日本において、変形性膝関節症などの整形外科疾患で悩んでいる人は少なくありません。
病院を受診して整形外科的な疾患の診断を受けると、主に加齢や筋力低下、過用(使い過ぎ)を指摘されます。そして、実際の治療としては、痛みなどの症状を抑えるための薬物療法や電気などを使った物理療法が処方されます。
しかし、そのような治療法では、表面的な問題を抑えているだけであるため、症状が根本的に解消されることはありません。
整形外科疾患の多くは、自律神経の乱れが原因で起こります。自律神経の不調がきっかけとなって筋力低下や柔軟性低下、血流障害などが生じ、痛みや痺れなどが引き起こされます。
そのため、整形外科疾患を根本的に解消するためには、自律神経との関係性について理解することが大切です。
そこで今回は、「整形外科疾患と自律神経の関係性」について解説します。
ここでは、整形外科疾患の中でも変形性膝関節症と手根管症候群、偏頭痛、関節リウマチについて説明します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、日本において2000万人以上の人が患っている疾患です。ひざの痛みを主症状とする病気ですが、長時間歩くとひざに痛みを感じる程度の人から、「痛くて夜眠れない」という人まで、症状の重症度は人それぞれ異なります。
そして、変形や痛みによって日常生活に支障が出るようになった場合には、最終的に人工ひざ関節などの手術が実施されます。
ただ、人工ひざ関節などの手術を行っても、ひざが変形した根本的な問題を解消しておなければ、ひざの変形や痛みは再発することになります。そうしたことを避けるためにも、変形性膝関節症を解消するためには、薬や手術といった治療だけでは十分ではありません。
変形性関節症のほとんどには自律神経の問題が潜んでおり、根本的に変形性膝関節症を解消するためには、自律神経の活動を整えることが欠かせません。
そこで以下に、変形性膝関節症と自律神経の関係性について記します。
健康な背骨はS字状に弯曲している
健康的な背骨<脊柱>は、S字状の弯曲をしており、バネのように体全体にかかる衝撃を吸収する役割があります。S字状の弯曲は、頚部、胸部、腰部の3つの部分がそれぞれカーブを描くことで、背骨全体のバランスをとっています。
そして、どこか一カ所の弯曲が小さくなったり消失したりすると、背骨全体のバランスが崩れます。そのような場合に、背骨は全部の弯曲をなくし、背骨をC字状にすることで安定させようとします。
C字状とは、サルなどの背骨みたいに、全体的に丸くなっている、いわゆる「猫背」の姿勢です。
背骨の形状上、このようなC字状の形態になると、脊柱全体が安定します。そして、このC字状の背骨を作るためには、背骨の基盤である骨盤を後傾させる必要があります。
骨盤の後傾とは、座っている時に力を脱力して背中を丸くした状態のときの骨盤の形をいいます。実際に行ってみるとわかりますが、骨盤を後傾すると、背骨は全体的に丸くなり、いわゆる猫背姿勢になります。これが、C字状の背骨です。
通常、姿勢を保つためには、背骨を支えているお腹と背中に存在する筋肉(いわゆる体幹筋)が収縮しなければいけません。
体幹筋が重要だといわれるのは、このためです。もし体幹筋が弱くなっていると、筋肉によって背骨を支えることができないため、姿勢を保つことができません。また、筋肉による支持がなくなるため、背骨を支える関節にかかる負担が大きくなります。
ただ、骨盤を後傾してC字状の形になると、お腹や背中に存在する背骨を支える筋肉が作用しなくても背骨は安定します。
その時に、骨盤を後傾させる「ハムストリングス」と呼ばれるモモの裏に付いている筋肉になります。ハムストリングスが緊張することで、骨盤は後傾し、背骨がC字上の形態となり安定します。
そして、このハムストリングスは、ひざ関節にも付着しており、関節のかみ合わせ(関節の適合性)を調整しています。
そのため、ハムストリングスの緊張が異常を強くなるとと、ひざ関節のかみ合わせにも問題が生じます。ひざ関節に限らず関節は、適合性が正常であってはじめて、円滑に動くことができます。
例えば、ひざ関節の曲げ伸ばしをスムーズに実施できるのは、ひざ関節を構成している骨と骨がかみ合っているためです。
もし、ひざ関節の適合性が低下していると、ひざをスムーズに曲げ伸ばしすることができなくなります。その結果生じるのが、変形性膝関節症です。
このように、体は背骨の弯曲異常が起こると、その不安定性を補うために背骨をC字状にして安定させようとします。そして、このときに起こるハムストリングスの緊張が、変形性膝関節の発症に大きく関係しています。
変形性膝関節症と自律神経の関係性
多くの人が認識していないことですが、変形性膝関節症は自律神経の問題から生じることがほとんどです。
自律神経とは、内臓や血管などの臓器を、無意識にコントロールしている神経です。生物は、自律神経が存在いているために、生命を維持することができます。
そして、自律神経の司令塔は背骨にあります。自律神経による心臓などの内臓のコントロールは、背骨の中にある自律神経の司令塔を介して行われます。また、内臓の状態も、内臓から自律神経の司令塔を通って、脳に伝えられます。
そのため、自律神経の不調は、結果的に司令塔がある背骨に影響を及ぼします。具体的には、背骨の周りにある筋肉を硬くする反射が起こります。
そして、こうした反射が起こると、自律神経に対応した背骨部分の筋肉が固くなり、脊柱の弯曲が小さくなります。その結果、背骨は全体のバランス取ろうとして、C字状の猫背になります。
つまり、先ほど述べたような、変形性膝関節症の原因である背骨の弯曲異常を引き起こすのは、自律神経だといえます。
このことから、変形性膝関節症の原因は、自律神経の不調にあると考えられます。
以下に、変形性膝関節症が発症するまでのプロセスをまとめます。
・自律神経の不調により背骨の弯曲異常が生じる
・背骨は弯曲異常が起こると不安定になる
・ハムストリングスが緊張することで骨盤を後傾させる
・骨盤が後傾させることで、背骨がC字状になり安定する
・ハムストリングスが緊張した結果、ひざ関節のかみ合わせが悪くなる
・変形性膝関節症の発症
また、このような反応は、膝関節だけではなく、肩や肘といったような四肢の関節であれば、どこでも起こりえます。関節痛は、いくつかの段階を経過することで発生します。ただ。障害発生のプロセスで、緊張する筋肉が変わるだけです。
例えば、骨盤が後傾することで、「広背筋(こうはいきん)」と呼ばれる、筋肉が緊張します。この筋肉は肩の運動に関係しているため、広背筋が硬くなると、肩の痛みが出現します。
いわゆる「五十肩(肩関節周囲炎)」と呼ばれる疾患も、こうした障害発生プロセスで発症します。
このように、自律神経の不調による背骨の柔軟性低下は、下肢(足)だけでなく上肢(腕や手)にも影響を及ぼします。こうしたことから、四肢(手足)の関節痛を予防・改善するためには、自律神経の活動を整えることが重要だといえます。
手根管症候群
手に発症する代表的な整形外科疾患に「手根管症候群」があります。手根管症候群とは、手首から先に痺れが生じたり、指に関連する筋肉が萎縮したりするような病気です。
手根管症候群は、ほとんどのケースで「過用(使いすぎ)」が原因だとされています。しかし実際には、手根管症候群が発症するのは手の使いすぎだけではありません。その根底には、自律神経の問題があります。
そのため、手根管症候群を予防・改善するためには、自律神経の活動を整えることが必須になります。
そこで以下に、手根管症候群と自律神経の関係性について記します。
手根管症候群とは
手首の手のひら側にある「手根管」と呼ばれる、骨と靱帯で作られたトンネル様の場所があります。このトンネルの中には、指を動かす筋肉やそれらに栄養を与える血管、支配する神経などが通っています。
そして、その中を通る神経を「正中神経」といいます。正中神経は、親指と人差し指、中指、薬指の筋肉と、手のひら側の感覚を支配しています。
手根管症候群は、手根管内において何かしらの原因で正中神経が圧迫されることで発症する病気です。そのため、手根管症候群になると、正中神経が支配する、手のひらが痺れたり、親指の筋肉が委縮したりするなどの症状が出現します。
手根管症候群を発症すると、ほとんどの場合が、手の使い過ぎによる、筋肉の過剰な緊張が原因であるといわれます。
しかし、神経が障害されるのは圧迫刺激だけではありません。神経細胞は、「酸素不足にとても敏感」という性質があります。そのため、神経に対する血流不足も、神経の働きを妨げる大きな要因になります。
そして、手根管症候群を発症している人の多くは、使いすぎによる筋肉の緊張だけでなく、正中神経の血流不足も伴っています。
自律神経は血流を支配している
体の中で主に血流を支配しているのは、「自律神経」です。自律神経には、外部の環境や体内の変化に応じて、必要な組織に十分な血流量が流れるように調整する働きがあります。
また、自律神経は興奮時に働く「交感神経」と、リラックス時に活動する「副交感神経」の2つに分けられます。交感神経は、血管を収縮するような作用があります。一方、副交感神経は血管を拡張する役割を持っています。
そして、これらの神経は、どちらの働きが過剰になっても血流に障害を起こします。
例えば、交感神経が緊張すると、血管が収縮するため、その先に流れる血液量が減ることは想像しやすいと思います。
副交感神経が活発に働くと、血管は拡張するため一時的には血流量が増えます。しかし、血管が開きすぎると、血液の流れが「滞る」という事態が起きます。その結果、血流が悪くなります。
こうした理由で、自律神経はどちらの働きが過剰になっても血流障害が生じると言えます。
手根管症候群の原因の1つに、自律神経の問題による血流障害が挙げられます。手根管症候群の症状は、正中神経の働きが妨げられることで生じます。また既に述べたように、神経の活動は血流不足によって障害されます。
つまり、自律神経のバランスが崩れると、正中神経に関係する血管の血流が悪くなって、手根管症候群が発症することになります。
さらに、変形性膝関節症のときに述べたように、自律神経の不調が生じると、手足にある筋肉が過剰に緊張します。そして、こうした筋肉の緊張は、手根管症候群に関連する筋肉でも起こります。
このように、自律神経の不調は、正中神経の血流障害だけでなく、筋肉による神経の圧迫を引き起こすことで手根管症候群を発症させることになります。
偏頭痛
偏頭痛は、多くの人が慢性的に悩まされている病気の一つです。ただ、偏頭痛と診断されても、ほとんどのケースは痛み止めなどの薬剤が処方されるのみで、根本的な問題に対する治療が行われません。
実は、こうした偏頭痛の原因も自律神経の不調にあります。そのため。偏頭痛を予防・解消するためには、自律神経の活動をコントロールすることが必須だといえます。
そこで以下に、偏頭痛と自律神経の関係性について記します。
偏頭痛とは
偏頭痛とは頭痛の一種であり、頭の片側に発作的に起こる痛みです。そのため「片頭痛」ともいいます。
偏頭痛には、脈に合わせたような痛みが発生するという特徴があります。また、吐気や嘔吐、視覚障害などの症状が伴う場合も少なくありません。そして、偏頭痛は4~72時間持続することが多いとされており、数日間続くこともあります。
偏頭痛は、一般的に男性より女性に多いとされています。これは、女性に低血圧が多いことや、ホルモンバランスが崩れやすいことが原因とされています。
そして、偏頭痛の発生には、脳に存在する血管の運動が関係しています。具体的には、脳に送られる血流量が変化して、脳の血管が大きく拡張、収縮するときに、その血管の運動が刺激となって頭痛が起こります。
偏頭痛を引き起こす血管の運動には、以下のような刺激が影響します。
・明るい光や香水などの強い刺激
・身体的、精神的ストレス
・睡眠障害
・喫煙
・食事の変化
・飲酒
・月経周期の変動
・特定の食品(チラミンやグルタミン酸ナトリウム、硝酸塩を含む食品)
・天候
このように、偏頭痛にはさまざまな要素が影響しているため、病院を受診してもほとんどの場合は原因不明とされます。そして、一時的に症状を抑えるような薬が処方されることが一般的です。
偏頭痛と自律神経の関係性
既に述べたように、偏頭痛の原因は脳にある血管の運動障害です。血管が過剰に拡張すると、血管にある痛みを発する受容器を刺激するため、頭痛が起こります。
こうした血管の拡張を引き起こす要因の一つとして、「セロトニン」という神経伝達物質の影響が挙げられます。神経伝達物質とは神経細胞間の情報を伝達するものです。神経伝達物質が働くことで、脳からの指令は手足などに伝わりますし、脳内での情報の共有も行えます。
そして、セロトニンには脳の血管を収縮させて細くする働きがあります。そのため、セロトニンが何らかの原因で過剰に分泌されると、脳の血管が強く収縮します。
血管には、急に収縮すると、反動で拡張する特徴があります。そして、こうした反動による血管の拡張は、血管に存在する痛みを感知する受容器を刺激して偏頭痛を引き起こします。
また、偏頭痛の原因として「三叉神経」の影響も挙げられます。三叉神経は、顔や頭、口の中、歯の感覚を支配している神経です。
三叉神経が過剰に興奮すると、血管を拡張させる「プロスタグランジン」という物質を放出します。それによって、三叉神経が支配している頭部の血管が拡張することで、偏頭痛が生じます。
このように、偏頭痛は血管の運動が障害されることが原因で発症します。
そして既に述べたように、血管の運動は自律神経によって調整されています。自律神経のうち、興奮時に働く交感神経は血管を収縮させ、リラックス時に活動する副交感神経は血管を拡張させます。通常は、これら2つの神経が協調して働くことで、血流を整えています。
ただ、外界から受けるストレスなどが強くなり、交感神経の働きが過剰になると、血管は持続的に収縮してしまいます。
健常な状態であれば、セロトニンやブラジキニンなどの作用が加わっても、偏頭痛はそう簡単には起こりません。これらの物質によって血管の収縮や拡張が起こっても、自律神経の働きによって速やかに血管運動は調整されます。
しかし、自律神経のバランスが崩れていると、セロトニンやブラジキニンなどによって生じた血管運動が、自律神経によって調節されません。その結果、偏頭痛が起ります。
このように、セロトニンやブラジキニンといった物質は偏頭痛と深く関係しています。
ただ、それらの物質が単独で偏頭痛を起こしているのではなく、その背景に自律神経の不調、特に交感神経の過剰な興奮が存在しています。
偏頭痛を持った人が、週末などのリラックスした時に強い痛みが出現することも、自律神経の問題で説明ができます。
仕事中は交感神経が強く働いているため、血管は収縮しています。そのような状態から、リラックスして副交感神経が活動することで、急な血管拡張が生じます。こうした血管運動の大きな変動によって、週末に強い偏頭痛が出現するのです。
関節リウマチ
関節リウマチを代表とする、「膠原病(こうげんびょう)」は、多くの人が悩まされている病気です。この疾患では、細胞と細胞をつないでいる、膠原線維(こうげんせんい)とよばれるものに炎症が起こります。このように、膠原線維に病変が見られるものをまとめて膠原病と呼びます。
それでは、まずは「膠原病とはどういう病気なのか」について確認していきます。
膠原病とはどのような病気なのか
膠原線維は、筋肉や内臓、血管など全ての臓器に含まれています。そのため、膠原病の症状は、多岐にわたります。発熱や発疹、関節痛、内臓病変などは、その代表例です。
膠原病は、全部で50種類以上もあり、難病に指定されています。女性に多いことが特徴であり、急に発症することも少なくありません。また、症状が軽い場合もあり、診断はされていないけれども、膠原病が疑われる人はたくさんいます。
難病に指定されているということは、言ってしまえば、原因がわかっていないということです。そのため、治療も、表面に現れている症状を一時的に抑えるような対処療法が一般的です。
また、そのような治療に使われる薬には、とても作用が強いものが多いです。そのため、薬による副作用が問題となることも少なくありません。とくによく使用される「ステロイド剤」は、効果は抜群ですが、骨粗鬆症や糖尿病を引き起こす原因にもなります。
難病に指定されている膠原病ですが、実は原因は自律神経の不調にあります。そのため、膠原病の予防や治療には、自律神経を考慮したものが不可欠になります。
また、膠原病の中でも代表的なものとして、「関節リウマチ」があります。関節リウマチには自律神経が大きく関係しています。
そこで、ここからは「自律神経の詳細」と「関節リウマチと自律神経の関係性」について解説します。
自律神経と免疫の関係
自律神経とは、無意識下で働く神経であり、内臓や血管などの運動を調整しています。無意識に活動するので、寝ているときでも、何かに夢中になっているときでも、体の機能をコントロールしてくれています。
また、自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の2つに大きく分けられます。交感神経は興奮時に働く神経であり、副交感神経はリラックス時に活動する神経です。
どちらが過剰になっても、体には何かしらの問題が生じます。2つが上手くバランスをとっていることで、体の健康は保たれています。
さらに、自律神経は免疫とも深い関係にあります。免疫にとは、体に異物が入った際に、対応し除去するような体の働きです。その免疫の働きに、主に関わるのが「白血球」と呼ばれるものです。そして、白血球は「顆粒球(かりゅうきゅう)」と「リンパ球」の2つに大別されます。
顆粒球とリンパ球も、交感神経と副交感神経のように、お互いでバランスをとることで免疫の機能を果たしています。
そして、実際、顆粒球は交感神経と、リンパ球は副交感神経と深く関係しています。具体的には、交感神経の活動が高くなると顆粒球は増え、副交感神経の緊張が高くなるとリンパ球は増えます。
また、顆粒球は「活性酸素」と呼ばれる物質を作り出します。活性酸素は、正常な細胞に働きかけ、破壊します。
自律神経と関節リウマチの関係性
膠原病の中でも最も発症率が高いのがリウマチ(関節リウマチ)です。関節リウマチは、多くの関節に慢性的な炎症を引き起こします。その結果として、関節が破壊され、その機能が失われます。
関節リウマチは、自己免疫疾患と言われています。通常、免疫細胞は、自身の正常な細胞を攻撃することはありません。しかし、何らの原因で、免疫細胞に異常が起こると、自身の正常な細胞や組織を破壊してしまう場合があります。そのような病気を自己免疫疾患といいます。
自己免疫疾患は、一般的にはリンパ球が多すぎて、自身の体を攻撃すると考えられています。しかし、実際は逆であり、自己免疫疾患は、リンパ球の働きが衰えることで生じます。
リンパ球は、顆粒球とバランスをとって機能します。そのため、リンパ球が少なくなると、顆粒球の数は増えます。顆粒球は、活性酸素によって細胞や組織を破壊する作用があります。つまり、顆粒球の増殖によっても、自身の細胞や組織を破壊してしまう可能性があるということです。
自己免疫疾患の原因は、この顆粒球の異常な増殖にあります。
全身に活性酸素が発生することで、膠原線維が破壊され、炎症を起こします。その結果、関節痛や筋肉痛、発熱などが起こります。つまり、自己免疫疾患の原因は、交感神経の過緊張にあるということです。
このように、膠原病は、交感神経の過活動によって起こります。これは一般的な認識とは全く逆になります。このことが、ステロイド剤などの薬で膠原病が治らない原因です。
膠原病の一番の問題が、交感神経の緊張ということであれば、膠原病の予防と治療には、自律神経を整えるような方法が適切だということです。
今回述べたように、自律神経の不調は背骨や血管運動の異常を引き起こすため、さまざまな整形外科疾患を発症する原因になります。
整形外科外科疾患を予防・解消するためにも、生活習慣を整えて、自律神経のバランスを整えるように意識しましょう。最後に、自律神経が原因で発症する整形外科疾患の例を挙げます。
・変形性頚椎症(頚椎椎間板ヘルニア)
・腰痛(変形性腰椎症、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎分離・すべり症)
・鼡径部痛症候群
・変形性股関節症
・オスグット病
・半月板損傷
・変形性足関節症
・アキレス腱炎
・胸郭出口症候群
・肩関節周囲炎(五十肩)
・上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、野球肘
・腱鞘炎