を維持するためのキーポイントということになります。
今回述べたように、生命を維持するためには、ミトコンドリアの働きが必要です。人は、生命の維持を最優先するようになっています。そのため、もしミトコンドリアが障害され、生命維持に危険が及ぶと、さまざまな症状を起こし、体に危険信号を送ります。
そのため、ミトコンドリアの働きを正常に保つことは、健康のためには欠かせないということになります。