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停滞期には運動をするな!ダイエットの停滞期に運動をすべきでない理由

ダイエットをしているあなたは、「停滞期」で悩んだ経験があるのではないでしょうか? もしくは今まさに停滞期なのかもしれません。停滞期とは、どれだけ頑張っても体重が落ちない時期のことを指します。
食事制限や運動を一生懸命行っても体重が落ちない停滞期は、ダイエットをしている人にとって非常に苦痛な時期です。一般的には、停滞期になると食事制限を強めたり、運動量を増やしたりします。「努力が足りないから体重が減らない」と考えるためです。
しかし実際には、停滞期はあなたの努力が足りないわけではありません。また停滞期に運動を増やすと、さらに痩せにくくなります。そのため、停滞期には頑張って運動をすべきではないのです。
そこで今回は、「ダイエット中の停滞期に頑張って運動をすべきでない理由」について解説します。

ダイエットの停滞期に運動をすべきでない理由のまとめ

・停滞期はエネルギー不足に対する体の防御反応
・正しいダイエット方法であれば、適正体重以上に痩せない
・運動はエネルギー不足を促進させる可能性がある
・停滞期に運動を増やすと、もっと脂肪が燃焼されにくくなる
・停滞期には運動を頑張っても意味がない

ダイエット中に起こる停滞期とは?

ダイエットをしている人の中には「停滞期」に悩まされている人が多いです。停滞期とは、体重が変動しない時期のことをいいます。
ダイエットを始めると、だいたいの人は最初の1ヶ月で大きく減量します。ただ、ある程度体重が減ると、その後はなかなか減量が進まなくなるのです。
ほとんどの人は、こうした停滞期に焦って食事制限を強めたり、運動を増やしたりします。しかし、停滞期に食事制限を強めたり、運動量を増やしたりすることは、本当に減量につながるのでしょうか。
そこでまずは、停滞期が起こるメカニズムについて説明します。

急激な減量は停滞期を招く

停滞期が起こる主な原因は、急激な減量です。急に体重が減ってしまうと、その後に体重が落ちにくくなります。
体重が落ちるということは、体の脂肪が減るということです。ダイエット中の人には、脂肪を悪者のように考えている人が多くいます。しかし実際には、体にとって脂肪は必要不可欠な栄養素なのです。
例えば、脂肪には内臓を守る役割があります。そのため、脂肪が少なすぎると、ちょっとした衝撃で内臓が壊れてしまう可能性があるのです、また、脂肪には体温を維持する役割もあります。つまり、脂肪が不足していると体が冷えてしまうということです。
当たり前ですが、内臓が壊れたら生命維持に支障が出ます。また、体が冷えても内臓は働きにくくなるため、生命の危機までは至らないにしても、何かしら問題が起こります。
ダイエットによって体重が落ちるということは、こうした重要な役割を担っている脂肪が無くなってしまう可能性がある状況だといえます。
いってしまえば、体にとって減量は好ましくない反応でもあるのです
特に、急激に減量して脂肪が落ちると、体は「いきなり脂肪が減ると危ない」「脂肪を減らさないようにしよう」と抵抗します。その結果、体重が落ちなくなるのです。

停滞期を招くホメオスタシスとは

ここまで述べたように、体は急な体重減少に対してストップをかけます。その結果として起こるのが停滞期です。
こうした、体内で起こる急激な変化を調整する機能を「ホメオスタシス」といいます。
例えば、食事で糖質を摂った後は、急激に血糖値(血液中の糖分量)が上がります。ただ、血糖値が高いのは体にとって好ましい状態ではありません。そのため、食後に時間が経過すれば血糖値は元の値(何も食べていないときの血糖値)に戻ります。
逆に血糖値が下がり過ぎるのも体にとっては問題であるため、血糖値が正常値に戻るように調整されるのです。
体重にもホメオスタシスは作用しています。つまり、ダイエットによって急に体重が減ってしまったときには、それ以上体重が落ちないようにホメオスタシスによって体重減少にストップがかかるのです。
こうしたホメオスタシスが停滞期を招く原因の一つになります。

適正体重になると停滞期になる

急激な体重の減少が起こるとホメオスタシスによって停滞期になるのと同じように、その人にとっての適正な体重になった場合にも停滞期となります。いってしまえば、正しい食事や睡眠などの生活習慣を送っていれば、体重が減りすぎることも増えすぎることもなく、適正な体重から変動しなくなるのです。
例えば、私の場合は身長が168センチでだいたい59キロから変動しません。どれだけ食べ過ぎたり飲みすぎたりして一時的に体重が増えても、すぐに59キロに戻ります。

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そのため、急に体重が減らなくても体重がもともと適正な値である人は、ダイエットをしても痩せないのです。ただし、正しいダイエット方法をした場合に限ります。当然ながら、無理なカロリー制限などの誤ったダイエット方法を行うと、適正体重以下になってしまう可能性が高いです。
適正体重を「○○キロ」と定めるのは難しいですが、BMI(Body mass index)が18を下回る場合は、痩せすぎと考えてください
このように、正しい方法でダイエットをした場合には、適正体重以上になると停滞期のように体重が落ちなくなることを理解しておきましょう。

停滞期に頑張って運動をすべきではない理由

ダイエットをしている人の中には、停滞期になると「体重が減らないからもっと頑張らないといけない」と焦る人が多くいます。これまで順調に体重が減ってきたのに、急に減量が進まなくなって焦る気持ちはわかります。
ただ停滞期に入ったときに、頑張って運動したり食事制限をしたりするのは避けるべきです。停滞期に頑張ると、さらに痩せにくくなってしまいます。

停滞期は節約モードになっている

停滞期は、体が「これ以上脂肪が減ると危ない」と判断するために起こる現象になります。いってしまえば、停滞期は体が節約モードになっているのです。
具体的には、脂肪を燃焼させないように「代謝の低下」が起こっています。代謝が下がると、体温が低下したり、性欲が減退したりします。簡単に言うと、熱産生や性行動などで無駄なエネルギーを使わないようになるのです。
また、代謝を下げて節約するだけじゃなく、「食欲」を増してエネルギー源を取り入れようとする反応も起こります。
こうした状況を生活で例えると、支出を減らして節約したり、頑張って働いて収入を増やしたりするようなイメージです。

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このように、停滞期には体が節約モードで痩せにくくなっています。

運動はエネルギー(カロリー)を消費する

停滞期に入ると、多くの人は「もっと頑張らなければいけない!」と考えて、食事制限を強めたり、運動量を増やしたりします。
ただ既に述べたように、停滞期を招いている原因はエネルギー不足です。そして、食事制限や運動はエネルギー不足を強めることになります。つまり、食事制限を厳しくしたり、運動を増やしたりすると、停滞期の原因であるエネルギー不足を助長することになるのです。
停滞期に食事制限や運動を頑張ることは、家計の例に例えると、お金がない(エネルギー不足になっている)のに、お金をドブに捨てて(エネルギーを消費して)いるのと同じです。
こうした理由から、停滞期には頑張って運動をすべきではないといえます。

停滞期を乗り切る方法

ここまで述べたように、ダイエットを成功させるためにも停滞期には頑張って運動すべきではありません。それでは、停滞期になって体重が変化しなくなったときには、何をすればいいのでしょうか?
ここからは、停滞期を乗り切るための具体的な方法について解説します。

停滞期を乗り切るためには運動方法を見直す

パーソナルジムなどでハードな運動を行っている場合には、その運動が停滞期を招く原因となる可能性があります。既に述べたように、停滞期は体がエネルギー不足を感じて節約モードになっているため、ハードな運動で消費カロリーが高まると、さらにエネルギー不足を悪化させるためです
そのため、あなたがダイエットのために運動をしているのであれば、運動方法を見直すようにしましょう。
例えば、パーソナルジムに通ってハードな筋トレを行っているのであれば、筋トレの負荷量を減らすか運動回数を減らすと良いです。また、ダイエット目的に毎日1時間近くもウォーキングをしているのであれば、20分程度に減らしましょう。
停滞期になったときには、運動を頑張るのではなく勇気をもって減らすことが大切なのです。

停滞期を乗り切るためには食事を見直す

運動と同じように、食事もエネルギー不足を招く大きな要因になります。簡単にいうと、脂質などの摂取量を抑えてカロリー制限の状態になっていると、エネルギー不足となって停滞期を招きます
そのため、停滞期になったときには「食事から摂っているエネルギー量が不足していないか?」ということを考えましょう。
とにかく、あなた自身の基礎代謝量よりも食事から摂取するカロリー量が少ないのであれば、食事量を増やすべきです。運動量を減らすのと同じくらい抵抗があるかもしれませんが、食べることが停滞期を乗り切るためのポイントになります。

停滞期を乗り切るためには生活習慣を見直す

さらに、停滞期を乗り切るためには生活習慣を見直すことも重要です。生活習慣の乱れは自律神経のバランスに影響して、ホメオスタシス機能を悪くするためです。
既に述べたように、停滞期は急な体重減少に対する体の防御反応(ホメオスタシス)になります。ただ急激に体重が落ちたとしても、まだまだ適正体重になっていなければ、その後も体重は軽くなります。
そのときに、適正体重まで体重を調節してくれるのがホメオスタシスです。停滞期を招くのも、停滞期を抜け出すのにもホメオスタシスが関与しているのです。そのため、生活習慣が乱れてホメオスタシス機能が悪くなっていると、停滞期から抜け出せなくなります。
例えば、睡眠不足やストレス、過度な運動不足は自律神経のバランスを崩してホメオスタシス機能を悪くします。
こうしたことからも、停滞期をなかなか乗り切れないときには、生活習慣を見直すようにしましょう。
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