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呼吸に合わせた効果的なストレッチ法:メカニズムと実践方法

呼吸は、人が生きるために必要不可欠な機能です。呼吸を行わないと、体に酸素が入らないだけでなく、体内から二酸化炭素を排泄できません。そのため、どのような運動を行うときでも、呼吸を止めることは体にとって負担になります。

 

また、ストレッチは、多くの人が健康のために行っている運動の1つです。実はこのストレッチにも呼吸が深く関係しているのです。

 

そこで今回は、「呼吸に合わせた効果的なストレッチ法」について解説します。

 

呼吸運動の種類

一言で呼吸運動といっても、呼吸は実施方法によって胸式呼吸と腹式呼吸に分類されます。呼吸を活用して運動を行う際には、胸式呼吸と腹式呼吸の違いを理解した上で、使い分けることが大切です。

 

そこで以下に、胸式呼吸と腹式呼吸について記します。

 

「胸式呼吸」と「腹式呼吸」

一般的に呼吸には、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の2つがあることが知られています。とくに健康に関するメディアでは「腹式呼吸が大事である」ということが言われています。しかし、運動機能の専門家である理学療法士としては、一概に腹式呼吸の方が重要だとは言えません。

 

呼吸は、肺がある「胸腔」というスペースが膨らんだり縮んだりすることで行われます。

 

胸腔とは、その空間の前後、上、左右の壁を作る「胸郭」と、下の壁に当たる「横隔膜」で構成されます。さらに胸郭は、前方の中心に位置する「胸骨」、後方の背骨の一部である「胸椎」、胸骨と胸椎をつなぐ「肋骨」から成ります。

 

胸式呼吸と腹式呼吸の違いは、この胸腔の膨らむ場所の違いにあります。胸式呼吸は、肋骨を中心とした胸郭の動きで行われます。そのため、胸全体が広がるような運動になります。

 

一方、腹式呼吸は下方の壁である横隔膜の動きによって、胸腔の大きさが変化します。横隔膜の下には、胃や肝臓などの内臓が位置します。

 

腹式呼吸では、横隔膜が下にさがることで胸腔を広げるため、内臓が上から圧迫されて、前方に押し出されます。そのため、お腹を使って呼吸を行っているように見えます。

 

この特徴ゆえに、腹式呼吸が大切だと言われているのです。横隔膜は、姿勢にも影響しますし、内臓の運動が促されると、体はリラックス状態になります。そのため、姿勢が悪い人や体が緊張している人には腹式呼吸はお勧めです。

 

胸式呼吸の特徴

一方、胸式呼吸が体に良くないかというと、そうではありません。

 

確かに、激しい運動を行ったときなどに特徴的な胸式呼吸は、「呼吸補助筋」といって通常では使わないような首周りの筋肉を過剰に収縮させます。そのため、肩こりや首の痛みなどを引き起こします。また、そのような呼吸は、自律神経系のバランスを乱します

 

しかし、先ほども述べたように、胸式呼吸は肋骨や胸椎などの胸郭の運動で行われます。実は、胸郭は自律神経系と深い関わりがあります

 

自律神経系が乱れると、胸郭の動きは制限されます。逆に、胸郭の動きを促すと、自律神経が調整されます。そのため、胸式呼吸によって胸郭の運動を行うことは、結果的に自律神経系のバランスを整えることにつながります。

 

このときに注意することは、過剰な胸式呼吸にならないことです。そのような状態では、先ほども述べたように、逆に自律神経系のバランスが悪くなります。そのため、落ち着いた状態で胸式呼吸を行うことが大切です。

 

そもそも、呼吸運動を意識的にコントロールすることが、自律神経系を調整することにつながります。そのため、呼吸におけるポイントは「胸式、腹式どちらであっても意識的に行えること」です。

 

以上のように、胸式呼吸でも腹式呼吸でもそれぞれ重要な役割があります。大切なことは「落ち着いた状態で意識的にどちらの呼吸も行えること」です。とくに胸式呼吸においては、無意識に過剰に行っていると、首周りの筋肉が硬くなるというようなことが起こります。

 

これを機会に、普段からあなたがどのような呼吸を行っているのかについて、意識を向けてみてください。

 

呼吸法をストレッチに生かす

ストレッチを実践する際に、呼吸を上手く活用することができれば、より高い効果を得ることができます。

 

そこで以下に、呼吸をストレッチに生かす方法について記します。

 

ストレッチのメカニズム

ストレッチは、筋肉を伸ばす運動になります。スポーツ選手の怪我の予防や、一般的な健康促進を目的に、幅広い年代の方に行われています。

 

ストレッチには、物理的に伸張することで、筋肉を柔らかくする効果もありますが、その他にも筋肉が緩むメカニズムがあります。それを理解するためには、少し筋肉の解剖の話が必要です。

 

筋肉は、その両端で骨に続きますが、直接骨に付くのではなく、腱を介して骨に付着します。腱は、筋肉と同じ組織のものですが、筋肉のように収縮する作用がありません。

 

そして、腱には、伸ばされたことを感知する「ゴルジ腱器官」というものがあります。ゴルジ腱器官は、伸張されると、その情報を脊髄に送り、反射的に筋肉を弛緩させる作用があります。また、ゴルジ腱器官は、「ゆっくり長い時間刺激が加わらないと反応しない」という特徴があります。

 

これが、ストレッチで筋肉を伸ばすときに、ゆっくり長く行わないといけない理由です。このように、ストレッチは、筋肉を伸張させるというよりは、腱を伸ばすことによって、反射を用いて筋肉を弛緩させるという効果もあるのです。

 

つまり、ストレッチによる効果は2つです。

 

・物理的に筋肉を伸ばすことで、筋肉を長くすること
・腱を伸張することで、反射的に筋肉を弛緩させること

 

呼気に合わせて筋肉を伸ばす

ストレッチには、2つの効果がありますが、どちらにしても、筋肉がリラックスした状態で行うことが大切です。そして、このときに大切になるのが、呼吸になります。

 

呼吸では、息を吐く「呼気」と、息を吸う「吸気」が交互に行われます。実は、この呼気と吸気で体の緊張が異なってくるのです。これには、自律神経が関係します。

 

自律神経は、体を緊張させる「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」の2つに分類されます。そして、呼吸においては、呼気時に副交感神経、吸気時に交感神経が活性化されます

 

つまり、筋肉をリラックスさせた状態でストレッチするためには、呼気時に筋肉を伸張する必要があるということです。息を吐きながらストレッチすることで、筋肉が最大限緩んだ状態で伸ばされます。

 

以上のように、呼吸に合わせてストレッチを行うことで、その効果はより高いものになります。また、ストレッチを行うとき、筋肉が柔らかくなるメカニズムを知っていることで、さまざまな運動に応用することができます。

 

呼吸と関節面を考慮したストレッチ方法

ストレッチを行うことで、体がリラックスし、柔軟になります。そのため、ストレッチはストレス解消や怪我の予防に効果的です。

 

しかし、ストレッチは方法によっては、体を壊すきっかけになりかねません。実際、テレビなどのメディアで紹介された運動を行ったために体を痛め、病院に来院される方もいます。

 

そこで以下に、股関節を例に、正しいストレッチの方法について解説します。

 

ストレッチは呼吸に合わせて行う

ストレッチ中に呼吸を止めないようにすることは、よく指導されることです。これは、呼吸と筋肉の特性を活かすための方法です。

 

ストレッチの目的は、筋肉を伸ばすことにあります。そのため、力が入っていると、効果的なストレッチを行うことはできません。ストレッチは、リラックスして取り組むことで初めて筋肉の柔軟性を高めます。

 

そして、呼吸をうまく利用すると、筋肉をしっかりとリラックスさせ、効率的にストレッチを行うことができます。

 

呼吸は、息を吸う「吸気」と、息を吐く「呼気」が繰り返されることで行われます。そして体は、吸気のとき緊張し、呼気でリラックスします。つまり、ストレッチを行うときは、息を吐きながら筋肉を伸ばすと効果的ということです。

 

ストレッチと関節の運動

ストレッチを行う際は、関節の向きを考えて行うと効果的に行えます。ストレッチには、筋肉だけでなく、関節の周りにある靱帯などの組織を伸ばす目的もあります。

 

そのような場合、極力、関節自体の運動が滑らかに行われていることが必須になります。もし関節の動きが障害されており、関節自体による運動制限があった場合、関節周囲の組織が伸張される前に動作が止まります。

 

つまり、伸ばしたい組織を伸長することができないということです。

 

そのため、ストレッチを行う際は、関節の運動が制限されていないことが前提条件になります。

 

また、もし関節の運動に問題がなかったとしても、ストレッチをする際は、関節面の方向を考えて行う必要があります

 

関節面の方向を考慮したストレッチ

関節面の方向を考えてストレッチを行うことで、効果的にストレッチを行うことができます。これは、関節面に沿って関節を動かすことで、より滑らかに関節運動が行われるためです。

 

関節運動が滑らかに行われると、純粋に関節周囲の組織が伸張されます。そのため、ストレッチを行う際は、関節面の方向を考えて行うことが大切です。

 

ここでは、股関節を例に挙げて解説します、

 

股関節は、骨盤にある関節の受け皿である関節窩(かんせつか)と、大腿骨の骨頭によって形成されます。そして、関節窩は前・外・下方を向いています。

 

仰向けで寝た状態で、ひざを胸に引き付けるように、股関節を曲げる運動を行うとします。その際、関節面を考えて動かすと、股関節は曲げる動きに、外転と外旋(がいせん)を伴います。

 

外転とは、股関節を外に開く動きです。一方、外旋は、外側に捻れる運動です。つまり、真っ直ぐ胸に引き付けるのではなく、少しあぐらをかくようなイメージで曲げるということです。具体的には、ひざを、胸ではなく、同側の肩より少し外側に向かって動かします。

 

このように動かすと、滑らかに関節の運動が起こります。そのため、関節周囲の組織を適切にストレッチすることができます。

 

これは全ての関節に言えることであり、その関節によって動きやすい方向と動きにくい運動があります。このことを理解した上でストレッチを行うと、より効果的な運動にすることができます。

 

今回述べたように、呼吸は生命を維持するために欠かせない運動です。また、ストレッチは健康のために重要な運動だといえます。こうした体にとって大切な運動は、正しい方法で組み合わせることでより効果を発揮します。

 

そのため、呼吸やストレッチの正しい活用方法を学び、効果的な運動を行うことが大切です。

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