その他体に関すること

猫背や反り腰など、姿勢が悪くなることの弊害と影響

あなたは、普段どのような姿勢をしているでしょうか。仕事や生活スタイルによって身体はさまざまな姿勢をとっています。特にデスクワーク中心の仕事をしている方は、姿勢の悪さが悩みということも多いのではないでしょうか。無理な姿勢であると、内臓や外見にまで影響を与えてしまいます。
そこで、「姿勢が悪い」ことでどのような影響が身体に起きているのかをみていきましょう。
 良い姿勢とは
まず「良い姿勢」について明らかにしていきます。解剖学的に見ていくと、立ったときに「耳の穴-肩峰(鎖骨の端:腕に近い部分)-大転子(足を曲げた時に触れる外側の出っ張った骨)-膝関節(膝のお皿の裏側)-外くるぶし」が一直線に並んでいる姿勢が良いとされます。
この姿勢で立つことができていると、重力に対して必要最小限の力で立てている状態です。
また、上述のラインが一直線に整っているだけでなく、脊柱(背骨)のカーブも重要です。本来脊柱は、首から腰にかけてS字にラインを描きます。このS字のラインが、頭の重さや歩行・走行時の身体にかかる衝撃を和らげます。
 悪い姿勢とは
脊柱のS字のカーブが大きすぎたり、一部が直線的になったりしていると、特定の筋肉が働き続けることになります。その状態が、肩こりや腰痛の原因となるのです。ご自身の姿勢が悪くなっていないかを確認する方法があるのでやってみましょう。
まず、壁に背中をつけて立ちます。このとき、無理に良い姿勢をとろうと意識をせずに普段の姿勢をとるようにします。そして壁と身体の隙間の大きさを確認しましょう。
頭が壁から離れていると、猫背気味です。腰と壁の間に手を入れて、その手がスッポリと入ってしまうくらい隙間があると反り腰気味です。
このようにして、姿勢の良し悪しを判断していきます。
 猫背の影響
猫背の姿勢は、頭の重さを背骨の首の骨(頚椎)や胸の骨(胸椎)で支えられなくなります。そこで頭の重さに耐えるため、首や背中の筋肉を緊張させます。その緊張が続くことにより、肩こりや首こりの原因になるのです。
また、猫背は内臓の働きに影響を及ぼします。猫背は胸郭(肺などを収めている空間で、肋骨が覆っている)にも頭と腕の重さがかかりやすくなります。そのため、肺が十分に広がらず呼吸の妨げになります。呼吸が浅くなると、ガス交換がうまくいかず老廃物の排出などの代謝が起きにくくなります。
さらに呼吸は、自律神経とも関わりがあります。浅い呼吸は交感神経(体を活発に働かせる神経)を優位にさせるため、身体が休まらず疲れやすかったりストレスが減りにくくなったりします。
同様に、腹部にも頭の重さがかかりやすくなります。腹部への重さは胃腸を圧迫し、働きを妨げます。消化不良や栄養の吸収力も悪くなるでしょう。
それだけではありません。猫背は外見にも影響します。背中を丸めて立っている人は、どこか自信がないように見えたり、年齢より老けて見えたりすることはないでしょうか。
猫背は頭が前に倒れ、顔が地面を向きやすい姿勢です。顔が地面を向くと、顔の筋肉が重力に引っ張られ、顔がたるみやすくなります。そのため、このような姿勢は老けて見えやすくなるのです。
顔だけではなく、胸やお腹も影響を受けます。胸が前かがみになっているため、バストが下に落ちやすく、お腹もたるんでいるように見えます。
 反り腰の影響
一方で反り腰は、骨盤が水平よりも前に倒れ腰椎のカーブが大きくなっている状態です。この姿勢は、お腹が前に出るような姿勢のため、お腹が出ているように見えやすくなります。
また、腰骨の衝撃緩衝材としての役割が減るので、上半身の重さを周辺の筋肉で支える必要があります。その結果、腰痛を引き起こす原因となるのです。
このように、姿勢が悪くなることには多くのデメリットがあります。反対に、良い姿勢をとることができると、「肩こりが楽になる」「呼吸がしやすく、朝すっきり起きられる」「顔が引き締まって見える」など良いことずくめです。
ご自身の身体をチェックして姿勢を改善し、快適な毎日を過ごしましょう。