脂質ダイエットによる体質改善

血糖調整メカニズムを学びダイエットで成功する:脂質ダイエット

ダイエットを行う上で、血糖コントロールは非常に重要になります。一般的には、ダイエットで必要なことはカロリーコントロールと考えられていますが、実際にはそうではありません。

 

体の脂肪蓄積を調整しているのは、カロリー摂取量ではなく、血糖値になります。つまり、血糖調整が上手くできればダイエットで成功することになります。ただ、血糖調整のメカニズムには、体内における多くの機能が関わっているため、正しく理解できている人は多くありません。

 

そこで今回は、ダイエット成功の鍵となる「血糖調整のメカニズム」について解説します。

 

血糖値とは

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量を表す値です。

 

食事によって糖質を摂取した場合には、ブドウ糖の状態まで消化されて腸から血液中に吸収されます。そして、血液を巡って全身の細胞に届けられて、細胞が活動するためのエネルギー源となります。

 

基本的に、炭水化物はブドウ糖やガラクトース、マンノースなどの小さな単糖類まで消化された後に腸で吸収されます。ガラクトースやマンノースなども、腸で吸収された後に肝臓でブドウ糖になります。

 

腸によって血液中に吸収された栄養素は、その後は以下のよな流れで全身に運ばれます。

 

 「腸 → 腸間膜静脈 → 門脈(静脈) → 肝臓 → 心臓 → 動脈 → 全身

 

難しい名前がありますが、簡単にいうと、腸の血管から血液中に入った栄養素は、一度肝臓を経由します。肝臓は血液中に含まれている栄養素などに毒性がないかを確認して、毒性が認められれば解毒します。

 

そして、肝臓からまた血液中に戻り、心臓に達します。ここまでは、「静脈(じょうみゃく)」と呼ばれる、体の末端から心臓に血液を送る血管内を血液が通ります。

 

心臓に達した栄養素を多く含む血液は、今度は心臓から筋肉や内臓などの末端組織へ送られます。このように、心臓から全身の細胞へ血液を送る血管を「動脈(どみゃく)」といいます。

 

つまり、腸から吸収された糖は、静脈と肝臓を経由して心臓に送られて、その後に動脈によって全身の細胞へ届られてエネルギー源となります

 

ちなみに、普段測定する血糖値は、腕から採決する場合は静脈血、指先からであれば動脈血を測定しています。

 

肝臓による調節

食事によって摂取された糖は、静脈と肝臓、心臓を介して全身に送られます。そして、その過程で血糖調整のメカニズムが働きます。具体的には、肝臓と膵臓(すいぞう)、脳の「視床下部(ししょうかぶ)」によって血糖値はコントロールされます。

 

肝臓は、ホルモンなどの助けがなくても自由にブドウ糖を取り込むことができます。そのため、腸からのブドウ糖の吸収量が多くなるほど、肝臓は余分なブドウ糖を「グリコーゲン」と呼ばれる形に変えて貯蔵します

 

そして、貯め込んだグリコーゲンは、睡眠中などに血糖値が下がると、ブドウ糖に戻して血液中に出されます。他にも肝臓では、アミノ酸や脂肪からもブドウ糖を作り出します。

 

こうした、肝臓で糖が作られる仕組みを「糖新生」といいます。

 

このように、腸からの糖吸収が多いときには、肝臓で糖を貯蓄することで血糖値が上がり過ぎないようにします。そして、逆に血糖値が低下した場合には、糖新生によって血糖値を上げます。

 

肝臓では、このようにして血糖コントロールが行われています。

 

膵臓(すいぞう)による調節

膵臓では、血糖値を低下させる唯一のホルモンである「インスリン」が分泌されます。インスリンは、全身の細胞に働きかけて、血液中からの糖吸収を促します。特にインスリンは、筋肉や脂肪へ糖を吸収するように強く作用します。

 

そして、筋肉や脂肪に取り込まれた血糖は、「グリコーゲン」や「中性脂肪」という形で蓄えられます。

 

全身のほとんどの臓器は、インスリンの働きがあって初めて血糖を吸収してエネルギー源として利用します。ただ、脳と神経、網膜、腎臓、血球細胞では、インスリンの作用なしにブドウ糖を取り入れることができます

 

こうした理由から、インスリンがないと血糖を利用できない筋肉や脂肪では、栄養不足などで血糖値が低下すると、どんどん細胞が衰えることになります。

 

一方で、脳や神経、網膜、腎臓などでは、血糖値の上昇によるインスリン分泌が起こらなくても、血糖値が0にならない限りは血糖を利用できる仕組みになっています。

 

つまり、脳や神経、網膜、腎臓などは、飢餓時などにも守られている臓器だといえます

 

ただ、逆に血糖値が上昇した場合には、脳や神経、網膜、腎臓などの臓器は、過剰な糖に対応することができません。インスリンに頼らずに取り込むことはできても、筋肉や脂肪のように細胞内に入った糖を処理したり貯蓄したりする機能がありません。

 

そのため、脳や神経、網膜、腎臓などでは、糖が大量に取り込まれると、細胞内で多くの糖を燃焼しようとして、過剰に酸素や酵素が使用されます。その結果、各細胞での酸素や酵素が不足して血管が傷つきます。

 

さらに、こうした臓器では、血糖値が高くなりすぎると、「ポリオール代謝系路」という特殊なメカニズムが働くことで糖を処理します。そして、ポリオール代謝系路が利用される過程で生じた代謝産物が、血管を傷つけます。

 

糖尿病の合併症が神経や網膜、腎臓などに起こりやすいのには、こうした糖の処理能力や貯蓄能力の違いが関係しています。

 

インスリンは、こうした各細胞の血糖利用を促すだけでなく、以下のような作用によって血糖値を調整します。

 

・肝臓における血糖の貯蔵を促進
・細胞内のブドウ糖を脂肪に変える
・脂肪分解を抑制
・糖新生を抑制
・利尿作用

 

このようにインスリンには、血糖を脂肪に変えることで血糖値を下げる作用があります。。

 

そして、インスリンの分泌は、早食いや糖質摂取、飲酒などで分泌が促されるため、こうした行動は肥満につながることになります

 

視床下部による調節

脳は、筋肉や肝臓、脂肪細胞のようにブドウ糖を蓄積することができません。ただ、脳の主なエネルギーはブドウ糖であるため、脳には絶えずブドウ糖の供給が必要になります。

 

そこで、脳へのブドウ糖供給が不足すると、脳内の視床下部が情報を感知して、自律神経とホルモンに働きかけることで、脳への血糖供給をコントロールします。

 

このように、ホルモンの分泌は視床下部によってコントロールされています。そして、血糖値が低下した際に血糖を上昇させるホルモンは全部で7つあります。

 

その中でも特に、「副腎髄質」で作られる「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」、膵臓で作られる「グルカゴン」と呼ばれるホルモンは、血糖上昇に重要な役割を担っているホルモンです。

 

低血糖やストレスを受けているような状態では、自律神経の中でも体を興奮させる「交感神経」が働くようになり、アドレナリンやノルアドレナリン、グルカゴンの分泌が促されます。その結果、肝臓や脂肪細胞に蓄えられていたグリコーゲンや中性脂肪がブドウ糖に分解されて血液中に放出されるため、血糖値が上昇します。

 

逆に高血糖の状態では、体をリラックスさせる「副交感神経」が優位に働きインスリンの分泌が促されます。その結果、血糖値は下がります。

 

また視床下部は、自律神経を介さないメカニズムでも、ホルモン分泌によって血糖を調整しています。

 

具体的には、「脳下垂体前葉」と呼ばれる部位に作用して、「成長ホルモン」や「甲状腺ホルモン」、「副腎皮質ホルモン」と呼ばれるホルモンの分泌を促します。これらのホルモンは、先ほどのアドレナリン、ノルアドレナリン、グルカゴンと同じように血糖値を上昇させる働きがあります。

 

このように視床下部は、自律神経を介してホルモンの分泌を調整したり、直接ホルモンに働きかけたりすることで血糖値のコントロールに関与しています。

 

ちなみに、ホルモンによる血糖コントロールは、午後4時以降には積極的に行われないような日内変動(体内リズム)があります。そのため、低血糖症の症状は午前より午後に出現しやすくなります。

 

血糖値を上昇させるホルモンにおける、それぞれのメカニズムを以下にまとめます。

 

ホルモン名

血糖値上昇メカニズム

アドレナリン・
ノルアドレナリン

・肝臓と筋に蓄えられたグリコーゲンを分解して糖を合成
・脂肪を分解して糖を合成

コルチゾール

・タンパク質を分解して糖を合成
・肝臓におけるグリコーゲン分解、糖新生の促進
・脂肪を分解して糖を合成

成長ホルモン

・肝臓におけるグリコーゲン分解の促進
(・脂肪を分解して中性脂肪からのエネルギー産生を促進)

グルカゴン

・肝臓におけるグリコーゲンの分解、糖新生の促進
・脂肪を分解して糖を合成

甲状腺ホルモン

・肝臓におけるグリコーゲンの分解、糖新生の促進
・腸のブドウ糖吸収を促進

副腎皮質ホルモン

・肝臓における糖新生の促進
・筋肉におけるブドウ糖利用の抑制

 

自律神経による調節

自律神経は、ホルモンを介した血糖調整とは別に、視床下部を介して食欲に働きかけることで血糖値をコントロールする機能があります。

 

具体的には、血糖値が下がった場合には、副交感神経によって視床下部に存在する摂食中枢が刺激されて食欲が増します。逆に、血糖値が上昇すると交感神経によって満腹中枢が刺激されることで食欲が抑制します。

 

つまり、摂食中枢は副交感神経によって、満腹中枢は交感神経によって刺激されることになります。

 

こうした理由から、副交感神経が優位になりやすい夜中などには過食になりやすくなります。一方でストレスや喫煙などによって交感神経の緊張が強くなると、食欲が下がります。

 

自律神経がホルモンと関係して血糖コントロールを行った場合には、「血糖変動 → 視床下部 → 自律神経 → ホルモン → 血糖コントロール」という視床下部が自律神経に作用することで血糖調整が行われていました。

 

一方で、食欲による血糖コントロールでは「血糖変動 → 自律神経 → 視床下部(摂食、満腹中枢) → 食欲調整」というように、自律神経が視床下部を刺激することになります。

 

このように、自律神経は食欲に働きかけることで、間接的にも血糖調整に関わっています。

 

今回述べたように、血糖値の調整は、「肝臓」「膵臓」「視床下部」「自律神経」によってコントロールされています。こうした血糖値に関する知識を持つことで、血糖コントロールを行うことができるようになり、健康やダイエットに生かすことができるようになります。

 

そうすることで、健康的なダイエットの成功に近づきます。

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