障害予防法

食事でリーキガット症候群は防げる!リーキーガットの原因となる栄養素

障害を予防するために、睡眠や食事、運動といった生活習慣を整えることは欠かせません。そのような生活習慣が乱れることは、自律神経のバランスを崩すことにつながり、さまざまな体の不調を引き起こします。
また、症状が慢性化している人の多くに、食生活の乱れが関係している人が多くいます。食生活の不摂生は、自律神経のバランスが崩れることはもちろんのこと、全身に慢性的な炎症を生じさせるきっかけとなります。
それは、食事の不摂生が「リーキーガット」という状態を引き起こすためです。そして、リーキーガットが、全身的な慢性炎症の原因となります。
そこで今回は、リーキーガットを引き起こす物質について解説します。

リーキーガット症候群とは

リーキーガットとは、腸の粘膜に穴が開いている状態をいいます。正常では、腸内に入った食べ物などは、腸粘膜のバリアによって「体にとって害があるものかどうか」判断されて、害にないもののみが血液中に吸収されて全身に回ります。そのため、バクテリアなどの異物は、簡単に体の中に侵入することはできません。
しかし、リーキーガットの状態では、体にとって異物であるバクテリアや食べ物、ウイルスなどが血液中に侵入します。その結果、異物を除去しようと体の免疫が過剰に働くことで、全身的に慢性炎症が生じます。
この全身的な慢性炎症が動脈硬化や糖尿病、がんといったような慢性病の原因となります。
また慢性炎症は、以下のような症状にも関係します。
・関節痛
・アレルギー反応
・メタボリックシンドローム
このように、リーキーガットになると、さまざまな体の不調を引き起こします。そして、病院に行っても原因がはっきりしない病気の多くには、リーキーガットが関係しているといわれています。そのため、体の障害を予防するためには、リーキーガットを防ぐことが大切だといえます。

リーキーガット症候群を引き起こす栄養素

リーキーガットは、さまざまな体の不調を引き起こす原因となります。そして、リーキーガットの多くは、食事の不摂生から生じることがわかっています。つまり、食生活を整えることが、障害を予防することにつながります。
リーキーガットを引き起こす原因となる栄養素は、以下の4つです。

グルテン

グルテンは、小麦や大麦などの穀物に含まれる成分であり、小麦製品に多く入っています。そして、パンのふっくらした弾力やうどんのコシを生み出す役割があります。
また、以下のような食品にもグルテンは多く含まれています。
・市販のスープ
・だし
・加工食品
・しょうゆ
・照り焼きソース
・ドレッシング
そして、このような日常的に食べる食品に含まれるグルテンは、腸の粘膜に付着して「ゾヌリン」と呼ばれる物質を生み出します。このゾヌリンに、腸粘膜の細胞間を広げる作用があるため、リーキーガットを引き起こします。

レクチン

レクチンとは、豆類やじゃがいも、トマト、植物の種、根っこなどに含まれるタンパク質の一種です。
レクチンを多く含む食品には、以下のようなものがあります。
・小麦
・大豆
・インゲン豆
・ピーナッツ
通常、食べ物に含まれるタンパク質は、腸内でアミノ酸レベルにまで小さく分解されます。そうすることで、腸から血液中にスムーズに吸収することができます。
しかし、小麦や大豆などに豊富に含まれるレクチンは、分子量が大きく腸内で吸収できるレベルまで分解されません。そして、腸内に取り入れることができないレクチンは、腸粘膜に結合してリーキーガットを引き起こします

サポニン

サポニンとは、豆類や抹茶などに含まれる泡を作り出す成分です。サポニンは、天然の界面活性剤になります。界面活性剤とは、ある物質についた油を溶かす作用を持つ物質です。食器用洗剤で油汚れが落ちるのは、界面活性剤が入っているためです。
サポニンを多く含む食品には、以下のようなものがあります。
・豆類
・ナス科の植物(トマトやジャガイモ)
このような食品に多く含まれるサポニンは、腸内でも界面活性作用を発揮します。その結果、腸粘膜を傷つけてリーキーガットを引き起こします。
ちなみに、発酵させた豆類や発芽豆では、サポニンの含有量が大きく減少します

タンニン

タンニンとは、お茶やワインなどに含まれる渋み成分であり、ポリフェノールの一種です。タンニンには、下痢止めや殺菌作用、抗酸化作用があります。
タンニンを多く含む食品には、以下のようなものがあります。
・ワイン
・お茶
・渋柿
・緑茶
以上の食品に多く含まれるタンニンは、適量であれば健康への害はありません。しかし、過剰に摂取しすぎるとミネラルの吸収を阻害するようになります。
ミネラルには、腸内細菌のバランスを整える役割があります。そのため、タンニンを過剰に摂取することでミネラル不足に陥ると、腸内細菌のバランスが崩れます。その結果、腸内細菌によって担われている腸のバリア機能が破綻して、リーキーガットとなります。
以上に述べた4つの成分が多く含まれる食品を避けることが、リーキーガットを予防するためには必須になります。また、以下のような物質も、リーキーガットを誘発する原因となります。
・痛み止め(NSAIDs)
・経口避妊薬
・抗生物質
・アルコール
・乳製品
・加工食品
・トランス脂肪酸
・人口甘味料
今回述べたように、リーキーガットは多くの慢性病を引き起こすきっかけになります。そのため、障害を予防するためには、リーキーガットの原因となる食品をできるだけ避けることが大切だといえます。
その中でも、以上に挙げた「グルテン」「レクチン」「サポニン」「タンニン」を多く含む食品には、特に注意するようにしましょう。