副腎疲労症候群(アドレナルファティーグ)とは:病態、症状

障害の予防や治療を行う上で、「不定愁訴」について考えることは重要です。不定愁訴とは、血液検査やレントゲンといった病院で行う検査では異常が見つからないにも関わらず、頭痛や慢性疲労、全身的な痛みなど、さまざまな不調を訴えるような状態を指します。

 

つまり、明らかに不調が現れているにも関わらず、病院で原因不明と診断されるものです。

 

そうした不定愁訴を引き起こす原因の1つに、「副腎疲労症候群(アドレナルファティーグ)」が挙げられます。副腎疲労症候群とは、「副腎」と呼ばれる臓器が、疲労して機能しなくなった状態を指します。この病気は、一般的に行われる検査では見つかりにくく、病院でも原因不明と診断されることが多いです。

 

そのため、頭痛や疲労感、脱力感といったような不調があるにも関わらず、病院で適切な診断、治療を受けることができていない人は、もしかしたら副腎疲労症候群が原因かもしれません。

 

アドレナルファティーグは、病院ではなかなか診断されないため、あなた自身が副腎疲労症候群について学んで理解し、解消することが大切です。

 

そこで今回は、「副腎疲労症候群の病態や症状」について解説します。

 

 副腎とは
副腎疲労症候群を学ぶ際に、「そもそも副腎という臓器のイメージがつきにくい」という人は多いと思います。内臓の中でも、胃や腸は想像しやすいものです。それに対して副腎は、専門的に解剖学を勉強した人でないと、なかなか明確にイメージすることが難しいです。

 

副腎とは、腎臓の上方に付着する臓器です。簡単に場所を説明すると、「みぞおち」の高さに位置する背骨の左右に1つずつ存在しています。いわゆる、「腰」と呼ばれる部位の少し上側にあります。

 

そうした副腎の役割は、主にストレスへの対処になります。

 

副腎からは、「カテコールアミン」や「ステロイド」と呼ばれるようなホルモンが生成・分泌されます。カテコールアミンには「アドレナリン」「ノルアドレナリン」、ステロイドホルモンには「糖質コルチコイド」「膠質コルチコイド」「アンドロゲン」といったホルモンが含まれます。

 

アドレナリンなどのカテコールアミンは、身体に負担がかかった際に、そのストレスに対応するような反応を引き起こす働きを持っています。

 

例えば、激しい運動を行った際には、心臓や筋肉などには多くの酸素が必要になります。そのため、呼吸数や心拍数を増やすことで、心臓や筋肉などに運動量に見合った酸素が供給されます。

 

そのときに、肺や心臓に作用して呼吸数や心拍数を増大させるのがカテコールアミンです。

 

その一方でステロイドホルモンは、身体に炎症やアレルギー反応が起こったときなどに、それらの反応を抑える作用があります。関節リウマチなどの、炎症が主な問題である病気や、喘息やアトピーといったアレルギー疾患の治療では、こうしたステロイドが持つ抗炎症、抗アレルギー作用を期待してステロイド薬が用いられます。

 

またステロイドホルモンは、炭水化物(糖質)やタンパク質、脂質の消化・吸収にも大きく関係します。そのため、副腎が疲労してステロイドホルモンの生成・分泌が悪くなると、食べた物からスムーズにエネルギーを生み出すことができなくなります。

 

脳でも心臓でも、細胞が活動するためには必ずエネルギーが必要になります。つまり、副腎が疲労してエネルギーを作り出せないと、栄養不足の状態となり、さまざまな臓器の活動が悪くなります。

 

その結果、疲れやすくなったり、頭がボーっとしたりといった症状が出現します。

 

こうしたことから副腎は、ホルモンの合成・分泌によって、「ストレスに対する体の反応を引き起こす」「炎症やアレルギー反応を抑える」「体に必要なエネルギーを生み出す」といった役割を持つ臓器だといえます。

 

 副腎疲労症候群とは
副腎疲労症候群(アドレナルファティーグ)とは、その名の通り「副腎が疲労して正常に機能しないことで、さまざまな不調が引き起こされている状態」のことをいいます。

 

既に述べたように、副腎からは主にカテコールアミンとステロイドホルモンが合成・分泌されます。副腎疲労症候群になると、副腎がこれらのホルモンを作ることができなくなることが原因で、多様な症状が出現します

 

そして、副腎の働きが悪くなる要因はいくつもあります。

 

例えば、リウマチなどの体に強い炎症が起こる病気を長く患っていると、炎症を抑えるために副腎は大量のステロイドホルモンを作って分泌し続けます。その結果、副腎が疲労してしまう可能性があります。

 

その他にも、精神的なストレスを受け続けると、副腎はストレスに対応するためにアドレナリンを分泌します。そのため、強いストレスを受けたり、長い間ストレスが続いたりすると、副腎の働きは悪くなります。

 

このように、副腎疲労症候群は「副腎に負担をかけるストレスや病気 → 副腎への過剰な負荷 → 副腎の疲労 → 副腎ホルモンの合成・分泌低下 → さまざまな不調が出現」という過程によって発症します。

 

以下に、副腎に負担をかける(副腎疲労症候群の原因となる)要因の例を記します。

 

・感染症
・精神的なストレス
・過剰な運動、労働(身体的ストレス)
・食生活の乱れ(砂糖や精製炭水化物、アルコール、カフェインの過剰摂取)
・睡眠不足
・怪我

 

副腎疲労症候群は、こうしたさまざまなことが原因となり、副腎に過剰な負担がかかることによって起こる病気です。

 

 副腎疲労症候群の症状
ストレスや病気などによって副腎に過剰な負担がかかると、最終的には副腎が働きにくくなって副腎疲労症候群を発症します。そして、副腎疲労症候群になると、さまざまな不調が出現することになります。

 

既に述べたように、副腎で作られるステロイドホルモンには、炎症やアレルギーを抑える働きがあります。そのため、副腎疲労症候群の人は、炎症やアレルギーを発症しやすかったり、それらが治りにくくなったりします。

 

また、ステロイドの一種である「コルチゾール」というホルモンは、朝に多く分泌されます。そして、コルチゾールは血圧や心拍数、血糖値を高めて、体が活動できるような状態を作ります。こうしたことから、副腎が疲労してコルチゾールが作られなくなると、朝起きるのがつらくなります。

 

さらに、通常であれば精神的なストレスを受けたときには、アドレナリンなどが分泌されてストレスに対応しようとします。ただ、副腎疲労症候群を患っていると、そうした反応が起こらなくなるため、無気力になったり、うつ状態になったりします。

 

このように、副腎で作られるホルモンにはさまざまな働きがあるため、副腎疲労症候群になると多様な不調が生じます。

 

そこで以下に、副腎疲労症候群によって起こる代表的な症状の例を記します。

 

・目覚めが悪い、朝起きられない
・疲れが取れない、寝ても疲労感が残る
・塩辛いものを過剰に好むようになる
・常に倦怠感があり、何もやる気が起きない
・ちょっとしたことで疲れる
・性欲がなくなる
・ストレスに対応できなくなる。その結果、イライラしたり過食やタバコ、飲酒を止められなくなったりする
・病気や怪我がなかなか治りにくくなる
・立ちくらみがする
・うつっぽくなる
・PMS(月経前症候群)が悪化する
・頭がボーっとする
・記憶力が悪くなる
・夕食後に元気になる

 

このように、副腎疲労症候群になると、さまざまな不調が出現します。これらの症状を持っており、病院で原因不明と診断されている人は、副腎疲労症候群である可能性があるため注意してください。

 

今回述べたように、不定愁訴を引き起こす病気の1つに副腎疲労症候群(アドレナルファティーグ)があります。ただ副腎疲労症候群は病院に通っても、原因不明とされて適切な診断と治療を受けることができない場合が多いです。

 

そのため、あなた自身が副腎疲労症候群について理解しておくことが大切です。こうした副腎疲労症候群の基礎を知ることが、あなたの不定愁訴を解消する第一歩になります。

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