ダイエット 睡眠

ダイエット中に起こる睡眠障害の原因:不眠のメカニズムと解消法

あなたは、ダイエット中の不眠に悩まされているのではないでしょうか?
ダイエット中は、誰でも不眠になりがちです。ここでいう不眠とは「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」「朝早く目が覚める」といった、いわゆる「睡眠障害」全般を指します。
不眠はダイエットを断念する原因となります。
こうしたことを避けるためにも、ダイエットをする際にはダイエット中に起こりやすい不眠について理解しておくことが大切です。そうすることで、ダイエット中に不眠となることを防げるだけでなく、正しい方法でダイエットに取り組めるようになります。
そこで今回は、「ダイエット中に起こる不眠の原因と解消法」について解説します。

ダイエット中に不眠を招く原因と、不眠の解消法に関するまとめ

・ダイエット中には、カロリー不足や栄養不足、ハードな運動が原因で不眠になりやすい
・ダイエットを目的に糖質制限をしても不眠とはならない
・ダイエット中の不眠を防ぐためには、「栄養がある食べ物をしっかりと食べる」「ハードな運動は避ける」「ストレスを管理する」という3点が大切である

ダイエット中に不眠(睡眠障害)が起こる原因

ダイエット中は、なぜか不眠になりがちですよね? 特別なことはしていないつもりでも、いつの間にか眠れなくなったり、夜中に目が覚めたりするようになります。
しかし、ダイエット中に不眠が起こりやすいのには原因があります。そして、不眠がダイエット中に起こりやすい理由としては、主に「カロリー不足」「栄養不足」「過度な運動・ストレス」の3つが挙げられます。

ダイエットのカロリー制限が原因で起こる空腹感による不眠

ダイエット中に過度な食事制限をすると、摂取するカロリーが不足して「空腹感」が生まれます。簡単にいうと、体に必要なエネルギー量を十分に作るための食事が摂れていないため、体が「もっと食べ物を食べろ」という指令を出しているのです。そして、この空腹感によって眠れなくなります。
体は空腹の状態になると、体内で「グレリン」と呼ばれる食欲を促すホルモンを作ります。このグレリンによって「お腹が空いた……」という感覚が生み出されるのです。
さらにグレリンは、体を覚醒状態にする「オレキシン」というホルモンの分泌を促す作用があります。その結果、グレリンによる空腹感だけでなく、オレキシンによる興奮によって、ますます眠れなくなってしまうのです。
このように、ダイエットによって必要以上のカロリー制限をすると、空腹感によって眠れなくなります。

ダイエットの食事制限が原因で起こる栄養不足による不眠

カロリーを制限していなくても、特定の栄養素が不足すると寝つきが悪くなります。いわゆる入眠障害と呼ばれる状態です。具体的には「トリプトファン」と呼ばれるタンパク質の摂取量が不足すると眠れなくなるのです。
トリプトファンは、眠るために欠かせない「セロトニン」と呼ばれるホルモンの原料となる栄養素です。セロトニンは、心を落ち着かせて体をリラックスさせることで眠りやすい状態を導きます。さらにセロトニンは、眠気を引き起こす「メラトニン」というホルモンの原料になります。
人の体には、夜になって暗くなると自然と体内でメラトニンが分泌されて眠気が起こるようになっています。メラトニンには「朝起きて夜眠る」という睡眠と覚醒のリズムを作る役割があるのです。
夜にコンビニやスーパーなどの明るい場所で過ごしたり、パソコンやテレビなどを見たりすると眠れなくなります。これは、光によってメラトニンが作られなくなるためです。
このように、睡眠に関係するホルモンは「トリプトファン → セロトニン → メラトニン」という流れで作られます。そのため、トリプトファンが不足すると眠れなくなるのです。
トリプトファンは、以下のような食べ物に含まれています。
・豆乳、納豆などの大豆製品
・牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品
・アーモンド、ひまわりの種などの種子類
・バナナ
・スジ、たらこ
・肉類
・白米、そば
このように、たとえカロリーを十分に摂っていても、タンパク質が豊富な食品を制限し過ぎるとトリプトファンが不足します。その結果、睡眠に関わるセロトニンやメラトニンが作られなくなって眠れなくなるのです。

ダイエットを目的とした過度な運動やストレスによる不眠

あなたは、ダイエットを目的に仕事後にジムへ通っていないでしょうか? ジムで筋トレやエアロバイクなどを行うことで、カロリーを消費しようと考えて、夜にジムへ通っている人は多いです。
確かに、ダイエットの効果を高めるために運動は有効な手段だといえます。ただ、仕事終わりなどの遅い時間に過度な運動をすることは、眠りを妨げることにつながるのです
人間の体には、もともと「朝目覚めて夜眠る」というリズムが備わっています。そして、こうした覚醒と睡眠のサイクルを作っている一つの要因として「自律神経」があります。
自律神経とは、無意識下で心臓や内臓などの活動をコントロールする神経です。眠っている間も心臓が動いているのは自律神経が心臓を支配しているためであり、運動に合わせて心拍数が上がるのも自律神経の働きによるものです。
自律神経は、体を興奮させる「交感神経」と「副交感神経」の2つに分けられます。
人間が日中に覚醒しているのは交感神経が関与し、夜に眠くなるのは副交感神経が影響しているためです。こうした交感神経と副交感神経のバランスによって、睡眠と覚醒のリズムが形成されています。
つまり、通常であれば夕方以降には副交感神経が活発に活動して体はリラックスモードになるのです。
そのため、仕事後にジムなどに通って過度な運動で交感神経を活性化させると、本来ならば副交感神経が働く時間に交感神経が優位に活動してしまうことになります。その結果、夜も体が興奮した状態が続いてしまい、眠れなくなってしまうのです。
さらに、ダイエット中には、食事制限や過度な運動などによってストレスがたまりがちです。ストレスは、過度な運動と同じように交感神経を活性化させるため睡眠と覚醒のリズムを崩す原因になります。
このように、過度な運動やストレスは自律神経のバランスを崩して睡眠障害を引き起こす原因になります。

ダイエット中に起こりやすい不眠(睡眠障害)のパターン

ダイエット中に不眠となる人は、主に「寝入りが悪くなる」「途中で目が覚める」「早朝に目が覚める」という3つのパターンに分けられます。そして、それぞれで不眠を引き起こしている原因は異なります。
以下にそれぞれの不眠と、ダイエット中に起こりやすい原因の関係性についてまとめます。


不眠 原因
なかなか眠れない(入眠障害) ・カロリー制限
ホルモンバランスの崩れによって空腹感が生じて眠れなくなります。
・栄養不足
睡眠に必要なホルモン(セロトニン、メラトニン)が合成されにくくなることと、体を覚醒させる物質(オレキシン)が作られることで眠れなくなります。
・環境の問題
ダイエットに限らず、枕の高さや布団の固さなどが適切でないと、寝苦しくなり眠りにくくなります。
・過度な運動、ストレス
自律神経のバランスが崩れて、体がリラックスできずに眠れなくなります。
夜中に目が覚める(中途覚醒) ・過度な運動、ストレス
自律神経のバランスが崩れて眠りが浅くなるため、夜中に目が覚めやすくなります。
・栄養不足
栄養不足の状態では、夜間に痙攣(足の引きつり)などが起こりやすくなり、それが原因で目覚めやすくなります。
・環境の問題
ダイエットに関わらず、枕の高さや布団の固さなどが合っていないと、寝苦しくなり夜中に目が覚めやすくなります。
・カロリー不足
摂取するカロリーが不足すると、空腹感で夜間に目が覚めます。
早朝に目が覚める(早朝覚醒) ・過度な運動、ストレス
自律神経のバランスが崩れて睡眠・覚醒のリズム(体内時計のサイクル)がズレると、朝早くに目が覚めます。
・カロリー不足
摂取するカロリーが不足すると、空腹感で朝早くに目が覚めます。
・栄養不足
栄養不足の状態では、早朝に痙攣(足の引きつり)が起こりやすくなり、それが原因で目覚めやすくなります。
・ストレス
ストレスによって早く目が覚める可能性もあります。


さらに、不眠を起こす原因には、以下のようにダイエットに関係ない要因もあります。
・加齢
・夜間頻尿
・睡眠時無呼吸症候群
・むずむず脚症候群
・過度のアルコール
・薬(抗うつ剤、気分安定薬、抗生物質、ステロイド、降圧剤、鎮痛剤、気管支拡張薬など)
このように、不眠はさまざまな要因で起こる可能性があるのです。ただ、既に述べたようにダイエット中は不眠を起こしやすくなっているため、ダイエット中の人は特に注意するようにしましょう。

糖質制限は不眠の原因になるのか?

ダイエットを行っているのであれば、少なからず「糖質制限」を取り入れているのではないでしょうか? 糖質制限とは、食事から摂取する糖質の摂取量を制限する食事法です。私もダイエットのみならず、健康的な生活を送るためには、ある程度は糖質を控えるべきだと考えています。
ただ、こうした糖質制限が不眠の原因になるという意見も存在するのです。
そこで以下に、糖質制限と不眠の関係性について記します。

糖質制限で不眠になると考えられている理由

糖質制限をすると不眠が起こるという理由は、主に「低血糖」と「睡眠ホルモン」という2つの面から説明されています。
 ・低血糖症による興奮
糖質制限を行うと、食事から摂取する糖質量が少なくなるため、その分だけ血糖値(血液中の糖分量)が低くなります。そして、いわゆる「低血糖(血糖値が正常以下)」の状態になると、体は下がった血糖値を上げるためにさまざまなホルモンを合成します。
例えば、「アドレナリン」や「グルカゴン」「糖質コルチコイド」は血糖値を上げる役割をもつホルモンです。低血糖状態になると、これらのホルモンが合成・分泌されることで血糖値を正常範囲に戻すようなメカニズムが働きます。
ただ、この中でもアドレナリンは、血糖値を上げるだけでなく自律神経に働きかけて体を興奮状態にする作用があるのです。そのため、糖質制限をして低血糖症になると、アドレナリンによって体がリラックスできずに眠れなくなります。
このように「低血糖症となりアドレナリンが分泌される」ということは、糖質制限が不眠を招くといわれている理由の一つです。
 ・睡眠ホルモンの合成、取り込み障害
既に述べたように、眠るためにはセロトニンやメラトニンといった睡眠に関わるホルモンが大切です。そして、こうしたホルモンは主にタンパク質と脂質を原料として作られます。
糖質制限をすると、通常であればエネルギー源として利用されている糖質(ブドウ糖)が体内で不足してしまいます。そのため、糖質の代わりにタンパク質や脂質がエネルギー源として利用されるのです。
つまり、ホルモンの原料であるタンパク質や脂質がエネルギー産生のために使用されてしまうため、体内で十分にホルモンが作られなくなるということです
その結果「睡眠に必要なセロトニンやメラトニンといったホルモンが十分に合成されなくなり、眠れなくなる」ということになります。
また、セロトニンの原料となるトリプトファンを脳内に取り込むためには「インスリン」というホルモンの働きが必要になります。インスリンは、糖質を摂取して血糖値が高くなることで作られるホルモンです。
そのため、糖質制限をして血糖値が上がらないと、インスリンの分泌量は少なくなります。そうなると、トリプトファンが脳内に取り込めなくなるため、セロトニンやメラトニンが合成できなくなるのです。
このように「睡眠ホルモンが合成されにくくなる」ということも、糖質制限が不眠を招くといわれている理由です。

糖質制限では不眠は起こらない

ここまで述べたように、ダイエットで糖質制限をすると睡眠障害が起こる可能性が示唆されています。しかし実施には、糖質制限を行っても不眠にはならないのが実際です。
以下に、糖質制限では不眠が起こらない理由について述べます。
 ・糖質制限では低血糖にならない
糖質制限をすると低血糖症になると考えている人は多いです。ただ、基本的には糖質の摂取を制限しても低血糖症にはなりません。
人間の体は、食事から糖質を摂らなくても、最低限必要な血糖値を保つメカニズムが備わっています。具体的には「糖新生」と呼ばれるシステムによって、タンパク質や脂質から糖質を作り出すことができるのです。
確かに、糖質制限を行うと血糖値は上がりません。ただ、これは必要以上に高くならないだけであり「正常範囲以下に下がる」という意味ではないのです。
一般的には、空腹時の血糖値は80~110程度とされており、血糖値が80を下回ると低血糖状態となります。そして、糖質を含む食品を摂取すると、血糖値は140や150といったように高くなるのです。
糖質制限では、血糖値が140といったように上がることはありません。しかし、糖新生によって体に必要なだけの糖質は作られているため、80を下回ることもありません。つまり、糖質を食事から摂取しなくても最低限必要な血糖値の状態を保っているのです。
確かに、糖新生のためにアドレナリンなどのホルモンが必要な場合もあります。ただ、寝ているときに糖新生が起こるのは糖質制限をしている人だけではありません。
そのため、もし寝ているときに糖新生のためにアドレナリンが過度に作られて不眠になるのであれば、糖質制限に関係なく不眠となるのです。
 ・糖質制限では栄養不足にならない
糖質制限をすると、睡眠ホルモンの原料となるタンパク質や脂質が不足してしまうと考えられています。つまり、栄養不足の状態になるということです。
確かに、糖質制限をしている上にカロリーを意識してタンパク質や脂質の摂取量も制限してしまうと、睡眠ホルモンの原料は足りなくなります。またこのようなカロリー制限をしている状態では、ホルモンの問題だけでなく体を動かすエネルギーも作り出せなくなるため、さまざまな不調が出現します。
ただ、糖質制限をしている分だけタンパク質や脂質の摂取量を増やしていれば、このようにホルモンやエネルギーが不足することはないのです。
そのため、糖質制限を行っても間違ったカロリー制限さえ行わなければ、睡眠ホルモンに必要な栄養素が不足することはなく、不眠にもなりません。
 ・トリプトファンの取り込みに必要なインスリンは分泌されている
また、睡眠ホルモンの原料であるトリプトファンを脳内に取り込むためにはインスリンが必要です。そして、糖質制限をすると「インスリンが分泌されないため、トリプトファンが脳内に届かずに睡眠ホルモンが十分に作られなくなる」といわれています。
しかし実際には、体内では糖質を摂取しなくても常にインスリンが分泌されているのです。
インスリンは「基礎分泌」と「追加分泌」という2つのメカニズムによって分泌が調整されています。基礎分泌とは、血糖値の変動に関わらず常に分泌されているものです。その一方で追加分泌とは、糖質を摂取して血糖値が急激に高くなると分泌されるメカニズムになります。
つまり、食事から糖質を摂らなくても、体内では常に一定量のインスリンが分泌されているのです。脳内へのトリプトファンの取り込みは、こうした基礎分泌によるインスリンだけで十分に補えます。
このような理由から、睡眠ホルモンの原料であるトリプトファンは、糖質を摂取しなくても脳内に取り込まれるのです。

糖質制限は不眠を解消する

ここまで述べたように、糖質制限が原因で睡眠障害が起こることはありません。もちろん、カロリー制限を伴った糖質制限など、間違った方法で実施すれば不眠を招く可能性は高いです。ただ、正しい糖質制限を実施すれば、睡眠障害を引き起こすどころか不眠を解消することにもなります。
 ・糖質制限はイライラを防いで自律神経を整える
糖質制限には、精神状態を安定させる効果があります。つまり、糖質制限はストレスを軽減させて自律神経のバランスを良くするのです。
糖質を摂取すると、急激に血糖値が上昇します。そして血糖値が高くなると、血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されます(追加分泌)。その結果、一気に上がった血糖値が急降下してしまうのです。
つまり、血糖値が「ジェットコースター」のように急上昇・急下降することになります。こうした血糖値の急激な変動は、精神的な不安定を招くことが明らかになっています。
具体的には、血糖値が高くなっているときは気分もハイになり、逆に血糖値が低くなっているときは気分もローになるのです。このように、糖質を摂取すると精神的な不安定状態を招くことになります。
それに対して、糖質制限をしていると、血糖値の変動がほとんど起こらないため精神的にも安定します。そのため、ちょっとしたストレスなどではイライラしなくなり、自律神経のバランスも崩れにくくなるのです。
このように、糖質制限を行うと自律神経のバランスが崩れにくくなるため、不眠を予防・解消できるようになります。
 ・糖質制限は肥満を防ぐ
肥満は、睡眠時無呼吸症候群を招く大きな原因です。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまい睡眠が妨げられる病気です。つまり、肥満になると睡眠障害が起こりやすくなります。
そして、肥満の主な原因は糖質摂取によるインスリンの過剰分泌です。インスリンには、血糖値を下げる作用だけでなく、体に脂肪を溜め込む働きがあります。
糖質を多く含むご飯やパン、お菓子類を食べると血糖値は急激に高くなります。そうなると、血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌されることになるのです。その結果、インスリンによる脂肪蓄積が増強されて太りやすくなります。
逆に糖質制限を行うと、インスリンの分泌量が抑えられるため太りにくくなるのです。
このように、糖質制限によって肥満を予防・解消することができれば、睡眠時無呼吸症候群を防ぐことにつながります。
 ・糖質制限は糖尿病を防ぐ
糖尿病は、合併症として「周期性四肢運動障害」や「こむら返り(足の筋肉の引きつり)」を引き起こしやすくなります。周期性四肢運動障害とは、夜中に手足の筋肉が無意識に「ピクピク」と収縮する病気です。勝手に手足が動くため、それが原因で目が覚めてしまうことになります。
こうした合併症を伴うため、糖尿病になると睡眠障害を発症しやすくなるのです。そして、糖尿病は糖質制限を行うことで解消することができます。
糖尿病は、インスリンの分泌が障害されて血糖値が高くなる病気です。
食事から糖質を摂ると血糖値は高くなります。血糖値が上昇すると、その分だけ血糖値を抑えるためにインスリンが分泌される必要があります。
ただ、当然ながらインスリンは無限に作られることはありません。あまりに頻回に血糖値が上がりすぎると、インスリンを合成する「すい臓」が疲れたり、インスリンが不足したりして分泌されなくなるのです。そして、インスリンが十分に分泌されなくなると、常に血糖値が高い状態となり糖尿病を発症します。
つまり、糖質を摂り過ぎると「インスリンが枯渇してしまい糖尿病になる」ということです。
逆に考えると、糖質の摂取量さえ抑えれば糖尿病の発症は予防することができます
もちろん、遺伝的な要因で糖尿病を発症する人も存在します。ただ、ほとんどの人はこうした糖質の過剰摂取が原因で糖尿病になっているのが現状です。
こうしたことから、糖質制限は糖尿病を防ぎ、結果的に睡眠障害を予防することにつながります。

ダイエット中に起きた睡眠障害を予防・解消する方法

ここまで述べたように、ダイエット中には不眠が起こりやすくなります。ただ、正しいダイエット方法を実施すればダイエット中であっても不眠にはなりません。
そこで以下に、ダイエット中に生じる睡眠障害を予防・解消する方法について記します。

ダイエットを目的にカロリー制限をしない

ダイエットというと「カロリー制限」のように「食べ物を我慢しなければいけない」というイメージを持っているのではないでしょうか? しかし実際には、ダイエット中に控えるべき食品は糖質を多く含むものだけであり、脂質やタンパク質はしっかりと摂る必要があります。
体に余計な脂肪を付けるのは主に糖質です。一般的に太りやすいというイメージを持たれているタンパク質や脂質は、糖質さえ控えていれば肥満の原因にはなりません。
そして、カロリーを意識しすぎてタンパク質や脂質を制限すると、空腹感や栄養不足、ストレスによって睡眠障害が起こりやすくなります。そのため、ダイエット中にはカロリー制限はせずに、タンパク質と脂質をしっかり摂取することが大切です。
このように、ダイエット中にはカロリーではなく糖質だけを制限するようにしましょう。もちろん、ビタミンやミネラルといった栄養素を意識して摂ることも健康的なダイエットには重要です。
ちなみに、お腹が空いたときは、糖質を含まないタンパク質や脂質が豊富な食品であれば好きなだけ食べても問題ありません。

ダイエットのためにハードな運動を避ける

ダイエット中のハードな運動は、自律神経のバランスを乱すため不眠を招きます。また、過剰にカロリーを消費しすぎると、カロリー不足を引き起こすことにもつながるのです。
どうしても、ダイエットには運動が欠かせないと考えていまいがちです。しかし実際には、ダイエット成功の鍵は80パーセント以上を食事が握っているのです。もちろん、運動をすることは、健康的に痩せるために役立ちます。ただ、基本的にダイエットのためにハードな運動は必要ありません。
ダイエットを成功させるために有効な運動は、筋トレなどの無酸素運動ではなく有酸素運動です。
無酸素運動は自律神経のバランスを崩してダイエットを妨げる可能性があります。自律神経の活動が乱れると、ホルモンのバランスも悪くなるため太りやすくなります。それに対して有酸素運動は、自律神経を整える効果があるため、健康的なダイエットをサポートしてくれるのです。
つまり、ハードな運動は睡眠障害を招くだけでなく、そもそもダイエットには不要なのです。
こうしたことから、ダイエット中にはハードな運動は避けるべきだといえます。もちろん、筋トレも正しい方法で行えば、ダイエットの効果を高めることに役立ちます。
<関連記事>
cate31/en590.html”>ダイエットで成功するための効果的な筋トレ方法

ダイエット中のストレスを解消する

ダイエット中には、何かとストレスがたまりがちです。既に述べたように、ストレスは自律神経の活動を乱して不眠を招きます。また、ストレスはダイエットを断念させることにもつながります。
そうしたことを避けるためにも、ダイエット中にはストレス解消を目的とした活動を行うことが大切です。
例えば、有酸素運動やピラティス、ヨガといった運動はストレス解消法として有効です。また、アロマセラピーなどもストレスを軽減させる効果があります。
ストレスを解消する方法は、あなたが楽しいと感じることであれば何でも良いです。とにかくダイエット中には、ストレスを解消するものを意識して生活に取り入れるようにしましょう。
今回述べたように、ダイエット中に起こる睡眠障害にはいくつかのパターンがあります。ただ、ダイエット中に起こる睡眠障害のほとんどは「カロリー不足」「栄養不足」「過剰な運動」の3つが原因となっています。
そして、適切な方法でダイエットを行えば、これらの問題が起こることはないため、睡眠障害を引き起こすこともありません。
こうした事実を踏まえた上で、ダイエット中で睡眠障害に悩まされている人は、一度ダイエット方法を見直すことが大切です。