ダイエット 豆知識

睡眠とダイエット(減量)の関係:脂質ダイエット

睡眠とダイエットは、体の健康には欠かせないものです。良質な睡眠は、自律神経を整え、身体面と精神面の両方に良い影響を与えます。
また、適正体重の維持は、心筋梗塞や脳卒中などの命にかかわる病気のリスクを下げます。また、そのような血管に関する疾患だけではなく、慢性痛の解消にも関係していると言われています。
このように、睡眠とダイエットは、それぞれ体の健康に影響を与えます。そして、この2つは、お互いにも影響し合います。良質な睡眠は、体重の増加を防ぎ、適正な体重は、睡眠の妨害を予防します。
そこで今回は、睡眠とダイエットの関係性について解説します。

短時間睡眠は太りやすくなる

睡眠と肥満は関係しています。それは、睡眠中に分泌されるホルモンが人間の食欲に影響を与えるためです。
睡眠と肥満に関係するホルモンには、「レプチン」「グレリン」「オレキシン」の3つがあります。

レプチン

脂肪細胞で産生され、食欲を抑制し、脂肪を分解する作用があります。そして、レプチンは、睡眠時間が短くなると、分泌量が低下することがわかっています

グレリン

レプチンとは相反する作用を持つホルモンです。グレリンは空腹時に胃で産生され、食欲を増進します。グレリンは、睡眠時間が短くなると、レプチンとは逆に、分泌量が増加することがわかっています。

オレキシン

オレキシンは、食欲を増進させるホルモンです。また、グレリンの分泌に伴って、オレキシンの放出量も多くなります。
オレキシンには、さらに覚醒、興奮作用があることも重要です。
睡眠不足になると、レプチンの分泌量が低下し、逆にグレリンの産生量は増加します。つまり、食欲が増進し、脂肪の分解が抑制されるため、肥満につながることが分かります。
さらにグレリンの分泌に伴って、オレキシンの産生量も増えます。オレキシンは、食欲を増進させるだけでなく、覚醒、興奮作用があります。つまり、さらに睡眠を障害する作用があると言えます。
眠れなくなって食欲が増進すると、夜中に過食をしてしまいます。さらに、夜遅くの食事は、体の脂肪の合成を促します。その結果、肥満になってしまいます。
このように、睡眠不足は、睡眠と肥満に関するホルモンのバランスを崩すことで、肥満と関係していると言えます。

睡眠不足は「コルチゾール」によるストレス太りも招く

ストレスで太りやすくなるのは、聞いたことがあるのではないでしょうか?
ストレスが強くなると、肥満を促す「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが大量に作られるようになります。コルチゾールには、脂肪の蓄積を促す働きがあるため、ストレスによってたくさんコルチゾールが分泌されるほど太りやすくなるのです。
睡眠不足になると、自律神経のバランスが崩れてコルチゾールが多く分泌されるようになります。
睡眠時間が短かった翌日は、イライラしやすいと感じたことがあるのではないでしょうか? それは、睡眠不足によってコルチゾールが分泌されているために起こる現象です。
このように、睡眠不足はコルチゾールの分泌を増やして、ストレス太りを招く原因になります。

肥満は睡眠障害を引き起こす

睡眠が障害される原因は、さまざまです。内科的な疾患があることによって、睡眠が妨げられる場合もありますし、寝る環境が悪いことで、眠りが浅くなることもあります。
睡眠を障害する要員の1つとして、「睡眠時無呼吸症候群」というものがあります。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に、呼吸が止まる「無呼吸」や呼吸が浅くなる「低呼吸」が起こることで、睡眠が障害される病気です。
睡眠時無呼吸症候群になると、本人はわかりませんが、良質な睡眠が障害されています。そのため、十分な時間、眠っているはずなのに、日中に眠気が生じたり、集中力が低下したりします。
そして、睡眠時無呼吸症候群の原因の1つとして、肥満が挙げられます
肥満になると、喉の周りの脂肪が過剰に蓄積してしまいます。そうなると、気道が狭くなり、呼吸がしにくくなります。
意識がある時は、筋肉が適度に緊張しているため、喉や舌に関する筋肉が気道を塞ぐことはありません。しかし、睡眠中は、これらの筋肉が弛緩してしまうため、気道が狭くなりがちです。また、重力の影響で、舌は気道の方に落ち込みやすくなります。それによって、気道が狭くなって呼吸を障害する原因になります。
このように睡眠中は、誰でも気道が狭くなりがちです。これが健康な人であれば、軽いイビキをかく程度ですが、肥満の場合、睡眠時無呼吸症候群につながる可能性が高くなります。
そして、睡眠時無呼吸症候群の人は、レプチンの分泌量が低下していることがわかっています。先ほど述べたように、レプチンは、食欲を抑制し、脂肪の分解を促進する働きがあるホルモンです。
つまり、「肥満 → 睡眠時無呼吸症候群(睡眠不足) → レプチン分泌低下 → 肥満 」というように、睡眠障害と肥満によって悪循環な関係ができてしまいます。

睡眠ダイエットとは

ここまで述べたように、睡眠とダイエットには深い関係があります。どれだけ食事制限や運動を頑張ってもやせられなかった人が、「睡眠を整えることでどんどん体重が減るようになった」ということは多々あります。
こうした睡眠とダイエットの関係性を生かしたダイエット方法は「睡眠ダイエット」と呼ばれています。
睡眠ダイエットとは、運動や食事制限をせずに「質の良い睡眠を取るだけで痩せる」というものです。アメリカの睡眠障害を専門にする臨床心理学博士のマイケル・ブルースが提唱しているダイエット方法であり、多くの人が実践しているダイエット法です。
マイケル・ブルースが提唱している睡眠法は、ダイエットだけでなく美容やアンチエイジングなど、さまざまな健康効果があるとされています。
そのため、睡眠ダイエットというよりは「睡眠改善による健康法」の方が適切であるように感じます。つまり、ダイエット効果は睡眠を改善することによって得られる恩恵の一つに過ぎないということです。
睡眠の質に問題がある人は、睡眠ダイエットによって痩せる可能性は高いです。
ただ、睡眠以外に問題があって太っている場合には、いくら睡眠ダイエットを実践しても痩せないケースが多いのが現状でしょう。
このように、睡眠ダイエットとは「質のよい睡眠を取れるように工夫して痩せやすい体質を作る」というダイエット法になります。

睡眠ダイエットが痩せる理由

寝るだけで痩せる睡眠ダイエットで体重が減るようになるメカニズムは、主に「代謝が活発になる」「食欲が抑えられる」「自律神経のバランスが整う」という3点から説明されています。

代謝が活発になる

睡眠中には、代謝を活発にする「成長ホルモン」が分泌されます。成長ホルモンは、その名の通り、骨や筋肉の成長を促すホルモンです。さらに成長ホルモンは、脂肪の燃焼を高める作用をもっています。
体の細胞は、活動するためにエネルギーが必要です。また、エネルギーは主にブドウ糖(炭水化物)か脂肪を原料に作られます。脂肪を元にエネルギーが産生されれば、体に蓄積された脂肪はどんどん減ることになります。つまり、脂肪をエネルギー源として使えれば、脂肪が燃焼されて痩せるということです。
成長ホルモンには、脂肪をエネルギー源として利用することを促す作用があります。
そして、成長ホルモンは深く眠っているときに大量に分泌されます。そのため、深く眠れるようになると、成長ホルモンの分泌量が多くなり、結果的に脂肪が効率的に燃焼されるようになるのです。

血糖値が上がりにくくなる

「睡眠不足になると血液中にあるブドウ糖をエネルギー源として利用する機能が30パーセント低下する」ということが明らかになっています。つまり、睡眠時間が短くなると血糖値が上がりやすくなるということです。
血糖値が上昇すると、すい臓から血糖値を下げる作用をもつ「インスリン」というホルモンが分泌されます。インスリンが働くことで、血糖値は低下して正常範囲に戻るのです。ただ、インスリンは血糖値を下げるだけでなく、脂肪の蓄積を促す作用をもっています。
そのため、睡眠不足によって血糖値が高くなってしまうと「インスリンが多く分泌される分だけ太りやすくなる」ということです。
こうしたことから、睡眠時間を十分に確保して血糖値が上がりにくくなれば、結果的に痩せやすくなります。

食欲が抑えられる

すでに述べたように、睡眠不足になると食欲に関するホルモンバランスが崩れます。食欲は「レプチン」と「グレリン」という2つのホルモンによってコントロールされています。
具体的には、レプチンは食欲を抑え、グレリンは食欲を促す作用を持つホルモンです。そして、睡眠不足になるとレプチンの分泌量が減少しグレリンの分泌量が増加するため、寝不足の翌日はいつも以上に食べてしまうことになるのです。
つまり、睡眠時間が短くなると「ホルモンのバランスが崩れて食欲が増してしまう」ということです。その結果、食べ過ぎてしまい太りやすくなります。
こうしたことから、睡眠を十分に取ることで食欲がコントロールできれば太りにくくなるのです。

自律神経のバランスが整う

睡眠不足になると「自律神経」のバランスが崩れることになります。自律神経とは、心臓や内臓などの活動やホルモン分泌を無意識下でコントロールする神経です。
睡眠不足は、こうした自律神経のバランスを崩して「コルチゾール」と呼ばれるホルモンの分泌量を増やします。コルチゾールとは、「副腎(ふくじん)」と呼ばれる器官で作られるホルモンであり、体にストレスが加わったときに大量に合成されるため「抗ストレスホルモン」ともいわれます。
そしてコルチゾールには「血糖値を上昇させる」「食欲を亢進させる」「脂肪を溜め込む」という3つの作用があるのです。既に述べたように、血糖値が高くなるとインスリンが分泌されて脂肪蓄積が促されます。
つまり、睡眠不足によって自律神経のバランスが崩れてコルチゾールの分泌量が増えると、その分だけ太りやすくなるのです。
また睡眠不足で自律神経のバランスが崩れていると、感情や気分を落ち着かせる「セロトニン」というホルモンの分泌量が少なくなります。その結果、イライラしやすくなって糖質を多く含む食品を食べたくなるのです。そして、糖質が豊富な食品を食べると血糖値が上昇するため、太りやすくなります。
こうしたことから、十分な睡眠によって自律神経が整いコルチゾールとセロトニンの分泌が正常になれば、自然と太りにくくなるのです。

具体的な方法

睡眠ダイエットは、良質な睡眠を取ることで痩せやすい体質を作るダイエット方法です。おおよそ、4週間かけて自分に合った睡眠方法を見つけていくことになります。
ここからは、睡眠ダイエットの具体的な方法について解説します。

就寝時間と起床時間を決める

睡眠の質を高めるために、まずはあなたに合った就寝時間と起床時間を決めます。ただ、個人によって必要な睡眠時間は異なりますし、眠るべき時間帯も違うのが現状です。
例えば、6時間睡眠で十分な人もいれば、8時間寝ないといけない人もいます。また同じ8時間でも、22時に就寝して6時に起床すると調子が良い人もいれば、23時に寝て7時に起きた方がすっきり目覚められる人もいるのです。
このように、個人によって適切な就寝時間や起床時間が異なります。
そうした中で、まずあなたがはすっきり目覚めることができて、日中に眠気が起こらないような就寝時間と起床時間を見つけることが大切です。もちろん、1日で良質な睡眠を取るための就寝時間と起床時間を発見することはできません。
試行錯誤しながら、1週間もしくは4週間かけて、目覚めと日中の気分が良好になる時間を見つけることが重要です。
実際には、以下に記すような手順で就寝時間と起床時間を調整します。
・起きなければいけない時間を決める
・あなたにとって適切だと思われる睡眠時間(一般的には7~8時間)から就寝時間を割り出す
・目覚めが悪ければ、就寝時間を早めて睡眠時間を増やす
このように、起床時間を基準にして体調の変化を見ながら就寝時間を変えていくと、あなたに合った就寝時間と起床時間を見つけることができるようになります。

朝型か夜型かを考慮する

既に述べたように、睡眠には個人差があります。その中でも、あなたが「朝型か夜型か?」ということを見極めることは大切です。
具体的には、以下の4点から、あなたのタイプを判断します。


  朝型 夜型
気分がシャキッとする時間帯
最も眠くなる時間帯 18~21時 23時以降
目覚めが良い起床時間 6時前 8時以降
元気がある時間帯 起床後 就寝前


以上の4点から、あなた自身がどちらのタイプかを判断しましょう。そして、あなたに合ったパターンに合わせて睡眠時間を調整することが重要です。
例えば、夜型だけど仕事の都合で6時半に起きていて気分が優れない人は、6時45分といったように起床時間を少しだけ遅くします。逆に、朝型の人で6時半に起きていて目覚めがスッキリしていない人は、6時15分に起きるように起床時間を早めるのです。
わずかな違いですが、朝型か夜型かを考慮して調整した15分は睡眠の質を大きく変えることになります。

就寝前の習慣を確立する

良質な睡眠を取るためには、就寝前の習慣を確立することが大切です。寝る前に毎日同じことを行えば、その行為をすることで、体に「これから寝る時間である」ということを知らせて、スムーズに睡眠を導くことになります。
例えば、「布団に入って本を読む」「部屋を暗くしてストレッチをする」「白湯を飲む」など、体をリラックスさせることであれば何でも問題ありません。
ただ、就寝前には以下の行為だけは避けるようにしてください。
・スマホやパソコンを使ってメールの返信などをする
・テレビを見る
・家族で重大なことを話し合う
・飲食(白湯やハーブティーなど体をリラックスさせるものは可)
・仕事に関する作業をする
以上の行為は、体を興奮させて良質な眠りを妨げることになるため避けるようにしましょう。
このように、就寝前の習慣を確立することは良質な睡眠を取るために重要です。

眠る環境を整える

良質な睡眠を取るためには、眠る環境を整えることも大切です。例えば、布団の固さや枕の高さなどが体に合っていないと、なかなか寝付けなかったり夜中に目覚めたりといったことにつながります。
そうしたことを避けるためにも、睡眠環境を整えることは重要です。
具体的には、以下に記すポイントを意識するようにします。
・部屋はできるだけ暗くする(もし必要であればアイマスクを用意する)
・部屋を片付けて清潔にする(臭いやホコリなどが原因で眠りが浅くならないようにする)
・静かな環境で眠る(必要に応じて耳栓などを用意する)
・室温を18~21度に保つ
・室内が乾燥しないようにする(必要に応じて加湿器を用意する)
・枕などの寝具を調整する(横になって違和感を感じない寝具を選ぶ)
・寝室のインテリアは派手なものではなく、落ち着いたものにする
・寝苦しくない寝間着を用意する
以上の8点を意識することで、良質な眠りを導く寝室を作ることができるようになります。

リラクセーションを図る

良質な睡眠を取るために、眠る前に体をリラックスさせるような習慣を確立するようにしましょう。人間の体は、リラックスすることで自然と眠くなります。そのため、夜にリラクセーションを図ることは非常に重要です。
例えば、ストレッチや瞑想を行うことは、体だけでなく精神的なリラクセーションを図ることつながります。また、眠くなるような退屈な本を読んだり、気分を落ち着かせるようなハーブティーを飲んだりすることも、体をリラックスさせます。
リラクセーションの方法は、あなたがリラックスできるものであれば何でも良いです。とにかく、眠気を導くような習慣を見つけて習慣化するようにしましょう。

睡眠ダイエットの効果をさらに高める方法

既に述べたように、就寝前の習慣を確立することは良質な睡眠を取るために欠かせません。ただ、就寝前だけでなく、日中の活動も睡眠に大きく影響します。特に、アルコールやタバコ、コーヒーなどの嗜好品や食事、運動は、飲み方や食べ方、やり方を間違えると睡眠を妨げる要因となるのです。

嗜好品(アルコール、ニコチン、カフェイン)の摂取方法を意識する

嗜好品は、睡眠に大きく影響します。特に、アルコールとニコチン、カフェインは摂り方を工夫しなければ、睡眠を障害する原因となるのです。
 ・アルコール
アルコールは、ワイングラス1杯、ビール中ジョッキ1杯半程度であれば、約1時間で代謝されます。代謝とは、体内でアルコールが分解される反応です。つまり、眠る1時間前にこれ以上のアルコールを摂取すると、血液中にアルコールが残ったまま眠ることになるのです。
アルコールは、眠気を誘って眠りに付きやすくする作用があります。ただ、眠りの後半まで血液中にアルコールが残っているような状態だと睡眠を障害します。
具体的には「悪夢を見る」「大量に発汗する」「頭痛や胃痛が起こる」「尿意で目が覚める」といったことにつながります。
そして、アルコールが睡眠に与える影響は人それぞれ異なるのが現状です。そのため、アルコールを飲む場合には、睡眠に影響しないアルコール量を見つけることが大切になります。
その上で、以下に記す点を意識するようにしましょう。
・アルコールと一緒にミネラルやビタミンが豊富な食品を摂取する
・アルコールを飲む日にはいつも以上に水分を補給する(普段より約1リットル多く水を飲む)
・カクテルやビールなど、糖分を多く含むアルコールはできる限り避ける
・アルコールを飲んでも就寝時間が遅くなり過ぎないようにする
 ・ニコチン(タバコ)
タバコには、ニコチンと呼ばれる成分が入っています。そして「ニコチンにはリラックス効果がある」と主張する人もいます。しかし実際には、ニコチンは睡眠時間を減らすだけでなく、睡眠の質を悪くする作用があるのです。
また、ニコチンは喫煙後も体内に14時間ほど残るため、眠る前にタバコを吸わなくても、日中に吸っていれば、その分が睡眠に影響します。
こうしたことから、良質な睡眠を取るためには、できる限り禁煙するようにしましょう。
ただ、禁煙は簡単なことではありません。そのため、もしタバコを吸うのであれば、以下の点だけは意識するようにしてください。
・眠る前の最後の喫煙時間を1時間早める(就寝の習慣をタバコで妨げない)
・喫煙量を減らして禁断症状で夜中に目が覚めるような場合、ニコチンガムやパッチを使用する
・無理に禁煙せずに、禁断症状が出ないようなペースで減らす
 ・カフェイン(コーヒー)
カフェインは体を興奮させる成分であり、コーヒーや紅茶だけでなく、薬やソフトドリンクなどにも含まれています。基本的に、カフェインは摂取後15~20分で効き始め、1時間程度で半分以上が代謝されます。ただ、体内から完全に排出されるまでは1日以上かかるのが実際です。
カフェインが体に与える影響は、年齢や体重、性別など人によって異なります。
例えば、眠る直前にコーヒーを何杯飲んでも睡眠に影響しない人もいれば、昼食後にコーヒーを飲むと夜眠れなくなるような人も存在するのです。そのため、カフェインがあなたの体にどれほど影響するかを確認することが大切です。
具体的には、カフェインを摂った日に以下のような症状が強くなる場合には、カフェインが影響している可能性があります。
・不安感が強くなる
・イライラする
・胃の調子が悪くなる
・眠れなくなる
こうした症状が認められる場合には、カフェインが影響している可能性があることを理解しておいてください。そして、カフェインを摂取する際には、以下の点を意識するようにしましょう。
・1日のカフェイン摂取量は300ミリグラム以下にする
・薬やチョコレートなど、飲み物以外のカフェインを含む食品も意識する
14時以降はカフェインの摂取を控える
良質な睡眠を取るために、カフェインを止める必要はありません。ただ、カフェインには睡眠を妨げる作用があることを理解して上で、あなたの睡眠に影響しないような摂取方法を見つけて実践することが大切です。

食事を整える

食事は睡眠に大きく影響します。
例えば、眠気を導く「メラトニン」と呼ばれるホルモンを合成するためには、タンパク質の一種である「トリプトファン」が必要です。そして、トリプトファンは体内で作ることができないため、食事から摂取しなければいけません。つまり、良質な睡眠を取るためには、トリプトファンを豊富に含む食品を摂ることが必須です。
睡眠と栄養に関しては「睡眠によるダイエット効果を高める栄養素のまとめ」に詳しく書いています。
また、こうしたことを踏まえた上で、以下の点に注意すると良質な睡眠を取れるようになります。
・糖質の多い食事は避けるようにする
・3食ともに、タンパク質を豊富に含むメニューにする
・就寝の4時間前には夕食を済ませる
・夕食では香辛料が効いた料理やニンニク料理は避ける

運動する時間帯を意識する

運動は、適切な時間に正しい方法で行えば、良質な睡眠を導くことをサポートします。ただ、実施する時間ややり方を間違うと、運動が睡眠を妨げることになるのです。
例えば、仕事後にジムへ通って激しい運動をすることは、体を興奮させて眠りを妨げます。その一方で、眠る前にストレッチなどを行うと、体をリラックスさせて良質な睡眠を導くことになるのです。
良質な睡眠を導くために、運動を実施する際には以下のポイントを押さえておくようにしましょう。
・日光を浴びながら実施する30分程度の運動を習慣化する
・夕方以降の激しい運動は避ける
・眠る前にリラックスできるような運動を実施する

睡眠ダイエットの効果は?

睡眠ダイエットを実践した人の中には「眠るだけで10キロ以上痩せた」「ダイエットだけでなく夫婦仲も良くなった」「10歳以上若返った感じがする」といったポジティブな反応を得ている人がたくさんいます。
ただ、本当に睡眠ダイエットは誰にでも効果があるダイエット方法なのでしょうか?
ここからは、睡眠ダイエットの効果について解説します。

睡眠に問題がある人は痩せる

既に述べたように、睡眠はダイエットを成功させるために欠かせない要因です。睡眠時間が短いと、どれだけ食事を制限しても痩せにくくなります。
そのため、睡眠に問題があってダイエットに苦戦している人が睡眠ダイエットを実践すれば痩せるはずです。
例えば「ダイエットのために食事制限をしているのに痩せない」という人や「もともと眠りが浅く、睡眠時間が短い」「夜中に何度も目が覚める」「日中にいつも眠くなる」といったように睡眠に問題がある人であれば、睡眠ダイエットの恩恵を受けられる可能性が高いです。

睡眠に大きな問題がない人は痩せない

ただ、もともと睡眠に問題がない人は、いくら睡眠ダイエットを実践しても痩せません
例えば、「睡眠時間も十分に取っていて寝覚めもスッキリしているし、日中にも眠くならない」という人がいくら睡眠ダイエットをしても、おそらくほとんど効果はないでしょう。
もちろん、自分で「睡眠に問題がない」と思い込んでいても「実際には上手く眠れていない」という人は存在します。しかし、「目覚めがスッキリしている」「日中に眠気が起こらない」「入眠もスムーズ」という人は、睡眠にはほとんど問題がないと考えて良いでしょう。

睡眠はダイエットに関わる一要因

ここまで述べたように、睡眠ダイエットは効果的なダイエット方法だといえます。ただ、ダイエットには睡眠だけでなく食事が大きく影響しています。そのため、どれだけ良質な睡眠を取っていても、食生活が乱れている人は痩せることはできないのです。
確かに、睡眠が食生活を乱している原因となっている場合もあります。そうはいっても、睡眠だけ意識すれば誰でも痩せられるというわけでありません。
あくまで睡眠はダイエットに関わる一要因であるため、ダイエットを成功させるためには睡眠だけでなく、食事と合わせて考えることが大切です。
今回述べたように、体の健康に欠かせない睡眠とダイエットには、密接な関係があります。そのため、健康を維持するためには、どちらか一方だけではなく、睡眠とダイエットの両方に注視する必要があると言えます。
食事制限が上手くできず、痩せることができない人は、もしかしたら、睡眠障害が原因かもしれません。ダイエットを行う場合は、良質な睡眠を十分とることを心がけるようにしましょう。