ダイエット 失敗

体重が減らなくても焦るな!ダイエット中に起こる停滞期の原因

ダイエット中の停滞期って辛いですよね?
停滞期とは「順調に減ってきた体重が、同じような食事や運動をしていても変わらなくなる」という状態を指します。停滞期に入ってしまうと、「これまで通り食事制限や運動を続けているのになぜ?」「もっと食事制限や運動を頑張らないといけないのか?」と考えてしまうのではないでしょうか?
ただ、停滞期だからといって不安を感じる必要はありません。停滞期には明確な原因があり、あなたの努力が足りないわけではないのです。そうはいっても、停滞期が起こる原因がわからなければ不安は消えないはずです。
そこで今回は、「ダイエット中に起こる停滞期の原因」について解説します。

ダイエットにおける停滞期とは?停滞期が起こる時期や続く期間

停滞期という言葉には、明確な定義はありません。一般的に、ダイエットにおける停滞期は「食事や運動量は変わっていないのに、それまで順調に落ちてきた体重が変化しなくなる時期」ということができます。

停滞期が起こりやすいのはダイエット開始1ヶ月後

こうしたダイエット中に生じる停滞期は、だいたいダイエット開始から1ヶ月後辺りに生じるケースが多いです
これは、元の体重から5パーセント減ると停滞期が起こりやすいとされているためです。
ダイエットを始めると、ほとんどの人は最初の1ヶ月で無理をします。その結果、ダイエット開始1ヶ月程度で、一気に体重が5パーセント以上減ってしまい停滞期となるのです。
例えば、あなたの体重が50キロだったとします。あなたは意気込んでダイエットを開始して、初めに食事制限や運動を一生懸命頑張った結果、体重が「50キロ - 2.5キロ(50 × 0.05) = 47.5キロ」まで減量しました。
そうなると、これまでと同じような生活をしていても、急に体重が変化しにくくなるのです。
ダイエット期間に限らず、いきなり体重が落ちると停滞期に入ります。ほとんどの人は、最初の1ヶ月で頑張って体重が減るため、ダイエットを開始して1ヶ月後に停滞期となりやすいのです。

停滞期は長くても1ヶ月

そして、停滞期が続く期間は、人によって異なります。
多くの人は1ヶ月前後で停滞期を脱出します。しかし、中には2週間で停滞期を抜ける人もいますし、2ヶ月過ぎても体重が変わらない人もいるのです。
ただ、停滞期が1ヶ月以上続いている場合には、「体重が減りすぎている」もしくは「ダイエットの方法が間違えている」という可能性が高いです。そのため、頑張っているのに1ヶ月以上体重に変化がない場合には、ダイエット方法を見直すようにしましょう。
また、停滞期にならない人もいれば、1回だけでなく複数回繰り返して経験する人もいます。
実際にダイエットを長期的に実践している人には、定期的に起こる停滞期を複数回経験しているケースがほとんどです。
このように停滞期を繰り返す場合も、ダイエット方法が間違っている可能性が高いといえます。
そのため、「1ヶ月以上停滞期が続いている」「長期的にダイエットをしており、停滞期を難解も繰り返している」という状態であれば、ダイエット方法を見直すようにしてください。

ダイエット中に停滞期が起こる原因

ダイエット中に起こる停滞期には、主に「ホメオスタシス(生体恒常性)機能」が関係しています。ホメオスタシスによって、体重が減り過ぎないように調整されているのです。

停滞期を引き起こすホメオスタシスとは?

ホメオスタシス機能とは「体内の機能や構造に異常が生じた際に、逸脱した機能や構造を正常範囲内に戻す」という体の仕組みです。つまり、体内での異常を感知し、修正してくれるシステムです。
例えば、食事で糖質(炭水化物)を摂取すると、一時的に血糖値(血液中の糖分量)は上昇します。
そして、こうした血糖値が高い(高血糖)状態が続くのは、体にとって好ましい状況ではありません(異常)。そのため、このときにはホメオスタシス機能が働いて、自然と血糖値は下がり、数時間後には元の数値に落ち着きます(修正)。
人の体には、こうしたホメオスタシス機能が備わっており、自然と健康な状態が維持されるようになっています。
ダイエット中に停滞期が起こるのも、こうしたホメオスタシスの働きによるものです。

急激な減量はホメオスタシスを引き起こす

ダイエットを行って体重が減るということは、脂肪などの体を構成する組織が減るということです。ダイエットをしていると、「脂肪は体にとって不必要なもの」だと考えてしまいがちです。しかし実際には、脂肪は体の健康を維持するために必要不可欠なものです。
例えば、体内に蓄積されている脂肪は、体を動かすエネルギー源になりますし、ホルモンや細胞を構成する材料にもなります。そのため、脂肪が無くなってしまうと、体の機能や構造に大きな影響が及びます。
つまり、ダイエットによって脂肪が減るということは、体にとっては異常な状態であるといえます
そうなると、体はホメオスタシス機能によって、それ以上脂肪が減らないように調整します。その結果、代謝が悪くなって脂肪が燃焼しにくくなり、同じような食事や運動を続けても体重が減らなくなるのです。
こうしたホメオスタシス機能による体の防衛反応が、ダイエット中に起こる停滞期の正体です。

1ヶ月で5パーセント以上減量すると停滞期に入る

またホメオスタシス機能は「急激な変化に対して起こりやすい」という特徴を持っています。そのため、短期間で大きく減量するようなダイエットは、停滞期を招くことになります。
具体的には、1ヶ月以内で元の体重の5パーセント以上減量すると、ホメオスタシス機能が働き、停滞期となります。既に述べたように、ダイエット開始1ヶ月後に停滞期で悩まされる人が多いのは、最初の1ヶ月で急激に体重が減ってしまい、ホメオスタシス機能が発揮されるためです。
逆にいうと、1ヶ月で体重の5パーセント以上を減らさないようなダイエット方法であれば、停滞期は起こりにくいといえます。
このように、停滞期はホメオスタシス機能による体の防衛反応だということを理解しておいてください。

停滞期を起こしやすいダイエット方法

ダイエット中に停滞期を起こすホメオスタシス機能は、体の健康(正常)を守るための仕組みです。つまり、体に大きな変化を起こすダイエット方法は、停滞期を招きやすいといえます。
先に述べたように、1ヶ月に体重の5パーセント以上が減るような、急激な体重減少はホメオスタシスを誘発する一つの要因です。そのため、どのようなダイエット方法であっても、短期間で体重が減るようなダイエットは、停滞期を引き起こす可能性が高いです。
ただほとんどの場合、停滞期の原因となるホメオスタシス機能を誘発するのは、体重の減少ではなく「カロリー(エネルギー)不足」です。

エネルギー不足が停滞期を招く

多くの停滞期は、「体重が減った」ではなく「エネルギー源が不足した」という異常を修正するために起こります。体の細胞は、筋肉でも脳でも、エネルギーが無くなると活動することができなくなります。
つまり、エネルギーが不足している状態は、体にとって非常に危険(異常)な状況であるといえます。
ダイエットで停滞期が生じるのは、こうしたエネルギー不足という危機的な状態を回避するために生じる反応(ホメオスタシス機能)の結果であることがほとんです。そのため、体内のエネルギー(カロリー)量を減らすようなダイエット方法は、停滞期を招く可能性が高いといえます。
そこでここからは、体内のエネルギー不足を招き、停滞期を起こしやすいダイエット方法について記します。

カロリー制限(食事制限)ダイエット

ダイエットの定番であるカロリー制限は、体のエネルギー不足によって停滞期を招きやすいダイエット方法の代表的なものです。多くの人がダイエットで停滞期を体験するのは、ほとんどのダイエット方法が食事法としてカロリー制限を取り入れているためです。
人の体には、「基礎代謝」と呼ばれるものが存在します。基礎代謝とは、生命を維持するために必要な、呼吸や心臓などの活動時に起こる代謝です。
体がエネルギー不足を起こすことなく適切に活動するためには、「基礎代謝に必要なエネルギー量 + 活動量によって消費するエネルギー量」と同等のエネルギー量が必要になります。
例えば、基礎代謝量が1500キロカロリーで、日常生活によって500キロカロリーを消耗するような人であれば、1日に2000キロカロリーを消費します。そのため、2000キロカロリー分のエネルギーを補わなければ、エネルギー不足となり、何かしらの不調が生じる可能性が高いです。
そのため、カロリー制限をして食事から十分なカロリーを摂取しないと、体はホメオスタシス機能を発揮してエネルギー不足の状態を解消しようとします。その結果、停滞期となって痩せにくくなります。
こうしたことから、食事から摂取するカロリー(エネルギー)を極端に抑えるカロリー制限は、停滞期を招きやすいダイエット方法だといえます。

断食(ファスティング)ダイエット

断食(ファスティング)とは「一定期間食事を摂らない」という食事法です。断食には、さまざまな方法があり「半日だけ固形物を摂らない」というような人もいれば、1週間以上断食を続けるような人もいます。
ただ断食は、基本的に食事から摂取するカロリーを制限することになります。つまり、カロリー制限を実施したときと同じようにホメオスタシス機能が発揮されるのです。
このような理由から、断食によるダイエットも停滞期を引き起こしやすいダイエット方法だといえます。
そうはいっても、短期的な断食では、カロリー制限とは違って代謝が下がることはないことが明らかになっています。そのため、ファスティングはやり方によっては、停滞期を招く原因にならないといえます。

ハードな運動(筋トレ、長時間の有酸素運動)によるダイエット

食事によるカロリーを制限する以外に、エネルギー不足を引き起こす要因として「過剰な運動によってカロリーを消費し過ぎている」ということが挙げられます。
既に述べたように、体がエネルギー不足を起こすことなく適切に活動するためには「基礎代謝に必要なエネルギー量 + 活動量によって消費するエネルギー量」を上回るエネルギー産生が必要です。
激しい筋トレなどのハードな運動を行うと、「活動量によって消費するエネルギー量」が増えるため、結果的にその分だけ、体が適切に活動するために必要なエネルギー量も多くなります。
そうなると、当然ながら不足した分を食事で補わなければ、体はエネルギー不足の状態に陥ります。
例えば、先ほど挙げた基礎代謝量が1500キロカロリーで、日常生活における消費カロリーが500キロカロリーの人は、1日に2000キロカロリーを食事と体内に蓄積しているエネルギー源から生み出さなければいけません。
もしこの人が、ダイエットを目的にハードな筋トレを行って、1日の消費カロリーが300キロカロリー増えた場合、その分だけ食事からエネルギーを補わなければエネルギー不足となります。
そうなると、ホメオスタシス機能が働いて痩せにくくなります。
もちろん、不足した分のエネルギーは、体内に蓄積された脂肪などを燃焼することでも補われます。ただ、それだけでは十分ではないため、食事によるカロリー摂取量も増やさなければいけません。
このように、ハードな運動はエネルギー不足を引き起こして、停滞期を招きやすいダイエット方法だといえます。
また、激しい運動によるエネルギー消費は、食欲を誘発する要因になることも知っておいてください。
今回述べたように、停滞期はカロリー制限や激しい運動によってエネルギー不足になることが原因で起こります。停滞期は、体が危機的な状況になったときに起こる防衛反応なのです。
停滞期で悩んでいるのであれば、まずはこうした停滞期が起こる原因について理解しておきましょう。停滞期のメカニズムを理解すれば、体重が減らないからといって、食事制限を強めたり、運動量を増やしたりすることが無意味であるとわかるはずです。
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