ダイエット 流行り

ライザップのダイエット方法について専門的立場から解説、検討

ライザップは、全国的に有名なパーソナルトレーニングジムです。多くの著名人が痩せたことで人気が高まり、全国展開しています。
確かに、ライザップの広告に出ている人たちは、みんな痩せて、筋肉質な体型を獲得しています。また、ライザップの食事法や運動法は、医師や管理栄養師が関わって作られたものであり、健康的にダイエットを達成できそうな印象を受けます。
ただ、実際にライザップに通った人の口コミを見てみると、悪い内容のものも少なくありません。インターネット上の口コミを100パーセント信じることは問題ですが、火のないところに煙は立ちません。
さらに、ライザップの入会金やコース料金は決して安いものではないため、「興味はあるけど失敗したくない……」という人が大多数だと思います。
そこで今回は、「ライザップのダイエット方法」について、公開されている理論や実践方法だけでなく、口コミなども含めて客観的に検討していきます。

ライザップの料金について

ライザップの基本的なコースとして「ボディメイクスタンダードコース」があります。このコースは2ヶ月間の契約であり、その中には、1回当たり50分間のパーソナルトレーニング16回(週2回)と、トレーニングに必要なアメニティ(トレーニングウェア、タオル、ミネラルウォーターなど)、食事指導などが含まれています。
これらを全て含めて、コース料金は298,000円(税別)であり、入会金として50,000円(税別)が必要になります。
ジムへ通ってマンツーマンの指導を受けるのは50分間の16回だけであり、実際には1回(50分)のトレーニング指導に対して約20,000円の料金を支払うことになります。
支払い方法は、一括支払いだけでなく分割払いも用意してあり、最大で60回払いが可能です。ただ、分割払いの場合は、実質年率が19.8パーセントであるため、かなり支払額が高くなります。
入会することを悩んでいる人に対しては、無料のカウンセリングが実施されています。
そして、ライザップでは、入会後30日間以内であれば「無条件の全額返金保証」が付いています。つまり、入会して29日目に「自分には合わなかった」と考えてライザップを退会すると、支払った全額を返金してもらうことができます。
ただ、サプリメントやプロテインなど、ライザップが販売している商品に関しては、返金保証の対象外となっているため注意してください。また、退会手数料として返還対象額の10パーセント、もしくは2,0000円の低い方は控除された額が返金されます。
このように、ライザップの基本的な利用料金は「2ヶ月間で約350,000円」と、決して安い金額ではありません。

ライザップの食事法について

ライザップのダイエット方法は、サービス内容にもあるように、食事指導とパーソナルトレーニングによる運動の2つになります。
食事指導に関しては、食事に対する考え方(食事法)や摂取すべき食品例、料理例などが記された、20~30ページの「食事ガイドライン」が渡されます。そして、そのガイドラインに沿って食事制限を実施していくことになります。
そこで、以下にライザップの食事法について記します。

糖質制限

ライザップの食事法は、糖質制限をメインとした内容になっています。
具体的には、最初は1日の糖質摂取量を50グラム以下に減らします。糖質50グラムとは、精白米を茶碗一杯(約150グラム)摂ると超える量です。その他にも、6枚切りの食パン2枚、うどん1玉でも、それぞれで糖質量は50グラムを超えてしまいます。
そのため、基本的には3食とも主食を抜かなければ、1日の糖質摂取量を50グラム以下に抑えることはできません。
ある程度、体重の減少や体格の変化などが現れてきた後は、少しずつ糖質制限を緩めていきます。具体的には、夜は糖質制限を継続して、朝食と昼食は体重1キロ当たり1.0~1.2グラムの糖質を摂取します。
例えば、体重が60キロの人であれば、朝と昼で糖質を60~72グラム摂ることになります。
さらに、目標体重まで達した後は、無理のない範囲で糖質摂取量をコントロールします。具体的には、1日の糖質量を120グラム以下に抑えることが基本となります。ただ既に述べたように、ご飯一杯でも糖質量は50グラムを超えるため、この時期でも主食は減らさなければいけません。
ライザップで糖質制限が推奨されている理由は、糖質を摂取することによって「インスリン」と呼ばれるホルモンが大量に分泌されることを抑えるためです。
インスリンとは、すい臓で合成・分泌されるホルモンで、血糖値(血液中の糖分量)を下げる作用があります。血糖値が高くなると、インスリンが分泌されて血糖値が落ち着きます。ただ、インスリンは血糖値を低下させる作用と同時に、体へ脂肪を蓄積させる働きも持っています。
つまり、体内でインスリンが多く分泌されるほど、太りやすくなるということです。
そして、血糖値を上昇させる唯一の栄養素は糖質です。タンパク質や脂質には血糖値を高める作用はありません。そのため、食事によって糖質を摂取して血糖値が上昇すると、インスリンが多く分泌されて太りやすくなります。
ライザップが糖質制限を推奨する理由は、こうしたインスリンによる肥満促進作用を抑えることにあります。

3食しっかり摂取

ライザップの食事法では、「食事を抜くことなく3食しっかりと摂取すること」が推奨されています。これは、食事制限によって摂取するカロリーが少なくなって、食事から得られるエネルギー(カロリー)量が1日に必要なエネルギー量を下回らないようにするためです
多くのダイエット法では、食事量を減らしてカロリーを抑えるように推奨しています。
しかし、こうしたカロリー制限では、生命を維持するために必要な「基礎代謝量」にも達しない程、食事量を減らすケースが少なくありません。
基礎代謝量とは、心拍や呼吸、体温維持といった生きるために最低限必要である活動によって消費されるエネルギー量です。つまり、たとえ1日中動かずに横になっていても、生きているだけで消費されるエネルギー量になります。
もし仮に、食事によって得られるエネルギー量が基礎代謝量を下回ってしまうと、それに伴って筋肉量も減ります。
基礎代謝量は、エネルギーを消耗する筋肉量が多いほど高くなります。そのため、食事から摂取するエネルギー量が少なくなると、それに合わせて筋肉量を減らすことで基礎代謝量を低くして、1日で食事から摂るべきエネルギー量を無理やり下げるような現象が起こります。
その結果、筋肉量が減り基礎代謝量が低くなって、カロリーを消費しにくい体質になります。
このように、カロリーを制限して筋肉量や基礎代謝量が減ってしまうと、痩せにくい体になります。また、筋肉量が減ったことで、筋肉の重さ分だけ一時的に体重が落ちたとしても、食事を元に戻すとすぐにリバウンドします。
こうしたことを避けるためにも、ライザップでは1日3食しっかり摂って、食事から得る摂取エネルギー(カロリー)を確保するように推奨しています。
ただ、あまりにカロリーを摂取しすぎることは問題であるとされています。具体的にライザップでは、1日に摂取するカロリー量は、「(基礎代謝量も含めた1日の消費カロリー) - (500~1000キロカロリー)」に抑えることが勧められています。

タンパク質の摂取

ライザップの食事法では、タンパク質の摂取量を増やすことが推奨されています。具体的には、1日のタンパク質摂取量は「体重(kg)×1.0~2.0グラム」を目安に設定するようになっています。これは、一般的に推奨されているタンパク質の摂取量よりも多いです。
例えば、厚生労働省が定めている1日のタンパク質摂取量の目安は、18~29歳の男性で60グラムとされています。これがライザップになると、同じ年齢(18~29歳)で体重が60キロある人は、60グラム~120グラムのタンパク質摂取が勧められることになります。
そして、大体は体重(kg)の1.5倍のタンパク質摂取を勧められるため、この場合は1日に90グラムのタンパク質を摂る必要があります。
タンパク質90グラムとは、1個当たり60グラムの卵(タンパク質含有量7グラム)でいうと13個、鶏ささみ肉(タンパク質含有量100グラム当たり22グラム/)では約400グラム摂ることで得られる量です。
つまり、ライザップの食事法を実践する場合、想像以上にタンパク質を摂取しなければいけないといえます。
そして、ライザップがタンパク質の摂取を推奨するのには、以下の3つの理由があります。
 ・筋肉量の維持
タンパク質は、筋肉を構成している主な栄養素です。そのため、食事制限によってタンパク質の摂取量が減ると、自然と筋肉量も落ちてしまいます。そうなると、基礎代謝量が低くなってしまうため、痩せにくくリバウンドしやすい体になります。
そうしたことを避けるためにも、ライザップでは糖質は制限する一方で、タンパク質は意識して摂取するように推奨しています。
 ・糖新生
ライザップの食事法では、糖質制限を行います。多くの人は「糖質(ブドウ糖)が体を動かす主なエネルギー源である」と考えているため、糖質制限を危険だと考えています。
しかし実際には、体内におけるほとんどの細胞は、ブドウ糖だけでなく脂肪をエネルギー源とすることができるため、食事による糖質の摂取量を減らしても問題ありません。
ただ、人間の体には、ブドウ糖しかエネルギー源にできない細胞もあります。それは、「赤血球細胞」です。赤血球細胞は、酸素を全身に送り出すことに関与している細胞であり、赤血球細胞の数が少なくなったり働きが悪くなったりすると、貧血や倦怠感といった症状が出現します。
また赤血球血球だけでなく、脳細胞もエネルギー全体の約20パーセント程度をブドウ糖から作り出しています。そのため、体内でブドウ糖が全くなくなると、赤血球や脳細胞の活動は大きなダメージを受けます。
しかし、赤血球や脳細胞は食事から糖質を摂取しなくても問題なく活動することができます。それは、タンパク質や脂質を基に、体内(肝臓)でブドウ糖が合成されるためです。
こうした、肝臓でタンパク質や脂質からブドウ糖が作られる仕組みを「糖新生」といいます。赤血球細胞や脳細胞に必要なブドウ糖量は、食事から糖質を摂取しなくても、糖新生によって合成されたブドウ糖だけで十分に補うことができます。
ただ、当然ながら糖新生によって糖分を作り出すためには、食事によって十分な量のタンパク質や脂質を摂取しなければいけません。
このように、糖新生によるブドウ糖供給の不足を防ぐことも、ライザップでタンパク質の摂取が推奨される理由の一つになります。
 ・食事誘導性熱産生(DIT)
人間の体は、運動を行うときにエネルギーを消費するのと同じように、食事を摂ることでもエネルギーを使っています。具体的には、食事で摂った食品を消化・吸収するためには、内臓が活動するためのエネルギーが必要です。
つまり、食事では「エネルギーを摂取しながら同時にエネルギーを消費している」ということになります。
そして、こうした食事に伴うエネルギーの消費引き起こすシステムを「食事誘導性熱産生(DIT)」といいます。タンパク質の摂取は、炭水化物(糖質)や脂質などと比べてDITが高いです。そのため、タンパク質は食べるだけで痩せやすい栄養素といえます。
このように、DITが高いことも、ライザップでタンパク質の摂取が推奨されている一つの理由です。

サプリメント・プロテイン

ライザップでは、忙しくて食事の摂取が上手くいかない人や、なかなかダイエット効果が出にくい人に対してサプリメントやプロテインの摂取を勧めています。
特に、タンパク質の摂取を推奨しているライザップでは、食事でタンパク質を十分に摂ることができない人に対しては、プロテインやサプリメントによる栄養摂取が推奨されます。また、その人のダイエットをサポートするために必要な栄養素が含まれたサプリメントを提案しています。
例えば、どうしても糖質摂取量を減らせない人に対する「糖質の吸収を抑えるようなサプリメント」や「栄養素を適切に摂取できるように腸内環境を整えるような乳酸菌サプリメント」「基礎代謝が低い人に対する脂肪燃焼を促すようなアミノ酸などが豊富に含まれているサプリメント」などが勧められます。
このようにライザップでは、ダイエットの効果をより高くする補助として、サプリメントやプロテインを活用しています。

ライザップの運動法について

既に述べたように、ライザップに入会して提供されるサービスのメインはパーソナルトレーニングです。具体的には、基本の2ヶ月コースであれば、1回50分間のトレーニング指導が週に2回で8週間あり、合計16回実施されます。
そして、1週間で2回行われるトレーニングのうち1回は上半身、1回は下半身のメニューが行われます。
また、ライザップの運動法は運動を「導入期」「シェイプアップ期」「スタイルアップ期」の3つのフェーズに分類して、時期ごとに負荷・運動量や運動目的を分けています。そこで以下に、それぞれのフェーズにおけるライザップの考え方について記します。

導入期

導入期は、運動習慣がない人に対して、トレーニングフォームの習得と運動(ウエイト)に慣れることを目的に行います。
この時期では、運動負荷は軽めにして、運動回数を多く設定します。具体的には、最大で20回程度反復できる負荷量を決めて、その負荷で1セット15回の運動を2~3セット繰り返します。
そして、セット間に90~120秒程度の休憩を取り、あまり追い込み過ぎないように注意して、正しいフォームで運動に慣れることに重きを置きます。
もし普段から運動習慣があるような人であれば、この導入期は飛ばしても問題ありません。

シェイプアップ期

シェイプアップ期は、脂肪を燃焼させて体をシェイプアップさせることを目的に運動を行います。
この時期では、導入期と同じように負荷は軽いままですが、運動回数を増やします。そして、運動間の休憩を短くして、しっかりと体に負担をかけます。
具体的には、負荷量は導入期と同じで20回程度反復できる重さにして、1セット当たり15~20回の運動を2~5セット実施します。運動間の休憩は30秒以内にして、筋肉に持続的な負担をかけるように意識して運動を行います。
こうした持久的な運動は、脂肪を燃焼する器官である「ミトコンドリア」が刺激します。その結果、脂肪が燃えやすい体を作ることができます。

スタイルアップ期

スタイルアップ期は、脂肪を燃焼した後に、筋肉を付けてボディラインを出すことを目的にトレーニングを行います。だいたいBMIが25辺りまで落ちた人は、スタイルアップ期に移行します。
BMIとは、身長と体重の割合を示す数値であり「BMI = 身長(m) × 身長(m) ÷ 体重(kg)」で算出されます。
この時期では、負荷量を重くして、1セット当たりの反復回数を少なくします。具体的には、1セット当たり6~12回の運動を2~5セット実施し、セット間の休憩時間は30~90秒と、少し短めにします。
高い負荷をかけるだけでなく、反復回数を増やしたり休憩時間を短くしたりすることで、筋肉を付けるために必要なホルモンの分泌が促されることになります。
このように、ライザップの運動法は、筋トレという刺激による脂肪燃焼効果や、筋力増強による基礎代謝量アップとボディメイクを目的に、その人の状態に合わせて、適した運動を選択して実施されています。

ライザップの生活習慣

ライザップでは、食事指導と運動指導に加えて、生活習慣に関しても指導しています。その中でも、特に重点が置かれているのは「筋トレの習慣化」「水分摂取」「生活リズム」の3つです。
そこで以下に、ライザップが推奨する「筋トレの習慣化」「水分摂取」「生活リズム」について記します。

筋トレの習慣化

ライザップのダイエットにおいて重要視されるものの一つに、「筋肉量を増やす」ということがあります。
筋肉を付けることには、脂肪の燃焼を促したり高い基礎代謝を維持したりして痩せやすい体を作るだけでなく、「良い姿勢(ボディライン)を維持する」「体力を向上させて疲れにくくなる」「怪我を予防する」といったメリットがあります。
さらに、筋トレという刺激によって、肌の修復を促す「成長ホルモン」と呼ばれるホルモンの分泌が促されます。そのため、筋トレを習慣化することには美肌効果もあります。
こうしたことから、ライザップのダイエットでは、週2~3回の筋トレを習慣化することが推奨されます。実際、ボディメイクスタンダードコースであれば、パーソナルトレーニングが週に2回実施されます。
具体的なトレーニング内容としては、殿部(お尻)や背中、太ももなどのエネルギー消費量が高い大きな筋肉を鍛える運動が優先されます。そして、下半身と上半身のトレーニングを交互に行います。
ライザップでは、こうした筋トレを習慣化することが重要だとされています。

水分摂取

ライザップのダイエットでは、十分な水分量を摂取することも大切になります。
人間の体は約60パーセントが水分で構成されています。そして、血液は水分によって作られているため、水分が不足すると血流が悪くなります。その結果、代謝が低下してしまい、痩せにくい体になります。
そうしたことを避けるため、水分摂取を意識しなければいけません。具体的にライザップでは、女性で1日2リットル、男性で1日3リットルの水分摂取が推奨されています
当然ながら、コーヒーや緑茶など、カフェインが含まれている飲料は水分摂取に含みません。カフェインには利尿作用があるため、逆に体内の水分量を減らす働きがあります。そのため、カフェインの摂取は、なるべく控えるように勧められます。

体内時計のリセット

人の体内には、外部の環境とは関係なく25時間のリズムを刻む「体内時計」が存在しています。例えば、「朝起きて夜寝る」という活動は、わざわざ時計で時間を確認しなくても、自然と生じるものです。これは、体内時計によって起床と就寝のリズムが作られているために起こる現象です。
その他にも、体内時計は内臓の活動や代謝のリズムも作っています。そのため、体内時計が正しく活動することで、内臓による消化・吸収や脂肪の燃焼が効率的に行われるようになります。
ただ、こうした体内時計は25時間のリズムであり、実際の1日(24時間)とは1時間のズレがあります。
つまり、毎日1時間の差を修正しなければ、体内時計は外部環境(24時間)とズレて活動することになります。
そうした、外部環境と体内時計のズレを修正する効果があるのが「朝に太陽の光を浴びること」と「朝食を食べること」の2つです。朝にこれらの活動を行うことで、体内時計はリセットされて、24時間に合わせたリズムを刻むようになります。
その結果、内臓の活動も活発になり、消化・吸収や脂肪の燃焼がスムーズに行われるため、痩せやすくなります。
このような理由から、ライザップでは朝日を浴びることと朝食を食べることで、体内時計をリセットするような生活習慣を推奨しています。

ライザップのメンタルマネジメント

ライザップではダイエットを成功させるために、主にトレーナーによるメンタルマネジメントが行われています。
例えば、「停滞期」はダイエットで問題となりやすいものです。そうした際にも、トレーナーがあなたの話を聞き、停滞期の原因を突き止めてアドバイスしてくれます。
また、トレーニングを継続して実施することは、そう簡単にできることではありません。そのため、ライザップのトレーナーは、誕生日のサプライズイベントなど、モチベーションを維持するような工夫を行ってくれます。
その他にも、モチベーションを維持する方法には、以下のような方法が勧められています。
・短気目標を立てる
・なりたい自分を意識する
・少しでもできた点を褒めるなど、自分をポジティブに評価する
・気分を上げる動画を見る
ライザップでは、こうしたダイエットにおけるメンタルマネジメントにも重きを置いています。

ライザップの口コミ

ライザップに限ったことではありませんが、実際に体験した人の口コミは、非常に有益な情報です。もちろん、全ての口コミが信頼できるわけではありませんが、ライザップを体験した人の生の声が載っているため、かなりリアルな情報を得ることができます。
そこで以下に、ライザップの口コミについて記します。

食事法について

ライザップの食事法に関しては、既に述べたように糖質制限とタンパク質の摂取がメインになります。また、トレーナーに対して、実際の食事内容を写真に摂って送ることになります。
そして、それに対してアドバイスをもらうことになっていますが、担当となったトレーナーによって対応が大きく異なるようです。
例えば、すぐに食事に対して具体的かつ的確な返信を行ってくれるトレーナーもいれば、中には「全然返信が来ない」「アドバイスが何かをコピペしたような内容であった」という口コミもあります。
 
また、「食事制限がつらい」という口コミもありますが、これは、糖質制限に苦戦している人が多いようです。
ただ、基本的に「指導どおりに食事制限を実施したら体重は減った」という口コミが多いです。そのため、ライザップで教わった食事法を実践することで、体重を減らすことに成功する可能性は高い考えて良いといえます。
ちなみに、ライザップの食事法から元の食事に戻った人には、「リバウンドした」という口コミをしている人が多くいました。
 

運動(トレーニング)法について

既に述べたように、ライザップのパーソナルトレーニングは、1回50分で約20,000円と値段はかなり高いです。そして実際に、「トレーニングや指導内容のわりには高い」という口コミが多いです。
また口コミによると、体重や血圧測定、食事・運動などに対するフィードバック等で20分程度の時間が取られるため、実際の運動は2~30分程度になることがほとんどのようです。
運動自体は1週間に2回であり、1回が2~30分程度の運動なので、「運動がきつくて挫折した」という口コミはそう多くありません。ただ、運動習慣がない人にとってはかなりハードな運動であり、中には、「いきなり高負荷の運動を指導されて、翌日筋肉痛で動けなくなった」という口コミもあります。
そのため、運動習慣がない人や高齢の人、糖尿病などの内科的疾患を患っている人は注意が必要です。

トレーナーついて

そして、ライザップの口コミの中で目立っていた内容は、「トレーナーによって対応が大きく異なる」ということです。既に述べたような食事に関するフィードバックのスピードや内容だけでなく、運動指導もトレーナーによって大きな違いがあるようです。
例えば、運動指導に関しては、「適切な運動を指導してもらえた」という口コミもあれば、「トレーナーが素人レベルだった」という口コミも多くあります。
さらに、全額返金保障の1ヶ月過ぎからは、トレーナーの態度が冷たくなるという口コミも少なくありません
こうした口コミが真実かはわかりません。ただ、冒頭でも述べたように、火のないところに煙は立ちません。そして実際に、「ライザップでダイエットに成功した」という人の口コミのほとんどは「トレーナーとの相性が良かった」というものばかりです。
そのため、「ライザップでの成功は、トレーナーとの相性にかかっている」といっても寡言ではないようです。

サプリメントやプロテインについて

既に述べたように、ライザップでは人によってサプリメントやプロテインを勧められます。ただ、口コミによると、ライザップで推奨されるサプリメントやプロテインは非常に高価な商品ばかりであるようです。具体的には、「10万円近いサプリメントや、1ヶ月60000円もするようなプロテインの購入を勧められた」という口コミもあります。
また、トレーナーやジムによっては、カウンセリング時などにしつこくサプリメントの購入を勧められるところもあるようです。

その他

ライザップでは、毎日の食事管理をサポートするアプリがあります。ただ、こうしたアプリに関しても、アプリの誤作動やフリーズなど「使いにくい」という口コミも多くあります。
また、基本コースが終わった後に、追加コースの勧誘がしつこく行われるという口コミも多数見られます。
以上の口コミを総括すると、ライザップに対する口コミは、あまり良くない評判が多いように感じました。
ただ、口コミからもわかるように、ライザップで成功するかどうかは、本人の行動(食事制限)と担当となるトレーナーとの相性が大きく関係していると考えられます。また、勧誘を断ることができない人は、プロテインやサプリメントなどを購入することになる可能性があることを知っておく必要があります。

ライザップのダイエット法に対する検討

ここまで、ライザップが提供しているサービスや推奨している食事法、運動法、口コミについて述べました。ここからは、私個人の視点からライザップのダイエット法について検討していきます。

食事法

ライザップが推奨する「糖質制限」「エネルギー量の確保」「タンパク質の摂取」は、私も健康的なダイエットを行う上で欠かせない要素だと考えます。
また、ライザップの理論では述べられていませんが、タンパク質の摂取は脂肪燃焼を促す「グルカゴン」と呼ばれるホルモンの分泌を促します。グルカゴンは、インスリンと逆の作用を持ち、体内の脂肪をどんどん燃焼させるため、分泌されるほど痩せやすくなります。このことも、ダイエット中にタンパク質を摂取することが大切な理由の一つです。
このように、基本的にライザップの食事法は理に適っていると考えます。
ただ、ライザップではカロリー制限が勧められています。具体的にライザップで推奨されているエネルギー摂取量は「(基礎代謝量も含めた1日の消費カロリー)-(500~1000キロカロリー)」とされています。
しかし実際には、体重のコントロールにカロリーはほとんど関係していないため、1日の消費カロリーを上回らないようにカロリーを制限する必要はありません。
体重のコントロールは、主にホルモンのバランスによってコントロールされています。具体的には、既に述べたインスリンと「レプチン」と呼ばれるホルモンがバランス良く分泌されることで、体重は調整されています。
インスリンが分泌されると、体の脂肪細胞には、どんどん脂肪が蓄積されるため、体重は増えます。しかし、インスリンによって脂肪細胞に脂肪が溜まっていくと、脂肪細胞からレプチンが分泌されます。そして、レプチンには脂肪の燃焼を促したり食欲を抑えたりすることで、体を痩せやすい状態にする働きがあります。
こうしたことから、基本的にはこれら2つのホルモンバランスが整っていれば、適正な体重が維持されるように、自然と脂肪燃焼や食欲がコントロールされます。
そして、これらのホルモンの分泌には、摂取カロリーはほとんど関係ありません。さらに、1日の消費エネルギー量を下回るように食事を制限した場合、体はエネルギーを欲するため食欲が促されることになります。その結果、食欲を我慢してストレスが溜まったり、耐え切れずに大量に食べ過ぎたりすることにつながります。
そのため、健康的に痩せるためには、カロリーを制限する必要はないといえます
また、ライザップでは脂質の摂取について、あまり述べられていません。ただ、カロリーの制限が推奨されているため、結果的には脂質の摂取も抑えることになります。
しかし、糖質制限を実施するということは、体のエネルギー源を脂質メインにするということです。そうした際に、脂質の摂取量を減らしてしまうと、体はエネルギー不足を起こしてしまいます。しかも、ライザップではハードなトレーニングを行うため、なおさらエネルギー源の補給は欠かせません。
糖質制限によるダイエットを行う際には、エネルギー源になる「飽和脂肪酸(動物性脂肪に多く含まれている脂質)」を十分に摂取することが大切です。
さらに、体の健康を維持するためには、エネルギー源となる飽和脂肪酸だけでなく、「不飽和脂肪酸」も必要不可欠です。不飽和脂肪酸は、主に植物性油に含まれている脂質です。その中でも、特に「オメガ3系脂肪酸」は必須脂肪酸ともいわれ、日本人に不足しがちな栄養素です。
オメガ3系脂肪酸は、「亜麻仁油」や「エゴマ油」などに多く含まれており、体の治癒反応や脳の発達を促したりする役割を持っている脂質です。サバやアジなどの青魚に豊富に含まれている「DHA」や「EPA」もオメガ3系脂肪酸になります。
こうしたオメガ3系脂肪酸は、健康を維持するためには欠かせないものであり、ダイエット中も意識して摂取すべき栄養素です。
ライザップで推奨されている糖質制限を実施する場合には、このように飽和脂肪酸やオメガ3系脂肪酸の摂取も意識することが大切です。

生活習慣

ライザップで提唱されている生活習慣に関しては、ダイエットを行う上でメリットとなるものだと考えます。ただ、運動を習慣化することや、体内時計をリセットすることに関しては、私のダイエット理論とは目的や方法などが若干異なります。
確かに、ダイエットを実施する上で、運動を習慣化することは大切です。しかし、習慣化する運動は筋トレである必要はありません。また、もし筋トレであっても、ダイエットのためには、筋肉痛が起こるほどの負荷や、疲労感を感じるほどの回数を実施する必要はありません。
ダイエットにおいて運動習慣を習慣化する重要性は、体重コントロールに関与しているホルモン分泌のバランスを整えることにあります。既に述べたように、体重の調整はホルモンによって行われています。
そして、こうしたホルモンのバランスは、主に「自律神経」によってコントロールされています。自律神経とは、無意識下で体の働きを調整する神経です。例えば、心臓や胃腸、血管などの活動をコントロールしているのは自律神経になります。
当然ながら、インスリンやレプチンといった体重のコントロールに関係するホルモンの合成や分泌も自律神経によって調整されています。
運動を行うことや筋肉量を増やすことは、自律神経の活動を整えたり、自律神経のバランスが崩れにくい体質を作ったりすることにつながります。つまり、運動を習慣化すれば、ホルモンの分泌が整って太りにくくなります。
そして、自律神経のバランスを整えるために必要な運動は、筋トレではなく有酸素運動です。有酸素運動とは、ウォーキングやジョギングといった負荷の軽い運動になります。
また生理学的に、筋肉量を増やすために必要なのは、重い重量をかかえるような筋トレではなく、軽い負荷を速いスピードで行う運動です。実際に自宅で運動を行う場合には、30回程度反復して少し疲労感を感じる程度の負荷の筋トレで十分です。
そのため、ライザップで推奨されているような、いわゆる「追い込む」ようなトレーニングは必要ありません。むしろ、こうしたトレーニングは自律神経の活動を乱すため、健康的なダイエットにはなりません。
このように、運動を習慣化することはダイエットに欠かせません。ただ、あくまでも自律神経の活動を整えて、ホルモンバランスを適切にすることを目的とした運動を実施するべきだと考えます。
これは、体内時計をリセットすることも同様です。体内時計は自律神経の活動と相互に関係しています。そのため、体内時計が乱れても自律神経に悪影響を及ぼしますし、自律神経のバランスが悪くなっても体内時計のリズムは崩れます。
こうしたことから、朝日を浴びたり、朝食を摂ったりして体内時計をリセットすることは、自律神経の活動を整えることなり、結果的に痩せやすい体を作ることにつながります。
さらに、水分摂取を意識する生活習慣は、主食を抜くような糖質制限を実施する際には欠かせないものです。主食となるご飯には多くの水分が含まれているため、糖質制限を行うと、自然と水分摂取量が減ってしまいます。
そのため、糖質制限のダイエット中に意識して水分を多く摂るようにすることは大切だといえます。

運動法

ライザップの運動法に関しては、既に述べたように、少しハード過ぎる印象を受けます。口コミにもあるように、筋肉痛が起こるほどの運動を実施するようですので、自律神経を整えるような運動内容ではないと考えられます。
そもそも、ライザップの運動目的は、体重をコントロールするよりも、強制的に体重を減らすことと、筋肉を付けてボディラインを作ることにあります。そのため、健康的に痩せたいのであれば、個人的にはライザップの運動法はお勧めできません。
ただ、「筋肉を付けて格好良く見られたい」と考えている人は、ライザップの運動を実践しても良いかもしれません。

ライザップ後のリバウンドについて

ライザップに入会する前に起こりやすい心配事の一つに「ライザップで痩せた後にリバウンドしないのか?」ということが挙げられます。そして実際に「ライザップを実践して痩せたけどリバウンドした」という口コミは少なくありません。
ただ既に述べたように、そうした口コミをしている人は「食事を元に戻した」というケースがほとんどです。
ライザップの食事法では、糖質制限を行います。糖質の制限は、適正な体重をコントロールするために必要なホルモンバランスの調整に欠かせません。また、糖質の摂取によって血糖値が高くなることは、体にとってもさまざまな害が加わります。
例えば、血糖値の上昇は老化の原因となる「細胞の酸化」を促します。他にも、血糖値の変動は、動脈硬化の促進や感情の起伏に影響します。
つまり、痩せるためだけでなく、適正な体重かつ、健康的な体を維持するためには、糖質の摂取量を抑えることは必要不可欠だといえます。
当然ながら、ライザップ実践中に減らしていた糖質の摂取量を元に戻ると、インスリンの分泌が促されるため体重は増えます。さらに、ライザップ中にはハードな運動で脂肪燃焼を促していたため、そのトレーニングを中止すると、脂肪燃焼効果はなくなります。
こうしたことから、ライザップを止めた後に、食事法や運動法を継続して行わなければ、リバウンドをする可能性は非常に高いといえます。
私は、糖質制限に関してはダイエットに関係なく継続して実施すべきだと考えていますが、ハードな筋トレに関しては、既に述べたようにお勧めしません。そもそも、ダイエットに激しい運動は必要ないと考えているため、ハードな筋トレによって筋肉量を増やして基礎代謝量を高めたり、脂肪燃焼効果を高めたりすることにも疑問があります。
そして、こうしたハードな筋トレによって得られた筋肉量を維持することが難しいですし、筋トレによる脂肪燃焼効果を持続させることも困難です。
以上のことからも、ライザップによるダイエット法はリバウンドしやすいものだといえます。

総括

以上のことをまとめますと、ライザップは真面目に実践すれば痩せるダイエット法だといえます。ただ個人的には、カロリー制限を推奨する食事法や、ハードなトレーニングを行う運動法では、健康的なダイエットは達成できないと考えています
また、口コミなども含めたサービス内容などを考えても、350,000円という値段は少し高いように感じます。
ただ、「自分ひとりではモチベーションが維持できない」「パーソナルトレーナーが付いたダイエットを経験してみたい」という人は、一度ライザップを経験してみるのも良いかもしれません。
そうはいっても、健康的に痩せたい場合には、あまりお勧めできるダイエット法ではないと考えます。