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リンパ、静脈の流れと関係する第一肋骨

第一肋骨は胸郭出口の構成要素であり、胸郭出口症候群の原因の一部位として重要です。特に肋骨とのスペースで腕神経叢、鎖骨下動脈を圧迫するといわれています。このように第一肋骨は,神経、血管系に大きく影響します。

 

実は第一肋骨は、リンパ液の流れにも影響しているのです。

 

そこで今回は、第一肋骨とリンパ系の関係について解説します。

 

 第一肋骨は位置が重要
第一肋骨は鎖骨の下方にあり、その間で腕神経叢と鎖骨下動脈を圧迫します。つまり、第一肋骨が挙上してしまうと、肋鎖間隙は狭くなり神経と血管を圧迫します。この状態が「胸郭出口症候群」の病態の一つになります。

 

第一肋骨が挙上する原因は、第一肋骨に付着する前・中斜角筋などの過緊張に由来することが多いです。

 

そして、前・中斜角筋の間も腕神経叢、鎖骨下動脈が通っているため、それらの筋の過緊張自体が胸郭出口症候群の原因の一つとなります。つまり、斜角筋の緊張が高いような状態では、二箇所において神経、血管を圧迫してしまう可能性があるということです。

 

斜角筋が過緊張状態になる原因として、よく遭遇するものは2つあります。

 

一つは、精神的ストレスや過剰な運動に伴う過度な胸式呼吸によるものです。特に、起床時に手の痺れなどの胸郭出口症候群の症状が見られる場合に多いように感じます。ストレスは睡眠時に過度な口呼吸を招き、斜角筋の過剰な収縮を起こします。過度な運動も同様で口呼吸を引き起こします。

 

そして、もう一つの原因は胸椎flat化と上位頚髄領域の筋緊張亢進です。この二つの現象が生じると、下位頚椎をflat化させようとする重心補正に伴う姿勢制御が働きます。そこで、中斜角筋の緊張を高めることで下位頚椎のflat化が生じます。

 

また、脊柱に起こる2つの現象は精神的ストレスや寝不足などから生じます。

 

つまり、斜角筋が過緊張を起こす原因は「精神的ストレスや寝不足による交感神経系の働き過ぎ」が大半であると考えられます。

 

 第一肋骨はリンパ系とも関与する
リンパ液は最終的に、内頚静脈と鎖骨下静脈が合流する部位である左右の「静脈角」に達します。つまり、この静脈角に何かしらの障害があり流れが妨げられると、リンパ全体の流れが悪くなります。

 

静脈角の位置はおおよそ鎖骨の後方、第一肋骨の上方にあります。そのため、鎖骨が後方もしくは肋骨が上方に変位した場合、静脈角に圧迫ストレスが加わり、リンパ液の流れを阻害する可能性があります。先ほども述べたように、リンパ液の終着点である静脈角の部位に障害が起こると、全身のリンパ液の流れに影響します。

 

リンパ液の流れは、もちろんリンパ性浮腫にも関係しますが、炎症にも関与します。個人的に、炎症期は第一肋骨の変位も含めたリンパケアを重要視しています。

 

以上のように、第一肋骨は多くの構造体と関係し身体全体に影響します。あなたが今悩んでいる症状の原因は、もしかしたら第一肋骨の変位にあるのかもしれません。

 

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