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体の冷えと心の関係性:脈・心拍数、体温と気分の関係

体が冷えて、体温が低下すると病気にかかりやすくなります。このことは誰もが知っていることです。体温が下がると免疫機能が落ちるため、体の自然治癒力が働きにくくなります。
これは、細胞が働きやすい温度が存在するためです。細胞は、36.5~37.0℃の間で、最も活動が活性化します。そのため、体温はほとんどの人が考えている温度よりも、高い温度が最適ということです。
また体温の低下は免疫機能だけではなく、気分にも影響します。体温が高くなるとポジティブ思考になり、逆に低くなるとネガティブ思考になります。
今回は、この体温と気分の関係性について解説します。
 脈拍と気分の関係性
脈拍には、人の精神状態や体の状態がよく現われています。西洋医学では、脈拍からは脈拍数や不整脈などのリズムの異常を読み取ります。一方で東洋医学では、脈から、病気が起こっている臓器やその病気の深さまで判断します。
このように、脈というものは、その人の体の中の状態を反映しているのです。
脈は、血管が表面にある場所であれば、どこでも測定できます。手首や首、ひざの裏などは、脈を感じることができる代表的な場所です。それらのうち、一般的には手首で脈を測ります。
通常では、1分間測定し、何回脈を打ったかを確認します。しかし、ほとんどの場合は、15秒間測り、その数を4倍します。そして、その脈拍数が、一般的な数値と比較して、多いか少ないかを確認します。
健康な人の脈拍数は、60~70回であると言われています。しかし、医学的に正常とされる範囲は、60~100回と幅が広く、人によって大きな差があることがわかります。
そして、脈拍数は、気分と関係していることがわかっています。
脈拍数が少ないと、気分は落ち込み傾向になります。逆に脈拍数が多いと、ウキウキするか、すごく興奮している状態になります。
具体的には、以下のような関係になります。

脈拍数

気分

80 以上

嬉しくて仕方がない

すごく怒っている

誰かと話したい

75

ポジティブ思考

全てが上手くいきそうな気がする

70

やる気がある

仕事や勉強がはかどる

65

平常心

60

元気がない

物事に消極的

55

落ち込む

お酒を飲みたくなる

50

悲しい、つらい

一人でいたい

 
 体温と脈拍の関係性
脈拍数は免疫機能に関わる「白血球」と関係しています。白血球は自律神経と相互関係にあります。
自律神経とは、内臓や血管を無意識下で調整する神経です。自律神経は体が興奮したときに働く「交感神経」と、リラックスした時に活動する「副交感神経」の2つに分けられます。交感神経と副交感神経がバランスをとることで、自律神経の機能は発揮されます。
また、白血球は「顆粒球」と「リンパ球」の2つに分類されます。そして、交感神経の緊張は顆粒球を増やし、副交感神経の活動はリンパ球を多くします。
さらに体温と脈拍も、白血球のバランスに関係しています。体温が高くなると顆粒球が増え、脈拍数は増加します。逆に体温が低くなるとリンパ球が多くなり、脈拍数が少なくなります。
つまり、体温が高い状態では脈拍数も増えて気分も高揚します。一方で体温が低い場合は、脈拍数も少なくなり、気分も落ち込みます
もちろん、脈拍数は高ければ高いほど良いというわけではありません。脈拍数が高すぎると、興奮しすぎて気分が落ち着かないような状況になります。これは、緊張したときをイメージするとわかりやすいと思います。精神的に緊張すると、心拍数は高くなります。そのときの気分は「ソワソワ」し、落ち着かないものです。
そのため、高すぎず低すぎず適切な範囲の脈拍数であることが大切です。
今回述べたように、体温と脈拍数、気分は深く関係しています。そのため、平常時の脈拍を把握していれば、脈拍の変動によって気分や体調の変化を知ることができます。そして脈拍が少ないときは体を温めて、逆に脈拍数が多いときはリラックスするというような対処ができます。
このように、体温と気分の関係性を知ることで、脈拍数を指標にあなた自身で体調管理が行えるのです。