脂質ダイエットによる体質改善

ダイエットに必要な三大栄養素の消化・吸収に関する基礎知識

ダイエットを行う上で、栄養素に関する知識を有していることは重要です。中でも、体のエネルギーを作り出す元となる「炭水化物」「タンパク質」「脂質」の三大栄養素は、体重の増減に大きく影響します。

 

そのため、ダイエットで成功するためには「三大栄養素が、体内でどのように消化・吸収されるのか?」ということを理解しておくことが大切です。

 

三大栄養素における消化・吸収のメカニズムを把握しておくことで、ダイエットのための食事に関する知識を深めることができます。そのことが、健康的に痩せるための適切な食生活につながります。

 

そこで今回は、「ダイエットに必要な三大栄養素の消化・吸収に関する基礎知識」について解説します。

 

炭水化物の消化・吸収

炭水化物(糖質+食物繊維)は、ダイエットを成功させるために重要な栄養素になります。糖質を摂取して血糖値(血液中の糖分量を示す値)が高くなると、すい臓から「インスリン」と呼ばれる脂肪を蓄積させる作用を持つホルモンの分泌が促されます。

 

つまり、炭水化物を多く含む食品は、その食品がどれほど血糖値に影響するかによって、太りやすさが決まります。

 

こうしたことから、ダイエットを成功させるためには、食べ物から血液中の糖分となるまでの過程である、炭水化物の消化・吸収について理解しておくことは重要です。そこで以下に、炭水化物の消化・吸収について記します。

 

小腸での消化、吸収

炭水化物は、栄養学的に「遊離糖(単糖類、二糖類)」「短鎖炭水化物」「デンプン」「非デンプン性多糖類」の4つに分類されます。そして、それぞれが異なった特徴を持っており、消化吸収の方法も違います。

 

炭水化物に限らず、口から摂取される食べ物の消化は、口腔内から始まります。噛むことで小さく砕かれ、同時に唾液に含まれる酵素によって分解されます。

 

どの栄養素であっても、こうした口腔内における消化の過程は比較的短時間で終わります。

 

口腔内での処理が終わった後は、飲み込むと同時に食物塊が胃内に入るため、胃酸にさらされます。ほとんどの炭水化物は、胃を通過した後の小腸で消化されます。しかし、炭水化物の中でも、デンプンの分解(消化)は主に胃で行われます。

 

デンプン以外の炭水化物は、小腸で炭水化物を構成している一番小さな成分である単糖類(グルコース、フルクトース、ガラクトース)まで分解された後、腸内から血液中に吸収されます。

 

小腸では、単糖類の濃度が高くなる(単糖類の量が増える)と、自動的に糖分が血液中に吸収されます。

 

一方、単糖類の濃度が低い場合は、エネルギーを使って、血液中に送り出す必要が出てきます。

 

そして、一言で単糖類といっても、小腸から血液中へ吸収される速度には違いがあります。具体的には、「ガラクトース」や「グルコース」は「フルクトース」に比べて速く吸収されます。その一方で、炭水化物の中でも、食物繊維やデンプンは消化吸収速度が遅いです。

 

他にも、炭水化物と一緒に摂取するタンパク質や脂質の量が多くなると、炭水化物の消化吸収は遅くなります。さらに、一日の食事量が同じである場合、食事の頻度を増やすことで、炭水化物の吸収速度を遅くすることができます。

 

そして、炭水化物の吸収速度が遅いということは、血糖値の上昇を抑えることができるということです

 

既に述べたように、血糖値が上がると体に脂肪をため込む作用があるインスリンの分泌が促されます。そのため、ダイエットを行う際は、炭水化物を食べるとしても、食物繊維やデンプンなどの、吸収速度の遅いものを中心に摂取することが大切になります。

 

そうすることで、血糖値の急激な上昇を抑えて、インスリンの分泌を少なくすることができます。その結果、脂肪を溜め込みにくい体になります。

 

また、タンパク質や脂質を同時に食べることや、1回の食事量を減らして頻度を増やすことも、インスリンの分泌を抑えて、体重増加を抑制することにつながります。

 

さらに、砂糖などの元々吸収しやすい状態である栄養素や、ジュースなどの液体に溶け込んだ糖質は、血糖値の急激な上昇を誘発して、インスリンの分泌を促すことになるため注意が必要です。

 

大腸での消化、吸収

大腸には、小腸で吸収されなかった炭水化物が送り込まれます。そして、大腸に入ったものは、腸内細菌によって発酵されます

 

炭水化物の中でも、吸収速度の遅いフルクトースや食物繊維、デンプン、短鎖炭水化物といったものは、大腸での発酵を受けやすいものだと言えます。さらに、大腸で発酵された炭水化物は、「短鎖脂肪酸」と呼ばれる物質や「ガス」に変わります。

 

これらの物質は、最終的には血液中に入り、呼気や腸ガスとなって排出されたり、糞便となって体内から出されたりします。

 

腸内で発生するガスが少ない場合は、主に肺を介して呼吸中に排出されます。しかし、大量のガスが作られた場合は、直腸から「オナラ」として出されます。

 

一方、大腸で作られる糞便に関しては、炭水化物の中でも食物繊維だけが体積を変化させます。そのため、便の量自体が少ないために便秘になっている人には、便量を増やすために、食物繊維を多く摂取することが推奨されています。

 

また、大腸で作られる短鎖脂肪酸には、大腸から血液中へカルシウムの吸収を促す役割があります。つまり、短鎖脂肪酸が多くなるほど、カルシウムが効率的に取り入れられるようになります。

 

さらに、短鎖脂肪酸は、大腸におけるナトリウムや水分の吸収調節にも深く関係しています。

 

他にも、短鎖脂肪酸は、体を動かすエネルギー源になることもわかっています。短鎖脂肪酸は「ケトン体とも呼ばれ、ブドウ糖と同じように、細胞が活動するためのエネルギー源になります。

 

このように、小腸で吸収されなかった炭水化物は、大腸内でさまざまな処理を受けて、体内で利用されたり排泄されたりします。

 

タンパク質の消化・吸収

タンパク質は、三大栄養素の中でも、体の構造を作るために欠かせない栄養素です。例えば、筋肉や内臓などは、主にタンパク質によって構成されています。

 

また、タンパク質の摂取は、「グルカゴン」と呼ばれるホルモンの分泌を促します。そして、グルカゴンには「脂肪の燃焼を促す」というインスリンと反対の作用があります。そのため、ダイエットを成功させるために、タンパク質の消化・吸収について理解しておくことは重要です。

 

そこで以下に、タンパク質の消化・吸収について記します。

 

貯蔵タンパク質について

体重60キログラムの成人の体には、約10グラムのタンパク質が含まれています。そのタンパク質の内、45パーセントは筋肉にあります。そして残りは、皮膚と血液中に15パーセントずつ、肝臓と脳に1.5パーセント、腎臓に0.3パーセント存在しています。

 

これが新生児では、筋肉に30パーセント、皮膚と血液中に20パーセント、肝臓と脳に5パーセント、腎臓に1パーセントという割合になっています。

 

このように、体を構成するタンパク質の割合は年齢によって大きく異なります。

 

そして、タンパク質の摂取量が不足した時は、これらの臓器が主に影響を受けます。食事によるタンパク質が足りない時は、体を構成しているタンパク質を分解することで、必要な組織にタンパク質を供給します。

 

また、タンパク質の摂取量によって受ける影響は、組織によって違いがあります。

 

例えば、タンパク質の摂取量が不足している時でも、筋肉中に含まれるタンパク質は、比較的ゆっくりと失われます。一方で肝臓や内臓組織は、タンパク質の摂取量が足りない時には、速やかに分解され、必要な組織へのタンパク質供の給に役立ちます。

 

そのため、タンパク質の摂取量が不足した時に、最初に影響を受けるのは、肝臓や内臓組織だと言えます。

 

このように、絶食などの緊急時や、毎日の食事によるタンパク質摂取量のちょっとした変動に対応して、体のバランス保っているタンパク質を「貯蔵タンパク質」といいます。貯蔵タンパク質は、「中性脂肪のように体にため込むことができないため、体内に多く存在していない」という特徴を持っています。

 

基本的に、食事から摂取した脂質と糖質の中で、エネルギーの産生に関与せずに余った分は、中性脂肪やグリコーゲンとして貯蔵されます。そして蓄積された中性脂肪やグリコーゲンは、必要なときに体のエネルギー源として利用されます。

 

しかし、貯蔵タンパク質は、脂質や糖質のように体内に蓄積されません。貯蔵タンパク質は、あくまで食事摂取量の変動に対して、数日間適応するために存在するものです

 

そのため、長期間にわたる絶食や、極端なダイエットを行うことによってタンパク質不足が生じると、貯蔵タンパク質だけでは体のタンパク質量が維持できなくなります。そうなると、内臓や筋肉といった組織から分解されるタンパク質量が多くなるため、内臓や筋肉にさまざまな障害が現れます。

 

タンパク質の消化・吸収過程

タンパク質の消化は、胃内において、胃酸と「ペプシン」と呼ばれる消化酵素によって分解されることから始まります。そして、食槐は胃を通過した後は小腸に入り、すい臓から小腸へ分泌される「トリプシン」や「キモトリプシン」などのタンパク質分解酵素の働きによって、さらに小さな「アミノ酸」や「ペプチド」まで破壊されます。

 

その後、アミノ酸は小腸内から血液中に吸収されます。それに対してペプチドは、アミノ酸まで分解された後に血液中に取り込まれるか、さらに腸内で代謝されます。

 

そして、腸内から吸収されたアミノ酸は、一部が肝臓へ送られて肝臓で利用されます。肝臓へ取り込まれなかったアミノ酸は、血液に乗って全身の組織へ送られて、各細胞で活用されることになります。

 

ただ、タンパク質は、炭水化物などと比較すると腸内で吸収されにくい傾向があります

 

例えば、あるタンパク質は、「そもそもアミノ酸まで分解されにくい」という特徴を持っています。そのため、そのタンパク質の多くは、胃腸内で分解されずに大きな状態のまま小腸を通過してしまいます。

 

つまり、未消化のまま血液中に取り込まれることなく大腸に送られて、便となって排出されます。

 

そうしたことを避けるためにも、タンパク質が豊富な食品を摂取するときには、「よく噛む」ということが重要になります。噛むことは、口腔内で食物を細かく砕き、消化・吸収しやすい状態にして胃腸に送り出す役割があります。

 

そのため、胃腸での消化・吸収がスムーズに行われるようになります。

 

また、タンパク質は、腸から吸収できるレベルのペプチドやアミノ酸まで分解されても、全て腸内で吸収されることはありません。そして、吸収されなかったペプチドやアミノ酸は、大腸に送られて便の一部となります。結局、これらのタンパク質も「体内で利用されずに排泄される」ということです。

 

このように、タンパク質は、炭水化物などと比較すると、消化と吸収に負担がかかる栄養素だといえます。

 

 タンパク質不足による症状

タンパク質は、筋肉や内臓、肌、毛などといった体の組織を作っている主な成分です。またタンパク質は、こうした体の構造だけではなく、酵素やホルモンなどの材料にもなります。酵素やホルモンには、体の働きを円滑にする役割があります。

 

つまり、体内のタンパク質量が不足すると、体の構造と機能の両方に何かしらの影響が及びます。

 

実際に、食事からタンパク質の摂取量が不足し、貯蔵タンパク質だけでは必要なタンパク質量を補えなくなった場合には、筋肉や内臓、ホルモンなどを分解して体に必要なタンパク質を作り出します。

 

その結果、筋肉が衰えて痩せてしまったりホルモンバランスが崩れてしまったりして、さまざまな不調が出現することになります。

 

以下に、タンパク質不足によって起こりやすい不調の例を挙げます。これらの症状が認められた場合は、タンパク質の摂取量が足りていない可能性があります。

 

 ・痩せにくくなる
食事からのタンパク質摂取量が足りないと、筋肉や内臓などの組織を構成するタンパク質が減ってしまいます。さらに、貯蔵タンパク質だけでは体内のタンパク質量が維持できなくなると、筋肉や内臓が分解されることになります。

 

そうなると、筋肉が痩せ、内臓の働きが悪くなってしまいます。その結果、代謝が悪くなって痩せにくくなります。

 

また、食事によるタンパク質の摂取は、「グルカゴン」と呼ばれる、脂肪の分解を促進するホルモンの分泌を促します。グルカゴンと反対の性質を持つホルモンが「インスリン」です。インスリンは、糖質摂取によって放出され、体に脂肪をため込む作用があります。

 

つまり、食事からタンパク質を摂取しなければ、グルカゴンが十分に分泌されなくなるため、痩せにくくなります。

 

このような2つの理由で、食事からのタンパク質摂取量が少ないと、痩せにくくなります。

 

 ・体力が低下する
食事からタンパク質を十分に摂取せずに体内のタンパク質量が不足して、筋肉が落ちてしまうと、活動するための体力が低下します。そのため、ちょっとしたことで疲れたり、朝起きるのがつらくなったりなどの症状が出現します。

 

さらに、体力が低下するにつれて運動量も減ってしまうため、痩せにくくなります。

 

 ・病気にかかりやすくなる
タンパク質は、体の免疫を司る細胞を構成する材料にもなります。そのため、タンパク質量が不足すると、体の免疫機能は低下します。

 

また、酵素やホルモンといった体の機能を調整する役割を持つ物質もタンパク質によって作られているため、タンパク質の摂取量が不足すると、酵素やホルモンの合成量が少なくなります。

 

その結果、体の新陳代謝が悪くなり、病気にかかりやすくなります。また、ケガをしたり病気になったりした後に、治りにくくなります。

 

 ・イライラや集中力の低下が起こる
タンパク質は、脳内において神経と神経の間の情報を伝える「神経伝達物質」の構成要素にもなります。そのため、タンパク質が不足すると、脳の機能にも影響が及びます。

 

その結果、ちょっとしたことでイライラしたり、集中力が長く続かなかったりといった状態になります。

 

このように、食事からのタンパク質量が不足すると、さまざまな不調が出現することになります。

 

また、タンパク質不足の状態であると、以上に挙げた例以外にも、肌荒れや髪のパサツキ、爪割れといったように、外見の変化も起こります。ダイエット中に、このような症状が現れた場合は、タンパク質不足を疑うようにしてください。

 

脂質の消化・吸収

一般的に、脂肪はダイエットの敵と考えられています。しかし実際には、健康的なダイエットを成功させるためには、脂肪を味方につけることが重要です。そのため、ダイエットを行う際には、脂肪の消化と吸収についても理解しておくことが大切になります。

 

そこで以下に、脂肪(脂質)の消化・吸収について記します。

 

脂質の種類

脂質は、構造の違いから「単純脂質」「複合脂質」「誘導脂質」の3つに大きく分類されます。

 

そして、栄養学的に大切な脂質は、脂肪酸、脂肪、リン脂質、ステロール類の4つになります。脂肪酸と脂肪は単純脂質、リン脂質は複合脂質、ステロール類は誘導脂質に分類されます。

 

単純脂質は、脂肪酸や脂質など、脂肪の主成分のみで構成されているものです。一方で複合脂質は、単純脂質に糖やアミノ酸など、脂肪以外の物質が結合したものになります。また誘導脂質は、単純脂質や複合脂質が分解されて作られた物質のうち、脂質の性質を持つものを言います。

 

以下に、それぞれの役割について示します。

 

 ・単純脂質
中性脂肪として体に蓄積され、体を動かすエネルギー源となります。

 

 ・複合脂質
タンパク質などと協力し、細胞の形を支える「細胞膜」を形成する材料になります。

 

 ・誘導脂質
コレステロールは、誘導脂質の代表的な例です。そして、コレステロールの体内での役割は、細胞膜やホルモンを形成する材料になることです。

 

単純脂質と複合脂質、誘導脂質には、以上のような役割があります。

 

そして、単純脂質に含まれる脂肪酸は、さらに「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。簡単に説明すると、飽和脂肪酸は動物性の脂肪を構成している脂質であり、不飽和脂肪酸は植物性の脂肪を作っている脂質です。

 

例えば、バターには飽和脂肪酸が豊富に含まれています。それに対して、サラダ油などには不飽和脂肪酸がたくさん入っています。

 

一般的に、これら2つのうち飽和脂肪酸(動物性脂質)は、「体にとって悪いもの」というイメージを持たれています。しかし実際には、飽和脂肪酸は体の健康を維持するために欠かせない役割を担っています。

 

例えば、飽和脂肪酸は体を動かすためのエネルギー源となります。そして飽和脂肪酸は、糖質やタンパク質といった他のエネルギー源に比べて、1kg当たりで生産できるエネルギー量が高いです。つまり、効率的にエネルギーを作り出すことができます。

 

また当然ながら、体の健康を維持するためには不飽和脂肪酸も必要です。不飽和脂肪酸は、体のエネルギー源ではなく、脳や細胞などの体を構成する材料になります。

 

このように、単純脂質に含まれる飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸は、どちらも健康を維持するためには欠かせない物質だといえます。

 

さらに、飽和脂肪酸は、構成する成分の炭素Cの数によって、長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸の3つに分類されます。そして、飽和脂肪酸は種類によって、体への吸収の仕方や役割が異なります。
 
そのため、ダイエットを行う上で、飽和脂肪酸の種類による働きの違いを理解しておくことは大切です。

 

以下に、脂質と飽和脂肪酸の分類についてまとめます。

 

脂質の分類

単純脂質

脂肪酸、脂肪

複合脂質

リン脂質、糖脂質、リポタンパク質

誘導脂質

ステロイド化合物、脂溶性ビタミン

飽和脂肪酸の分類

 

役割

食品

短鎖脂肪酸

・ミネラルの吸収促進

・自律神経の調整

・エネルギー代謝量の増加

バター

チーズ

牛乳

中鎖脂肪酸

・脂肪燃焼

・肥満、コレステロール上昇の予防

・抗酸化作用

・エネルギー源

ココナッツオイル

パームオイル

バター

牛乳

長鎖脂肪酸

・エネルギー源

・脂肪の蓄積

・コレステロール値の上昇

牛脂

ラード

オリーブオイル

大豆油

 

脂質の消化と吸収

食事で摂取する脂質は、ほとんどが「中性脂肪」と呼ばれる物質の形で存在しています。脂質は、最終的に血液中やリンパ管の中に吸収されますが、中性脂肪のままでは、血液やリンパ管に取り込むことができません。そのため、さまざまな部位で消化(分解)されることになります。

 

口腔内では、脂質は噛み砕かれるだけであり、特に酵素などによる消化を受けません。

 

脂質の消化は、胃から始まります。胃の中で「タンパク質分解酵素」や「リパーゼ」と呼ばれる酵素に触れると、中性脂肪は分解されます。これは、その後に行われる消化を容易にするために起こる反応です。つまり、消化の準備段階ということができます。

 

そして、胃を通過した脂肪は、十二指腸に入り、胆汁酸塩と「膵リパーゼ」と呼ばれるものによって、さらに細かく分解されていきます。ここで脂肪は、そのまま腸内へ吸収される「グリセロール」と呼ばれる物質と、そのままででは腸内に取り入れることができない「モノグリセリド」と「脂肪酸」という物質まで分解されます。

 

そして、グリセロールは、そのまま腸内へ吸収されますが、モノグリセリドと脂肪酸は、そのままの状態では腸内へ取り込むことができません。

 

そこで、モノグリセリドと脂肪酸は、一度分解されてできた成分を再び元の形とは違う形で結合することで、「ミセル」と呼ばれる形状になります。

 

ミセルとは、脂肪が分解されて分子量が小さくなり、さらに胆汁酸の働きによって水に溶けやすい性質を持つようになった状態を指します。ミセルの形状であれば、腸内へ取り込まれやすくなります。

 

モノグリセリドと脂肪酸は、ミセルになって初めて小腸内に吸収されます。そして、小腸から血液中、リンパ管のどちらかに取り入れられます。

 

中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸がダイエット効果につながる理由

脂質は上記に述べたような反応により、小腸を介して、血液かリンパ管のどちらかに取り入れられます。そして、脂肪が体内へ吸収される過程は、脂肪酸の種類によって異なります。

 

長鎖脂肪酸の場合、腸内に取り込まれた後、ミセルから脂肪酸やコレステロールなどに分解されます。ただ、脂肪酸やコレステロールの形では腸から体内(血液中やリンパ管)に取り込むことができないため、タンパク質と結合することで「カイロミクロン」と呼ばれる物質を形成します。

 

カイロミクロンの形になると、脂肪酸やコレステロールは腸から体内(リンパ管)に取り込むことができるようになります。

 

このように長鎖脂肪酸は、複合ミセルやカイロミクロンなど、さまざまな形に変換されて、初めて体内に吸収されます。つまり、長鎖脂肪酸は吸収に負担がかかる脂肪といえます。

 

さらに、リンパ管に吸収された長鎖脂肪酸は、リンパ管を一度介して血液中に入ります。その後、血液によって全身の各筋肉や脂肪細胞に送られて脂肪として蓄積されます。そして、貯蔵された脂肪は、必要に応じて分解されてエネルギー源として使われるようになります。

 

ここまで述べたように、長鎖脂肪酸はエネルギー源として利用されるようになるまでに、さまざまな過程を経なければいけません。そのため長鎖脂肪酸は、エネルギー源となるものの中でも、効率の悪い物質だといえます。

 

また長鎖脂肪酸は、一度脂肪として蓄積された後にエネルギー源として利用されるため、体脂肪になりやすい脂質だといえます。

 

一方、短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸は、分子量が小さいため、ミセルを形成することなく、そのままの形で腸内に吸収されます。そして、すぐに血液中に入って肝臓で代謝された後に全身へ送られ、筋肉や内臓などの体を動かすエネルギー源となります。

 

つまり、短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸は、速やかに体内に吸収されて、素早くエネルギー源となる脂肪と言えます。

 

そのため、短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸を豊富に含む食品は、体のエネルギー源として効率が良く、体に脂肪を蓄積させにくいものになります

 

以下に、長鎖脂肪酸と短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸のエネルギー産生過程をまとめて比較します。

 

長鎖脂肪酸のエネルギー産生過程
「複合ミセル → 脂肪酸、コレステロールなど → カイロミクロン → リンパ管 → 筋肉や脂肪細胞に貯蔵 → 分解 → エネルギーとして利用」

 

短鎖・中鎖脂肪酸のエネルギー産生過程
「腸内 → 血液 → 肝臓 → 血液で全身の細胞に送られる →全身の細胞でエネルギー源として利用」

 

このように、長鎖脂肪酸は体内(血液、リンパ)へ取り込まれるまでに時間がかかるだけでなく、その後にエネルギー源として利用するまでに、一度脂肪として蓄えられなければいけません。

 

それに対して、短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸は、速やかに吸収されて、その後も脂肪として蓄積されることなくエネルギー源として燃焼されます。

 

こうしたことから、短鎖・中鎖脂肪酸は、ダイエットに最適な脂質だといえます。

 

今回述べたように、炭水化物とタンパク質、脂質は、それぞれで消化・吸収の過程が異なります。ダイエットを成功させるためには、これら三大栄養素の消化・吸収に関する基本的な知識を持っておくことが大切です。

 

こうした知識を応用することが、効果的なダイエットを行うことにつながります。

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