ダイエット 基本

ダイエットを成功させるための栄養学:肥満に関わる栄養素

ダイエットを成功させるポイントの一つとして、食事が挙げられます。食事は、運動に並んでダイエットを成功させるために欠かせない要素です。むしろ、ダイエット成功の鍵を握っているのは、運動ではなく食生活です。食事さえコントロールできれば、90パーセントはダイエットを成功させることができます。
ただ痩せるためには、食生活に関して正しい知識を持っていることが大切です。一般的に言われるように「カロリーを計算して制限する」という方法では、健康的に痩せることはできません。
ダイエットを成功させるためには、肥満に関わる栄養素について理解することが欠かせません。食事で体重をコントロールしているのは、カロリー量ではなく、あなたが摂った栄養素にあります。まずは、このことを認識することが、ダイエットを成功させるための第一歩になります。
そこで今回は、「ダイエットを成功させるための栄養学」について解説します。

肥満を招く栄養素:糖質

ダイエットを成功させるためには、体に脂肪が付くメカニズムを理解しておくことが大切です。体重が増減する原因を把握しておくことで、簡単に痩せることができるようになります。
一般的に、体重が増える原因は「カロリーの過剰摂取」だと考えられています。つまり、「運動によって消費するカロリー以上に食事でカロリーを摂取することで、その超過分が脂肪に変わり体重が増える」という理論です。
しかし実際には、この理論は間違えています。体に蓄積される脂肪をコントロールしているのは、カロリーではなくホルモンです
具体的には、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンが、体重調整の鍵を握っています。インスリンは血糖値の上昇を抑える役割を担っているため、一般的には糖尿病の人が血糖値(血液中に含まれる糖分量)を下げるために使用する薬剤として認識されています。
ただ、インスリンは血糖値を下げるだけでなく、血液中の脂肪を体に蓄えたり中性脂肪の燃焼を抑えたりする働きを持っています。つまり、インスリンが過剰に分泌されると、太りやすく痩せにくい体になります。
そして、インスリンの分泌が増える主な原因は、「糖質」の摂取です。
人が食事から取る栄養素には、主に炭水化物(糖質)と脂質、タンパク質といた三大栄養素と、ビタミンやミネラルといった「微量栄養素」があります。これらの栄養素の中で、唯一血糖値を上昇させて、インスリンの分泌量を多くするのは炭水化物(糖質)です。
糖質が体内(血液中)に吸収されると、当然ながら血糖値は上昇します。そのことが刺激になって、血糖値を正常範囲に戻すたように、すい臓からインスリンが分泌されます。
つまり、炭水化物(糖質)を多く含む食事を摂るほど、太りやすく痩せにくい体になります。
このように、肥満を招く主な栄養素は糖質になります。これは、甘いお菓子やアイスといったものだけでなく、パン(小麦粉)や米、穀物類なども同じです。また、果物に含まれる「果糖」は、糖質ほど血糖値を上げませんが、果糖自体が中性脂肪に直接変化するため、太りやすい栄養素だといえます。
ダイエットを成功させるためには、まずは肥満を招く栄養素について認識しておくことが大切です。

肥満を招くと勘違いされている栄養素:脂質、タンパク質

肥満を招く栄養素は主に糖質です。糖質が血糖値を上げて、脂肪の蓄積を促すインスリンの分泌を増やします。
ただ一般的に、肥満を招くと考えられている栄養素は、糖質ではなく脂質です。これは、脂質の方が糖質より高いカロリーを有しているためです。
具体的には、1グラム当たりのカロリー数が、糖質は4キロカロリーなのに対して、脂質は9キロカロリーあります。つまり、同じ量であっても、脂質を多く含む食品は高いカロリーを持っていることになります。
カロリー理論に従うと、カロリーが高い脂質よりも、カロリーが低い糖質を摂った方が太りにくいといえます。しかし実際には、既に述べたように、体重の増減をコントロールしているのは、カロリーではなくホルモンです。そして、肥満を招くインスリンの分泌を促すのは脂質ではなく糖質です。
そして、脂質をいくら食べてもインスリンの分泌が増えることはありません。むしろ脂質は、体を動かすためのエネルギーを効率的に作り出す栄養素となるため、活発に活動するために欠かせない栄養素です。
多くの人は、「主にエネルギーを作り出すのは糖質である」と考えています。確かに、糖質が多く含まれる食事を摂っていると、糖質が主なエネルギー源になります。しかし本来、体にとって効率的かつ負担が少ないエネルギー源は糖質ではなく脂質です。糖質の摂取量を抑えれば、自然と脂質からエネルギーが作り出されるようになります。
このように、一般的に肥満の原因とされている脂質は、実際には肥満を招くことはありません。
さらに、脂質と並んでタンパク質も、体の脂肪を増やす原因と考えている人が多くいます。これは、「タンパク質が豊富に含まれている食品には、脂質が伴っていることがほとんどであること」が関係しています。
例えば、タンパク質がたくさん入っている食品の代表例として肉や卵が挙げられます。確かに、これらの食品はタンパク質だけではなく、脂質も多く含んでいます。
ただ、既に述べたように脂質は肥満を招く原因にはなりません。そのため、脂質が多く含まれているタンパク質が豊富な食品を食べても、太ることはありません。むしろ、タンパク質を摂取することで、インスリンとは逆に脂肪の燃焼を促進する役割を持つ「グルカゴン」と呼ばれるホルモンの分泌が促されます。
つまり、タンパク質は肥満を招くどころか体重を減少させる役割を持つ栄養素だといえます。
このように、「一般的に肥満の原因とされている脂質やタンパク質は、実際には太る要因にはならない」ということを認識しておくことが大切です。

ダイエットをサポートする栄養素

体重の増減に影響しているのは主に糖質であるため、ダイエットを成功させるためには糖質の摂取量を減らすことが欠かせません。それだけでも、十分なダイエット効果を得ることができます。
ただ、糖質や脂質、タンパク質だけでなく、ビタミンやミネラルといった微量栄養素も、ダイエットに影響を与えています。特に、ミネラルである鉄分と亜鉛は、ダイエットの成功をサポートする大切な栄養素になります。
そこで以下に、ダイエットと鉄分、亜鉛の関係性について記します。

鉄分

鉄分は、不足すると「貧血」などの症状を引き起こす栄養素として知られています。体内における鉄分の主な役割は、空気中から取り入れた酸素を血液中に取り込んで筋肉や内臓といった各組織に送り届けることです。
つまり、鉄分が不足していると、全身の細胞に酸素が十分に行き渡らなくなります。
酸素は、各細胞において細胞が活動するためのエネルギーを作り出すために欠かせないものです。そして、脂肪の燃焼は、このようにエネルギーを産生する過程(代謝)で起こります。そのため、鉄分が不足してしまうと、代謝が落ちてしまい脂肪が燃焼されにくくなります。
このように、鉄分は脂肪の燃焼をサポートする栄養素として重要な役割を担っています。

亜鉛

亜鉛には、脂肪を燃焼するために必要な代謝を高める働きがあります。つまり、亜鉛は鉄分と同じように新陳代謝を良くすることで、ダイエットをサポートする役割を持っています。
さらに亜鉛には、肥満を抑制する「レプチン」と呼ばれるホルモンの分泌を促す作用があります。
レプチンは、脂肪細胞で作られるホルモンです。脂肪細胞に脂肪が貯まると、そのことが刺激になってレプチンが合成・分泌されます。一般的に肥満とは、脂肪細胞に脂肪が蓄積された状態をいいます。
そしてレプチンには、脂肪の燃焼を促したり食欲を抑制したりする作用があります。つまり、レプチンには肥満を解消する働きがあります。
通常であれば、食べ過ぎなどで肥満となってしまった場合には、レプチンが合成・分泌されます。そして、自然と脂肪の燃焼が促されるだけでなく、食欲が抑えられて、それ以上太らないような反応が起こります。
ただ、亜鉛が不足してしまうと、レプチンの合成と分泌が十分に起こらなくなってしまいます。その結果、体に脂肪が蓄積されているにも関わらず、レプチンが分泌されないため、食欲がおさまらずに食べ続けることになります。また、脂肪の燃焼も促されないため、どんどん太ってしまいます。
このように、亜鉛は肥満を解消するレプチンの分泌を促す栄養素として、ダイエットに重要な役割を担っています。
今回述べたように、ダイエットを成功させるためには、肥満に関わる栄養素を理解しておくことが大切です。こうした栄養に関する知識を有しておくことで、健康的かつ効率的に痩せることができるようになります。