食物の消化の仕組みと内臓の疲労

私たちは食物から栄養分を摂取しています。食物からエネルギーを生み出すことで、体温を維持できます。また栄養素によって細胞が成長して生まれ変わり、筋肉の運動を可能にしています。

 

食物の消化について普段意識することはあまりないでしょう。ただ、その消化の仕組みを知ることで。よりよい食事の仕方や食べ方について目を向けるきっかけとなります。

 

 食物の8mの旅
口に始まり、肛門に至るまでの直接食物が通る管を「消化管」といいます。この消化管の外側にある臓器の、「すい臓」「肝臓」「胆のう」を合わせて「消化器系」と呼びます。

 

消化管の長さは8m前後あると言われています。食物は口から入り、肛門から外に出るまでおよそ1日をかけて通っていきます。その間に食物は、さまざまな消化液や酵素と交じり合いながら、人の身体にとって吸収しやすい形に変わっていきます。そして、栄養素がこし取られたあとは排泄物となって体外に出ていきます。

 

このとき、消化管は以下の順番で構成されています。

 

①口
②のど
③食道
④胃
⑤大腸
⑥十二指腸・小腸
⑦直腸・肛門

 

それでは、以下にそれぞれの働きについて解説していきます。

 

・口
口は食物を取り入れる入り口です。食物をくだき、唾液を分泌しています。唾液には「アミラーゼ」という酵素が含まれており、糖質(デンプン)を分解して吸収しやすい形に変えてくれます

 

また、唾液の水分によって食物が食道を通って胃に到達しやすくなります。

 

・のど
のどは「肺に続く気管や鼻に食物が入らない」ようにコントロールしています。飲み込む時に喉頭蓋(こうとうがい:気管にふたをする)や軟口蓋(なんこうがい:鼻にはいらないように動く)が働くことで、空気の通り道である気管や鼻にうまくふたがされます。

 

食事中にむせるのは、この喉頭蓋の働きと、食物を飲み込むタイミングがうまくいかないときに起こります。

 

・食道
のどを通った食物は、食道を通過します。食道は蠕動運動(ぜんどううんどう:筋肉が波打ち、しわをたぐるように動くことで、少しずつ内部の物体を動かせる)により、胃に食物を送っていきます。

 

また食道は、胃に入った食べ物や胃液が逆流しないように弁としても機能します。逆立ちをしても胃に食物を送ることができると言われているのは、この食道の働きによるものです。

 

・胃
胃では、胃液を食物と混ぜて消化していきます。また、強い酸性により身体にとって不要な細菌を殺す殺菌作用もあります。そして、胃自身が胃液で溶けてしまわないように、胃の表面は粘液で覆われています。普段はこの胃液と粘液のバランスが取れています。

 

しかし、ストレスが多かったり、慢性的に悩みを抱えていたりすると胃液の分泌が多くなり、「胃潰瘍」といって胃が溶けてしまう病気になります。胃の中でも蠕動運動が行われており、食物をうまく胃の中でとどめながら、効率よく消化していきます。

 

・十二指腸・小腸
胃から先は小腸となります。十二指腸に送られた食物は、膵液(すいえき:胃液で酸性になった食物を中和する)や胆汁(たんじゅう:脂肪を吸収しやすくする)によってさらに吸収の効率を高めていきます。

 

十二指腸を経ると、空腸と回腸になり、これらを合わせて小腸といいます。小腸では糖質・脂質・アミノ酸などが吸収されます。小腸の内側は絨毛(じゅうもう)という構造になっており、表面積を増やして栄養素を無駄なく吸収しやすくなっています。

 

・大腸
栄養素が吸収されなかった残りの部分は大腸に送られ、水分が吸収されます。大腸に入った段階では柔らかかった食物も、大腸を出ることには固体に近くなっています。

 

・直腸、肛門
大腸から送られた残り部分は集められて便となり肛門から体外に排出されます。
これが消化と吸収の過程です。

 

 消化器官の相互作用と疲労
消化器官はそれぞれの組織が適切に働くことが重要です。十二指腸に食物が貯まると、胃からこれ以上食物を送らないようにサインを送っています。胃の働きが落ちていると、胃に溜まった食物をどんどんと十二指腸や小腸に流してしまうため、十分に消化ができないまま消化管の中をすすんでしまいます。

 

胃で消化しきれない食物は、小腸や大腸の負担になります。消化しきれていない食物から栄養素を吸収しようと小腸が長時間活動することになったり、栄養分を吸収しきれなかった食物が大腸に流れることで、大腸の中で食物が腐敗しやすくなったりします。

 

食べ過ぎによる過剰な消化器への負担は、身体の緊張も招きます。例えば、胃に一気に食物が入ると、常に胃が活動することになります。身体は動き続けると疲れてしまうように、消化器をはじめとする内臓も同じように過剰な活動によって疲れてしまいます。

 

そして、内臓の疲労は神経支配を通して周辺の筋肉の緊張や痛みとなって現れます。お腹が痛いときに、自然と前かがみの姿勢になってしまうように、内臓の疲れは身体にも現れます。

 

私たちの身体は、食べたものからできています。絶え間なく活動する消化管や内臓の働きによって、私たちが活動できているのです。「肌の調子が悪い」「疲れやすい」という方は、「その分だけ身体にいいものを食べよう」という思考から一度離れ、それよりも消化管と内臓をゆっくり休めてみてはいかがでしょうか。

食欲コントロールダイエットの極意を授けます:無料メルマガ登録


dietmail


食物の消化の仕組みと内臓の疲労 関連ページ

整体やスポーツの施術者に必要な「固有受容器」のセンサー機能
姿勢維持における首の重要性
運動機能の理解に必要な関節の役割
施術者の緊張状態が取れると、施術やトレーニングの効果が高まる
歩行のメカニズムと筋肉の動き
日常生活では欠かせない股関節の働き
体幹の役割と体幹を構成する骨・筋肉
呼吸の質を高めるための筋肉と骨の動き方
上肢の構造と機能
運動パフォーマンスを向上させる筋肉の特性と反射
スポーツのパフォーマンス向上に役立つ身体の緊張を取る方法
スポーツの運動パフォーマンスが低下する要因
スポーツのパフォーマンス向上に必要な関節の機能
日常生活やスポーツでの水分補給の重要性と摂取のタイミング
猫背や反り腰など、姿勢が悪くなることの弊害と影響
体脂肪率は姿勢や運動、水分量で測定値が変わる
ロコモティブシンドロームを運動と食事から予防する
自律神経の乱れによる身体の不調と整え方
筋力トレーニングのメリット:姿勢、代謝、疲れにくい身体
筋力トレーニングを行う際に必要な8つの原則
スポーツでも発生しやすい腰椎椎間板ヘルニア
成長期の子供に多い「オスグッド・シュラッダー病」の原因と対策
ジャンプ動作をするスポーツで起こりやすい「ジャンパー膝」
外反母趾の影響と対策

サイトマップ
HOME ダイエットメルマガ ダイエット相談 プロフィール 出版本 お問い合わせ