脂質ダイエットによる体質改善

糖質・炭水化物の違いと各々の特徴:脂質ダイエット

ダイエットを成功させる食事法として、糖質制限食は外せないものです。ダイエットに失敗する人の多くは、糖質に依存しており、糖質を中心とした食事からの脱却ができません。そのため、一時的に痩せてもまた元に戻ります。

 

ただ、糖質という栄養素について、分類や役割を明確に理解している人はいません。特に、糖質と炭水化物などの区別を説明できる人は少ないです。

 

また、糖質制限というと「甘いお菓子を避ければ良い」と考えている人がいますが、実際には、そうではありません。確かに、甘いお菓子などを控えることは、第一段階として間違ってはいません。しかし、あなたが食べている食品の中には、想像以上に糖質が含まれています。

 

そして、肥満の原因となる糖質は、一般的に認識されているような甘い砂糖だけではありません。つまり、あなたが糖質と知らずに食べている食品が、太る原因になっている可能性があります。

 

そうしたことを避けるためにも、まずは糖質について正確に理解することが大切です。

 

そこで今回は、「糖質と炭水化物の違いと特徴」について解説します。

 

糖質とは

糖質制限食を実施する上で、まずは「糖質とは何か?」を知ることが大切です。もしそのことを理解していないと、糖質制限は失敗します。

 

糖質と同じような言葉に、「炭水化物」という単語があります。多くの人は、糖質と炭水化物を習慣的に、同じような意味で使っています。しかし、糖質と炭水化物には、明確な違いがあります

 

健康増進法において、食品の基本表示として示すべきものは「エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウム」の5成分と定められています。

 

つまり、法的に表示義務があるのは、糖質ではなく炭水化物ということです。そして、炭水化物は、法的に「タンパク質、脂質、ミネラルのいずれにも分類されないもの全て」として定められています。

 

一方、栄養学的に、炭水化物と糖質を分類すると以下のようになります。

炭水化物

糖質+食物繊維

糖質

糖類+糖アルコール+三糖類以上+合成甘味料

糖類

単糖類+二糖類

三糖類以上

オリゴ糖、多糖類(デンプン、デキストリンなど)

二糖類

ショ糖、麦芽糖、乳糖など

単糖類

ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど

糖アルコール

エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど

合成甘味料

アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム

 

この表から、炭水化物とは「糖質に食物繊維を加えたもの」ということになります。つまり、「炭水化物の中に糖質が含まれている」ということです。食物繊維は、食べた後に消化・吸収されない栄養素です。そのため、糖質は「炭水化物の中で消化・吸収されるもの」と言い換えても問題ありません。

 

また、糖類に含まれていない「オリゴ糖」や「多糖類」などの「三糖類以上」と呼ばれる栄養素は、甘みを持っていません。そして、糖アルコールや合成甘味料は人工的に作られたものです。

 

つまり、糖類とは「天然に抽出される甘味を持った糖質」と言うことができます。

 

このように、炭水化物と糖質には、栄養学的に明確な違いがあります。そして、糖質も糖類や糖アルコール、三糖類以上などに分けられて、それぞれで違った特徴を持っています。

 

血糖値を上昇させない糖質

糖質は、血糖値を上昇させる唯一の栄養素です。炭水化物に含まれる食物繊維は、消化・吸収されないため、血糖値は上げません。

 

例えば、多くの食品に含まれる「増粘多糖類」という食品添加物があります。増粘多糖類には、ペクチン、カラギナン、グァーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、キサンタンガム、カードランなどがあります。

 

こうした増粘多糖類は、食べても消化・吸収されないため、糖質ではなく食物繊維に含まれます。つまり、血糖値には影響しません。

 

そして、糖質の中でも、血糖値に影響しないものがあります。それは、糖アルコールのエリスリトールと、合成甘味料の2つです。

 

糖アルコールの中で、エリスリトールだけは、血糖値を全く上げません。その他の糖アルコールは、砂糖の半分程度の血糖値上昇を引き起こします。エリスリトールは、吸収された後、血中に入らず、ほぼ100パーセント腎臓から排泄されます。

 

また、合成甘味料(人工甘味料)には、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、ネオテームの5つがありますが、これらは全て血糖値を上昇させません。

 

ただ、研究によっては、人工甘味料が血糖値とインスリンの上昇招くという報告もあります。そのため、糖質の中でも血糖値を上昇させないのは、増粘多糖類とエリスリトールの2つだといえます。

 

炭水化物とは

炭水化物とは、糖によって構成される「有機化合物」の総称です。有機化合物とは、炭素分子(C)を含む、大部分の化合物のことを言います。そして、炭水化物は炭素分子(C)に水分子(H2O)が結合したような物質に見えるために、その名称が付けられました。

 

植物は太陽光線のエネルギーを利用して、二酸化炭素と水から炭水化物を合成し、酸素を出します。これを「光合成」と言います。地球に酸素が豊富にあるのは、光合成のおかげです。

 

一方で動物は、植物のように光合成を行うことができないため、体内で炭水化物を作り出すことができません。

 

ただ、炭水化物は体を動かすエネルギー源となります。そのため、炭水化物を豊富に含む植物を食べることで、体内に取り入れてエネルギーを作り出しています。

 

実際に、炭水化物は人間における摂取エネルギーの大半を占めているとされています。特に、貧困層におけるエネルギー摂取は、炭水化物によるものが大半を占めていることがわかっています。

 

具体的には、多くの国における富裕層の摂取エネルギーに占める炭水化物は全体の40パーセントです。それに対して、貧困層では80パーセントを超えるとされています。

 

このように、貧富の違いによって炭水化物の摂取量が違うことが明らかになっています。ただ、どちらにしても、炭水化物は人が摂取するエネルギーの多くを占めている栄養素だと言えます。

 

炭水化物の分類

既に述べたように、栄養学的には、炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものを言います。つまり、炭水化物の中に糖質が含まれています。

 

さらに、炭水化物の中でも食事から摂取するものは「遊離糖」「短鎖炭水化物」「デンプン」「非デンプン性多糖類」の4つに分類されます。そして、これらはそれぞれが違った特徴を持っており、体に与える影響も異なります。

 

そのため、それぞれの特性を理解しておくことは、糖質制限によってダイエットを行う上で欠かせないことだといえます。

 

以下に、各炭水化物の特徴について解説します。

 

遊離糖

遊離糖とは、単糖類と二糖類、またはそれらから作られる糖アルコールの4つのことを指します。

 

単糖類と二糖類には、血糖値およびインスリン分泌を上昇させやすい性質があります。そのため、糖尿病や冠動脈疾患、がん、老化との関係が指摘されています。

 

さらに、単糖類と二糖類は、口腔内の細菌のエサとなるため、細菌を増殖させて虫歯を作る原因になります。

 

また、ダイエットにおける糖質制限の目的は、インスリン分泌のコントロールにあります。インスリンとは、膵臓(ひぞう)で作られるホルモンであり、血糖値を下げる役割と、脂肪を体に溜め込む作用があります。

 

つまり、単糖類と二糖類を摂取することでインスリンの分泌量が多くなると、脂肪が蓄積されやすくなります

 

一方で糖アルコールは、血液中への吸収が少ないため、単糖類などと比べると血糖値への影響が少ないです。また、糖アルコールは、口腔内に存在する細菌を繁殖させないため、むし歯の原因にもなりにくいと考えられています。

 

短鎖炭水化物

短鎖炭水化物としては、「ラフィノース」や「フラクトオリゴ糖」「イヌリン」などが挙げられます・ただ、これらの物質は一般的に認知度は低いです。その中でも、イヌリンは、タマネギやニンニク、アスパラガスに多く含まれている成分であり、聞いたことがある人もいるかもしれません。

 

そして、短鎖炭水化物の特徴は、体内に存在する酵素で消化されないことです。

 

短鎖炭水化物は、腸内に入った後に、他の栄養素のように血液中へ吸収されずに、大腸の腸内細菌によって発酵され、大腸内での「ビフィズス菌」の増殖を刺激します。ビフィズス菌は善玉菌の代表的なものでもあり、腸内環境を整える作用があります。そのため、短鎖炭水化物は、健康に有益とされています。

 

デンプン

デンプンは、植物に含まれている主要な糖類です。穀粒やポテト、バナナなどに多く入っているため、人の食事における主な炭水化物源と言えます。

 

そして、デンプンは栄養学的に大きく「RDS」「SDS」「RS」の3つに分類され、それぞれで違った特徴を持っています。具体的には、消化吸収される部位や血糖反応(食材や薬剤による血糖値の変動)によって分けられます。

 

以下に、RDSとSDS、RSそれぞれの特性を示します。

分類

食品例

消化吸収部位

血糖反応

消化速度の早いデンプン(RDS)

加工食品

小腸

鋭い

消化速度の遅いデンプン(SDS)

豆類、パスタ

小腸

鈍い

レジスタントスターチ(RS)

全粒穀物、バナナ

大腸(発酵)

なし

このように、一言でデンプンと言っても、血糖値に対する影響はそれぞれ異なります。既に述べたように、血糖値の変動はダイエットを行う上で極力抑えたいものです。

 

例えば、食事制限をおろそかにして、単糖類が多い食事を行うと、血糖値が高くなってしまいます。すると、体内で脂肪の蓄積を促すインスリンの分泌量が多くなります。その結果、ダイエット効果を半減させてしまう可能性があります。

 

そうしたことを避けるためにも、デンプンの種類による血糖反応への違いを理解しておくことは大切です。

 

RDS、SDSと血糖値の関係

RDS(Rapidly degestible starch)とは、小腸での消化、吸収速度が速いデンプンのことを指します。RDSに当たるデンプンは、食パンやポテトなどの、水分を含んだ状態で加熱料理した食品に多く含まれています。

 

一方でSDS(Slowly digestible starch)とは、消化速度の遅いデンプンのことをいいます。小腸内で完全に消化される点ではRSDと同じですが、RSDと比較すると、その消化速度は遅いとされています。例えば、パスタのような密度の高い食品や豆類などにはSDSに分類されるデンプンが豊富に含まれています。

 

これら2つの違いは、「デンプン成分が、他の構造物によって包まれているかどうか」にあります。

 

RDSは、デンプン成分が他の構造物に守られず裸のまま存在しているため、消化に必要な酵素の作用を直接受けます。つまり、RDSは、素早く血液中に吸収されることになります。

 

それに対してSDSは、デンプン成分が他の構造物によって包まれた形で存在しています。そのため、酵素による消化を直接受けないため、消化に時間がかかります。

 

消化速度が速いRDSは、血液中にもすばやく吸収されるため、血糖値の上昇も急速に起こります。血糖値への影響が大きいRDSは、体重増加に寄与しますが、逆にSDSは体重への関与は小さいです。

 

こうしたことから、ダイエットを行う際には、RDSよりSDSを多く含む食品を摂取する方が好ましいと言えます。

 

非デンプン性多糖類

非デンプン性多糖類とは、多糖類の中からデンプンを除いたものです。これらは、食物繊維に含まれるものと、そうでないものに分類されます。

 

そして、食物繊維に含まれる非デンプン性多糖類は、一緒に摂取した糖やデンプンを包み込むことで、その消化吸収を遅らせます。つまり、血糖反応を鈍くすることで、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。

 

そのため、非デンプン性多糖類は、ダイエットに最適な栄養素だといえます。

 

今回述べたように、糖質と炭水化物には明確な違いがあります。また、一見すると糖質に見えて血糖値を上昇させる作用を持っていそうな添加物でも、増粘多糖類のように厳密には糖質ではないものもあります。

 

そして、糖質の中でもエリスリトールのように、血糖値を上昇させない栄養素もあることを理解しておくことが大切です。

 

さらに、炭水化物に関しても、消化する速度の違いによってRDSとSDS、RSの3つに分類されます。

 

ダイエットにおける糖質制限の目的は、血糖値を上昇させないことです。そのことを理解した上で、糖質や炭水化物の分類や特徴について知っておくと、正しく糖質制限を行うことができダイエットで成功できるようになります。

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