ダイエット 食事制限

ダイエット中は甘い飲み物はダメ?ダイエット中に避けるべき飲み物

ダイエット中に「どうしても甘い飲み物が飲みたい」って思うことはありますよね?
ただ、ダイエットを成功させるためには、食事から摂取する糖質量を制限する必要があります。例えば、米やイモ類、お菓子などは糖質を多く含んでいるため、ダイエットを行う上では摂取量を減らすべき食品です。
当然ダイエット中には、食品だけではなく飲み物に含まれる糖質量も意識しなければいけません。
糖質を制限している人の多くは、糖質が豊富な食品に関しては認識して摂取量を調整できています。しかし、飲料に入っている糖質量について正確に理解している人は少ないです。
そのため、知らず知らずのうちに飲み物から糖質を多量に摂ってしまい、ダイエットに失敗している人はたくさんいます。
そうしたことを避けるためにも、飲料に含まれる糖質量についても、正しく認識しておくことが大切です。
そこで今回は、「ダイエット中に避けるべき飲み物」について解説します。

ダイエットに必要なのは糖質制限

ダイエットを成功させるためには、食事制限が欠かせません。そして、健康的なダイエットを成功させるためには、カロリーではなく糖質を制限する必要があります。
一般的に、体重をコントロールしているのは、消費されなかった(余分な)カロリーだと認識されています。つまり「食事から摂取したカロリー量が運動などで消費したカロリー量を上回ると、その分だけ体に脂肪として蓄えられる」という考えです。
しかし実際には、体への脂肪蓄積をコントロールしているのは、カロリーではなくホルモンです。
特に、すい臓で合成・分泌される「インスリン」と、脂肪細胞で合成・分泌される「レプチン」は、脂肪蓄積を調整している主なホルモンです。具体的には、インスリンは体への脂肪蓄積を促し、逆にレプチンは体内の脂肪燃焼を促進し、食欲も抑制します。
通常、これら2つのホルモンがバランスを取ることで、体重は適正な状態を維持しています。こうしたホルモンのバランスが崩れると、体重が大きく増減することになります。
そして、肥満を促すインスリンの合成・分泌を促進する栄養素が「糖質(炭水化物)」になります。
糖質は、タンパク質や脂質、ミネラル、ビタミンといった栄養素の中でも、唯一血糖値(血液中の糖分量)を上げる作用を持っている栄養素です。また、インスリンには、脂肪の蓄積を促すだけでなく血糖値を下げる働きがあります。
そのため、糖質を摂取して血糖値が高くなると(高血糖)、その状態を改善するために大量のインスリンが分泌されます。
その結果、血糖値は落ち着くものの、同時に体への脂肪蓄積も促進されて太りやすくなります。
このように、体への脂肪蓄積をコントロールしているのは、カロリーではなくホルモンです。そして、肥満に関するホルモンのバランスを崩す一番の原因は糖質の過剰摂取にあります。
こうしたから、ダイエット中には食品から摂取する糖質量を制限することが大切だといえます。

ダイエット中に避けるべき飲み物・飲んで良い飲み物

ダイエット中に食事で意識すべきことは、カロリー量ではなく食品に含まれている糖質量です。
そして、多くの人は、お菓子やパン、ご飯、イモ類などに糖質が豊富に含まれていることは認識しています。しかし、飲み物に関しては「糖質が多く入っている飲料」を理解していない人がほとんどです。
当然、甘みが強いジュースなどに糖質が多く含まれていることは、簡単に想像できます。ただ、甘くなくても糖質がたくさん入っている飲み物はあります。
そこで以下に、ダイエット中に避けるべき飲み物・飲んでも良い飲み物について記します。

ダイエット中に避けるべき甘い飲み物

基本的に、甘みがある飲み物には糖質が多く含まれています。例えば、コーヒー飲料やブラック以外のコーヒー、フルーツジュースなどには、大量の糖質が利用されています。そのため、ダイエット中には、明らかに甘みを感じるような飲料水は避けるべきだといえます。
また、一般的に「健康的」だと認識されている野菜ジュースには、大量の糖質が入っています。他にも、水分補給として利用されやすいスポーツ飲料水なども、砂糖が豊富に含まれているため肥満を促します。
さらに、牛乳も「乳糖」と呼ばれる糖質が多く含まれているため、ダイエット中には避けるべき飲み物だといえます。
そして、多くの人がダイエット中の飲み物で気にするのが「お酒(アルコール)」です。アルコールは、一般的に「ダイエットの敵」であると認識されています。確かに、アルコールには、食欲を促進する作用がある上に、一緒に食べるつまみには肥満を促すような食品が多いです。
しかし実際には、アルコールの中にも、ダイエット中に避けるべきアルコールと、飲んでも問題ないアルコールがあります。
ダイエット中に避けるべきアルコールは、「醸造酒」です。醸造酒とは、穀物と果物を原料にして作られるお酒のことをいいます。例えば、ビールは「麦芽」、日本酒は「米」、ワインは「ブドウ」を原料として、酵母で発酵させて作ります。
こうした醸造酒には、アルコール以外に多量の糖質が含まれています。そのため、ダイエット中には醸造酒は控えるべきだといえます。
また「糖質ゼロ」という発泡酒は、糖質が含まれていないためダイエット中であっても飲んで大丈夫です。ただ、糖質ではなく「糖類ゼロ」のアルコールや飲み物は控える必要があります。
糖質は「単糖類」「二糖類」「多糖類」「糖アルコール」「人口甘味料」に分類されます。糖類とは、糖質の中でも単糖類と二糖類のことを指します。
糖質の中でも、糖アルコールの一種である「エリスリトール」と人口甘味料は、血糖値を上昇させません。つまり、肥満を促すインスリンの分泌を促さないため、ダイエット中に飲んでも脂肪蓄積は促進されません。
ただ、それ以外の糖質は、基本的に血糖値を上げてインスリンの合成・分泌を促します。
そのため、たとえ「糖類ゼロ」のアルコールやジュースであっても、多糖類やエリスリトール以外の糖アルコールが含まれていれば、その飲み物はインスリンの合成・分泌を促進して、脂肪の蓄積を促すことになります。
こうしたことから、ダイエット中には、醸造酒と糖類ゼロと記載されているお酒は避けるべきだといえます。
このように、ダイエット中には、いくつか避けるべき飲み物があります。基本的には、飲料品の裏に貼ってあるラベルに記載されている「炭水化物(糖質)」の値が大きい飲み物は控えるようにしましょう。以下に、ダイエット中に避けるべき飲み物をまとめます。
・ブラック以外のコーヒー
・コーヒー飲料(ココアなど)
・野菜、フルーツジュース
・スポーツドリンク
・炭酸飲料(コーラなど)
・牛乳飲料
・栄養ドリンク
・醸造酒(糖質ゼロを除く)

ダイエット中に飲んでも良い飲み物

それでは、逆にダイエット中であっても飲んでも問題ない飲料には、どのようなものがあるのでしょうか。
基本的には、糖質を含まず血糖値へ影響しないような飲み物であれば、脂肪の蓄積を促すことはないため、飲んでも大丈夫です。例えば、ブラックコーヒーやストレートの紅茶、成分無調整の豆乳などは、糖質がほとんど含まれていません。
当然ながら、水やお茶にも糖質は含まれていないため、これらの飲み物にも脂肪を蓄積させる作用はありません。
また、アルコールの中でも「蒸留酒(スピリッツ)」は、糖質が基本的に含まれていないため、ダイエット中であっても飲んで良いお酒です。蒸留酒とは、醸造酒を一定の温度で温めて、熱によって揮発したアルコールのみから作られるお酒です。
そのため、蒸留酒には、醸造酒に含まれていた糖質は入っていません。
例えば、焼酎やウイスキー、ジン、ウォッカ、ブランデーなどは、糖質を含まない蒸留酒です。これらのお酒は、血糖値を上げないため、ダイエット中に飲んでも脂肪の蓄積は促されません。
ただ、蒸留酒であっても、焼酎やウォッカなどに果汁を混ぜて作る「カクテル」は糖質を含むため避けるべき飲み物です。もし焼酎などの蒸留酒を他の飲料で割るのであれば、水やお茶、炭酸水など、糖質が入っていない飲料を使用するようにしましょう。
以下に、ダイエット中に飲んでも良い飲み物についてまとめます。
・水
・ブラックコーヒー
・お茶、紅茶(ストレート)
・ハーブティー
・蒸留酒(焼酎、ウイスキー、ジン、ウォッカ、ブランデー、ラム)

糖質は少ないがダイエット中には控えるべき飲み物

コーヒーや紅茶、蒸留酒などは、糖質を含んでおらず脂肪の蓄積は促されないため、ダイエット中に飲んでも良い飲み物です。ただこれら3つの飲料は、ダイエット中には飲みすぎに注意しなければいけません。
血糖値の変動には、糖質以外にも「自律神経」が大きく関係しています。
自律神経とは、心臓や内臓、血管などの活動を無意識下でコントロールしている神経です。自律神経は、緊張時に働く「交感神経」とリラックス時に活動する「副交感神経」の2つがバランスを取ることで、体のさまざまな機能を調整しています。
自律神経はホルモンの分泌や血糖値の変動にも関与しています。
そのため、自律神経の活動が乱れると、インスリンやレプチンといった肥満に関わるホルモンのバランスも崩れます。その結果、脂肪の蓄積が適切にコントロールできなくなり、肥満となる可能性が高くなります。
そして、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインや蒸留酒に入っているアルコールは、摂取量が多くなると自律神経のバランスを崩す作用を発揮します。
つまり、糖質を含まないコーヒーや紅茶、蒸留酒であっても、飲みすぎると自律神経の活動とホルモンバランスを乱し、肥満を招くことにつながります。
さらに、カフェインやアルコールには、交感神経の活動を高める作用があります。人間の体では、交感神経が緊張すると、自然と血糖値が高まるような反応が起こります。そうなると、血糖値を下げるためにインスリンが合成・分泌され、結果的に脂肪の蓄積が促されることになります。
このように、糖質を含まないコーヒーや紅茶、蒸留酒であっても、飲みすぎは「自律神経の活動を乱すことにつながり、結果的に肥満を招く原因になる」ということを知っておいてください。

ダイエット中に意識すべき甘い飲み物に含まれる糖質量

ダイエット中に飲み物で注意すべきことは、糖質量と自律神経への影響です。そこで以下に、各飲料に含まれている糖質量の目安をまとめます。

ソフトドリンク


飲料名 糖質量(g)
コーヒー(150ml) 1.1
紅茶(ストレート)(150ml) 0.1
ココア(150ml) 10.7
緑茶(100ml) 0.2
ウーロン茶(200ml) 0.2
トマトジュース(200ml) 6.6
果汁100%オレンジジュース(200ml) 21.4
果汁100%グレープフルーツジュース(200ml) 20.4
果汁100%リンゴジュース(200ml) 23.6
コーラ(200ml) 22.8
乳酸菌飲料(65g) 10.7
コーヒー牛乳(200ml) 17.9
フルーツなしの野菜ジュース(200ml) 12.4

アルコール


飲料名 糖質量(g)
ビール(200ml) 6.2
黒ビール(200ml) 6.8
白ワイン(100ml) 2.0
赤ワイン(100ml) 1.5
ロックの焼酎(60ml) 0
日本酒(180ml) 8.1
ブランデー(60ml) 0
ウイスキー(60ml) 0
ウォッカ(150ml) 0
ラム(100ml) 0
紹興酒(150g) 7.6
甘酒(150ml) 26.8
ロックの梅酒(60ml) 12.4
酎ハイ(200ml) 0.4


今回述べたように、ダイエット中には、飲料に含まれる糖質量を意識しなければいけません。また、ダイエットを成功させるためには、糖質量だけでなく、カフェインやアルコールが自律神経の与える影響も理解しておくことが大切です。
こうした飲み物が体重の増減に与える影響を把握しておくと、ダイエットで失敗しにくくなります。