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食事制限・生活習慣の見直しでセルライトを消す方法

セルライトを解消するために一番重要なことは食事制限になります。それは、セルライトは脂肪細胞の肥大化であり、脂肪の肥大化を引き起こすのは食事であるためです。
また、食事制限と同じくらいセルライトを消すために大切なのが生活習慣の見直しです。睡眠やストレス、運動習慣は、食事に続いて肥満を招く原因となるためです。そのため、セルライトを解消したいのであれば、まずは食事制限と生活習慣の見直しを実施しなければいけません。
そこで今回は「食事制限・生活習慣の見直しでセルライトを消す方法」について解説します。

セルライト解消のポイントは食事にある

セルライトを解消するために最も重要なのは食事です。セルライトは、脂肪組織が肥大化することで出現します。つまり、セルライトは肥満が原因で起こるのです。そして、肥満を引き起こす一番の要因は食事にあります。
こうしたことから、セルライト解消のポイントは食事にあるといえるのです。

セルライトは脂肪の肥大化

セルライトは、皮膚の下に存在する脂肪細胞が肥大化することで発生します。イメージは、以下のような状態です。
CelluliteCellulite
このように、セルライトは脂肪細胞が肥大化した結果として起こります。そして、脂肪細胞の肥大化とは簡単にいうと太っている(肥満)状態です。
つまり「セルライトは局所的な肥満状態」といえます。

脂肪細胞の肥大化はホルモンのアンバランスが原因で起こる

セルライトの原因となる脂肪細胞の肥大化は、ホルモンのアンバランスが原因で起こります。具体的には「インスリン」と呼ばれる血糖値(血液中の糖分量)を下げる作用をもつホルモンの分泌が多くなると、脂肪細胞が大きくなって太るのです。
インスリンには、血糖値を低下させるだけでなく、血液中の糖分を細胞内に取り込む作用があります。そして、細胞内に入った糖分は脂肪として蓄えられるのです。
そのため、インスリンが大量に分泌されると細胞にどんどん脂肪が蓄積して太ることになります。
このように、脂肪の肥大化はインスリンというホルモンが原因で起こるのです。

食事がホルモンバランスを整える

そして、ホルモンのバランスに最も影響を与えるのは食事になります。特にセルライトの原因となるインスリン分泌量は、食品に含まれる炭水化物(糖質)によって大きく変化するのです。
食べた食品は、腸から血液中に吸収されます。そのため、糖質が多い食品を食べると血糖値は上昇します。
血糖値が高くなると、血糖値を下げる作用をもつインスリンが大量に分泌されることになります。血糖値が高い状態は体にとって危険であるため、インスリンによってすぐに血糖値を低下させるのです。当然、大量に分泌されたインスリンは、血糖値を下げるだけでなく脂肪蓄積を促します。
その一方で、脂質やタンパク質といった栄養素は糖質ほど血糖値を上げません。つまり、大量にインスリンを分泌させることはないのです。
このように、セルライトの原因である脂肪細胞の肥大化は、主に食事(糖質の摂取)によって引き起こされます。

生活習慣の見直しはセルライト解消における第二のポイント

食事以外の生活習慣によっても脂肪細胞の肥大化は起こります。特に「睡眠不足」と「ストレス」「運動不足」は、セルライトを発生させる原因となりやすいです。

睡眠不足がセルライトを招く

睡眠時間が短くなると、ホルモンバランスが崩れやすくなります。多くのホルモンは睡眠中に作られているため、睡眠不足はホルモンの合成を障害するのです。特に睡眠不足は、食欲に関するホルモンに悪影響を及ぼします。
具体的には、睡眠時間が短いと「レプチン」と呼ばれるホルモンの合成が阻害されます。レプチンは、食欲を抑える作用をもつホルモンです。また、レプチンには食欲を抑制するだけでなく、脂肪の燃焼を促す働きがあります。
つまり、睡眠不足の状態になると、レプチンが作られなくなることで食欲が増進したり、脂肪が分解されなくなったりして太りやすくなるのです
このように、睡眠不足はセルライトを招く原因となります。

ストレスがセルライトを招く

睡眠不足と同じように、「ストレス」もセルライトを発生させる原因の一つといえます。ストレスは、ホルモンバランスを崩す大きな要因であるためです。
具体的には、ストレスを感じたときには「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが分泌されます。コルチゾールには、血糖値や血圧、心拍数を高めることで、体がストレスに抵抗できるように働きかける作用があるのです。
当然ながら、血糖値が高くなると血糖値を抑えるためにインスリンが分泌されます。そのため、ストレスが加わるとインスリンの分泌が促されることで太りやすくなるのです
このように、ストレスはセルライトを発生させる原因になります。
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運動不足がセルライトを招く

運動不足もセルライトを招く原因の一つです。ただ、運動不足が肥満を引き起こすメカニズムは、一般的に認識されているように「カロリーの消費量が少なくなるため」ということではありません。
運動不足は「ホルモンのバランスを崩しやすくすること」「インスリン抵抗性を高めること」という2つの理由で太る原因となるのです。
インスリンやレプチンといった肥満に関わるホルモンに限ったことではありませんが、ホルモンバランスは「自律神経」によってコントロールされています。自律神経とは、心臓や内臓、血管などの運動を無意識下で調整している神経です。
こうした自律神経の働きが悪くなると、体重の増減に関わるホルモンのバランスも崩れてしまいます。その結果、食欲が増進したり、脂肪の蓄積が促されたりすることで太りやすくなるのです。
自律神経の働きは、睡眠不足やストレスなどによって悪影響を受けます。そして、運動には自律神経の働きを整える効果があるのです。
例えば、ウォーキングやジョギングなどをすると、気分がスッキリします。これは、運動によって自律神経のバランスが良くなった結果として生じるものです。
また、運動習慣がない人は、ちょっとした運動やストレスで心拍数が高くなります。心拍数は自律神経によってコントロールされているため、心拍数が大きく変動すると自律神経にも悪影響が及ぶのです。
つまり、運動不足によってちょっとしたことで心臓がバクバクするようになると、自律神経が乱れやすくなります。
さらに、運動は筋肉における「インスリン抵抗性」を改善します。インスリン抵抗性とは「インスリンが効きにくくなっている状態」を指します。
例えば、インスリンには血糖(血液中の糖分)を筋肉内に移動させる作用があるため、インスリン抵抗性があると血液中から筋肉内に糖分が取り込まれにくくなります。つまり、インスリン抵抗性があると、通常のインスリン量では血糖値が下がらなくなるのです。
そしてインスリンが作用しにくくなると、体はどうにか血糖値を下げようとして、さらにインスリンを分泌するようになります。その結果、どんどん太りやすくなるのです。
運動には、こうしたインスリン抵抗性を改善する効果があります。
このように、運動不足になると自律神経のバランスが崩れやすくなったり、インスリン抵抗性が高くなったりすることで、セルライトが発生しやすくなるのです。

セルライトを解消するための食事制限

ここまで述べたように、セルライトを消すために最も重要なのは食事です。そこで以下に、セルライトを解消するための食事制限方法について記します。

糖質を制限する

セルライトを消すためには、肥満の原因となる食生活を変えなければいけません。セルライトは、脂肪細胞の肥大化が原因であり、局所的な肥満であるからです。
既に述べたように、脂肪細胞の肥大化はインスリンによって促されます。そして、インスリンの分泌量を増やす一番の原因は食品中に含まれる糖質です。つまり、糖質が多い食品を食べるほど脂肪細胞の肥大化が起こり、セルライトが発生しやすくなるといえます。
こうしたことからも、セルライトを解消するためには、まずは食事から摂取する糖質量を制限することが大切です。具体的な糖質制限のステップに関しては「確実に痩せる!ダイエットにおける正しい食事制限の方法」に記しています。

必要な栄養素を摂取する

食事制限を行うと、栄養不足を引き起こして逆に痩せにくい体質になってしまう人が少なくありません。
例えば、ダイエット目的の食事制限として「カロリー制限」は有名です。カロリー制限では、脂肪分の摂取量を制限することになります。ただ、脂質はホルモンを合成するために欠かせない栄養素です。
そのため、カロリーを制限するために脂質の摂取量を減らすと、ホルモンバランスが崩れる可能性があります。その結果、インスリンやレプチンといった肥満に関するホルモンのバランスも乱れてしまい、痩せにくくなるのです。
このように、食事制限では必要な栄養素が不足しがちになります。そうしたことを避けるためにも、食事制限中にはしっかりと栄養素を摂取することが大切です。
以下に、ダイエット中の食事制限で不足しがちな栄養素と、その栄養素を豊富に含む食品例について記します。


タンパク質 魚、肉、卵、大豆
レバー、貝類、ほうれん草、海苔、きなこ、ひじき
脂質 バター、アボカド、種子類(アーモンドなど)
ビタミンB群 あずき、昆布、ゴマ
亜鉛 カキ、煮干し、豚レバー、卵黄、大豆製品、チーズ

絶食時間を確保する

セルライトの原因である脂肪細胞の肥大化は、インスリンによって引き起こされます。また、インスリンに関して問題になりやすいのがインスリン抵抗性です。
既に述べたように、インスリン抵抗性とは「インスリンが効きにくい状態」を指します。そして、インスリン抵抗性を作る原因は、主に「大量のインスリンを浴びること(インスリン曝露量)」「長い時間インスリンを浴びること(インスリン曝露時間)」の2つになります。
インスリンの曝露量は、糖質制限によって解消できます。その一方で、インスリンの曝露時間を短くするためには絶食が有効です。
例えば、1日3食食べたときのインスリン分泌量の変化は以下のようになります。
insulin
それに対して、朝食を抜いたときには以下のようにインスリンが分泌されていない時間が長くなるのです。つまり、インスリンの曝露時間を短くすることができます。
insulin
ちなみに間食をした時は以下のようになり、常にインスリンに曝露している状態とってしまいます。
insulin
このように、絶食時間を確保することは、インスリン抵抗性を改善し、セルライトを解消することにつながります。ただ、絶食はエネルギー不足を引き起こす可能性があるため「まずは間食を止める程度にしておき、慣れたら1食抜く」というように、少しずつ実施するようにしてください
間違っても「誰の指導もなく2~3日以上の絶食を行う」ということはしないように注意してください。

セルライトを解消するための生活習慣

セルライトを解消するために食事制限の次に大事になるのが生活習慣です。特に、生活習慣の中でも睡眠とストレス、運動の3つを整えることが大切になります。

睡眠時間を確保する

短時間睡眠は、ホルモンバランスを崩して肥満を招く原因となります。具体的には、5時間未満の睡眠になると食欲を抑制するレプチンの分泌が抑えられて、逆に食欲を増進させる「グレリン」が多く分泌されるようになります。
またどれだけ長く寝ても、睡眠の質が悪いと自律神経のバランスが崩れてホルモン分泌にも悪影響が及ぶのです。
こうしたことからも、セルライトを解消するためには、まずは睡眠時間を確保するようにしましょう。そして、睡眠時間だけでなく睡眠の質に関しても意識することが大切です。
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ストレス解消方法を身につける

ストレスは、ホルモンバランスを崩してセルライトの発生を招く原因になります。そのため、ストレスを解消する方法を身に付けることは、セルライトを改善するために大切です。
例えば、ウィーキングやエアロビクスなどの有酸素運動は、ストレスを解消する有効な方法になります。その他にも、ピラティスやヨガといった運動も、ストレスを軽くするために有効です。また、趣味の時間を確保することもストレス軽減につながります。
このように、とにかく方法は何でも良いので、あなた自身がストレスを解消できる方法を見つけて実践するようにしましょう。

運動習慣をつける

運動は、自律神経のバランスを整えてホルモン分泌をコントロールしたり、インスリン抵抗性を改善したりすることでセルライトを解消することにつながります。そして、これら2つの目的を果たすのは筋トレなどの無酸素運動ではなく有酸素運動です。
短距離走や筋トレなどの激しい運動は、自律神経のバランスを崩す原因になります。
その一方で、ウィーキングやジョギングなどの有酸素運動には、自律神経のバランスを整える効果があります。また、筋肉に適度な刺激が加わるため、インスリン抵抗性の改善にも有効なのです。
こうしたことからも、セルライトを消すためには有酸素運動を行うことが重要だといえます。
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食事・生活習慣の改善でセルライトが解消しない原因

食事制限と生活習慣を見直すことで、多くのセルライトは解消できます。ただ、どれだけ食事や生活習慣を見直して整えてもセルライトが残ってしまう人が存在するのも事実です。
そうした際には「食事制限方法が間違っている」「筋膜の硬化が残っている」「骨盤が歪んでいる」という3つの原因が考えられます。

食事制限の方法が間違っている

食事制限の方法が間違っていると肥満は解消できないため、セルライトも消えません。
例えば、カロリー制限は誤った食事制限方法です。カロリー制限を行うと、エネルギー不足によって代謝が落ちてしまいます。その結果、セルライトの原因となっている脂肪も燃焼されなくなり、セルライトが消えないのです。
また「1回の食事量を減らして食事回数を増やす」といった食事方法も、間違ったダイエット方法だといえます。
既に述べたように、絶食時間を確保することはインスリン抵抗性を予防・改善するために大切です。こうした食事法で「ちょこちょこ食べ」をすると、インスリンの曝露時間が長くなってしまうため、インスリン抵抗性を高めることにつながります。
その結果、インスリンが大量に分泌されるため肥満を解消できず、セルライトが残ってしまうことになるのです。
このように、食事制限の方法が間違っているとセルライトは解消できません。

筋膜の硬化が残っている

セルライトを作る脂肪細胞は、皮膚の下に存在しており「皮下組織」と呼ばれます。皮下組織には、セルライトの原因である脂肪細胞以外にも、血管や「筋膜(筋肉を覆う膜)」などがあります。こうした皮下組織に存在する筋膜が硬くなると、脂肪細胞の代謝が悪くなるのです。
そのため、筋膜の硬化は脂肪の燃焼を妨げて、セルライトが消えにくくなる原因となります。
そして筋膜の硬化は、脂肪細胞の肥大化が長期的であるほど改善しにくくなります。つまり、肥満期間が長いと、食事制限や生活習慣の見直しだけでは筋膜の硬さが解消されないということです。
その結果、どれだけ食事制限や生活習慣の改善を行ってもセルライトが残ってしまうことになります。
このように、筋膜の硬さが残っているとセルライトは解消できないのです。そのため、筋膜の硬化がある場合には、筋膜をマッサージすることが必要になります。
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骨盤の歪みがある

さらに、筋膜の硬さを作り出している原因の一つに「骨盤の歪み」があります。どれだけ筋膜をマッサージして解しても、骨盤が歪んでいるとすぐに筋膜は硬化するのです
例えば、骨盤が歪んでいると、両足にかかる体重のバランスが崩れます。片方の足に体重が乗りすぎると、当然ながら片足の筋肉に負担がかかることになります。そうなると筋肉だけでなく、筋肉を覆っている筋膜まで硬くなるのです。
このように、骨盤の歪みは筋膜の硬化を引き起こす原因になります。そのため、どれだけ筋膜をマッサージしてもセルライトが消えない場合には、骨盤の歪みを修正することが大切です。
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今回述べたように、食事制限と生活習慣の見直しを行うことはセルライトを消すために必要不可欠です。正しい食事制限と生活習慣の見直しを実施して、セルライトの解消を成功させましょう。