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ロングブレスダイエットについて解説:効果、実践方法、口コミ

ロングブレスダイエットとは、歌手・俳優である美木良介氏が独自で考案したダイエット法です。自宅でも簡単に実施でき、「呼吸を意識するだけで美しく痩せる」ということでダイエット実践者の中で人気が出ました。
三木氏が提案するロングブレスダイエットは方法・理論とも単純でわかりやすく、お金も時間もかからないため、誰もが実践しやすいダイエット方法です。
そこで今回は、「ロングブレスダイエット」について、効果や実践方法、口コミなどを解説します。

ロングブレスダイエットとは

ロングブレスダイエットとは、簡単に説明すると「意識して呼吸を長く行うダイエット方法」です。基本は、長い呼吸を意識するだけですが、そのことをウォーキングやストレッチなどに応用することで、さまざまなエクササイズが考案されています。
三木氏は、自分自身の腰痛を解消するために、全国のカイロプラクティックや気功、整体などを訪ねましたが、一向に腰痛は改善しませんでした。そこで、独自にさまざまな文献を読み漁って試行錯誤した結果生まれたのがロングブレスダイエットです。
そして、ロングブレスダイエットは、「お腹や背中周りにあるインナーマッスルを鍛えることで腰痛を解消する」というリハビリ法を応用して考案されたものです。
インナーマッスルとは、内臓の周りを囲んでいる筋肉であり、いわゆる「体幹(たいかん)」部分を安定させる作用のある筋です。専門的には、「腹横筋(ふくおうきん)」「多裂筋(たれつきん)」「横隔膜(おうかくまく)」「骨盤底筋(こつばんていきん)」の4つをインナーマッスルといいます。
ただ三木氏の著書では、腹横筋や、背骨の両脇に存在する「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」をインナーマッスルといっています。
こうしたインナーマッスルを、呼吸法によって活性化させることで、腰痛の予防・解消だけでなく、ダイエット効果を狙ったのがロングブレスダイエットです。
三木氏は、実際にロングブレスダイエットによって、20年間以上悩まされた腰痛を解消しただけでなく、約2ヶ月で13,5キログラムのダイエットに成功しました。また三木氏以外にも、森公美子氏や勝俣和代氏(経済評論家)、升田尚宏氏(アナウンサー)などの著名人がロングブレスダイエットで痩せたといわれています。

ロングブレスによる3つの効果

三木氏は著書で、ロングブレスダイエットには腰痛の予防・解消やダイエットだけでなく、さまざまな効果があることを述べています。以下に、三木氏が挙げるロングブレスダイエットを実践することで得られる3つの効果について記します。

ダイエット効果

ロングブレスダイエットには、その名の通りダイエット効果が期待できます。
既に述べたように、ロングブレスダイエットの基礎はインナーマッスルを強化することです。そして、ロングブレスダイエットによってインナーマッスルが鍛えられると、必然的に筋肉量が増えて代謝(基礎代謝量)が高まります
基礎代謝量が高くなるということは、日々の生活で効率的にカロリーが消費されることになります。そのため、運動によって消費カロリーを増やしたり食事制限によって摂取カロリーを減らしたりすることなく、痩せることができるということです。
ロングブレスによるダイエット効果のメカニズムは、こうした基礎代謝量の向上にあります。

スタイルアップ

ロングブレスダイエットには、体重の減少だけでなくスタイルアップ効果も期待できます。
ダイエット方法の中には、「体重や体脂肪は落ちるけれどもスタイルアップにつながらない」という方法も存在します。その一方で、ロングブレスダイエットは、体重を減らすだけでなく、美しいボディラインを獲得することができるダイエット方法です
具体的には、基礎となる長い呼吸法を意識することで、インナーマッスルが鍛えられウエストが細くなります。
つまり、ウエスト周りの筋肉が引き締まり、ぜい肉が落ちることで「くびれ」をつくることになるのです。
また、呼吸法を応用したウォーキングやストレッチを実践することで、二の腕や胸、お尻の筋肉が効率的に鍛えられて引き締めらて、「二の腕やせ」や「バスト・ヒップアップ」の効果も期待できます。
このように、スタイルアップはロングブレスダイエットによって期待できる効果の一つです。

不調の予防・改善

さらに、三木氏が長年悩まされた腰痛が解消したように、ロングブレスにはさまざまな体の不調を予防・改善する効果が期待できます。
例えば、腰痛の発症には「体幹を安定させる作用を持つインナーマッスルが弱くなること」が影響しているとされています。つまり、腰が安定していないことが腰痛の一要因だと考えられています。
そのため、「ロングブレスによってインナーマッスルが強化することで、腰痛を予防・解消する効果が期待できる」ということです。
またその他にも、ロングブレスを意識して肩周りにある筋肉のエクササイズを実施すると、肩こりの予防・改善効果も期待できます。
さらに、ロングブレスによって腹筋(インナーマッスル)を刺激すると、腹筋の収縮によって腸が刺激されるため、便秘の予防・解消にもつながります。そして、便秘は「万病の元」といわれるように、さまざまな病気に影響しているため、ロングブレスによって便秘が良くなると、多くの不調が改善される可能性があるのです。
このように、ロングブレスダイエットには、ダイエットやスタイルアップという美容効果だけではなく、腰痛や肩こり、便秘の予防・解消という体の不調に対する作用も期待できます。

ロングブレスダイエットの具体的な方法

ロングブレスダイエットは、長い呼吸を基本としたエクササイズです。そして、基本となる呼吸法はウォーキングやストレッチなどに応用することもできます。
そこで以下に、ロングブレスダイエットの具体的な方法について記します。

基本

ロングブレスダイエットの基本は、長く吐くことを意識した呼吸です。具体的には「鼻から3秒かけてゆっくり息を吸った後、口から3秒で一気に吐き出し、さらに4秒間息を吐き続けた状態を維持する」という方法です。
こうした呼吸に、姿勢と動作を組み合わせて実践します。
1.顔を正面に向け、背すじを真っ直ぐして立つ
2.お尻を締めて下腹部に力を入れる
(*つま先立ちをするとお尻と下腹部に力が入りやすい)
3.2の状態をキープしたまま、片足を前方に踏み出して、前側にある足の踵を後側にある足の土踏まずに合わせる
(*重心は後側の足に乗せる)
4.両手を肘を伸ばした状態で、鼻から息を吸いながら前方から頭上に3秒かけて上げる
5.溜め込んだ息を、お腹に力を入れながら口から3秒かけて一気に吐き出す
6.下腹部に力を入れた状態をキープしながら、残った息を4秒かけて吐き出しながら両腕を横から下に降ろす
7.息を吐ききるまでお腹を凹ませた状態をキープする
(*最後まで後側の足に重心を乗せておくことを意識する)
ロングブレスダイエットの基本は、以上の呼吸法を1日に6回実施することです。

インナーマッスルを意識

またさらに、以下に記すようなお腹を意識した呼吸法を実施することで、よりインナーマッスルを強化することができます。
1.胴体部分の挟むように、お腹と背中に片手ずつ当てる
2.3秒かけて鼻から息を吸いながらお腹を凹ませる
3.さらに口から3秒かけて一気に息を吐き出しながらお腹を凹ませる
4.4秒かけて残った息を吐き出し、さらにお腹を凹ませる
こうしたインナーマッスルを意識した呼吸を実践することで、ロングブレスの効果をより高めることにつながります。

ウォーキングやストレッチに応用する

ロングブレスダイエットは、基本やインナーマッスルを意識した方法をマスターした後は、動作にも応用できます。例えば、ウォーキングにもロングブレスを併用することで、ウォーキングの効果をより高めることができます。
具体的には、歩行に合わせて「4歩で吸って、4歩で吐く」というタイミングでロングブレスを実施します。
このときは、ロングブレスのように吐ききらず、歩くテンポに合わせて呼吸を行うことがポイントです。つまり、3秒かけて一気に吐ききることよりも、「4歩足を出す間にゆっくりと息を吐く」ということを意識します。
また、呼吸に合わせて歩くことに慣れてくれば「4歩で息を吸って8歩で息を吐く」というように、より時間をかけて息を吐くようにすることも効果的です。
さらに、ロングブレスはストレッチにも応用することができます。ロングブレスをストレッチと併用するときには、鼻から3秒かけて息を吸った後、7秒(一気に吐く3秒+残った息を吐く4秒)かけて吐きながら筋肉を伸ばします。
このように、ロングブレスはさまざまな運動に応用することができます。

ロングブレスダイエットの口コミ

ロングブレスダイエットを実践した人の口コミを見ると、評価が高い口コミが目立ちます。ただ実際には、「効果はなかった」という内容がほとんどです。
その中でも評価が高いのは、「体重は減らなかったけど、腹筋が筋肉痛になったから効きそうな気がした」「方法が間違っていたり期間が短かったりしたから?せなかったけれども、正しい方法と期間を守れば?せそうな感じがする」といった「期待」が含まれているものばかりでした。
また、「?せた」という口コミをしている人の多くは、ロングブレスに加えて食事法や運動法を併用している人でした。
実際に、ロングブレスで?せたといわれている森公美子氏や勝間和代氏も、「体重が減ったのはロングブレスダイエットだけの効果ではない」と述べています。
さらに、呼吸法という単純なエクササイズであり、なおかつ短期的な効果が発揮されずらいゆえに「飽きやすい」という口コミも多く見られます。そして、中には「逆に腰痛が悪化した」という口コミもありました。
このように、ロングブレスダイエットの口コミは、付けられた点数の高さだけ見ると高評価を受けているように見えます。しかし実際には、良い口コミは少ないのが実状です。

ダイエットにロングブレスを取り入れるべきか?

ここまで、ロングブレスの効果や実践方法、口コミなどについて述べてきました。それでは、「ダイエットにロングブレスを取り入れた方が良いのか?」ということについて、私の意見を記します。
結論からいうと、「ダイエットにロングブレスは必要ない」というのが個人的な考えです。
確かに、ロングブレスは手軽で誰でも行えるエクササイズであるため、ダイエットを意識するためのきっかけとしては有効かもしれません。また、適切な方法で行うのであれば、他のダイエット法と併行して実施すればロングブレスの効果が発揮される可能性もあります。
しかし、ロングブレス単独ではダイエット効果は期待できないと考えています。
ロングブレスによるダイエット効果は、基礎代謝量の向上によるものだとされています。筋肉量が増えると基礎代謝量が高くなることは事実です。
ただ、そもそも体重の増減は代謝などのカロリーによってコントロールされているわけではないため、基礎代謝量が高くなっても?せるとは限りません。体の脂肪蓄積を調整しているのは、摂取カロリーと消費カロリーではなくホルモンです。
そのため、ダイエットを成功させるためには、ホルモンバランスを整えることが重要になります。
確かに、基礎代謝量が高くなるということは、ホルモンバランスをコントロールしている「自律神経」の活動を整えることにつながるため、結果的に?せやすい体質となる可能性はあります。
ただ、ロングブレスによる呼吸では、逆に自律神経のバランスを崩します。それは、ロングブレスの方法が想像しているよりハードであるためです。
ロングブレスを実践してみるとわかりますが、ロングブレスで提唱されているように最後まで息を吐ききると、かなり苦しくなります。中には「筋肉(インナーマッスル)を鍛えるためには、できるだけ負荷をかけた方が筋肉が刺激されて良い」というイメージを持つ人もいると思います。
しかし、あまりに腹部を凹ませすぎるほど力を入れると、インナーマッスルを鍛えることはできません
インナーマッスルは、非常に弱い力で運動したときのみに働きます。強い力を有するような運動を行うときには、アウターマッスルと呼ばれる大きな筋肉が作用します。つまり、ロングブレスほどハードな運動を実施すると、インナーマッスルではなくアウターマッスルが鍛えられるということです。
また、これほど負荷が強い運動では、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
もしかしたら、正しいロングブレスは、そうしたことにも注意しているのかもしれません。しかし、ロングブレスの本やDVDだけでは、素人が自律神経のバランスを崩さずにインナーマッスルを鍛えることは困難です。
このように、ロングブレスのダイエット効果は、理論的にも疑問がある上に、インナーマッスルを鍛える実践方法にも納得できない点が多くあります。
こうしたことから、私はあえてダイエットにロングブレスを取り入れる必要はないと考えています。
今回述べたように、ロングブレスダイエットは、手軽に行えるダイエット法であるため、ダイエットを意識するきっかけには良いかもしれません。しかし、ロングブレスだけでダイエット効果を期待することはお勧めしません。
また、ロングブレスはやり方を間違いやすいエクササイズであるため、正しく行わないと健康を害する可能性があります。
そのため、もしロングブレスを実践する際には、しっかりとした指導を受けた上で実施するようにしましょう。