脂質ダイエットによる体質改善

男性と比べて女性がLowT3症候群になりやすい理由

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「ダイエットをしていたら体調不良になってしまった……」という悩みを抱えていないでしょうか?

 

もしかしたら、「LowT3症候群」という状態になっているかもしれません。LowT3症候群とは、甲状腺ホルモンの働きが悪くなって代謝に問題が起こってしまう病気です。

 

カロリー制限や糖質制限などのダイエットをしている人の中には、LowT3症候群に悩まされている人がたくさんいます。そして、LowT3症候群が発症するのは、圧倒的に女性に多いのが現状です。

 

それでは、なぜ女性にLowT3症候群が起こりやすいのでしょうか?

 

女性がLowT3症候群を発症しやすい理由を理解しておくと、安全にダイエットに取り組めるようになります。

 

そこで今回は、「男性と比べて女性がLowT3症候群になりやすい理由」について解説します。

 

女性がLowT3症候群になりやすい理由のまとめ

 

・LowT3症候群の主な原因は「コルチゾール過多」「エネルギー不足」の2つにある
・ダイエットはコルチゾール過多とエネルギー不足を招く大きな要因となる
・女性はストレスや睡眠不足によってコルチゾールが過剰になりやすい
・筋肉量が少ない女性はエネルギー不足となりやすい
・女性ホルモンのバランスがコルチゾールに影響する
・鉄不足(貧血)はエネルギー不足を招く要因となる

 

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LowT3症候群とは?

LowT3症候群とは、「T3」と呼ばれる甲状腺ホルモンが少なくなった状態です。甲状腺ホルモンの働きが悪くなってしまい、倦怠感や脱力感、体温低下といった代謝に関連する症状が出現する病気になります。

 

詳しくは「LowT3症候群とは?LowT3症候群の原因から症状、対処法まで全て解説」を参考にしてください。

 

女性がLowT3症候群になりやすい理由

LowT3症候群は、男性よりも女性が発症しやすい傾向にあります。女性に極端なカロリー制限によるダイエットをしている人が多いのが、一つの理由です。

 

ただ、極端なカロリー制限をしていなくても、LowT3症候群になる人もたくさんいます。

 

例えば、糖質制限をしている人の中には、男性と同じようにカロリーをしっかり摂っているにも関わらずLowT3症候群となる女性が多いです。

 

もちろん、男性にもLowT症候群となる人はいますが、圧倒的に女性の方がたくさんいます。

 

このことには、ストレスや生活習慣、筋肉量、女性ホルモン、栄養不足などが関係している可能性が高いです。

 

コルチゾールがLowT3症候群を招く

まず、甲状腺ホルモン(T3)に影響する要因について考えていきます。

 

T3の低下を招く原因の一つとして「コルチゾール」というホルモンがあります。コルチゾールとは、「副腎」と呼ばれる腎臓の上に位置する臓器で作られるホルモンです。体に対して長期的なストレスがかかると、ストレスに対抗するために作られるホルモンになります。

 

コルチゾールがたくさん分泌されると、T3が低下します。コルチゾールが、T4からT3への変換を妨げてしまうためです
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そのため、ストレスが強くコルチゾールがたくさん作られている場合、T3が減ってしまいます。

 

ただ、コルチゾールが少ないほど良いわけではありません。コルゾールが少なすぎても、T4は非活性型の「rT3」への変換が促されてしまうためです。

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rT3は非活性型であるため、甲状腺ホルモンとしての役割を果たしません。そして、rT3が増えるとその分だけT3が減るため、結果的に血液中のT3が少なくなってしまうのです。

 

このように、コルチゾールが適量でないと、LowT3症候群となる可能性があります。

 

<関連記事>
甲状腺ホルモンに関する基礎知識:T3、T4とFT3、FT4の違い
甲状腺ホルモンの応用知識:甲状腺ホルモンが細胞で働くまでの過程

 

ストレスや睡眠不足がコルチゾール過多を招く

慢性的なストレスや睡眠不足になると、コルチゾールが過剰に作られるようになります。コルチゾールが多すぎるとT4からT3への変換が妨げられるため、慢性的なストレスや睡眠不足があれば、LowT3症候群になる可能性があるのです

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女性は、仕事だけではなく家事や育児などで、精神的なストレスを抱えやすかったり、睡眠不足になったりしやすい傾向にあります。そのため、コルチゾールが過剰な状態になりやすいのです。

 

こうしたストレス過多や睡眠不足の状態になりやすいことは、女性がLowT3症候群になりやすい一つの原因だといえます。

 

コルチゾール過多が女性ホルモン過多を招いてFT3を減らす

長期的にコルチゾール過多の状態であると、女性ホルモンである「エストロゲン(詳しくは後述)」が増えることになります。コルチゾールにエストロゲンの合成を強める作用があるためです。

 

エストロゲンは、血液中で甲状腺ホルモンと結合しているタンパク質である「TBG(サイロキシン結合タンパク)」の合成を促します

 

甲状腺ホルモン(T3、T4)は、TBGと結合している状態では、細胞内に入ることができません。つまり、タンパク質と離れて遊離型の甲状腺ホルモン(FT3、FT4)となって、初めて甲状腺ホルモンとして作用を発揮するのです。

 

コルチゾールによってエストロゲン増えると、血液中のTBGが多くなってしまい、遊離型の甲状腺ホルモンが減ってしまいます。

 

その結果、血液中のT3、T4は増える一方で、FT3、FT4が減ることになります。

 

こうした女性ホルモンと甲状腺ホルモンの関係性も、女性がLowT3症候群を発症しやすい理由の一つだといえます。

 

<関連記事>
甲状腺ホルモンに関する基礎知識:T3、T4とFT3、FT4の違い

 

副腎疲労症候群になるとコルチゾール過少を招く

体がストレスに対応しているときは、コルチゾールが過剰に作られる傾向にあります。ただストレスが長く続くと、コルチゾールを作る副腎が疲弊してしまい、コルチゾールが作られなくなるのです。

 

こうした状態は、「副腎疲労症候群」といいます。

 

副腎疲労症候群になると、副腎でコルチゾールが作られなくなります。その結果、コルチゾール過少によってT4がrT3に変換されてT3が減ってしまうのです。

 

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このように、家事や育児のストレスでコルチゾールが過剰になったり過少になったりしやすいことも、女性がLowT3症候群になりやすいことに関係しています。

 

女性は筋肉量が少なく、エネルギー不足となりやすい

女性がLowT3症候群を発症しやすい理由の一つとして「男性よりも筋肉量が少ないこと」が挙げられます。

 

LowT3症候群は、栄養(エネルギー)不足になると、発症しやすくなります。筋肉には、体のエネルギー源となる「グリコーゲン」が蓄積されています。そして、筋肉量が多いほどグリコーゲンがたくさん貯蔵されます。

 

そのため、もともと筋肉量が少ない女性は、エネルギー源であるグリコーゲンの貯蔵量が少なく、エネルギー不足となりやすいのです。

 

例えば、同じようにカロリー制限をしたとしても、筋肉量が多い人はエネルギー不足になりにくいといえます。食事から摂取するエネルギーが足りなくても、筋肉に蓄積されているグリコーゲンで補えるためです。

 

このように、筋肉量の少なさも女性がLowT3症候群を発症しやすい理由の一つだといえます。

 

女性ホルモンの乱れがLowT3症候群を招く

女性がLowT3症候群になりやすい理由の一つとして、女性ホルモンの存在が挙げられます。女性ホルモンが、コルチゾールに影響を与えてT3の産生を妨げるのです。

 

そこで以下に、女性ホルモンとLowT3症候群の関係性について記します。

 

エストロゲンとプロゲステロンとは?

女性ホルモンとは「エストロゲン」「プロゲステロン」という2つのホルモンを指します。これら2つのホルモンが協調して働くことで、生理周期や妊娠、女性らしい体つきなどを作っているのです。

 

例えば、生理後から排卵までの期間(卵胞期)には、エストロゲンがたくさん作られます。その一方で、排卵から生理までの期間(黄体期)はプロゲステロンが優位になっています。

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それぞれの役割や働きに関して詳しく知りたいのであれば、以下の記事を参考にしてください。

 

<女性ホルモン関連記事>
生理周期のホルモンバランスについて図を使ってわかりやすく解説
エストロゲンが不調を招く?女性ホルモンのバランスが崩れる原因と症状

 

女性ホルモンの乱れがコルチゾールのアンバランスを招く

そして、女性ホルモンはLowT3の原因となるコルチゾールと深く関係しています。そのため、女性ホルモンが乱れてしまうと、結果的にT3にも悪影響が及ぶのです。

 

女性ホルモンとコルチゾールはコレステロールから作られる

女性ホルモンとコルチゾールは、共に「ステロイドホルモン」と呼ばれます。ステロイドホルモンとは、「コレステロール」を原料として作られるホルモンです。

 

ステロイドホルモンは、コレステロールを元に生殖腺や副腎で作られます。

 

例えば、卵巣では女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロン、副腎ではコルチゾールが合成されます(睾丸では「テストステロン(男性ホルモン)」が作られる)。

 

つまり、「女性ホルモンとコルチゾールは、同じ原料から作られる」ということです。

 

ステロイドホルモンが作られる流れは、以下の図のようなイメージになります。

 

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このように、女性ホルモンとコルチゾールは同じ材料を使って作られるため、どちらかのバランスが崩れるともう一方にも影響するのです。

 

そのため、生理不順や無月経などの問題が認められる場合には、コルチゾールの過多・過少を招いてT3産生を妨げる可能性があります。

 

*当然ですが、男性でも男性ホルモンに問題があればコルチゾールに悪影響を及ぼします。

 

エストロゲン過多がコルチゾール過多を招く

エストロゲンが過多の状態になると、コルチゾールがたくさん作られるようになります。

 

現代社会では「エストロゲン過多・プロゲステロン不足」というホルモンバランスの崩れが多い傾向にあります。そのため、「エストロゲン過多 → コルチゾール過剰 → T3低下」というメカニズムで、LowT3症候群を発症しやすくなっているのです。

 

このように、基本的にエストロゲンが多くなると、コルチゾール過剰の状態になります。

 

エストロゲン過多がコルチゾール過少を招く可能性もある

ここまでの話と矛盾するようですが、エストロゲン過多がコルチゾール低下を招く可能性もあります。

 

既に述べたように、エストロゲンとコルチゾールは同じコレステロールから作られます。そのため、エストロゲンがたくさん作られると、その分だけコルチゾールは少なくなってしまうこともあるのです。

 

以下の図のようなイメージです。

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こうなると、コルチゾールが少なくなってしまい、T4から非活性型のrT3が作られることになります。その結果、LowT3症候群になるのです。

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このように、エストロゲンが過多になる生活をしていると、さまざまなメカニズムでT3が少なくなってしまう可能性があります。

 

<関連記事>
エストロゲンが不調を招く?女性ホルモンのバランスが崩れる原因と症状

 

鉄不足がLowT3症候群を招く

また、鉄不足もT3の不足を招く可能性があります。T4からT3への変換に、鉄が必要となるためです。

 

血液中にあるT3の大半(約80パーセント)は、肝臓でT4からT3へ変換されたものになります。そして、肝臓でT4からT3へ変換されるときに、鉄が欠かせません。

 

つまり、T3を作るときのエネルギー源を作り出すために鉄が欠かせないのです。

 

女性は生理による出血があるため、圧倒的に男性よりも鉄不足となりやすいです。

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こうした鉄不足によってT3の産生が低下しやすいことも、女性がLowT3症候群になりやすい原因の一つだといえます。

 

今回述べたように、女性はさまざまな理由からLowT3症候群を発症しやすいです。

 

特にダイエットによって、LowT3症候群になるケースは多々見られます。そのため、もしダイエットを実施する際には、こうした危険性を理解した上で慎重に行いましょう。

 

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