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ダイエットでカロリー消費は関係ない!運動による真のダイエット効果

あなたは、ダイエットを目的に食べ物や運動におけるエネルギー(カロリー)量を計算した経験はないでしょうか?
一般的には「食事からの摂取カロリーを減らして、運動によるカロリー量を増やせば痩せる」と考えられています。そのため、あなたはカロリー計算をしているはずです。
しかし実際には、ダイエットを成功させるためにエネルギーやカロリー計算は無意味です。カロリーの調整によって体重をコントロールできるほど、ヒトの体は単純に作られていません。
ただ、「運動には全くダイエット効果がないのか?」というと、そうではありません。運動には、自律神経を整えることで痩せやすくする効果があるのです。
運動する目的を正しく理解した上で適切な運動を実施すれば、ダイエットに効果的な運動を実践できるようになります。
そこで今回は、「ダイエットでカロリー計算をすることが無意味である理由」「運動による真のダイエット効果」の2点について解説します。

ダイエットでカロリー計算が無意味な理由

ダイエットをしているのであれば、誰であってもエネルギーやカロリーを計算した経験があるはずです。もしカロリー計算をしたことがないとしても、豆腐のカロリー量や、ジョギング30分で消費されるカロリー量などを調べたことはあるでしょう。
しかし、結論から述べると、ダイエットを成功させるためにエネルギーやカロリーの計算は不要です。
カロリー計算が要らない主な理由としては「消費カロリーを正確に計算することは困難」「体はカロリー不足にならないように、自然にカロリーの収支を調整する」という2つが挙げられます。そして、カロリー制限は一時的に体重を減らすものの、長期的にみると痩せられないのです。

消費カロリーの計算が困難

消費カロリーというと、何を思い浮かべるでしょうか? おそらくほとんどの人は「運動」が頭に浮かんだはずです。
例えば、「ウォーキング30分で○○キロカロリー消費できる」「水中ウォーキングを60分すると、アメ××個分のカロリーが消費される」と書かれたり表示されたりしているのを、見たことがあると思います。
また「基礎代謝量」を思い浮かべる人もいるでしょう。
基礎代謝量とは、何もしなくても生きているだけで消費されるカロリー量です。一日中全く動かなくても、ヒトの体内では呼吸や心臓の活動によってエネルギー(カロリー)が使われています。
こうした、何もしなくても消費されるカロリー量を基礎代謝量といいます。
一般的に、カロリーの消費量は「基礎代謝量 + 運動・生活で消費したカロリー量」で計算します。そして、食べ物から摂取したカロリー量と合わせて計算するのです。
しかし実際には、カロリーの消費量は「基礎代謝量 + 運動・生活で消費したカロリー量」だけでは算出できません
例えば、食べ物を食べた後に体が温かくなるのは想像できると思います。これは、「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼ばれる現象です。このときには、熱を作り出すために体内ではエネルギーが消費されています。
他にも、トイレをするときや頭を使って何かを考えているときにも、エネルギーが使われています。つまり、消費カロリーは「基礎代謝量 + 運動・生活で消費されるカロリー + α」となるのです。
おそらく、「+α」の部分までカロリーの消費量を計算している人はいないと思います。
このように、カロリーの消費量を計算するといっても、正確に算出するのは難しいのが現状です。

体はカロリー不足を防ぐように調整する

カロリーとエネルギーは、同じような意味で使われています。簡単に違いを説明すると、「体を動かすために必要なのがエネルギーであり、エネルギーの単位がカロリー」になります。体を動かすためには、エネルギーが必要不可欠です。
例えば、歩くためには足の筋肉や心臓、肺といった組織が動くためのエネルギーが要ります。また既に述べたように、全く体を動かさなくても、心臓や肺を活動させて生命を維持するためのエネルギーが必要です。
いってしまえば、ヒトの体はエネルギーが無ければ生きていけません。特に、基礎代謝量として算出されるエネルギー量が確保できなければ、心臓すら動かなくなってしまうのです。
そのため、エネルギー不足の状態は、体にとっては危機的な状況だといえます。
そうしたことを防ぐために、カロリーが足りない状況になると、体内ではカロリー不足とならないように調整する反応が起こります。
例えば、あなたの基礎代謝量が1200キロカロリーであるとします。このとき、食事から500キロカロリーしか摂らなければ、明らかに摂取するエネルギー量が足りていません。
そうなると、体内では体温を下げたり、心拍数を少なくしたりすることで、エネルギーの消費を少なくしようとします。極端な話、食事から500キロカロリーしか摂取していなければ、基礎代謝量を500キロカロリーまで減らして、生命を維持しようとするのです。
また代謝を下げて節約するのと同時に、食欲を高めてエネルギー源となる食べ物を取り入れさせる反応も起こります。食事によるカロリー制限や筋トレといったダイエットを実施するとお腹が空きやすくなるのは、このためです。
つまり、意識的に食事制限をしたり、運動で消費カロリーを増やそうとしたりしても、エネルギー不足とならないように勝手に調整されるのです。
このように、いくらカロリー計算をして消費カロリー量を増やそうとしても「最終的には体内で調整される」ということを知っておいてください。

カロリー制限は長期的には痩せられない

ここまで述べたように、カロリーの消費量を増やそうとしても、最終的に体内ではカロリー不足とならないように調整されます。いってしまえば、カロリー計算をしてカロリー量を調整してもやせないのです。
確かに、食事や運動によってカロリーの消費量を増やせば、その分だけ一時的には体重が減ります。ただ、長期的には体重が減らないどころか、リバウンドしたり、体調不良になったりする可能性が高いのです。
リバウンドは、カロリー不足を調整するために起こる、代表的な反応になります。
既に述べたように、カロリーの消費量を増やすように計算した生活を送っていると、体内ではカロリー不足を防ぐために代謝が下がったり、食欲が増したりします。代謝が低くなった状態で食べ過ぎると太るのは、想像できるはずです。
カロリーのバランスが崩れてエネルギー不足となった状態を、解消するために起こるのがリバウンドなのです。
また、もしカロリー不足のときに生じた食欲を我慢すると、エネルギー不足によって体調が悪くなります。例えば、体の冷えや生理不順、摂食障害などは、カロリー制限を無理して続けた結果として起こる問題の代表例です。
このように、カロリー制限によるダイエットは短期的には体重を減らすものの、長期的にみると痩せられないどころか体調不良を招く原因となります。

運動による真のダイエット効果

ここまで読んだあなたは「運動ってダイエットに効果がないの?」と考えたのではないでしょうか?
結論から述べると、激しい筋トレや長時間の有酸素運動といった、きつい運動はダイエットには不必要です。そうではなく、ダイエットを成功させるためには「自律神経を整える運動」を実施することが大切になります。
ストレッチや軽い有酸素運動によって自律神経のバランスが整うと、結果的に痩せやすくなるのです。

自律神経を整える

運動には、自律神経のバランスを整える効果があります。
自律神経とは、心臓や血管、内臓などの活動を無意識下でコントロールしている神経です。具体的には、体を緊張させる「交感神経」と、体をリラックスさせる「副交感神経」の2つで構成されています。交感神経と副交感神経がバランス良く働くことで、体の状態を調整しているのです。
ストレス社会である現代では、ほとんどの人が交感神経の働きが強くなっています。その結果、以下のように交感神経優位な状態で、自律神経のバランスが崩れてしまうのです。

運動は、体をリラックスさせて副交感神経を刺激する効果があります。
例えば、ストレッチやヨガ、ピラティスといった運動、ウォーキングなどの有酸素運動には、体をリラックスさせる効果があります。ストレッチをして「筋肉が伸びて気持ち良い」と感じるのであれば、それだけで副交感神経が刺激されています。
また、「ウォーキングをするとスッキリする」といった感覚も、運動によって副交感神経が活性化されているために起こるものです。
このように、運動には自律神経のバランスを整える効果があります。

体重は自律神経がコントロールしている

既に述べたように、体重はカロリー調節ではコントロールできません。カロリー量を計算して意識的にカロリーの消費量を増やそうとしても、食欲が増したり代謝が下がったりすることで、自然とカロリー不足にならないように調節されるためです。
こうした食欲や代謝をコントロールしているのは、自律神経になります。自律神経がホルモンと一緒に働くことで、食欲や代謝を変化させているのです。簡単に言うと、自律神経がエネルギー不足を起こさないように調整しているのです。

また、自律神経のバランスが整っていれば、体重は適正な値にコントロールされます。その一方で自律神経のバランスが崩れていると、食欲や代謝による調整が起こらず、体重が増えすぎてしまうのです。
先に述べたように、自律神経は無意識下で働きます。つまり、自律神経の働きを意識して調節することはできないのです。
このように、「体重はカロリー計算のような意識的なものではなく、自律神経という無意識下の働きでコントロールされている」ということを理解しておきましょう。

ダイエット効果が高い運動

運動がダイエットにとって良いのは、自律神経を整える効果があるためです。運動によってカロリーを消費できるからでは、決してありません。
自律神経を整えるための運動としては、ストレッチやウォーキング、水泳などが挙げられます。他にも、ヨガやピラティスなども、自律神経に良い運動だといえます。簡単に言うと、呼吸が乱れず、きつくない運動ということです。
例えば、筋トレなどを行うときには、息を止めて力を入れます。呼吸を止めるという行為は、自律神経のバランスを崩すことにつながるのです。また、一生懸命エアロバイクをこぐと息が上がります。つまり、「ゼイゼイ」「ハァハァ」なるような運動も、自律神経に悪影響を与えるということです。
カロリーの消費を目的にしてしまうと、どうしても呼吸が乱れるような、きつい運動になってしまいます。
ただ何度も述べているように、ダイエットを成功させるためにはカロリー計算ではなく、自律神経がバランス良く働くことが大切です。そのため、ダイエット効果が高い運動とは、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動だといえます。
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