障害予防法

障害を予防する食事法:規則正しい食事、自律神経、生体リズム

痛みや痺れ、倦怠感といったような障害の発生を予防するためには、自己管理を行うことが必須になります。いくら、すごい腕の整体や治療院に通っても、あなた自身が体の管理をしていないと、必ず体の不調は起こります。
そこで必要になるのが、睡眠と食事、運動に対する自己管理です。この基本的な3つのことに注意していれば、ほとんどの障害を予防できます。
今回は、その中でも食事法の基本について解説します。
 生体リズムとは
人には、朝起きて夜寝るという生活リズムがあります。これと同じように、内臓の活動やホルモンの分泌など、体の働きは、ほとんどが活動のリズムを持っています。
例えば、血圧にも高くなる時間と低くなる時間帯があります。基本的に血圧は、朝方に最低値となり、昼過ぎから夕方にかけて最高値を示します。また、体温も血圧と同じようなリズムで変動します。
このような体に備わっているリズムを「生体リズム」と言います。
生体リズムは、生物が地球環境に適応するために獲得されたものだと言われています。また、外部の環境に依存せず、自律的に刻まれるのも生体リズムの特徴です。そのため、人間は、真っ暗で時間が分からないような部屋で生活しても、朝起きて夜寝るというリズムで活動を行うことが分かっています。
しかし、そうは言っても、生体リズムは24時間という時計のリズムと若干ずれていることがわかっています。
具体的には、生体リズムは約25時間で進んでいると言われています。つまり、時間が分からないような部屋で生活していると、徐々にリズムがずれてきて、起きる時間、寝る時間が日に約1時間ずつ遅くなります。
実際に、そのような生活を2週間程続けると、睡眠活動のリズムが昼夜逆転することがわかっています。
そのようなリズムを整える因子の1つが食事になります。
  食事による生体リズムの調節
今まで述べたように、生体リズムは、24時間からは1時間外れた、25時間というリズムを刻んでいます。そのため、24時間の生活を行っている人間は、その1時間を調節する必要があります。
そこで、生体リズムを調整しているものが、日光と食事、運動の3つだとされています。
特に、朝の日光や食事は、ズレたリズムをリセットする効果が高いことがわかっています。そのため、朝食を食べることは、生体リズムを整えるためには必要なことです。
また、朝食のリズムが一番大切ではありますが、昼と夜も規則正しい時間に食べることは、生体リズムを整えるためには重要です。食事を摂るということは、消化と吸収に必要な内臓の働きを誘発することになります。
そのため、同じ時間に食事を摂ることで、内臓の活動にリズムが形成されます。そうすると、食事のタイミングで内臓の活動が高まるようになり、消化と吸収がスムーズになります。
つまり、規則的なリズムで食事を行うことで、内臓に負担がかかりにくくなると言えます。
 
 生体リズム、内臓の活動は自律神経によって調整されている
生体リズムを整える要因として食事があり、さらに食事を規則的に行うことで、消化と吸収がスムーズになることを説明しました。
このような、生体リズムと内臓の活動は、ともに自律神経によって調整されています
自律神経は、生命を維持するために欠かせない神経であり、私は障害の多くは自律神経の不調から生じていると考えています。
生体リズムが崩れたり、内臓に過剰な負担がかかったりすると、自律神経に問題が起こります。食事のリズムが崩れると、生体リズムは整わない上に、内臓の消化吸収もスムーズに行われなくなります。つまり、不規則な食生活は、自律神経の不調を招くということです。
ちなみに、自律神経による内臓の活動は、肉体的にも精神的にも休んでいる時に活発になります。そのため、食事をした後に運動などを行うと、内臓の働きが抑制されるため、消化吸収がスムーズに行われなくなります。
つまり、内臓に負担をかけないようにするためには、食後はゆっくりすることが大切だと言えます。
今回述べたように、人の体に備わっている生体リズムや、内臓の活動は自律神経によって調整されています。そして、自律神経の不調は障害発生の多くの原因となっています。
そのため、生体リズムを整えたり、内臓に負担を減らしたりするような、規則正しい食生活を身につけることは、障害を予防するためには欠かせないことだと言えます。