脂質ダイエットによる体質改善

胃酸による消化能力を自宅で確認する方法:ビーツ尿テスト

ダイエットをしている人の中には、「胃酸による食べ物の消化吸収能力」や「便秘の原因となっている腸の状態」を確認したいと考えている人が多いのではないでしょうか。

 

胃酸や腸の状態は血液検査・便検査などで確認できます。しかし、血液検査を頻繁にする人はいませんし、ましてや便検査をしてくれる病院は少ないのが現状です。そのため、実際に自分の胃酸や腸の状態を把握している人は少ないはずです。

 

こうした際に簡易的な検査方法を知っておくと、お金をかけずに自宅で胃酸や腸の状態を確認することができます。

 

自宅で実施できる簡易的な検査の一つとして、野菜の「ビーツ」を使った「ビーツ尿テスト」と「ビーツ便テスト」があります。これらの検査を行うことで、家庭で簡単に胃酸や腸の状態を確かめることができるのです。

 

そこで今回は「自宅で行えるビーツを使った胃酸・腸の検査方法」について解説します。

 

ビーツとは

ビーツは日本では一般的ではなく、「テーブルビート」「レッドビート」などともいわれる野菜です。赤カブとも呼ばれますが、カブは「アブラナ科」である一方で、ビーツは「アカザ科」の植物であるため別物です。

 

イギリスやロシアなどの海外では食用として一般的に使われています。特にロシアの伝統料理である「ボルシチ」にはよく使用されている食品です。その他にも、スープやジュース、サラダなど、さまざまな料理に使うことができます。

 

ビーツに含まれている栄養素

ビーツは「食べる輸血」といわれるくらい高栄養の食べ物であり、鉄やマグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムといったミネラル分が豊富に含まれています。

 

またビーツには、ミネラルだけでなくビタミン類もたくさん含まれています。さらに葉には鉄分が豊富に入っているため、葉っぱも一緒に料理すると良いでしょう。以下に、ビーツに入っている主な栄養素をまとめます。

 

 三大栄養素

脂質(g) 炭水化物(食物繊維) タンパク質(g)
0.1 9(2.7) 1.6

 

その他

ビタミンC(mg) ビタミンB6(mg) 鉄(mg) マグネシウム(mg) カルシウム(mg)
5 0.1 0.4 18 12

 

ビーツには、その他にも葉酸や食物繊維、カリウム、ナトリウム、ビタミンB3(ナイアシン)、パントテン酸など、さまざまな栄養素が入っています

 

このようにビーツには、栄養素が豊富に含まれているため、健康食品としても人気があるのです。

 

ビーツに含まれる糖質量

ここまで述べたように、ビーツにはミネラルやビタミンといった、健康には欠かせない栄養素が豊富に含まれています。ただ、食べてみるとわかりますが、ビーツはかなり甘味が強いです。実際にビーツには、100g当たり約10gの糖質が含まれています。

 

これは、サツマイモ(23g/100g)やじゃがいも(16g/100g)ほどではありませんが、糖質量が多い野菜だといえます

 

私は空腹時にビーツだけを3つ食べてみました。

 

 

そうすると、空腹時は80前半である血糖値が、ビーツを食べた1時間後には以下のように120を超えました。

 

・空腹時血糖

・ビーツ3つ摂取1時間後

もちろん、体調や人によって血糖値の変動は大きく異なりますが、ビーツは血糖値を上げる食品だといえます。そのため、糖尿病などで血糖値の変動に敏感な人や厳格に糖質制限をしている人は、血糖値が上がりやすい食品であるため注意してください

 

そうはいっても、3つも食べて食後1時間の血糖値が120程度ですので、通常は心配することはありません。

 

ビーツに含まれる色素

ビーツは、先に載せた写真のように赤紫色をしています。これは、赤紫色である「べタシアニン」と呼ばれる成分によって作られている色です。

 

ベタシアニンは、強い「抗酸化作用」があります。抗酸化作用とは、細胞の老化である「酸化」を抑える働きです。抗酸化物質としては、一般的にはビタミンCやビタミンE、ワインなどに含まれているポリフェノールなどがよく知られています。

 

酸化とは、細胞に酸素がくっ付く反応であり、簡単にいうと「サビ」になります。鉄がサビるのは、鉄に酸素が結合し酸化した結果として生じる現象です。

 

こうした酸化は人間の細胞にも起こります。そして酸化は、細胞の正常な働きを妨げて老化を招く原因になるのです。

 

例えば、急激な血糖値の上昇や過剰な運動、ストレス、睡眠不足、過食などは、体内の酸化反応を強めます。そのため、日常生活でこれらの要因が認められる場合には、意識して抗酸化物質を摂取することが大切です。

 

ちなみに、抗酸化作用をもつベタシアニンを含む食品には、ビーツ以外にドラゴンフルーツが挙げられます。

 

ビーツ尿テスト

ここまで述べたように、ビーツは栄養が豊富な食品です。また、ベタシアニンと呼ばれる抗酸化作用をもつ成分が入っているため、赤紫色をしています。

 

通常、食べ物に色をつけている成分は、体内で「分解酵素」と呼ばれる物質によって分解されます。ただ日本人は、ビーツに含まれているベタシアニンを分解する酵素をもっていない人が多いです。

 

そうなると、ベタシアニンを分解してくれるのは胃酸だけになります。

 

つまり、胃酸が強い人はベタシアニンの分解酵素をもっていなくても、ベタシアニンを分解することができるのです。逆に、ベタシアニンの分解酵素が不十分かつ胃酸の分泌が悪い人は、ベタシアニンを分解することができません。

 

こうしたベタシアニンと体の特徴を使って胃酸分泌の状態を調べるのが、ビーツ尿テストです。

 

ビーツ尿テストとは

ビーツ尿テストとは、ベタシアニンを豊富に含むビーツを食べた後に、尿の色が(ピンク色に)着色するかを確認するテストになります。

 

方法は簡単であり、ビーツを少なくとも2個以上食べた後、その後に出た尿の色を確認するだけです。尿がピンク色になっていれば陽性であり、いつも通りの透明~黄色っぽい色であれば陰性になります。

 

ちなみに、私がはじめてビーツテストをしたときは若干ピンク色の尿が出たため、陽性でした。

 

ビーツ尿テストの解釈

ビーツ尿テストの解釈は、簡単にいうと陽性であれば「ベタシアニンが分解できていない」、陰性であれば「ベタシアニンが分解できている」ということになります。さらに、ベタシアニンが分解できていないということは、「ベタシアニンの分解酵素が不十分」もしくは「胃酸分泌が不十分」であるといえます

 

日本人の多くがベタシアニンの分解酵素をもっていないことを考慮すると、ビーツ尿テスト陽性の場合、胃酸の分泌が低下している可能性が高いと考えられます。

 

ただ、「ビーツ尿テスト陽性 = 胃酸分泌の低下」「ビーツ尿テスト陰性 = 胃酸分泌十分」という単純な解釈には問題があります。

 

例えば、ベタシアニンの分解酵素をもっている人が少ないといっても、中には体内に十分量の分解酵素が存在している人もいるはずです。そうした人は、胃酸の分泌が悪くてもビーツ尿テストは陰性になります。

 

その一方でビーツ尿陽性の場合は、ベタシアニンの分解酵素が不十分かつ胃酸分泌が低下している可能性が高いです。

 

 

ビーツ尿テストと自律神経

さらに、胃酸の分泌量は体の状態によって大きく異なります。胃酸の分泌は自律神経によってコントロールされているためです。

 

自律神経とは、心臓や血管、内臓などの活動を無意識下で調整している神経になります。また自律神経は、体が興奮しているときに働く「交感神経」と、リラックス時に活動する「副交感神経」から構成されています。そして、これら2つの神経がバランスをとりながら体の機能をコントロールしているのです。

 

胃酸の分泌も、交感神経と副交感神経が相互に作用することで調整されています

 

具体的には、胃酸の分泌は副交感神経の活動によって促されます。例えば、食べた後に急な運動をしてはいけない理由は、運動によって交感神経を刺激すると、胃酸の分泌が悪くなって食べ物を消化できなくなるためです。

 

その他にも、ストレスを感じているときや激しい運動をしているときに食欲がわかないのは、交感神経の緊張が関係しています。

 

このように、胃酸の分泌量をコントロールしている自律神経は、さまざまな要因から影響を受けます。つまり、ビーツ尿テストの結果は、自律神経の状態によって大きく変動するのです。

 

そのため、ストレスを強く感じているときなどにビーツ尿テストを行うと、通常は胃酸が適切に分泌されている人でも、陽性の結果が出る可能性があります。

 

こうしたことからも、ビーツ尿テストの解釈は慎重に行うことが大切です。

 

ちなみに、交感神経を緊張させて胃酸分泌を低下させる原因として、以下の要因が挙げられます。

 

・ストレス
・睡眠不足
・過度な運動
・カフェイン(コーヒー、エナジードリンクなど)
・薬
・気温(寒い)

 

そのため、以上に挙げた要因が存在する場合には、一時的にビーツ尿テストが陽性となるケースもあることを知っておいてください。

 

ビーツ尿テストとリーキーガット症候群

ビーツ尿テストが陽性であると、「リーキーガット症候群(LGS)」である可能性が高いという解釈をしている人もいます。リーキーガット症候群とは、簡単にいうと「腸に穴が空くことで、腸から栄養が吸収されにくくなったり、逆に体にとって有害な物質を取り込んだりするようになる病気」です。

 

ビーツを食べた後に尿がピンク色になると、リーキーガット症候群の状態が疑われるといわれています。

 

ただ、こうした解釈は論理が少し飛躍しています。

 

「ビーツ尿テストが陽性であればリーキーガット症候群である」という解釈は、「ビーツ尿テスト陽性 → 胃酸の分泌が低下している → 消化吸収が上手くできない → リーキガット症候群」という理論です。

 

確かに、胃酸によって食べ物が分解されないと、その分だけ腸に負担をかけることになるため、リーキーガット症候群となる可能性は高くなります。ただ「胃酸の分泌低下 = リーキガット症候群」という解釈は、論理が飛躍し過ぎです。

 

実際には「ビーツ尿テスト陽性 = リーキガット症候群」ではなく、「ビーツ尿テスト陽性 = リーキーガット症候群になりやすい」と考えるのが妥当でしょう。

 

このように、ビーツ尿テストが陽性であっても、リーキガット症候群になっているとはいえないのです。

 

ビーツ便テスト

ビーツ尿テストをしたときには、平行して「ビーツ便テスト」も平行して実施できます。ビーツ便テストとは、「ビーツを食べた後に、赤色の便が排泄されるまでの時間を確認するテスト」です。

 

赤色の便が排泄されるまでの時間によって、腸が適切に活動しているかを確かめることができます。腸は「ぜん動運動」と呼ばれる自発的な運動によって、食べた物から便を形成して肛門から排泄しています。

 

そのため、着色された便がどれくらいの時間で排泄されるかを確認することで、腸の活動状態を確認できるのです。

 

もちろん、ビーツの赤色成分であるベタシアニンの分解酵素や胃酸が十分に分泌されている人は、便が着色することもありません。そのため、ビーツ便テストはビーツ尿テストが陽性であった場合に有効になります

 

ビーツ便テストの解釈

ビーツ便テストの方法は、基本的にはビーツ尿テストと同じです。少なくとも2個以上のビーツを食べた後、便が排泄されるまでの時間を確認します。

 

通常、食事で摂った食べ物は24時間以内に便として排泄されます。ビーツに含まれているベタシアニンの着色という特徴を応用して、食べた後どれくらいで着色された便が出てくるかを確かめるのです。

 

つまり、ビーツを食べて、ビーツが便として排泄されるまでの時間を計ります。

 

具体的には、ビーツ摂取後12時間以内で赤色の便が排泄されれば、栄養が上手く吸収されていないことが示唆されます。食べた物(ビーツ)が、体内に吸収されずにそのまま便として排泄されているということです。

 

また、食べて後24時間経っても赤色の便が出なければ、腸の運動が悪いと考えられます。腸が活動していないために、腸内に食べた物(ビーツ)が蓄積されているということです。

 

腸が適切に活動していれば、ビーツを食べた後12~24時間で赤色の便が排泄されます。

 

このことを考慮すると、便秘傾向にある人は、ビーツ便がビーツを食べた後24時間以降に確認されるはずです。

 

ただ、腸の活動は自律神経によってコントロールされているため、ビーツ尿テストと同じようにその日の体調によって結果は大きく異なります。そのため、ビーツ便テストも、さまざまな要因を考慮した上で解釈することが大切です。

 

今回述べたように、ビーツを活用することで、胃酸の分泌や腸の運動を確認することができます。しかし、胃酸や腸の状態は、自律神経という複雑な要因によってコントロールされています。そのため、ビーツ尿やビーツ便テストの結果に一喜一憂せずに、総合的に判断するようにしましょう。

 

そうはいっても、ビーツ尿テストやビーツ便テストは自宅で簡単にできるため、胃腸に不調を感じている人にはおススメの検査です。

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