痛み・疼痛

アルコールやチョコレートと体の痛みの関係性:食生活と疼痛

食生活の不摂生が、さまざまな病気につながることは誰もが知っている通りです。高血圧や高脂血症、糖尿病といった内科疾患は、特に食事との関係性が指摘されています。そして、多くの病気は、塩分や砂糖の摂り過ぎといった、特定の物質の過剰な摂取によって起こります。
健康に興味がある人の大半は、体のためにサプリメントなどを摂取することを最初に考えます。しかし、多くの病気は何らかの物質の摂取過剰によって生じます。そのため、まずは、摂り過ぎているものを減らすことが大切です。
このような、体に影響を与える食品の中でも、よく問題に挙がるものが「アルコール」と「チョコレート」になります。
これらは、体に対してさまざまな影響を与えることがわかっています。例えば、血圧や血糖値の上昇などの悪影響があります。その一方で、リラックス効果など、体にとって良い作用もあります。
そこで今回は、アルコールとチョコレートが体の痛みにどのように関係するのかについて解説します。
 アルコール、チョコレートは肝臓に負担をかける
アルコールや、チョコレートに含まれる「カフェイン」は体に悪影響を与えることで知られています。とくに、睡眠への作用は良く知られています。アルコールは、少量では良い眠りを誘発しますが、過剰になると、深い眠りを妨げると言われています。
カフェインに関しても同様で、眠くなりやすい昼過ぎに摂取することは、眠気の解消に効果的です。しかし、夕方以降に摂ることで、夜の睡眠が障害されます。
そして、これらに共通することとして、アルコールもカフェインも体にとっては「異物」ということです。体の中に入った不要なもののほとんどは、肝臓で解毒され、排泄されます。アルコールとカフェインも同様で、肝臓の働きによって分解されます。
そのため、2つとも過剰に摂り過ぎると、肝臓への負担が強くなります。その結果、肝臓の機能が障害されます。
内臓は、背骨の中にある「脊髄(せきずい)」から出る神経によって支配されています。そして、内臓に起こった変化は、その神経を通して脊髄に伝えられます。よって、もし肝臓に何かしらの問題が生じると、その情報は、背骨に伝わります。
このような内臓の不調に関する情報は、背骨の周りにある筋肉を硬くします。さらに、その筋肉には、背骨を真っ直ぐ伸ばすような働きがあります。そのため、背骨は垂直になり柔軟性がなくなります。
 背骨が硬くなることの弊害
背骨が真っ直ぐになるというと、背筋が伸びて、体には良いような印象を受けるかもしれません。しかし、背骨は柔軟性があるからこそ、その機能を発揮します
筋肉が固くなるということは、背骨の柔らかさがなくなるということです。背骨は体の中心にあり、四肢の運動全てに関係します。例えば、両腕を上げる「バンザイ」の動作でも背骨の動きが必要です。
実際にやってみるとわかりますが、背中を丸めた状態でバンザイを行うと、肩に違和感が出ます。これは、バンザイの動作を達成するために、「腕だけでなく背骨を伸ばす」という動きが必要であるからです。
背骨が関係することは、腕を使った動作であっても、足を使う動きであっても同じです。動作を行う上で、背骨の動きを伴わないものはほとんどありません。
そして、背骨の可動性に制限があると、背骨以外の関節が過剰に動く必要がでてきます。つまり、四肢の関節に余計な負担がかかることになります。これが、四肢の関節の痛みにつながります。
そのため、アルコールやチョコレートの食べ過ぎは、以下のような過程で、四肢の痛みにつながります。
アルコール、チョコレート → 肝臓の不調 → 背骨の柔軟性低下 → 四肢の関節の痛み
今回述べたように、アルコールやチョコレートは肝臓への負担を高め、結果的に背骨を硬くします。そこから、四肢の関節痛につながります。
このことは、他の肝臓に負担をかける食品でも同じように起こります。例えば、薬や食品添加物、油モノなどはその代表例です。何にしても、内臓に負担をかけることは、結果的に四肢の関節の痛みを誘発させます。
そのため、原因不明の痛みが続いている場合は、食生活を見直すことが大切です。