ダイエット ストレス

ストレスと病気・ホルモンの関係性:副腎皮質ホルモン

ストレスとは、外的な環境や、体内における精神的・化学的変化に抵抗、適応するための体の反応のことを言います。そして、そうしたストレスを引き起こすきっかけとなる刺激を「ストレッサー」といいます。
体は生命を維持するために、ストレッサーに対して、さまざまな生体反応を起こします。その中心となるのが、ホルモンによって調整を行う「内分泌系」です。
体に対してストレッサーが加わると、内分泌系が反応してストレスに関係するホルモンが分泌されます。その結果、ストレスが引き起こされて、ストレッサーに抵抗することができます。
そして、ストレッサーの影響が強すぎたり、ストレッサーに対する内分泌系の反応が低下していたりすると、体の不調や病気を発症しやすくなります。
こうしたことから、病気を防ぐためには、ストレスに関係するホルモンについて理解しておくことが大切です。
そこで今回は、「ストレスに関係するホルモン」について解説します。

ストレスとは

ストレスの概念は、1930年代に「ハンス・セリエ」によって提唱されました。ストレスとは「各種のストレス刺激(ストレッサー)に対する生体の全身的局所的な生体防衛反応」とされています。つまり、一般的認識されているストレスは、「ストレッサー」のことを指します。
これらを風船に例えると、膨らんだ風船を外から歪ませるのがストレッサーであり、それに対して風船内部で生まれる反発力などを、ストレスということができます。
そして、ストレッサーの定義は「ストレスを誘起するもの」とされています。つまり、ストレスを起こすもの全てを指しており、外的な環境因子だけでなく、精神的な要因や血液変化などの化学的な要因も含まれます
例えば、人前で話をするときなどは、緊張(心理的な負荷)を感じる人が多いはずです。そうなると、自然と心拍数が高くなります。
この場合、心理的な負荷がストレッサーであり、心拍数の上昇という反応がストレスです。
また、ストレッサーに対するストレス(反応)の強さは人それぞれ異なります。つまり、同じストレッサーを受けても、体に起こる反応は人によって全く違います。
ただ、基本的にストレス(反応)は、強く起こるほど病気を発症しやすくなります。

ストレスと病気の関係性

既に述べたように、ストレッサーが体に作用すると、体は身を守るためにさまざまな反応を起こします。その反応のことをストレスといいます。そして、ストレスには、3つの時期があり、それぞれ特徴的な体の変化が生じます。
こうしたストレスの3つの時期を理解しておくと、病気や不調の早期段階で、それらを引き起こしているストレッサーの存在を発見することができるようになります。
そこで以下に、ストレスの3段階について記します。

警告反応期

まず初めに、体がストレッサーに反応し始める時期を「警告反応期」といいます。この時期の初期は「ショック相」といわれ、ストレッサーに対して体が十分に反応しておらず、多くの身体機能の低下が生じます
例えばこの時期には、体温や血圧が低下したり、力が入りにくくなったりします。
ただ、体はストレッサーにさらされて、数分から1日経過すると、ストレッサーに対して反応し始めます。それによって、低下した機能が正常に戻り、そこから生体の防衛反応が始まります。

抵抗期

警告反応期の次は、「抵抗期」と呼ばれ、ストレスに抵抗・適応するホルモンを大量に分泌する期間になります。このホルモンによって、体をストレッサーに対して抵抗できる状態にします。
例えば、野球の試合において、チャンスの場面でバッターボックスに立ったときは、心理的負担がストレッサーとなり、ストレスが起こります。
そして、ストレスホルモンが分泌されることで、心拍数や血圧を上昇させることで、心理的負荷に抵抗します。つまり、心拍数や血圧を上げることで気持ちを高めて、心理的負担に負けないような状態を作ります。
ただ、こうしたホルモンによる抵抗は、あるストレッサーに対しては有益に働きますが、他の身体機能は低下させることになります

疲弊期

そして、最後が「疲弊期」と呼ばれる時期になります。この時期は、抵抗期で分泌されたホルモンが枯渇し、ストレッサーに対して体が抵抗できない状態になります。
例えば、ストレスホルモンとして「副腎皮質ホルモン」は有名です。ただ、あまりにストレッサーが持続的に加わったり、強かったりすると、副腎皮質ホルモンを合成する「副腎」と呼ばれる臓器が疲れてしまいます。その結果、体はストレッサーに抵抗できなくなります。
そしてこうした疲弊期にある人は、わずかなストレッサーで病気にかかってしまう状態といえます。うつ状態などは、疲弊期に生じる典型的な不調の例です。

ストレスに抵抗するホルモン

既に述べたように、ストレッサーに対する生体反応(ストレス)は、腎臓の上にある副腎と呼ばれる組織から分泌されるホルモンによって起こります。そのホルモンは「副腎皮質ホルモン」と呼ばれ、ストレスホルモンともいいます。
例えば、炎症を抑える作用がある「ステロイド」と呼ばれるホルモンは、副腎皮質ホルモンの代表的なものです。ステロイドは、副腎皮質ホルモンの中でも、「等質コルチコイド(コルチゾール)」というホルモンのことを指します。
副腎皮質ホルモンには、その他にも「鉱質コルチコイド(アルドステロン)」「性ホルモン(アンドロゲン)」などがあります。
これらのホルモンの中でも特にステロイドには、体の代謝を調整することで、炎症反応を抑制する働きがあります。そのため、「リウマチ性関節炎」や「アレルギー性炎症」などの炎症性疾患に対して、症状を抑制する作用があります。
そして、副腎皮質ホルモンの分泌は、脳内にある「下垂体」と「視床下部」によって調整されます。視床下部は、「自律神経」の司令塔であり、ストレッサーに対して反応します。
例えば、心理的な負担が加わると、その情報が脳に存在する視床下部に伝えられます。そして、視床下部から下垂体へ、さらに下垂体から副腎へ、副腎皮質ホルモンを分泌するような指令が行われます。
つまり、「ストレッサー → 視床下部 → 下垂体 → 副腎皮質 → 副腎皮質ホルモン → 生体反応(ストレス)」という流れで、ストレッサーに対して、体の反応が起こるということです。
このような反応(ストレス)によって、体はストレッサーに対して防衛・適応します。そして、こうしたストレスを引き起こすのが副腎皮質ホルモンであり、これが枯渇すると、体はストレッサーに対して抵抗できなくなります。そうなると、わずかなストレッサーであっても病気にかかりやすくなります。
特に、副腎皮質の中でもステロイドホルモンであるコルチゾールの分泌が起こらなくなると、「副腎疲労症候群(アドレナルファティーグ)」と呼ばれる問題を引き起こします。
こうしたことから、病気にかからないためには、過剰なストレッサーを避けるなど、副腎皮質ホルモンを無駄使いしないような生活を送ることが大切です。そうすることで、ストレッサーが加わったときに、体が抵抗し病気が発症しないような状態を維持することができます。
今回述べたように、ストレッサーに対するストレスには「警告反応期「抵抗期」「疲弊期」の3つの時期があります。また、副腎皮質ホルモンは、ストレッサーに抵抗して病気の発症を防ぐために必須のホルモンです。。
副腎皮質ホルモンが減り過ぎると、ストレッサーの影響によって病気を発症しやすくなります。そのため、副腎皮質ホルモンの消耗はできるだけ避けるように注意することが大切です。
つまり、なるべくストレッサーを感じないように、日々の生活を変えていくことが重要になります。