スポーツのパフォーマンス向上に必要な関節の機能

運動のパフォーマンスを上げるのに、必要なことは何でしょうか。パフォーマンス向上に重要なのは、スポーツ特有の技術(スキル)や筋力、フォームだけではありません。必要な要素は、「身体の構造」と「関節と筋肉の運動性」です。

 

つまり、身体の仕組みを変えて動きの質を向上させることが重要です。例えば理想とするフォームがあったとしても、その動きを実現する関節の可動域がないとしたらどうでしょうか。動かない身体で無理にフォームを習得しても、関節に負担がかかるか、元のフォームに戻りやすいでしょう。

 

もちろん、スキルや筋力も必要ではありますが、身体がそもそも運動に適している状態ではなかったり、関節と筋肉が適切に運動できなかったりすると、そのスキルも有効に使うことができません。今回はその中でも、パフォーマンスを向上させるための「関節の運動性」についてみていきます。

 

 力の伝達がパフォーマンス向上のポイント
スポーツでは、自分の身体を効率よく動かしたり、ボールなどの物体に力を伝達したりする必要があります。「地面を蹴る」「ボールを投げる」「ジャンプする」といった動作は発生した力を四肢(手足)に上手く伝達していくことが重要です。

 

その力の伝達という役割を担っているのが「関節」です。関節は、関節を構成しているそれぞれの骨の関節面が適合している状態が望ましいです。言い換えると関節それぞれが噛み合っている状態です。

 

それでは、どのようにすれば関節がスムーズに噛み合うのでしょうか。これについては、関節の構造を理解しなければなりません。

 

 球関節の構造と求心位
肩関節は体幹と上肢をつなぐ関節です。それに対して、股関節は骨盤や体幹を動かすために働き、体幹からの力を下肢につなぐ関節です。この2つの関節の構造は「球関節」といい、人の関節の中でも最も可動性に富んだ関節です。関節が凹凸で収まる構造になっていることで、四肢の自由な動きを実現するために役立っています

 

球関節は、多数の筋や靭帯・関節の組織で構成されることで多方向に動かすことができます。そのため、この2つの関節で誤った使い方をすると、負担がかかりやすく傷害しやすいです。

 

この球関節は「求心位」をとることで、スムーズな運動が可能になります。求心位とは、例えば上腕骨場合、骨の凸部分(上腕骨頭)が、その関節を受け止める凹部分(関節窩)に近づくように位置することです。

 

筋肉には、関節を「安定」させるために働く筋肉があります。求心位がとれている状態とは、その関節を安定させるための筋肉が働いている状態です。例えば肩関節の場合、棘上筋、肩甲下筋などの筋肉が働くことで、上腕骨頭が関節窩により近づくことができます。

 

関節を安定させる筋肉が働き、求心位がとれることで「怪我のリスクが減る」「関節内の潤滑作用が高まる」というメリットがあります。そこで、それぞれのメリットについて確認してみましょう。

 

 怪我のリスクが減る
関節を安定させる筋肉が働いていないと、骨を大きく動かすための筋肉の働きに関節の組織が引っ張られるように動きます。その結果、関節を構成している靭帯や細かな筋を痛めてしまうのです。

 

腕を挙げる例を考えてみます。腕を挙げるときには、上腕骨頭が関節窩に収まる位置をとったうえで、三角筋や僧帽筋が働くのが理想的な動きです。この機序が逆になり、関節が収まる前に三角筋や僧帽筋が働いてしまうと、骨と関節包といった組織が衝突してしまい、痛みにつながることもあります。

 

また、求心位を取れている状態は、三角筋や僧帽筋のような身体の表面に近い大きな筋肉が「安定」ではなく、「運動」のために働きます。本来発揮すべき力を、「骨を動かすこと」ことに動員できるので大きな力を発揮できるようになります

 

 関節内の潤滑作用が高まる
関節内に圧力がかかると、関節内にある「滑膜」という組織から潤滑液である「滑液」が分泌されます。この潤滑液の分泌により、関節同士が滑るように動きやすくなります。この滑液は、関節内の組織がぶつかったり、摩擦が起きたりしないように関節のスムーズな運動を助ける役割があります。

 

このように関節は、運動するための力を安定して伝達する機能があります。繰り返しの技術練習や筋力トレーニングをしてもなかなか結果が出ないという方は、関節の運動について確認してみましょう。関節のそれぞれの動き方を理解し見直すことで、スポーツのパフォーマンスは向上していきます。

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