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生活習慣を整えることで体質は改善する:自律神経と体質の関係

体質改善というと、何か特別なことをしなければいけないような印象を受けるかもしれません。しかし、体質を良くするために、変わったことを行う必要ありません。痛みなどの体の不調を解消するための方法と、何も変わりません。
もちろん、遺伝的な要因は変えようがありません。しかし、体質のほとんどはあなたの生活によって作られます。そして、もっと具体的に言えば、あなたの自律神経の働きによって決まります。これは、痛みも同じです。
体に起こるほとんどの不調には、自律神経の問題が関係しています。そのため、体質を改善するということは自律神経の働きを高めるということです。
そこで今回は、体質と自律神経の関係性について解説します。
 体質とは
体質というと、「太りやすい」「肌荒れしやすい」「冷えやすい」などを思い浮かべるかと思います。簡単にいうと、体質とは「からだの性質」のことを指します。そして、 遺伝的要因と、環境的要因が相互に関係することで体質が作られます。
確かに、両親の影響で太りやすかったり、冷えやすかったりする人もいるとは思います。しかし、ほとんどの人がもつ体質は、環境的な要因が大きく関係しています。そして、 その人自身の習慣を変えることで体質は改善します。
そして、言ってしまえば、体質は自律神経の働きによって作られます
自律神経とは、意識することなく勝手に働いてくれる神経です。心臓や肺といった内臓全般、さらには血管など、生命を維持するためには欠かせない臓器を調整しているのが、自律神経になります。
寝ているときに、心臓や呼吸が止まらないのも自律神経の働きのおかげです。また、急に寒くなったときに体温が変わらないのも、運動したときに心拍数が上がるのも全て自律神経の機能によるものです。
このように、自律神経は体温調節や血流の調整だけでなく、排便、唾液の分泌、皮脂の分泌など体のさまざまな機能をコントロールしています。
そのため、自律神経に問題が生じる、「太りやすい」「浮腫み(むくみ)やすい」「肌荒れしやすい」などの体質になります。つまり、一般的に体質と言われる状態のほとんどは、自律神経によって説明できます
 自律神経の乱れは生活習慣の不摂生が原因
自律神経の乱れは、生活習慣の不摂生から生じます。自律神経は、「体内時計」と呼ばれるものによってコントロールされています。体内時計とは外部の時間とは関係なく刻まれるもので、体のリズムを調節するものです。
この体内時計は、基本的には外部の時間と大きくずれることはありません。体内時計と外部環境が一致していると、体内時計が狂うことはありません。
例えば、睡眠も体内時計によってコントロールされています。もちろん、太陽の影響で目が覚めたり、眠くなったりもします。しかし、そのような外部環境の変化がなくても、人には体内時計によって夜眠くなり朝目覚めるというリズムができています。
しかし、眠気があるのに無理に夜更かしをしたり、日が昇っているのにずっと眠っていたりすると、外部環境と体内時計にズレが生じます。
そうなると体内時計が狂います。体内時計の働きが悪くなると、体内時計によって調整されている自律神経にも影響が出ます。自律神経の不調は、ほとんどが体内時計の問題から起こるのです。
これは食生活などでも同じことが言えます。基本的な睡眠、食事、運動の3つのどれかに、不摂生が起こると、体内時計が狂い、自律神経の働きは悪くなります。
そして、自律神経の不調になった結果として現れるのが体質なのです
今回述べたように、生活習慣の不摂生は自律神経の不調を招き、結果的にさまざまな悪い体質を作り出します。そのため、体質を良くするためには自律神経の機能改善が必須であり、自律神経を整えるためには生活習慣の見直しが必要になります。
冒頭でも述べたように、自律神経の乱れは体の痛みにも関係します。つまり、体の不調のほとんどは生活習慣が問題で起こっているということです。