障害予防法

舌から体の状態(体調)を予測・把握して障害を予防する方法

障害を予防するためには、自己管理が欠かせません。それは、関節痛や高血圧、高血糖など、体に起こる不調のほとんどは、自律神経の問題によって生じるためです。
そして、自律神経の不調は、ストレスや生活習慣の乱れによって起こります。自律神経を整えるために、ストレスコントロールや生活習慣を管理することが必要です。これは結果として障害予防に必要となります。
また、障害発生には決まったプロセスがあります。そのプロセスにおいて、早期の段階に発見し、解消することで、体への負担なく障害を予防することができます。
早期の段階で症状を発見するための1つの方法に、舌の観察があります。
舌には、内臓の状態が現れます。そのため、食べ過ぎや、食事の偏りといった食生活の乱れは、舌を見ることで判断できます。
そこで今回は、舌の見方について解説します。
 舌の構造
意外と知らない人が多いのですが、舌は筋肉でできています。そして、舌を自由に動かすことで、食べ物を口から喉に送り込んだり、舌にある感覚器で味を感じたりする役割があります。
舌の表面は、粘膜によって覆われています。そして、粘膜には小さな隆起がたくさんあります。この隆起には2種類あり、「茸状乳頭(じじょうにゅうとう)」と「糸状乳頭」と呼ばれます。この2つの突起によって、舌の表面における外観を作ります。
この内、茸状乳頭は味覚に関係します。また、表面が薄いため、血管が透けて赤く見えます。つまり、舌の「色」を作っており、循環状態を図る指標になります。
一方、糸状乳頭は老廃物や食べ物カス、細菌などが積み重なってできます。そのことで、「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる、舌の表面に付着する白い層を作ります。舌を見てみるとわかりますが、舌の表面は白くなっています。この舌苔は、糸状乳頭で構成されています。
また、舌の裏側には中心部の両脇に「舌脈」と呼ばれる2本の血管が走っています。舌脈も、全身状態を予測するためには重要なものです。
このような舌の構造を見ると、さまざまな体の状態を予測することができます。
 舌の状態から予測できるもの
舌は、全身の状態を表していると言われています。そのため、舌の形や色、舌苔の性質や色、舌脈などを見ることで、さまざまなことを予測できます。
 ・舌の形
舌の形は、全身の栄養状態や水分代謝を表しているとされています。例えば、痩せて薄い舌をしている場合、栄養不良が予測されます。また逆に、ボテッとした分厚い舌は、体内に水分が溜まっている可能性を示しています。
さらに、そのような分厚い舌は、周囲に歯形が付いていることが多く、舌の外周がデコボコしています。
 ・舌の色
舌の色は、全身の循環状態を表しているとされています。健康であれば、舌は薄ピンクの色をしています。
全身の循環が悪くなると、舌の色が青白くなります。一方、舌が赤すぎる場合は、炎症や代謝の亢進などの状態が予測されます。
また、舌脈も循環の状態に影響されています。特に、舌脈は心臓に関係していると言われており、心の働きが弱く全身の循環が悪くなると、色は黒っぽくなり、大きさも太くなります。
 ・舌苔
舌苔の厚さは、病気の重さを表していると言われています。日本人は、舌を磨いている人が多いため、舌苔による判断しにくい場合があります。
舌苔が厚いほど病気が重く、舌苔が薄ければ、病気は軽い可能性が高いと判断できます
また、舌苔の色は、病気の性質を表しています。舌苔の色は、健康な人の場合、薄い白色です。しかし、炎症や代謝の亢進が起こると、舌苔は黄色くなります。逆に代謝が悪くなっていると、舌苔は白さが増します。
今回述べたように、舌を見ることで、全身の状態を予測することができます。舌の変化は、関節痛や痺れ等が出現するよりも早く現れます。
そのため、舌の変化にいち早く気づき、対処することで障害を予防することができます。