障害予防法

不要な物を避けて障害を予防する食事:内臓、背骨・自律神経

関節痛や下肢の痺れといった体の不調が出現しないようにするためには、自己管理が大切になります。多くの人は、そのような症状が出現して初めて、病院に通ったり、本やインターネットで解消法を調べたりします。
そして、通院することで薬やリハビリなどの処置を受けたり、学んだ解消法を自己流で行ったりして対処します。
しかし、体に起こる不調のほとんどはあなたの食事や睡眠などの生活習慣に原因があるため、そのような対処法では根本的な解消には至りません。薬やリハビリで一時的に症状が落ち着いても、日々の生活習慣を改めないと、体の不調は再発します。
そのため、正しい生活習慣を知って実践することで、症状を解消するだけでなくその後の予防まで行うことができます。
そこで今回は、障害を予防するために必要な食事法について述べます。
 内臓の不調は背骨にも影響する
体の健康を維持する上で、食事はとても大切なものになります。適切な睡眠や食事、運動を実践することで、体に起こるさまざまな不調を予防、解消することができます。
例えば食事では、アルコールを飲み過ぎたりすると二日酔いになったり、食べ過ぎたりすると胃が痛くなったりすることは誰でも想像できることだと思います。実際には、それだけではなく、不摂生な食事は関節痛や四肢の痺れなど、体における不調のほとんどに関わっています
それは、食事が内臓に影響を与えることが関係しています。
食べ物は口から入った後は、胃と腸を通過します。そしてその過程では、膵臓や胆のうといった臓器から「消化液」と呼ばれる、消化をスムーズに行うための物質が加えられます。さらに腸から血液中に吸収された栄養素は、肝臓で解毒作用を受けて全身に循環します。
このように、あなたが食べた物は内臓を通過しながら消化・吸収されます。そして不摂生な食事は、消化・吸収の過程に関係する内臓に負担をかけることになります。
 内臓の不調が背骨の固さにつながる
不摂生な食事は、消化・吸収に関わる内臓に過剰な負担をかけて内臓の機能を低下させます。そして、そのような食べ物の影響で起こる内臓の不調は「内臓体性反射」と呼ばれる反射を引き起こします。
内臓は、背骨にある「脊髄(せきずい)」と呼ばれるところから出る神経によって調整されています。つまり、背骨と内臓は神経によってつながっているといえます。
内臓体性反射とは、内臓に生じた不調が脊髄と内臓をつなぐ神経を介して、背骨に影響を与える反射です。内臓体性反射が起こると、各内臓に対応した背骨周辺の筋肉が緊張することで背中の動きが硬くなります
そして背骨は体の中心にあるため、背中が硬くなると肩や股関節、膝といったような四肢の関節にも悪影響を与えることになります。その結果、四肢の関節痛が出現します。
このように、不摂生な食事によって内臓に負担をかけると、背骨や四肢の関節にまで悪影響を与えることになります。
 解毒が必要なものは肝臓への負担を大きくする
そして、アルコールや薬といった体にとって異物であり毒となるものは、肝臓での解毒が必要になります。肝臓で毒性を取り除いた後に、ようやく体の栄養として利用できるようになります。そのため、このような食べものは肝臓に過剰な負担をかけることになります。
そうなると、内臓体性反射によって肝臓を支配している背骨の部分が固くなります。具体的には、右肩甲骨の直下辺りの筋肉が緊張して背中の動きが悪くなります。
また、肝臓に不調が生じると、背骨が硬くなるだけでなく以下のような症状も出現します。
・全身倦怠感
・右肩痛
・食欲不振
・両手足の痺れ
このように、解毒が必要な食品を摂りすぎると、四肢の関節痛や全身倦怠感といったようなさまざまな不調が現れる可能性があります。
 体に負担をかけるもの
今まで述べたように、アルコールや薬といったように、体の栄養として利用するために解毒が必要なものは、肝臓に過剰な負担をかけます。
他にも、内臓に過剰な負担をかけるような食品があります。例えば、糖質は「膵臓」や「副腎」と呼ばれる臓器に悪影響を与えます。そのような体にとって良くないものは、無数にある上に、人それぞれでも異なります。
しかし、多くの人に共通して「体への負荷が大きい」という食品があります。以下にその例をいくつか挙げます。
・糖質
・食品添加物
・酸化脂質
・アルコール
・カフェイン
以上のような食品に関しては、多くの人にとって体の負担となるものです。過剰に摂ると、先ほども述べたような「背骨の硬さ」や「倦怠感」といったような、体の不調につながります。そのため、できるだけ日常的に摂取することは避けるようにしましょう。
今回述べたように、普段食べている食品の中には、体の不調を引き起こすきっかけとなるものが多くあります。このような体と食べ物の関係を理解した上で、日頃から体の負担となりやすいものはできるだけ避けるようにすることで、障害を予防することにつながります。